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漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

熟語の読み・一字訓読(その31) 辜

2015年03月16日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●しばらくお休みしていましたが、「熟語の読み・一字訓読」(その31)です。(その30)までは実践問題として掲載していましたが、今回は問題形式ではありません。
●吉田松陰全集を復習していて「辜負」が気になったのと、「辜月」の意味がネットで調べてもよくわからなかったので、「辜」について諸橋大漢和・字通で独自に調べてみました。補足等はネット等で掲載されていたものを抜萃しています。

辜:コ、つみ、とが、はりつけ、そむ(く)、ひとりじ(め)
「つみ、とが」:不辜(フコ)、無辜(ムコ)、辜科(コカ)=つみとが 
「はりつけ」:辜磔(コタク):はりつけにする 辜戮(コリク):①罰して殺す、 ②磔にして殺す=磔刑
「そむ(く)」:辜負(コフ)=孤負、そむく
「ひとりじ(め)」:(辜カク:「カク」は対象外漢字:利益を独占すること)、辜較(ココウ):あらまし、大略・・・転じて、財利を総括して独占すること
 (2017.3.26補筆) 
 *漢検2には「ひとりじ(め)」訓の掲載はナシ。
 *大字源では「辜較」は、
  辜較:🈩コカク:辜榷(コカク)に同じ。🈔ココウ:あらまし。大略。梗概。  
  辜榷(コカク):権力などにより、財貨・利益の独占をはかる。(*「榷」は1級対象外)
 *大字源では、「ひとりじ(め)」という意味では「辜較」は“コカク”と読んでいる。字通・大漢和は上記とおり、コカク・ココウどちらでも「ひとりじ(め)」に対応しそうである。


(その他)辜月(コゲツ):陰暦11月の異称。(爾雅・釈天)「十一月 為レ辜、十二月為レ涂)。」(郝懿行義疏)「辜は故なり、十一月陽生、欲ニ革レ故取-レ新 也」(故を革め、新を取るを欲す也?) 郝懿行義疏:(カクイコウ)が 爾雅を注釈した『爾雅義疏』のこと。釈天:「正月為陬、二月為如、三月為寎、四月為余、五月為皋、六月為且、七月為相、八月為壯、九月為玄、十月為陽、十一月為辜、十二月為涂」
<補足(11月の異名)>上記と下記を読むと、要するに、 「辜月」は「陽復」と同じような意味かと思います・・・。
●「陽復」も11月の異名・・・=【一陽来復】(陰がきわまって陽がかえってくること、冬が去り春が来ること、悪い事ばかりあったのがようやく回復して善い方に向いてくること)
●易の卦では陰暦(旧暦)十月は「坤為地(コンイチ)」と言って、陰陽で言えば全て陰だけで構成されている純陰の卦を持つ月。これに対して、冬至を含む月である十一月の卦は「地雷復(チライフク)」という卦を持つ。この卦は、十月では消えてしまった陽の卦がわずかに戻ってくることを表している由。
 (参考)「爾雅」:中国最古の類語辞典・語釈辞典。現行本は3巻・19篇。一種の意味別語彙集。「釈詁(しゃくこ)」「釈親」「釈天」「釈草」「釈虫」など19の部門に分けて、漢字の意味を説明する。書名は「雅(タダ)シキニ爾(チカ)ヅク」、つまりこの書によって古典を正しく読解できる、との趣旨・意味がある由。

👋👋👋 🐑 👋👋👋
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その30) 詒 渫 趁

2014年10月08日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その30)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。なお、今回30回という区切りなので、これから一時休載します。再開は26ー②終了後を予定しています(^^;)この、「熟語の読み・一時訓読」シリーズは、予想どおり、大変な手間暇がかかりそうです。まだまだ始まったばかりですが、26-③に向けた課題ということでご了承ください。👋👋👋

問題1 「詒」 ① 詒欺(タイギ) - 詒(あざむ)く  ② 詒謀(イボウ) ー 詒(お く)る  ③ 詒託(いたく) - 詒(の こ)す

問題2 「渫」 ① 清渫(セイセツ) - 渫(さ ら)う  ② 奥渫(オウセツ) - 渫(け が)す   ③ 渫雨(セツウ) - 渫(も ら)す   
④渫黷・渫涜(セツトク) ー 渫(あなど)る

問題3 「趁」 ①趁食(チンショク) - 趁( お )う  ②趁船(チンセン) -趁(のりこ)む  ③趁暖(チンダン)  - 趁(おもむ)く

<解説(周辺知識等)>
問題1 詒:タイ、イ、あざむ(く)、おく(る)、のこ(す)
①詒欺:あざむくこと。この「詒」の音読みは「タイ」ですので要注意
②詒謀:「のこす」意もあると思いますが、大漢和に「厥(そ)の孫に謀を詒(おく)る:詩経・大雅」とあり、これが古訓となっていたので「のこす」意としました。
③詒託:ことよせる。他に、「詒肄(イシ):労苦をのこす」←「肄」は「肆」の譌形(カケイ:あやまった形)とみられる由(字通)。

問題2 渫:セツ、チョウ、さら(う)、けが(す)、も(らす)、あなど(る)
①清渫:さらって清める。他に、「浚渫」「井渫」「吸渫」など
②奥渫:汚れている。他に「なれる、あなどる→「狎」に通じる(大漢和)」意もあるとの説もある由。④の「渫黷・渫涜」にも「けがれる」意あり。
③渫雨:雨漏り、雨をもらす。
<周辺知識>「渫」には、他に、「ちらす」「水のさま」の意があるようです。「渫血(チョウケツ):血しぶき」「渫渫(チョウチョウ):波立つ、波の連なるさま」

問題3 趁:チン、ゆきなや(む)、お(う)、のりこ(む)、おもむ(く)
①趁食:食を趁(お)う→食を求める。他に、同様の意味合いで、「趁間:間をおう→機に乗じる」「趁韻:韻をおう→苦労し押韻する」「趁涼→涼を求める」・・・さらに、「趁走」「趁風」など
②趁船:船に乗り込む。他に「趁車」「趁勢:好機に、乗じる、乗り込む、つけこむ」
③趁暖:暖かな方へ赴き向かう。他に、「趁社:村の祭りにいく」「趁赴:でかける」「趁虚・趁墟:市場におもむく」など。
<周辺知識>「趁」の訓読み「ゆきなや(む)」に対応する熟語は一つだけ見つけましたが、対象外漢字でした。「趁テン:進まないさま、ゆきなやむさま」
この「テン」字は参考までに以下の字です。

 ←島根県立大学e漢字フォントの漢字フォントを使用しました。

👋👋👋👋👋👋冒頭にお断りしたように、26-②が終わるまで、以後、このシリーズは休載します。悪しからずご了承ください。👋👋👋👋👋👋
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その29) 忝 怡 怫

2014年10月05日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その29)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「忝」 ①忝官(テンカン) - 忝(はずかし)める  ②忝窃(テンセツ) - 忝(かたじけな)い

問題2 「怡」 ①怡説(イエツ) - 怡(よろこ)ぶ  ②怡顔(イガン) - 怡(や わ)らぐ

問題3 「怫」 ①怫鬱(フツウツ)  ー 怫(ふ さ)ぐ   ②怫恚(フツイ) - 怫(い か)る  ③怫戻(フツレイ) - 怫(も と)る

<解説(周辺知識等)>
問題1 忝:テン、はずかし(める)、かたじけな(い)
①忝官:官をはずかしめる(謙称)。他に「忝汚(テンオ)」:はずかしめ、けがす。
②忝窃:かたじけない。他に、同様の意味で、「忝私(てんし):めぐむ」「忝幸(テンコウ)・幸忝(コウテン):」「忝辱」「忝顔

問題2 怡:イ、よろこ(ぶ)、やわ(らぐ)
①怡説:よろこぶ。=怡悦 *「説」は、喜ぶ場合「エツ」と読む。他に、「怡懌(イエキ):心がよろこぶ」「怡予(イヨ):よろこび楽しむ」
②怡顔:にこやかに楽しむ、顔色をやわらげる。 他に、「怡然」:楽しむさま。「よろこぶ」にも対応するかも・・・。

問題3 怫:フツ、ハイ、ヒ、ふさ(ぐ)、いか(る)、もと(る)
①怫鬱:ふさぐ。気がふさぐ。他に、「怫怫(ふつふつ):腹立たしく、ふさぎこもるさま」←「いかる」にも対応するかも。
②怫恚:いかる。むっとする。他に、怫然(ふつぜん)。(注)「怫恚」を「ヒイ」と訓んでいる方もいるようすが、字通・大漢和とも「フツイ」だけですので、「フツイ」とします。
③怫戻:もとる、たがう。他に、怫逆(ふつぎゃく)、怫忤(フツゴ)、怫異(フツイ)。   (注) 「怫戻」を「ハイレイ」と訓んでいる方もいますが、字通・大漢和ともに「フツレイ」だけでしので「フツレイ」とします。
2017.10.22追記(大字源による調査分を以下に追加)
 ・大字源によれば、“フツ”、“ハイ”、“ヒ”の音分けアリ・・・だたし、上記熟語はすべて“フツ”でも読んでいる。
 ・大字源掲載熟語(1級対象外漢字を含む熟語は一つアリ・・・後記音分け熟語参照・・・)
  怫恚(フツイ):うっとして怒る。恚も、怒る。
  怫異(ハイイ・フツイ):くいちがう。
  怫鬱(フツウツ):心に憤り気がふさぐ。心がむすぼれる。同)弗鬱(フツウツ)・払鬱
  怫悦(フツエツ):出にくいさま。一説に、怫は思いのまだ出ぬさま。悦は、思いのかすかに出てくるさま。
  怫然(フツゼン):むっとして怒るさま。
  怫戻(ハイレイ・フツレイ):道理にもとる。同)悖戻(ハイレイ)・背戻 類)払戻
 ・一応、大字源では、
  🈩フツ(漢音):①ふさぐ。気がふさぐ。類)鬱 ②怒るさま。「怫然」 ③(畳・韻)怫鬱(フツウツ) (連綿)怫悦(フツエツ)
  🈔ヒ(漢・呉音)・フツ(慣用音):(畳・韻)怫+<「忄」+「胃」>(ヒイ・フツイ):①声の鬱積して落ち着かないさま。②勇躍するさま。
  🈪ハイ(漢音)・フツ(慣用音):もとる。たがう。「怫異」 同)悖(ハイ)
 となってるが、どの熟語も“フツ・・・”で読んでおけば問題なさそうではある・・・。
 ー参考ー
 (漢検2)
  怫:フツ・ヒ・ハイ いか(る)・もと(る) *「ふさ(ぐ)」訓の掲載はナシ
  意味:①いかる。むっとする。「怫然」 ②ふさぐ。気がふさぐ。「怫鬱(フツウツ)」 ③もとる。たがう。
  大見出し:怫然(フツゼン)
👋👋👋
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その28) 洒 捫 徇

2014年10月04日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その28)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「洒」 ①洒心(サイシン) - 洒(あ ら)う  ②洒涕(サイテイ) - 洒(そ そ)ぐ  ③洒濯(サイタク、セイタク) - 洒(す す)ぐ  ④洒腆(サイテン) -洒(つつし)む *2016.1.4訂正:「洒腆」→「センテン」が正しいようです。詳細は、「漢検1級 27-②に向けての学習状況  その95」(2015年10月15日)をご覧ください。
問題2 「捫」 ①捫心(モンシン) - 捫( な )でる  ②捫蘿(モンラ) -捫( と )る  ③捫蝨(モンシツ) -(ひ ね)る 、(ひねりつぶ)す

問題3 「徇」 ①徇陳(ジュンチン) - 徇(と な)える  ②徇財(ジュンザイ) - 徇(したが)う  ③徇察(ジュンサツ) -徇(め ぐ)る 

<解説(周辺知識等)>
問題1 洒:サイ、シャ、セイ、セン、ソン、あら(う)、そそ(ぐ)、すす(ぐ)、つつし(む)①洒心:心を洗う、悔い改める。他に、「あらい、すすぐ」意の熟語:「洒脱(シャダツ)」:俗気がなく、さっぱりしていること。あかぬけしていること。また、そのさま。洗ったようにさっぱりしている。「瀟洒(ショウシャ)」:=瀟灑:すっきりとあか抜けしているさま。俗っぽくなくしゃれているさま。「洒落(しゃらく)」=灑落:物事にこだわらず、さっぱりしていること。また、そのさま。洒々落々。「洒豁(サイカツ)」=開闊
②洒涕:=流涕:涙をそそぐ、流す。他に、「そそぐ」意の熟語:「洒掃(サイソウ)」=灑掃:(洒」・「灑」は、ともに水を注ぐ意。水をかけたり、ちりを払ったりして、きれいにすること。掃除。
③洒濯(サイタク・セイタク):洗濯する、あらいすすぐ、清潔にする、潔白にする。他に、上記①。
④洒腆(サイテン→センテンへ訂正):恭しく祭る。他に、「洒如(サイジョ→センジョへ訂正)」:恭しい、恭しくつつしむ。 *「うやまう、つつしむ」意のときは「セン」音よみ。
<周辺知識等>
●「洒」には上記のほか、①「おどろく、寒さに震える」の意 ②「高く切り立った、鮮やかなさま」の意 がある由。(大漢和)
 ①の熟語:洒淅(ソンセキ):寒いさま、ぞっとする、畏れはばかるさま。 洒洒(ソンソン):冷え込む、寒さにおののくさま。
 ②の熟語は見当たりませんでした・・・。
●「洒然(サイゼン)」にはさまざま意味がありようです。*2016.1.4訂正 「サイゼン」だけでなく、音による意味分けがあります。下記の大漢和の①は「ソンゼン」、②は「サイゼン」、③は「センゼン」、④は「シャゼン」・・・詳細は、「漢検1級 27-②に向けての学習状況  その95」(2015年10月15日)をご覧ください。  字通:①心が洗われる  大漢和:①おどろくさま ②水がそそぐさま ③つつしむさま ④心がさっぱりしてわだかまりがないさま
●四字熟語:円滑洒脱、軽妙洒脱、滑稽洒脱、洒掃応対、洒掃薪水、洒洒落落 (しゃしゃらくらく)
●その他「洒」の熟語 :「洒家(シャカ)」:「私」のこと、自称の語。余、己。「洒屑(サイセツ)」:粉茶、茶店の語。「洒墨(サイボク):揮毫」「洒派(サイハ)」:分派、分離。
しゃれ 「洒落」:動詞「しゃれる」の連用形・・・「洒落」は当て字。。「―を飛ばす」「―が通じる」「駄―」「―にならない」「お―をして出かける」「―者」など・・・「洒落者」「洒落本」もこの類い。
しゃら「洒落」: ①物事にこだわらず、さっぱりしているさま。しゃれているさま。いき。②しゃらくさいさま。生意気。③遊女。近世、越前でいう。 しゃらくさい(洒落臭い):しゃれたまねをする

問題2 捫:ボン、モン、な(でる)、と(る)、ひね(る)、ひねりつぶ(す)
①捫心:胸をなでること。他に「捫舌(モンゼツ)」:物が言えないこと(舌を強く押して撫磨する意)、「捫腹」:腹をなでる 「捫頭」:頭をなでる、「捫然」:なでさするだけで行動しないさま *「捫天」:故事(漢書)に「后、夢に嘗て天を捫(お)す」とあり、これも敢えて解釈すれば「ば「なでる」意かと・・・。「天を捫(お)す」という語句は吉兆ではないらしい・・・です。
②捫蘿:蘿(つた)をとる=つたにすがる意。他に、「捫月」など多数あるも略。
③捫蝨:放達の行為。人の前で虱をひねる:晋のころ、世俗の礼法を無視して捫蝨を風流とする俗があった由。
 
問題3 徇:シュン、ジュン、とな(える)、したが(う)、めぐ(る)
①徇陳:宣示すること。他に、「徇通」(あまねくとなえる)、「徇蔽」(かばうこと)「徇徳」・・・など。
②徇財:略。他に、「徇死」「徇名」「徇義」「徇節」「徇俗」「徇国」「徇難」「徇私」など。
③徇察:あまねく調べること 他に「徇行」=巡行。

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熟語の読み・一字訓読(実践問題その27) 曁 捐 搦

2014年10月03日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その27)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「曁」 ①<訓読み>両国商運を相争うに曁(お よ)んだ。(H20ー① 訓読み)   ②<訓読み>飛鳥清原大宮に大八州御しめしし天皇の御世に曁(い た)る    ③曁曁(キ キ)として実行した・・・。  ー 曁(いさま)しい

問題2 「捐」 ①捐館(エンカン) - 捐( す )てる   ②捐款(エンカン) - 捐(あ た)える  ③捐官(エンカン) - 捐( か )う

問題3 「搦」 ①捉搦(ソクジャク) -搦(か ら)める 、(しばりあ)げる  ②搦管(ジャクカン) - 搦( と )る  ④(訓読み)搦(からめ)手
 

<解説(周辺知識等)>
問題1 曁:キ、およ(ぶ)、いた(る)、いさ(ましい)
①問題文どおり。音熟語見当たらず。
②問題文どおり。音熟語見当たらす。
③曁曁:果断剛毅なさま(字通・大漢和) やむを得ず共にする意(大漢和)
<周辺知識等>
曁居(キキョ):獣の名。ハリネズミ(蝟)の一種。 曁羅女(キラジョ):美人の名。西施のこと。

問題2 捐:エン、す(てる)、あた(える)、か(う)
①捐館:館(やかた)を捨てる→貴人の死 =捐舎 *他に、「捐委(えんい):抛棄する」 、「捐命:命をすてる、死ぬ」
②捐款:寄附金のこと。*他に、「捐済」。
③捐官:官(職)を買うこと=「捐納」 *捐納:中国の諸王朝が臨時財源を補うため、人民に官爵などの資格を与えて金銭・穀物を納めさせた制度。「捐輸」、「捐例」、「貲選」、「開納」とも。

問題3 搦:ジャク、ダク、から(める)、しばりあ(げる)、と(る)、から(み)
①捉搦:捉拿、捕捉。「捉搦を加える・・・」と使う。「からめとらえてしばりあげる」意か・・・。
②搦管:筆を執ること。=搦翰=搦札=搦筆 「管を搦(と)り、觚を操りて・・・」 *他に、「搦戦(じゃくせん):挑戦すること」の熟語あり、「とる」意に通じているかも知れませんが、不詳。
(参考)操觚:「觚」は四角い木札。古代中国でこれに文字を書いたところから、詩文を作ること。文筆に従事すること。操觚界:文筆に従事する人々の社会。 操觚者:文筆に従事する人。著述家・記者・編集者など。
③搦手:搦め手とも。からめる人・捕手(大漢和)
<周辺知識等>
搦朽(じゃくきゅう):朽ちたものをみがく→不才な者が自らを激励すること。「搦」には「みがく」意もある ようです。

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熟語の読み・一字訓読(実践問題その26) 朶 戮 戳

2014年10月02日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その26)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「朶」 ①朶雲(ダウン) - 朶(し だ)れる  ②粗朶(ソ ダ) - 朶(え だ)  ③万朶(バンダ)の桜  - 朶(ひとふさ)  ④朶頤(ダ イ) ー朶(う ご)かす

問題2 「戮」 ①孥戮(ドリク) - 戮(こ ろ)す  ②戮力(リクリョク) - 戮(あ わ) せる  ③戮笑(リクショウ) - (はずかし)める

問題3 「戳」 ①戳死(タクシ) ー 戳( つ )く  ②戳紗(タクサ) - 戳( さ )す


<解説(周辺知識等)>
問題1 朶:タ、ダ、しだ(れる)、えだ、ひとふさ、うご(かす)
①朶雲(:他人からの書簡・手紙への敬称。唐の韋陟(いちょく)の故事(韋陟は五色に彩られた書簡箋を常用し「陟の字はまるで五朶雲(垂れ下がった五色の雲)のようだ」と言われたいう故事。)
②粗朶:「麁朶」とも。切り取った木の枝。薪などに用いる。
③万朶:ここの「朶」は助数詞>。枝についている花ぶさを数えるのに用いる。「万朶の桜」 雲や山など、かたまりになっているものを数えるのに用いる。「四、五の山の雨に粧へる色、両三行の雁の雲に点ずる秋」〈和漢朗詠・上〉
④朶頤: 頤(あご)を動かして食べること。食欲の盛んなこと。また、うらやみ欲しがること。「海路の要地なるを以て甚だ―せり」〈栗本鋤雲・匏菴十種〉「人々の-すべき珍羞(ちんしゆう)であらう/伊沢蘭軒 鷗外」 ・・・強国が弱国を征服・併呑しようとすること
<周辺知識①>「万朶の桜」なら「朶」は花を意味し、数える単位での「ひとふさ」。「千朶万朶」なら多くの花をつけている朶(えだ)の意味。
他に、。耳朶(じだ):みみたぶ。耳の下に垂れ下がったやわらかな部分。花朶(かだ):ひとかたまりの花)。
<周辺知識②>当て字で「羊歯・歯朶」:シダ植物の総称。また、「歯朶」は、新年の注連飾や鏡餅に添えられる飾り物の一つ。常緑であることから 子孫繁栄につながるとされる。葉裏が白いので裏白(ウラジロ)とも呼ばれ、めでたい夫婦の共白髪 に見立てられ る。また、二つの葉を左右対称に並べることから夫婦円満のシンボルとも・・・。
*出典は、杜甫の『江畔 獨(ひと)り步(ほ)して花を尋(たず)ぬ」と題した七言絶句。内容は略。

問題2 戮:リク、ころ(す)、あわ(せる)、はずかし(める)
①孥戮:一族を殺すこと。他に、「戮没(りくぼつ:殺しほろぼす)」、「戮殺」、「戮誅」、「誅戮」、「戮尸・戮屍:(殺し)死体をさらす」・・・等、多数あり。
②戮力:力をあわせる=勠力
戮笑:物笑いとなること(出典:漢書・司馬遷伝)。他に、「戮辱(りくじょく):刑を加えてはずかしめること」
<周辺知識>「戮」にはこのほか「つみ、刑罰」の意もある。その熟語:「戮人・戮民:天の刑を受ける者」、「戮臣:死罪に当たる罪のある臣」。

問題3 戳:タク、つ(く)、さ(す)
①戳死:つき殺すこと。他に、「戳心(たくしん):(心を突いて)刺激する、鼓舞る」「戳傷(たくしょう):突き傷つける、または刺し傷」→「さ(す)」にも対応するか。
戳紗:紗に刺繡する意。<周辺知識>
●「戳」には「さす・つく」以外に「印を捺す、印」の意味もあり、「戳印:印を押す、印、印章」、「戳記(たくき)・戳袋(たくたい):米袋の上に捺印すること」という熟語があります。
●また、「戳薄(たくはく):ののしる、責める」という熟語もあります。・・・「つく」「さす」に通じるのかも知れませんが・・・保留。

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熟語の読み・一字訓読(実践問題その25) 掖  釐 拮

2014年10月01日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その25)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「掖」:①掖殺(エキサツ) - 掖(わきばさ)む  ②掖庭(エキテイ) - 掖(わ き)  ③誘掖(ユウエキ) - (た す)ける

問題2 「釐」:①釐捐(リエン) - 釐(お さ)める  ②釐定(リテイ) - 釐(あらた)める  ③釐謝(リシャ) - 釐(た ま)う  ④釐婦(リ フ) - 釐(やもめ)  ⑤釐毫(リゴウ) - 釐(わ ず)か

問題3 「拮」 :①拮拮(キツキツ) -(はたら)く  ②拮隔(キッカク) - 拮(せ ま)る 、拮( せ )める

<解説(周辺知識等)>
問題1 掖:エキ、わきばさ(む)、わき、たす(ける)
①掖殺:抱え殺すこと。
②掖庭:宮門や宮殿のわき。宮殿のわきの殿舎。皇妃・宮女のいる所。後宮(こうきゅう)。えきだい。同様の意味で他に、宮掖、禁掖。「わき」の意で、「掖門:宮殿の正門の左右にある小さな門。旁門。、「一狐之掖:一匹の狐のわきの毛皮」、「逢掖之衣:袖が大きくゆとりのある服。儒者の服。」
③誘掖:人が物事をするとき、先にたってすすめ、わきから助ける。 他に「扶掖」など。

問題2 釐:リ、おさ(める)、あらた(める)、たま(う)、やもめ、わず(か)
①釐捐:貨物の通貨税のこと。釐金(リキン)。税を”おさめる”意。
②釐定:あらためること。同様の熟語:釐改、釐革、釐正など。
釐謝:ひもろぎ、祭の肉のこと。字通に「「女(なんじ)に女士を釐(たま)ふ」(詩経・大雅)は子孫を与えられる意。収穫が天下のものであるように、すべて恩恵的に与えられる意」とあります。「釐」には「さいわい、よろこび、よい」等の意があり、「たまう」に通じていると思われます。同様の熟語として、釐降:降嫁のこと釐亊:祭事のこと釐孳(リジ):双生児のこと=釐好などがあります。また、受釐・祝釐・福釐も「たまう」意味の熟語と思います。
釐婦:孔子家語の中にある語句です。やもめのこと。

問題3 拮:キツ、ケツ、はたら(く)、せま(る)、せ(める)
①拮拮:一心につとめるさま。ほかに「拮据(きっきょ)」、「拮抗(きっこう):しめる。ぎゅっと引き締める。勢力などがほぼ同等のものどうしが、互いに張り合って優劣のないこと(=頡頏(キッコウ、ケッコウ)←「頡頏」には「鳥が上がったり下がったりする」意もある。)」
拮隔:「楽器を撃つこと(字通、大漢和)」とあり、「拮」は「戛」に通じるとして拮隔=戛撃(かつげき:楽器を軽くうちならすこと)となっていました。大漢和で「”戛”は”する、せまる”に同じ」とあるので、この拮隔の「拮」は「せま・る、せめ・る」意に当たるのかも知れませんが、ちょっと不確かです・・・問題では「せま・る」「せめ・る」としましたが、ちょっとご留意ください!! *なお、他に、字通・大漢和ともに、「せま・る」「せめ・る」に対応する音熟語は見当たりませんでした・・・。

<参考>「字通」には「拮据」の語句・解説ともになし。「大漢和」には「①手と口を共に動かすこと、忙しく働くさま ②難儀するさま」とあり、「拮据黽勉」(はたらきつめること)の熟語もあり。

👋👋👋👋👋👋
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その24) 搏

2014年09月30日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへペット(猫) ブログランキングへ気まぐれ日記 ブログランキングへ
熟語の読み・一字訓読(実践問題その24)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題 「搏」 ①搏搖(揺)(ハクヨウ) - 搏( う )つ  ②搏幣(ハクヘイ) - 搏( と )る  ③搏噬(ハクゼイ) - 搏(つ か)まえる  ④搏翼(ハクヨク) - 搏(はばた)く

<解説(周辺知識等)>
問題 搏:ハク、う(つ)、と(る)、つか(まえる)、はばた(く)
①搏搖(揺):「扶搖(揺)を搏(う)つ」から出た熟語。詳細後記。「うつ」意の熟語はたくさんあります・・・「搏景(ハクエイ)」:定番ですね、 「景」を「エイ」と読むのも1級にとって常識(景は影の通用字。影を意味する場合、「景」で代替)。「搏膺(ハクヨウ):むねをうつ」、他に、搏撃、搏戦、搏闘、搏動、脈搏、心搏(心拍)、搏殺(手打ちにして殺す)、搏獲(うちとる)、搏競(うちあう)、搏蹶(ハクケツ:手でうつことと足でふむこと)・・・四字熟語で獅子搏兎、心搏急速、咆哮搏撃、竜虎相搏、竜攘虎搏など。なお、「搏風(ハクフウ):風をうつ→風に羽ばたいて飛ぶ意」と建築用語の「搏風(ハフ)=破風」(風をうつ、風をつかみとり吹込みを防ぐ意の建築物・・・「うつ」意と「つか(まえる)」意の両方あるかも・・・)、同様の意味と思われますが、音読みが異なりますので注意。
②搏幣:幣帛を持つ(=とる)意。(一説に「弊は蔽で、おおいかくす→掩蔽の意」とするものがあるようです。)
③搏噬:つかみとらえてくらうこと=搏齧(ハクゲツ)。 他に、搏摯(ハクシ)=搏鷙:うちとらえる、搏執(ハクシュウ):とらえる、めしとらえる、捕縛。・・・など。
④搏翼:はばたく、勢いよく飛ぶ意。大漢和では「”はうつ”=羽ばたく(鳥が翼をうつ意)」となっており、「うつ」意でも対応するかも。
<参考>「搏搖(揺)」について
●搖:(対象外漢字)ヨウ、ゆ(れる)、ゆ(る)、ゆ(らぐ)、ゆ(るぐ)、ゆ(する)、ゆ(さぶる)、ゆ(すぶる)
●揺:中学…ヨウ、ゆ(れる)、ゆ(る)、ゆ(らぐ)、ゆ(るぐ)、ゆ(する)、ゆ(さぶる)、ゆ(すぶる)
まずは同じ意味の漢字です。故事では「搖」の字が使われています。対象内漢字の「揺」と同じと考えてください。
この「搏搖」という熟語は、莊子·逍遙遊の“摶扶搖而上九萬里”が出典
故事成語としては「扶搖萬里(扶揺万里)」、「扶搖(揺)」とは「つむじ風のこと」、「搏搖」は「その扶搖(フヨウ、つむじ風)を打って、それに乗じて羽ばたき上ること」です。「図南の鵬翼 何れの時にかふるはん、久しく待つ 扶搖萬里の風(伊達政宗「隅成」の一節)、「扶揺万里の風待ちし・・・」とか、良く使われているようです。
●「搏」の意味する訓は他にもいろいろとありました(その訓に対応する熟語もいろいろありました)が、割愛というか、もう限界。とても書ききれません。対象内訓読みに対応する熟語だけに絞りました・・・。

👋👋👋大変だあ~。訓読みに対応する熟語探しはホントに手間暇かかるワ・・・(^^;)・・・つ か れ る・・・👋👋👋

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熟語の読み・一字訓読(実践問題その23) 鹵 抖 抓 

2014年09月29日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その23)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「鹵」 ①鹵石(ロセキ) - (し お) ②鹹鹵(カンロ) - 鹵(しおち) ③鹵莽(ロモウ) ー 鹵(お ろ)か、(おろそ)か  ④鹵簿(ロ ボ) - 鹵(た て)  ⑤鹵獲(ロカク) - 鹵(か す)める 、鹵(う ば)う  
問題2 「抖」 ①抖藪(トソウ) - ( あ )げる 、 (ふ る)う  ②抖顫(トウセン) - 抖(ふ る)う

問題3 「抓」 ①抓癢(ソウヨウ) - 抓( か )く  ②抓鬮(ソウキュウ) - 抓(つ ま)む  ③抓局(ソウキョク) -抓(つ ね)る  ④抓賊(ソウゾク) - 抓( つ )む

<解説(周辺知識等)>
問題1 鹵:ロ、しお、しおち、おろそ(か)、おろ(か)、たて、かす(める)、うば(う) 
①鹵石:岩塩のこと *鹵は(海以外の)天然の塩。
②鹹鹵:塩分が多いこと。また、その土地。鹵:しおち。塩分を含んだ土地。作物が育たない塩土。塩地。
③鹵莽:塩分の多い土地と草ぼうぼうの野原。荒れ果てた土地。 おそまつなこと。粗略。軽率 ←ここではの意で作成。他に、「粗鹵(そろ)」:そまつで役に立たないこと。「鹵」は「魯」に通じて、おろか・おろそかの意。  
④鹵簿:「鹵」は、大型のたて。「簿」は、行列の順序を書いた帳簿。ここから、天子の行列、行幸・行啓のときの行列(行幸のとき、鹵で行列の前後を警衛し、行列の順序を帳簿に記すこと)を意味している。
⑤鹵獲:戦場などで敵の兵器・軍用品などを奪い取ること。
<周辺知識等>
●「沙鹵(サロ)」:塩干潟のことらしいです。「沙鹵を、カタともいひ、ヒカタともいひ、シホヒカタ・・・」「・・・字川北八 沙鹵多ク地質劣ル・・・」
●関連四字熟語:「粗鹵迂遠 (そろうえん)」粗末で役に立たないこと。「粗鹵狭隘 (そろきょうあい)」:粗末で狭苦しいこと(*狭隘は、見識や視野などの狭いことを意味していることも・・・)。「流血漂鹵 (りゅうけつひょうろ)」:「史記」の中に「流血漂鹵(りゅうけつひょうろ)」の熟語あり。戦場で流れ出た血や鹵が漂っているさま(死傷者の多いさま)。この「鹵」は「前漢·項籍傳:流血漂鹵。<註>鹵、盾也。」とあるとおり、「たて」の意味です。「荒瘠斥鹵(こうせきせきろ)」土地が荒れやせていること、「荒瘠」は土地が荒れやせること。「斥鹵」は塩分を含んで荒れた土地。

問題2 抖:トウ、ト、ふる(う)、あ(げる)
①抖藪:「あげもとめる」または「はらいのける」意。詳細は後記<周辺知識等①>参照
②抖顫(”トウ”セン):振るうこと。 ①~②の関連熟語:後記<周辺知識等②>参照。 
<周辺知識等①>
「抖擻(トウソウ)」と「斗藪(トソウ)」 *前者の「擻」は対象外漢字。
ネット等で調べたところ、通説的には、両熟語ともに、
①衣食住に対する欲望をはらいのけ、身心を清浄にすること。また、その修行。とすう。
②雑念をはらって心を一つに集めること。「いよいよ精神を―して」〈露件・連環記〉
ということみたいですが、私の拙い調査結果ではチト違ってます・・・。
「抖擻(トウソウ)」:もともとはこの熟語で、これで梵語の頭陀(ずだ)の訳。「ふりはらう」、「あげはらう」意。
「抖藪(トソウ)」:この「抖擻」とは別に、大漢和では「抖藪」の意を、「もとめる」「あげもとめる」としており、根拠に「謂、抖藪、挙、索物也」→「抖藪の謂いは、索物を挙げることなり」と記しています。したがって、大漢和では「あげ(もとめ)る」意かと・・・。一方、字通ではあっさりと「抖藪:はらいのける意」とありました。またまた、どっちなんだ!と言いたくなるぐらい頭が痛くなりましたが、両説を覚えておくしかありませんねえ・・・専門家じゃないんで。だれか明確に教えてくれないかな(^^;)だから、出題では「抖藪」は「あ(げる)」と「ふる(う)」の両方を対応する訓読みとしております。

<周辺知識等②>他の、「抖」の熟語(*すべてではありません)
●字通:「抖然(トウゼン):突然」「抖去(トウキョ):払い去る」「抖漏(トウロウ):あばく」「抖捜(トウソウ):求める」「抖落(トウラク):振り落す」
●大漢和:「抖攬(トウラン):独占する」
●その他ネット等:「抖戦(トウセン):ふるえる」「抖膝(トウシツ):ひざを貧乏ゆすりさせる」( 貧乏ゆすり→中国では、「揺腿」「抖脚」・・・) ←(注)これらの熟語は大漢和・字通にはありませんでした。
ほとんどの熟語は「ふるう」意でよろしいかと思いますが、中には「あげる」意の熟語もあるような気がしますのでご注意ください。これも送り仮名で解決するしかないかな(^^;)

問題3 抓:ソウ、か(く)、つま(む)、つね(る)、つ(む)
①抓癢:癢いところを搔く。ほかに「抓破」(爪でかきやぶる)、「抓頭」(頭を搔く)
②抓鬮:くじをひく。「つまむ」に当たると解釈しました。同様な語句で「抓彩」(福引(字通)、福引・懸賞のなどの籤をひくこと(大漢和))。ほかに、「抓空」(無用のことをする)、「抓一把(ソウイッパ)」(手一杯に握る、ひとつかみにする、一握り)、「抓周」(赤子の生後1年目に色々と玩具を盤上に置いて自由にとらせて、その性格を判断する法=「試児」というらしい)なども該当すると思います。
③抓局:賭博狩りをすること。「つむ」にも該当すると思います。
④抓賊:賊を捕えること。「つねる」にも該当すると思います。「抓人」(人をとらえる)、「抓縛」(賊を捕える)
<その他>「抓」にはほかに「裂く」「さがす」などの意もある模様(大漢和)。→「抓裂」(引っ裂く」)、「抓尋」(たずねる、探す)、「抓取」(択ぶ)・・・。

👋👋👋・・・う~ん、むずかしい(ーー)👋👋👋

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熟語の読み・一字訓読(実践問題その22) 斂 抉

2014年09月28日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その22)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「斂」 ①斂翼(レンヨク) - 斂(お さ)める  ②斂糴(レンテキ) - 斂(あ つ)める  ③斂袵(レンジン) - 斂(ひきし)める
   ④(訓読みで) 沙丘鉅鹿を去ること、斂(ほ ぼ)三百里・・・

問題2 「抉」 ①抉眼(ケツガン) - 抉(え ぐ)る   ②抉開(ケツカイ) - 抉( こ )じる

<解説(周辺知識等>↓お世話になってる我孫子図書館/大漢和・字通ほか漢字辞書類はほとんどあります・・・大したもんだ(^^)


問題1 斂:レン、おさ(める)、あつ(める)、ひきし(める)、ほぼ
①斂翼:翼をおさめること、飛ぶことをやめること。同様の使い方で「斂吻(れんふん):物をいうことをやめること」。他に、「斂衾(れんきん):屍体を蔽う衣のこと」・・・しまう、かくす意のようですが、対象内訓読みで強引に読もうとするなら「おさめる」意・・・。他に、斂葬:死体を棺におさめ土の中に埋葬すること、斂殯(れんひん):遺体を棺に納めて一定期間安置すること 、斂祭(れんさい):火葬場の炉の前で故人と最後の別れを告げる 儀式のことで、僧侶が読経を行うこと、(なお、亡くなって2日目が小斂、3日目が大斂だとか・・・)、変わったところで、「殯斂地(ひんれんち)」:珍しい陵墓の形態で仮埋葬所のこと。更に、「斂汗法(れんかんほう: 慢性の汗や寝汗などを 止める方法」という用語もありました。

②斂糴:米価が安いときに買い上げる(あつめる)こと。四字熟語「糶糴斂散 (ちょうてきれんさん) 」で有名ですね、四字熟語を分解すると、「糴斂」と「糶散」。この「糴斂」(=斂糴)のほうの意味です。「あつめる」意の熟語はたくさんあります・・・苛斂、聚斂、税斂、籍斂、賦斂・・・。
四字熟語も多いですね、「横徴暴斂」「苛斂誅求」「聚斂之臣」「賤斂貴出」「賤斂貴発 」「簇酒斂衣」「頭会箕斂」・・・。

③斂袵:襟をただす、身なりを整えること。整襟。また、拝礼するさま。他に、収斂:ひきしまること 、太極拳用語で「掖胯斂臀=鼠蹊部を収め、尻を締める」、「斂臀(れんでん)=お尻を内側に収める」なども「ひきしめる」意かと・・・。また、「斂束(れんそく)」も引きしめる意かと・・・これについては後記<周辺知識等①>参照

④斂(ほぼ):問題文「沙丘鉅鹿を去ること、斂(ほぼ)三百里・・・」は「史記・趙世家」にあり。大漢和より引用。他に、「斂昏(れんこん)」も該当するとしたいですが、これについては後記<周辺知識等②>参照。

<周辺知識等①>「斂束(れんそく)」について
菜根譚に「・・・学者有段兢業的心思、又要有段瀟洒的趣味。 若一味斂束清苦、是有秋殺無春生。 何以発育万物。 ・・・」という一節あり、例によって他人(ひと)の解釈を借用すると、「学ぶ者は段の競業の心思あり、また段の瀟洒の趣味あるを要す。若し一味に斂束清苦ならば、これ秋殺ありて春生なきなり。何を以てか万物を発育せん。」→「道を学ぼうとする者は、自らの姿勢を正し、慎む気持ちがなければならないが、それと同時 に一面では物事にこだわらない洒脱な精神も必要である。ひたすらに厳しく自己を律し困苦に耐えるだけでは、秋の冷気が万物を枯死させるようなもので、万物を育てる春の暖気がない。これでは、どうして万物を発育させる事ができようか。」・・・斂束:厳しく自己を律することから「ひきしめる」意かと。(ちなみに、字通・大漢和にはこの熟語は見当たりませんでした)
<周辺知識等②>
「斂昏」:黄昏(コウコン、たそがれ)のこと。宋の蘇軾の詩「仲殊の雪中西湖に遊ぶに次韻す、二首」の中に、「水光瀲灧(れんえん)として、猶ほ 碧を浮かべ、山色空濛にして已に斂昏」とあり。この「斂昏」について、字通・大漢和ともに訓読みでの意味を載せていないので、「昏を斂(あつ)める」から黄昏なのか、「斂(ほぼ)昏(くら)い」から黄昏なのか判然としません・・・できれば「ほぼ」の意のほうで採ったほうが面白いと思うのですが、やはり、これは「あつめる」意のほうが妥当なんでしょうね・・・。
<周辺知識等③>「斂」を調べていたら、以下のようなものを見つけました・・・ご参考まで。
五斂子(ゴレンシ)」:カタバミ科の常緑低木。・・・甘味と酸味の種類があり、甘味のものを食用にする。東インド地方で栽培。羊桃(ようとう)。←当て字の「羊桃(いらくさ)」とは違う。*果実は5本の翼状の稜をもち・・・、横断面は五角の星形をしている。中国では羊桃といい、また果実の形から五斂子(ごれんし)と呼ばれスターフルーツともいう。五稜の黄緑色の果実は特異な美しさがあって、熱帯では広く生食されるし、ピクルスにも利用される。…
白斂(ビャクレン)」:カガミグサは別名 ビャクレン (白斂)と称され、漢方生薬として使われる。

問題2 抉:ケツ、えぐ(る)、こ(じる)
「抉」には、「えぐる」「こじる」「くじる」の意があります。また、大漢和によると「あばく」という読み・意味もあるようです。冒頭3つの読み方の意味は、広辞苑・電子辞書によれば、
「抉(えぐ)る」:①刃物などを突き刺して、まわしてくりぬくく。②・・・③相手の弱点や隠されている事実などを容赦なく突く。
「抉(こ)じる」:①えぐる。また、棒などをあてがってえぐるようにする。②異議をはさむ。抗議をする。
「抉(くじ)る」(対象外のよみ):①うがつ。えぐる ②えぐって中にある物を取り出す ③穴の中に棒状のものを突き入れてかき回す。
となっており、微妙に異なります。問題は比較的わかりやすい熟語にしましたが、以下の熟語は「えぐる」でも「こじる」でも読めるものもあります。前後の文章・文意の動作・や態様によって読み方は変わると思われます。ただし、問題では送り仮名でわかります、「る」と「じる」ですから明らかですね(^^)
<「えぐる」で読むと思われる熟語>
「剔抉」「抉剔」「爬羅剔抉」「抉目=抉眼」
<「えぐる」でも「こじる」でも読めると思われる熟語>
抉出(ケッシュツ)」:大漢和では「くじり出だす」、「抉入(ケツニュウ)」 *抉入には訓読みで「抉入石斧(えぐりいりせきふ)」がありますので、どちらかといえば「えぐる」意か・・・。 「抉耳(ケツジ)」:清聴する(字通) 「抉択(ケツタク)」:選択する(字通)  「抉毀(ケッキ)」:くじりやぶる(大漢和)
<「こじる」で読むと思われる熟語>
「抉開」:くじる開ける(大漢和)、こじ開け(字通) 
<「あばく」意が強い熟語>
抉摘(ケッテキ・ケツテキ):隠れたものを暴き出す、えぐり出す」、「抉奥(ケツオウ):奥深いところをあばきだす。」
<その他、現行訓読みではないもの>
「抉拾(ケッシュウ)」:「抉」は「ゆがけ」(=決)、「拾」は「ゆごて」。「決拾」に同じ。


👋👋👋だんだん厄介なことになってきた(^^;) 漢字学者でもなんでもないのに・・・(ーー) 👋👋👋

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熟語の読み・一字訓読(実践問題その21) 揖 搶 

2014年09月27日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その21)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「揖」 ①(天子が)揖譲(ユウジョウ)する ー 揖(ゆ ず)る  ②揖揖(シュウシュウ) - 揖(あ つ)まる  ③拝揖(ハイユウ) ー 揖(へりくだ)る

問題2 「搶」 ①槍攘(ソウジョウ)  - 搶( つ )く  ②搶楡(ソウユ) - 搶(あ つ)まる  ③搶奪(ショウダツ、ソウダツ) ー 搶(か す)める   

<解説(周辺知識等)>
問題1 揖:ユウ、シュウ、ゆず(る)、あつ(まる)、へりくだ(る)
①揖譲:拱手して、へりくだること。古代中国の作法。天子の位を譲ること。禅譲。ここではの意味で設問しました。
②揖揖:群がり集まる意。「揖揖、会聚也」との解説あり。(詩経 上(周南5)螽斯の一節に「螽斯の羽、揖揖(しゅうしゅう)たり。宜 爾の子孫、蟄蟄たり」(螽斯が羽をひるがえして群がりあつまって飛んでいる、なんじの子孫も 和らぎ睦まじく栄えませ との文意の由)とある。
他に「集揖」(しゅうしゅう)「揖集」(しゅうしゅう)も「あつまる」「あつめる」意の熟語で、「輯」に通じる。
③拝揖:朝廷や神道における敬礼動作の名称で、辞儀、会釈にあたる作法。頭を下げた時の腰の角度によって区別され、90度を拝揖、45度を深 揖、15度を小揖というとの事。
<周辺知識>「へりくだる」意の熟語
一揖(軽くおじぎをすること。一礼)」「揖礼(男性は左手を右手の上に置き、女性は右手を左手の上においてお辞儀をする礼)」「長揖(上体を前方に傾けて頭を下げる、丁重な敬礼)」「拱揖(両手を胸の前で組みあわせて会釈する)」「高揖(①両腕を高くあげて会釈する。②あっさりと世間にいとまを告げる。世俗を離れて隠居する意)」など多数あり。四字熟語として「開門揖盗」「正笏一揖 (しょうしゃくいちゆう)」

問題2 搶:ショウ、ソウ、つ(く)、あつ(まる)、かす(める)  
①槍攘:「兵戈槍攘」(激しい戦いの形容、武器が乱れ動く意)の「槍攘」:乱れるさま。「槍」は「搶」とも書く。つきとばしたり、はらいのけたりして乱れるさま。
②搶楡:この場合の「搶」の意味は、大漢和によれば、釈文者によって、「集(まる)」、「着(く)」または「突(く)」の3説 があるようですが、ここでは「集まる」意としての「搶楡」としましたので、最初にお断りしておきます。一般的には「着く」「突く」の解釈が多いようです。字通は「突く、突きかかる」意を採っているようです。この熟語は、荘子・逍遥遊第一(4)の「・・・蜩與學鳩笑之曰:「我 決起而飛、搶楡枋、時則不 至 而控 於地 而已矣・・・」(蜩と學鳩と之を笑って曰く、我、決起して飛び、楡枋を搶(つ)くも、時に即ち至らずして地に控(お)つるのみ・・・←「字通」:楡の枝に飛ぶ意で解釈。)から出ています。*「集まる」意に解釈すると、「楡の木に搶(あつ)まる」となります。
大漢和・字通と調べても、「集まる」意に対応する熟語がこれしか見当たらなかったので、敢えて問題として出しましたが、きわめてマイナーで、通説的ではないので、放念したほうが良いかもしれません(^^;)
③搶奪:金品を奪い取ること。「新漢和大字典」では「かすめる(無理に奪い取る)」の意味を表す時には「ショウ」と読む、と記載されているそうですが、字通・大漢和ともに「ソウダツ」となっていました・・・私もいままでは「ショウダツ」だけだと思っていましたが・・・?
他に、かすめる意の熟語は現代の中国語関連では幾つもあるようですが、日本では「搶奪」ぐらいしか無いようですね・・・「搶劫」(ショウキョウ?ショウコウ?←これも「ショウ」と読んだほうが良いのかも・・・)という熟語が、大日本國大國修好條規(日清修好条規)第十五條「此後兩國若し別國と兵を用ゆる事有るに付防禦致すへき各港に於て布告をなさは暫く貿易並に船隻の出入を差止め誤て傷損を受けさらしむへし又平時に於て大日本人は大の開港場及ひ最寄の海上大人は大日本の開港場及ひ最寄の海上にて何れも不和の國と互に爭鬪搶劫する事を許さす(ず)」(データベース『世界と日本』 日本政治・国際関係データベース 東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室)(←ネットから借用)の中で使われていました!!古い~!!(^^)でも意味(=強奪する、略奪する)は大体わかりますね。
(参考)中国語関連で「搶」の付く熟語:搶掠、搶劫、 搶救、 搶修、搶奪、搶火、搶水、搶手、搶眼、 搶嘴、搶購・・・←「搶購の意味や日本語訳:異常な購買行動。買い占め。」だって・・・。


 👋👋👋今回はちょっと特殊でごくまれなケースも取り上げましたのでご注意ください👋👋👋
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その20) 扞  拊 侑

2014年09月26日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その20)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「扞」 ①扞格(カンカク) ー 扞(ふ せ)ぐ  ②弊扞(ヘイカン) - 扞(お お)う  ③扞馬(カンバ) ー 扞(あ ら)い  ④扞弓(カンキュウ) - 扞( ひ )く  ⑤扞麪(カンメン) - 扞(ひきの)ばす

問題2 「拊」 ①拊手(フシュ) -拊( う )つ   ②傴拊(ウ フ) - 拊( な )でる
 
問題3 「侑」 ①侑賓(ユウヒン) - 侑(す す)める   ②侑報(ユウホウ) - 侑(む く)いる  ③侑歓(ユウカン) - 侑(た す)ける  ④侑赦(ユウシャ) -侑(ゆ る)す

<解説(周辺知識等)>
問題1 扞:カン、ふせ(ぐ)、おお(う)、あら(い)、ひ(く)、ひきの(ばす)
①扞格=捍格:「互いにふせぐ意。抵抗があって進まない意。」(字通)(「扞」 「格」ともふせぎこばむ意) *他に「ふせぎ、まもる」意の熟語はたくさんあります・・・「扞禦」「扞止:せきとめること。 土砂-。」、「扞制 :ふせぎとどめる」「扞遏(カンアツ):ふせぐ」、扞圉(カンギョ)、扞戍(カンジュ)、「扞戻(カンレイ)=乖戻:そむき逆らうこと。背戻(はいれい)」、屛扞、蕃扞、障扞など・・・
弊扞=扞蔽:おおいまもる *字通では両字ともに「おおう」意となっています。大漢和では「扞蔽:ふせぎおおう、また、おほひ=藩屏」。
③扞馬=悍馬:あばれ馬
④扞弓:弓を引くこと *扞は「ゆごて」のこと。「弓を扞(ひきの)ばす」としているものもあります。*ちなみに、扞弦(かんげん)は「ゆがけのこと」。
⑤扞麪:うどんをのばすこと。(大漢和か字通のどちらかにありました。)*他に、(日本語的には見かけませんが)「扞皮:メン棒で生地を平らに延ばしてつくる點心や菓子の皮。」「扞杖:扞麺杖と同じ。扞具:メン棒の類の総称。」「扞麺:メン棒を使って生地を平らに延ばす。扞ともいう。」(「扞麪」と同じですね)などがありました。
<周辺知識等①>「扞胸・・・胸を扞(おか)す???」
ネット上に「白刃胸を扞(おか)せば、流矢を顧みず(荀子・強国):白刃が胸に迫って来れば、飛んでくる流れ矢も見えない。大難の迫った時には小難をかえりみるひまのないことのたとえ。(大辞林 第三版の解説)」とありましたが、大漢和の説明では この文章の解説のところで「扞、弊也」を採っている ようにみえます。大漢和を採れば、「胸を扞(おお)う」という解釈になると思います。
<周辺知識②>「扞城」は「ふせぐ」か「おおう」か・・・
通常は「扞城:楯と城。ふせぎ守る意。」となっているようですが、大漢和では、ここでも「扞、弊也」(左氏)と紹介しているように見えますので、これだと「おおう」意味。どっちなんでしょうね(^^;)

問題2 拊:フ、う(つ)、な(でる)
①拊手:手をたたくこと。定番の熟語ですね。他に、「撃拊(ゲキフ)」、「拊掌:手をたたく、拍手する」など。
②傴拊:以前「傴」のほうの字で出題しましたね。 いつくしむ、あわれみ愛すること。他に、「拊循(ふじゅん): 労わって手なずけること。慰撫すること。」

問題3 侑:ウ、ユウ、すす(める)、むく(いる)、たす(ける)、ゆる(す)
①侑賓:賓客に酒食をすすめること。侑飲・侑食・侑觴・侑酒のほうがわかりやすいですね。
②侑報:「神に物を供え、報祭をすること」なので「報いる」意に相当すると思います。「報を”たすける”」という意味もあるかも。「報侑」という熟語も同様。また、「献侑」は「お供えの意」。これも「お供え」の意なので「むくいる意」ではないかと思います。
③侑歓:楽しみを助ける意。他に、「侑幣(ゆうへい):飲食に興を添える引き出物」もたす(ける)意ではないかと・・・。
侑赦:ゆるす意。*「ゆるす」意の熟語、これしか見つからなかった・・・。
<参考>「侑」の熟語:享侑=享右(もてなす、饗応する)、妥侑:おだやかにすすめる・・・ほかに、酬侑・登侑・独侑・拝侑・配侑・壁侑・命侑・・・とたくさんありましたが、未調査です。多くが「すすめる」意かと。機会あったら、また後報します。

👋👋👋👋👋👋👋👋👋👋
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その19) 攀 攣 扎

2014年09月25日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへペット(猫) ブログランキングへ気まぐれ日記 ブログランキングへ
熟語の読み・一字訓読(実践問題その19)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「攀」  ①攀輦(ハンレン) ー 攀( ひ ) く  ②攀縁(ハンエン) - 攀( よ )じる    ③攀髯(ハンゼン) - 攀(す が)る
問題2 「攣」  ①痙攣(ケイレン) -攣( つ )る 、攣(ひきつ)る  ②攣索(レンサク) ー 攣( か )かる    ③攣拘(レンコウ) ー 攣(つ な)がる  ④攣拳(レンケン) - 攣(か が)まる  ⑤牽攣(ケンレン) - 攣(し た)う

問題3 「扎」  ①扎針(サッシン) ー 扎( ぬ )く  ②扎営(サツエイ) - 扎(か ま)える

<解説(周辺知識等)>
問題1 攀:ハン、ひ(く)、よ(じる)、すが(る)
①攀輦:てぐるま(輦)を引く。他に、攀柩(ハンキュウ):柩を引く、攀弓(ハンキュウ):弓を引く・・・。また、「攀話(ハンワ):話の手づるを考え話すこと」・「攀例(ハンレイ):先例となること」なども、「ひ(く)」意ではないかと思います。
②攀縁:よじ登ること。=「登攀」「攀援」、 他に、攀倚(ハンイ):のぼりよる
③攀髯:人の死を悼むこと。この熟語だけでは意味は全然わかりませんよね。その故事:中国古代の伝説上の帝王・黄帝が死去した時、竜に乗って天に登ったが、後に残った小臣たちは竜の髯(ひげ)にとりすがって、その後を追おうとしたことから、人の死を傷み悲しむ意味に使う
「攀轅臥轍」の「攀轅」は車の轅にすがること。他の四字熟語「攀轅扣馬」「攀竜附鳳」「攀竜附驥」「攀竜附鳳」も「すが(る)」意。
(周辺知識①)「折花攀柳 (せっかはんりゅう)」の「攀柳」の意味について
●漢検・四字熟語辞典や四字熟語goo辞書、四字熟語データバンクでは「”攀柳”は柳の枝を引く意」
●難読語辞典WEBLIO(三省堂)・(大辞林)コトバンク・デジタル大辞泉の解説・国語辞書goo辞書・エキサイト辞書などは「花を折り柳をよじのぼる意」*多くのブロガーもほぼ「よじのぼる」と整理している。
どっちなんだ!!と言いたくなりますが、ここは冷静に、漢検サイドに立ちたいこと、また、「柳をよじのぼる」はいかにも意味として通用しにくいことから、「ひ(く)」意を採りたい。なお、念のため、字通と大漢和を調べたら、「攀柳」という語句は無く、「攀花折柳」となっており、「攀花」について、「花にすがりつく」(大漢和)「花を折る」(字通)となっておりました。・・・益々訳わからん(^^;)
(周辺知識②)
攀攣(ハンレン)」:(大漢和)「①よじ登ること ②ひくこと」とある。この「攣」は「拘牽(コウケン)の意」との事。「拘牽:拘はとらえること、牽は引っ張ること。物事にとらわれること、の意」。

問題2 攣:レン、つ(る)、ひきつ(る)、か(かる)、つな(がる)、かが(まる)、した(う)
①痙攣:ひく、ひきつる。他に、攣縮(レンシュク):痙攣性の収縮のこと、
②攣索:なわをかけること
③攣拘=拘攣(コウレン):つなぎしばられる。拘束。官職や道徳その他にしばられて自由に行動できないこと。筋肉が収縮して、手足や首などが曲がって伸びないこと。他に、つな(がる)意の熟語:「攣挌(レンカク):捕縛する」
攣拳:=蜷曲。かがまること。蘇軾文集「淨因院畫記」中に「如是而生、如是而死、如是而攣拳瘠蹙、・・・如是而條達暢茂・・・」とある。=「拳攣(ケンレン)」:屈曲不伸。
(参考)條達:木の枝が分かれるように四方に伸び通じていること。勢力が広く及ぶこと。 暢茂:草木がのびのびと生い茂ること 瘠蹙:やせこけちぢこまること  蜷曲:多く人や動物の肢体が丸くなる、縮こまる、丸くする、縮こませるさま
(注)蜷曲:「蜷局」(ケンキョク、とぐろ)とは違いますので気を付けてください。(参)蜷局(ケンキョク・とぐろ)・塒(とぐろ):蛇などが、からだを渦巻き状に巻いた状態でいること。また、その状態。何人かが特に何をするでもなく、ある場所に集まっているさま。
その他、「攣縮(レンシュク):かがむこと」「攣躄(レンペキ):足がたたない病気)」「攣廃(レンパイ):手足がかがまる病気」などが大漢和および字通にありました。
⑤牽攣:「牽攣乖隔」の「牽攣」:互いにこころ引かれる意。「攣」は恋いしたう意。 「攣攣」=恋恋。した(う)意。

問題3 扎:サツ、ぬ(く)、かま(える)
①扎針:針を押さえて刺す、抜き通す。他に、「扎進:差し込む、突っ込む」、「扎鍼:鍼を打つ」、「扎心:胸を刺しえぐる」、「扎入:突き通す、貫く」「扎破:刺し破る、突き破る」・・・。また、「札耳朶(サツジダ) :耳を刺し貫く 聴くに堪えない話を聴く」という熟語がありました。
扎営:野営する、陣所をかまえる。大漢和でも「かまえる」意の熟語はこれしか無かったと思います・・・やっとみつけた(^^)。
<周辺知識等>扎には対象内訓読み以外に、「音のさま」や「札、紮」を意味する熟語があります。
例:扎扎(サツサツ):布を織る音、ものを数える音(←字通)、扎縛(=紮縛):しばって組み立てる、書扎(=書札):書きつけ、手紙、書状

👋👋👋如何でしたか?「痙攣」以外はちょっと見かけない熟語ばかりだったのでは?👋👋👋
👋👋👋訓読みに対応する熟語を探すのは、当初予想したとおり、やはり大変な作業です(^^;)👋👋👋

👋ではまた👋

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熟語の読み・一字訓読(実践問題その18) 聊 聒 聘

2014年09月24日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その18)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「聊」 ①聊啾(リョウシュウ) ー 聊(みみな)り   ②聊頼(リョウライ) - 聊(た よ)る  ③無聊(ブリョウ) - 聊(た の)しむ  ④聊爾(リョウジ) ー 聊(いささ)か

問題2 「聒」 ①(当て字・訓読みで)聒聒児(くつわむし) -聒(かまびす)しい  ②聒聒(カツカツ) -聒(かまびす)しい 、聒(お ろ)か

問題3 「聘」 ①使聘(シヘイ) ー 聘( と )う  ②聘問(ヘイモン) - 聘(おとずれ)る  ③聘用(ヘイヨウ) ー 聘( め )す  、 聘(ま ね)く  ④聘礼(ヘイレイ) - 聘(め と)る

<解説(周辺知識等)>
問題1 聊:リョウ、みみな(り)、たよ(る)、たの(しむ)、いささ(か)①聊啾:耳鳴りがする。また、よく聞こえないさま。古典において耳鳴りは「聊啾」ほかの記載があるようですが、現在はあまり使われていませんね。(参考)「聊啾: 基本解释:. 1.耳鸣。・・・本義:耳鳴・・・ 聊、耳鳴也。・・・(說文): 聊啾(耳鳴)」
②聊頼:頼みにすること。たよること。
③無聊:楽しまない。気持ちの晴れないこと。 「無聊を託つ」:「聊」とは楽しむ意。
④聊爾:しばらく。かりにする。その他「いいかげんであること。考えのないこと。また、そのさま。ぶしつけで失礼なこと。また、そのさま。軽率。うかつ。不作法。失礼なこと」など多義。もともとは世説新語に出てくる、竹林の七賢・阮咸の言葉「聊復爾耳(聊か復た爾るのみ)」からと思われます。「・・・未だ俗を免るる能わず、聊か復た爾るのみ(まだ俗気から抜け切ることができないので、ちょっとこうやってみただけ)・・・」、「聊」の字義の一:いささか。とりあえず。今しばらく。わりきれないままに。なんとはなしに。
(参考)中国の語句で「聊表寸心:心ばかりの祝い」を見つけました。この「聊」は「いささ(か)」に対応するのでしょうね。
問題2 聒:カツ、かまびす(しい)、おろ(か)
①聒聒児:クツワムシ。これも秋の季語らしい。他に、「かまびす(しい)」意の熟語:「絮聒(ジョカツ:口うるさくする)」「噪聒(ソウカツ:さわがしい、かまびすしい。)
②聒聒:人声や動物の鳴き声が大きく騒がしいさま。「聒聒、無知貌。鄭云:難告貌。正義曰:多言亂人之意」「「聒」はもともと「耳」+「昏」。「昏」は「昏暗」「暗い」「不明」という意味。「耳」+「昏」で「耳が暗い」というのは、「耳元が騒がしくて大事なことが聞こえないこと。そのため思考がまとまらないこと」→「やかましい」「うるさい」を意味する。篆文の後の隷書や行書では、この文字の意味を明確にするために「昏」が「舌」に置き換えられた。」との説明がネットにありました、この辺から類推すると、「おろか」の語源に繋がるかと・・・残念ながら、現時点、「聒聒」以外で「おろか」の意の熟語が見つかりません。
<大漢和辞典「聒聒:①無知なさま、②多言で人の意をみだすこと」とありましたので、「聒聒」:「おろか」の意でOKです。0924追記>
問題3 聘:ヘイ、と(う)、おとず(れる)、まね(く)、め(す)、めと(る)①使聘:使いをやって安否を問うこと。また、使者を派遣して、贈り物をすること。他に、「聘物(へうもつ):贈り物。進物。幣物(へいもつ)。」、「来聘:外国から使節が来朝して礼物を献じること。」←「おとずれる」意もあるか。
②聘問:進物をたずさえて訪問すること。
(参考)「朝聘(ちょうへい):諸侯が天子に朝見すること。」とありますが、「礼記」に「冠婚葬祭、射御朝聘」という言葉があります。射御は 、弓術と馬術。朝聘は、朝廷に貢ぎ物を献ささげること。いずれも古代の重要な儀礼。このうち、「朝聘」は朝覲(チョウキン)聘問(ヘイモン)のことだと思いますので、「朝聘」の「聘」のほうは「おとずれる」意と考えます。
③聘用:礼を尽くして招き、取り立てて用いること。他に、「招聘:礼を尽くして人を招くこと。」、「重聘(ちょうへい):手厚く礼を尽くして招待すること。」、「傭聘(ようへい):礼を尽くして人を招くこと。」、「礼聘: 礼儀を尽くして人を招くこと。」
④聘礼:人を招くときの贈り物。 婚約のしるしに贈る物。結納の贈り物。結納を差し出して、正式に妻をめとる。また、その作法。*ここではの意味を採りました。

👋👋👋ではごきげんよお👋👋👋
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その17) 撓

2014年09月23日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その17)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます・

問題  「撓」 ①不撓(フトウ) - 撓(た わ)む   ②可撓(カトウ) - 撓(た わ)める 
        ③撓曲(ドウキョク) - 撓( た )める  ④撓屈(ドウクツ) - 撓(し な)う
        ⑤(訓読みで)撓撓(たわたわ、しわしわ) ー 撓(た わ)む 、撓(し な)う  撓(し わ)る
        ⑥(訓読みで)撓(いため)塩  - 撓(い た)める
        ⑦撓乱(ドウラン、コウラン)  - 撓(み だ)れる
        ⑧撓敗(ドウハイ) - 撓(く じ)ける
        ⑨(訓読みで)撓(しおり)雪 、(訓読みで)蕉風俳諧の根本理念の一つである、「撓」(しおり)   

<解説(周辺知識等)>
問題:撓:ドウ、コウ、トウ、たわ(む)、たわ(める)、た(める)、しめな(う)、しわ(る)、いた(める)、みだ(れる)、くじ(ける)、しおり
①不撓:「不屈不撓」:くぼまずたわまず。
②可撓:曲げたわめることが可能であること。「 -性」。例:「可撓性・止水性に優れており・・・」
③撓曲:ためる。しんなりと曲げて形を整える。〈類義語〉矯(キョウ)、矯(た)める
④撓屈(ドウクツ):しなうように曲がること。また、曲げること。屈撓。「撓屈(ドウクツ=たわんでへっこむ、恐ろしくて尻込む)」との解釈もあるが、採らない。他に、訓読みだが、「撓垂れる(しなだれる)」。
⑤撓撓(たわたわ):枝などがたわみしなうさま。
⑤撓撓(しわしわ):物がしなったり、へこんだりするさまや、その音を 表す語。「ふやけて、踏む度に―と鳴る畳が」〈里見)
 <参考>しわ(る)=たわむ (広辞苑):圧力を受けてしなうこと。
⑥撓塩:=炒め塩(いためじお)・・・広辞苑所載。
⑦撓乱:「ドウ」とも「コウ」とも読めるので併記したが、「コウ」読みは他にほぼ無し。撓乱(ドウラン)のみでOKか。
他に、「みだ(れる)」意の熟語:「撓擾(ドウジョウ)」:乱してこまらせる。「撓滑(ドウカツ): かき撓(みだ)すこと。
⑧撓敗:戦いにくじけ敗れること。他に、「撓北(ドウホク)」:戦いに撓(くじ)け、北(に)げる。
⑨撓雪(しおりゆき):降り積もって木や枝をたわませる雪。(浄瑠璃・妹背山婦女庭訓「袖に解行くしをり雪思ひは、胸に氷るらん」)
⑨しおり(撓・萎): (ふつう「シオリ」と書く)能で、泣くようすを表現する型。手の指を伸ばしてそろえ、斜めに顔の前に上げ、面(おもて)を少しうつむかせる。 蕉風俳諧の根本理念の一。対象に対する作者の繊細な感情が、自然に余情として句にあらわれたもの

<補記>
●「百折不撓(ひゃくせつふとう)」について
①何度失敗しても志を曲げないこと。百折は何度も失敗すること。撓はみだす意。説文解字の手部に「擾みだすなり。手に従ひ堯を声とす。・・・説文解字の垚部に「高きなり。垚に従ひ兀上に在り、高遠なり」と記されている。 しかしながら人為に過ぎればその高遠は真ならず。 故に手偏を加えて「撓みだす」の意となるのかもしれない。出典・参考・引用蔡邕「太尉喬玄碑」(太尉橋公の碑)」とある。 →この説を採るなら、「みだ(れる)」意
②百折不撓とは、幾度失敗しても志をまげないことである。「百折」は、何度も挫折すること。「不撓」は、くじけないこと。「撓」は、くじけるという意味。→こちらなら「くじ(ける)」意。
*いづれにしろ、送り仮名に注意すればOKですね(^^;)
●他の熟語(訓の意が不詳)
逗撓(トウドウ):敵を恐れ進まぬさま。「逗、曲行避敵也。 撓、顧望也」とある。「顧望」は、「①振り向いて見ること。②あれこれと考えていて、行動に移らないこと 。ためらうこと。」とあるので、「たわむ」とか「くじける」意に対応するか・・・。
撓阻(ドウソ)・阻撓(ソドウ)」:邪魔する、妨害する。→「くじける」意に該当するか?
音読みの「ドウ」「トウ」「コウ」について
 ごく一部の例外を除き、ほとんど、「ドウ」で読めるが、上記問題中の熟語の中に、一部例外(上記問題に包含)があります。また、整体用語として、同じ漢字で「橈屈(とうくつ):手首を親指側に曲げる動作。」と「トウ」で読んでいる熟語あり。あまり関係ないですが、この「橈屈(とうくつ)」の対義語は「尺屈(しゃっくつ):手首を小指側に曲げる動作。」・・・。
さらに「撓鉄(ギョウテツ)」:(焼き曲げ)という手法が使われている.撓鉄とは鋼板をバーナで焼き、周りに水をかけて冷やして、鋼板を撓(たわ)ませ曲げる手法である・・・「ギョウ」と読む熟語がありました。

<周辺知識①>撓(しおり)と「枝折(り)・栞」(しおり)・・・「枝折(り)・栞」:「①紙・布・革などで作り、書物の間に挟んで目印とするもの。②簡単な手引書。案内書。「修学旅行の―」 ③山道などで、木の枝などを折って道しるべとすること。また、そのもの。」だが、語源は、「木の枝を折ることで山道などを歩く際に目印としたことから。転じて、本をどこまで読んだかという目印や初心者のための手引書などを「しおり」というようになった。ただし、「しおる」を「枝折る」と書くのは当て字で、もとは物を撓める意の「しほる(撓)」が意義分化を起こしたものである(ウィキペディア)」

<周辺知識②>一風変わった雪の呼称・・・
衾雪(ふすまゆき):一面に白く降り積もった雪 、 風花(かざはな):空が曇り、吹き出した風にまじって舞い落ちる雪片
三白(さんぱく):正月の三が日に降る雪 、 虐雪(ぎゃくせつ):ひどい大雪
友待つ雪(ともまつゆき):次の雪が降るまで消え残っている雪 、撓雪(しおりゆき):降り積もって木や枝をたわませる雪
忘雪(わすれゆき):その冬の最後に降る雪 、 雲雀殺(ひばりころし):春、雲雀がさえずるようになってから降る大雪


👋👋👋👋👋 「撓」ひと文字で、大変、勉強になりました(^^;) では👋👋👋👋👋

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