茨城県庁の男性職員が2024年10月、副知事によるパワーハラスメントを訴える遺書を残して自殺した。県が調査のため設置した第三者委員会が、「パワハラはなかった」と結論づける一方で「副知事の言動に全く問題がなかったわけでもない」と付言していたことが判明した。県は報告書の概要を発表した際に、問題を指摘されたことは伏せていた。
県は報告書を公表していないが、毎日新聞は関係者からA4判21ページの報告書全文と遺書を入手した。
報告書によると、男性は22年4月に秘書課に配属された。23年12月に飯塚博之副知事(62)が就任すると、その秘書として日程調整などに当たっていた。
遺書では飯塚氏の名前は明記されていなかったが、「あの副知事の下で仕事するのは限界」「今まで経験したことのない数の叱責、非難の言葉を受けてきた」「人格を否定されるような言葉も飛ぶ、パワハラと呼べるものだと思う」などとつづられていた。
遺族の要望を受け、県は24年11月、弁護士や公認心理師ら4人から成る第三者委を設置した。議論は全て非公表とした。
報告書に1.5ページ分の「付言」
第三者委は遺書の内容の確認や、遺族や同僚らへの聞き取りを行い、男性のパソコンや携帯電話の履歴なども調べた。25年2月に報告書を県に提出。叱責があったと認めたものの「業務の適正な範囲を超えているとはいえない」としてパワハラと認定せず、遺書の文言や自殺には複合的な背景があったと推認した。
一方で、文末に1・5ページ分の「付言」を盛り込み、その過半で男性が「パワハラを受けて…
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