川崎遺体遺棄事件 元交際相手 死体遺棄と損壊の罪で起訴

川崎市で女性の遺体が遺棄された事件で、元交際相手が遺体を焼損したうえ、自宅の床下に放置したとして起訴されました。
元交際相手は女性が行方不明になる前のストーカー行為について認めていたということで、警察は引き続き女性が死亡したいきさつについて捜査を進めることにしています。

起訴されたのは川崎市川崎区の無職、白井秀征 被告(27)です。

起訴状などによりますと去年12月から先月までの間に以前、交際していた岡崎彩咲陽さん(20)の遺体を焼損させたうえ、袋やバッグに入れて自宅の床下に放置したなどとして死体遺棄と損壊の罪に問われています。

捜査関係者によりますと遺体を包んだ袋から見つかった指紋が被告のものと一致したということです。

検察は認否を明らかにしていません。

元交際相手は逮捕前に行われた警察の任意の事情聴取で女性が行方不明になる前にストーカー行為をしたことを認めていたということで、警察は引き続き女性が死亡したいきさつについて捜査を進めることにしています。

この事件をめぐっては神奈川県警察本部が被害者側への対応や当時の捜査の状況などについて、検証するチームを設置し問題がなかったか確認を進めています。

父親 “捜査進め 真実を明らかに”

元交際相手が起訴されたことについて岡崎彩咲陽さん(20)の父親や祖母が23日夕方、取材に応じました。

この中で、父親の岡崎鉄也さんは「娘がいつ、なぜ死亡したのか、まだ何も分からないので警察には捜査を進めて明らかにしてほしい。分からないままだと娘がかわいそうだ。娘にはまだまだ頑張ると伝えた」と話していました。

また、祖母の岡崎須江子さんは「孫の命日がいつなのかも分からない。去年の12月20日に行方が分からなくなってから5か月がたったが、まだそんな状態だ。警察に対しては信用できないという気持ちもあるが、捜査で真実を明らかにしてほしい」と話していました。

これまでの経緯は

今回の事件では、岡崎彩咲陽さん(20)の遺族などが元交際相手の白井秀征 被告(27)からのストーカー被害などを相談したものの警察が十分な対応をしなかったと訴えています。

神奈川県警が被害者への対応を始めたのは去年6月で、当時交際していた被告とのトラブルについて本人から「彼氏とケンカになった」という趣旨の通報を受けてだということです。

警察官が対応し祖母の家に避難させる措置をとったとしています。

また、去年9月には、父親から「娘が元交際相手から暴力を受けた」という趣旨の通報があったということで、警察官が被害者に話を聞いたところ、「刃物を向けられた」と説明したことから被害届を受理したとしています。

この被害届について警察は、元交際相手と復縁していた被害者自身が「事実と異なる説明をした」として去年10月、取り下げたとしています。

一方、父親は元交際相手から「『被害届を取り下げなかったら殺すぞ』と脅され、取り下げることになった」と話しています。

その後、警察は、2人の関係が継続していたとみられていたことから、交際中の男女間のトラブルとして対応し被害者の意向も確認しながら必要な措置を講じてきたとしています。

被害者の行方が分からなくなったのは去年12月20日で、この月の上旬から中旬にかけては本人から「元交際相手が自宅近くをうろついている。パトロールしてほしい」などという電話が川崎臨港警察署に9回、寄せられたということです。

これらの通報に対して警察は「元交際相手と連絡を取らないこと」などのアドバイスをしたほか、パトカーを出して警戒する対応もしたとしています。

被害者が行方不明になってから2日後の去年12月22日には、身を寄せていた祖母の自宅の窓ガラスが割られているのが見つかりました。

警察は現場を確認したほか、直ちに元交際相手の自宅の確認もしたとしていますが、祖母は「警察官からは『事件性はない』などと言われた」と訴えています。

警察はこの日からことし3月までの間に7回、元交際相手に任意で事情を聞いていましたが、行方不明への関与についてはいずれも否定したとしています。

一方、一連の事情聴取のうち、去年12月26日に行われた3回目とことし3月25日の7回目に、ストーカー行為については認める説明をしたということです。

元交際相手は、先月2日に出国し、その後、警察がストーカー規制法を適用して先月30日に自宅を捜索したところ、被害者が遺体で見つかりました。

元交際相手は今月3日、アメリカから帰国して逮捕され、検察は23日、死体遺棄と損壊の罪で起訴しました。

神奈川県警察本部は、被害者側への対応や当時の捜査の状況などについて、検証するチームを今月9日に設置し、問題がなかったか確認を進めています。

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