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漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

熟語の読み・一字訓読 (その91)&(その92) 廩 龐 廬 廱 弁 弋 弭 弸 彎 彙  

2015年05月03日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その91)です。
<廩:リン、くら、ふち> *「ふち」とは「扶持」のこと
・くら:倉廩、廩厩(リンキュウ)=くらとくりや、廩粟(リンゾク)=府庫の穀物、廩庫、廩米=くらのこめ ・・・
・ふち:廩給=俸給、廩稍=ふち、廩棒=俸給、廩賜=扶持を賜う・・・
<龐:ホウ、ロウ、おお(きい)、みだ(れる)>
(漢検2)
意味:①たかどの。 ②たかい。おおきい。 ③みだれる。入り乱れる。「龐錯」
(大字源)
①ホウ(漢音)ボウ(呉音):・たかどの。大きな高い建物。 ・大きい、高大な。「龐鴻(ホウコウ)」 類)大。厖。 ・みだれる。乱雑なさま。 ・「龐龐(ホウホウ)」
②ロウ(漢音):「龐龐(ロウロウ)」

・おお(きい):龐眉(皓髪)=眉が太く大きい。老人の形容。
        龐鴻(ホウコウ)=厖鴻=①天地が未だ別れずその兆しのないさま ②大きい・広大 (大字源)おおきい。広大なこと。
・みだ(れる):龐錯(ホウサク)=入り乱れる=乱雑 龐→「厖錯」、「尨錯」とも書ける。
・その他:龐龐(ロウロウ)=充実したさま。肥えているさま。(詩経)「四牡龐龐」 
     龐龐(ホウホウ)=鼓の音の形容。ぽんぽん。 
*2016.1.11追加補筆:漢字源は「ホウ、ボウ」音のみで両方とも「ホウホウ」。

 *「龐統展驥(ホウトウテンキ)」:「蒙求」の一句。龐統は、重要な地位に置けば一日千里を走る名馬のようにその才能を展ばすといわれた故事。
<廬:リョ、ロ、ル、いおり、いえ>
・いおり:廬庵(ロアン)、廬冢(ロチョウ)=いおりとはか(つか)、廬室(ロシツ)=草庵・いおり(または、家屋・家宅)
・いえ :廬宅、廬室、廬宇=家屋・すまい(または、いおり)=廬宅、廬第(ロテイ)=邸宅、廬廡=家・屋宇
(2018.3.21追加)
(漢検2)意味:①いおり。草や木で造った粗末な家。仮の小屋。「廬舎」 ②いえ。建物。「精廬」
下つき:蝸廬(カロ)・結廬(ケツロ)・出廬(シュツロ)・草廬(ソウロ)・田廬(デンロ)
廬舎:粗末な小屋。草や木で造った小さな家。いおり
精廬:セイロ(大字源)①読書する所。学校。塾。②てら。精舎(ショウジャ)。*“セイシャ”読みなら、「大字源:①読書する所。学校。塾。②精神のやどる所。こころ。からだ。道士のいる所。」
結廬:いおりを構える。
田廬:耕作地のなかにある家。いなか家。
<廱:ヨウ、やわ(らぐ)>
・やわ(らぐ):廱偃(ヨウエン)=やわらぎしたがえる *「西戎を・・・廱偃す」(後漢書)、廱廱(ヨウヨウ)=やわらぎ楽しむさま=雍雍、廱和(ヨウワ)=和らぎおさまる
・その他:①天子の学舎の意 → 辟廱(ヘキヨウ) ②ふさがる意 → 廱河(ヨウカ)=河流をふさぎとめる、廱蔽(ヨウヘイ)=ふさがりおおう 
<弁:ベン、かんむり>  *常用漢字の「弁」は「ベン、わ(ける)、わきま(える)、はなびら」
・かんむり:弁纓(ベンエイ)=かんむりのひも、弁瓊(ベンケイ)=かんむりの玉飾り、弁冕(ベンベン)=かんむり(冠)

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●熟語の読み・一字訓読(その92)です。
<弋:ヨク、いぐるみ、と(る)、くろ(い)、う(かぶ)>
・いぐるみ:弋獲(ヨクカク)=いぐるみでとる、弋射=いぐるみを放って飛鳥を射る、弋繳(ヨクシャク)=いぐるみ、弋蘿=いぐるみとあみ、畢弋(ヒツヨク)=「罼、掩網也。弋、繳射飛鳥也」
・とる(取る意):弋釣(ヨクチョウ)=魚鳥をとる(字通)、いぐるみで鳥をとらえ釣り針をたれて魚をとらえる(大漢和)、*「殷命を弋(と)らず」・・・
・くろ(い):弋綈(ヨクテイ)=黒色のつむぎ(*「綈」は対象外漢字)
・う(かぶ):遊弋、游弋  *「弋」は「とる」意と解説しているものもあり。 *遊弋:軍艦・船舶などが海上をあちこちと航行すること。
<弭:ビ、ミ、ゆはず、や(める)>
・ゆはず:弭飾(ビショク)=ゆはずの飾り
・や(める):弭口(ビコウ)=言うことをやめる、弭散=やめてちりぢりになる、弭息=とどめる・やめさせる、弭櫂(ビトウ)=舟のかいをうごかすことをやめる、弭兵=戦争をやめる・・・
<弸:ビョウ、ホウ、み(ちる)> (*字通には「弸」の字なし。)
・み(ちる):弸中(ホウチュウ)=中を満たす
*「弸(ビョウ)」は弓の強いさま、弓なりなどをあらわす。・・・「弸弦(ビョウゲン?)」
<彎:ワン、ま(がる)、ひ(く)>
・ま(がる):彎腰(ワンヨウ)=曲った腰・腰を曲げる、彎曲=彎屈=弓なりにまがる・まるくまがる
・ひ(く) :彎弓(ワンキュウ)=弓をひきしぼる=貫弓(ワンキュウ) *貫:(凖1レベル)ワン、ひ(く)
・その他:彎月(ワンゲツ)=三日月=弓張月  *「彎」は「まがる」意か。
<彙:イ、はりねずみ、あつ(める)、たぐ(い)>
・はりねずみ :(音熟語なし)「彙(イ)は蝟(はりねずみ)なり」(釈文)
・あつ(める):彙記、彙繳(イキョウ)=物をとりまとめて上納すること、彙纂(イサン)=集め分類する、彙奏=集めて奏上する、
・たぐ(い) :語彙、彙進=同類の者が朝廷に進み出る・類をもって集まる、彙類=たぐい、類によって集まる

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熟語の読み・一字訓読 (その89)&(その90)

2015年05月02日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その89)です。
<幇(幫):ホウ、たす(ける)、なかま>*「幇」は許容字体。
・たす(ける):幇間=とりもち・たいこもち・たすける、幇差=補佐役、幇助、幇身=たいこもち、幇同=幇助共同=手助けする=共同する
・なかま :「青幇(セイホウ、チンパン)・紅幇(コウホウ、ホンパン):中国の秘密結社
  ○青幇(セイホウ・チンパン)・・・または「清幇」「安清幇」「安慶幇」「漕幇」。「青幇」とは元は運河を使い物を運ぶ仕事をしていた人たちの   組織だったとか・・・。
・その他:「茶幇」=ネットで「・・・ちなみに、厦門で包種茶を主体に扱う茶行は「茶幇」と呼ばれていた」とありましたが、意味不詳。字通に「鞋 
   幇」という熟語あるも、現在、不詳。
<幵:ケン、たい(ら)>*「幵」は象形文字で簪の2本の並ぶ形、簪笄の立ち並ぶさま
・たい(ら):音熟語なし。「幵(たい)ら」=平ら
・その他  :幵零(ケンレイ)=野鳧のこと、幵頭(ケントウ)=山の名前、幵官(ケンカン)=孔子の妻の姓(幵官氏の出?)
<并(幷):ヘイ、あわ(せる)、なら(ぶ)>
・あわ(せる):并愛=あわせ愛する、并有=あわせ所有する、并合=あわせ一つにする・合併する、并日=日をあわせる・何日にもわたる、并呑、并轡(ヘイヒ)、并力・・・
・なら(ぶ):并奔(ヘイホン)=ならび走る・ともに行く、并柯=連理の枝、并兼=兼併する
<幺:ヨウ、ちい(さい)、おさな(い)>
・ちい(さい):幺麼(ヨウマ)=小さい、微小、細微 =幺微(ヨウビ)=極めて小さい=微幺(ビヨウ)
・おさな(い):幺弱=幼弱、幺小=幼少
<麼:バ、マ、モ、ちい(さい)>*「モ」は唐音。
・ちい(さい):幺麼(ヨウマ)、麼虫(マチュウ)=微細な虫、麼陋(マロウ)=姿が矮小で醜い(字通)、姿のいやしいこと、麼眇(ビビョウ)=極めて小さい(大漢和・字通ともに「ビ」音!!)
・その他1:麼事(モジ)=甚麼(ジンモ)=恁麼(インモ)=什麼(ジュウモ、ソモ)=作麼生・怎麼生・什麼生(ソモサン)=何事、いかに、なに、か、や・・・等の疑問の助詞
・その他2:麼麼(モモ)=乳母
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●熟語の読み・一字訓読(その90)です。
<庠:ショウ、まなびや>
・まなびや:庠序、庠舎、庠主、郡庠、邑庠・・・
<廁:シ、かわや、ま(じる)>
・かわや  :廁溷、廁中、廁竇(シトウ)=雪隠・・・
・ま(じる):廁錯=ごたごたとならぶ、廁飾=ごたごたとかざる、廁列=列入する、廁座=列座する
<廂:ショウ、ひさし>
・ひさし:堂廂、廂廓・・・
<廈:カ、いえ>
・いえ:大廈・・・
<廖:リョウ、むな(しい)>
・むな(しい):廖廓=寥廓、寥落・・・
<廝:シ、めしつかい、こもの>
・めしつかい、こもの:廝下=めしつかい、廝徒=雑役、廝豎、廝養、廝隷・・・
<廛:テン、やしき、みせ>
・やしき:廛廓=やしきのくるわ・邸宅、廛邸(テンテイ *字通では「みせ」の意と。)、廛宅=人民の住宅(大漢和)・いえ(字通)、*「廛」は市内(百姓)の住宅、「宅」は邑内の農民の居(字通)
・みせ :廛肆、廛税=営業税、廛舗(鋪)・・・
・その他:廛里=まち、廛間=まちなか・・・
<廡:ブ、ひさし、しげ(る)>
・ひさし  :廡下=屋根の下・ひさしの下、廡舎=家・家屋・建物、廡傍=のきのわき、簷廡・屋廡・廬廡・廊廡・・・
・しげ(る):繁廡、蕃廡・・・*この「廡」は「蕪」に通ず。
<廨:カイ、やくしょ>
・やくしょ:官廨、郡廨、県廨、廨舎=役所の建物、廨署=廨宇=役所・官舎

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熟語の読み・一字訓読 (その87)&(その88)

2015年05月01日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その87)です。
<巍:ギ、たか(い)、おお(きい)>
・たか(い) :巍巍=たかく大きいさま、巍峨=嵬峨=高大なさま (*「嵬峨」には「酒に酔うさま」の意もあり)、巍乎・巍然・巍焉=高いさま、
巍冠=高冠、巍巾=高い頭巾、巍嶢=高い、巍昂=高いこと、巍科=最高の科第・高科、*巍巍蕩蕩=高大で広遠なさま(論語・泰伯)
・おお(きい):巍巍、巍蛾・・・
<巒:ラン、みね、やまなみ>
・みね:巒岫、巒岡、巒嶂、巒丘=小山、巒山=小さい山・こやま、巒嶼(ランショ)=山のある島、巒嵐(ランラン)=山嵐
・やまなみ:翠巒、青巒、層巒、重巒、峰巒、林巒・・・*「みね、やま」の意もあるかも。
<巫:フ、ブ、みこ、かんなぎ>*みこ=かんなぎ *男女とも巫。後世、女を「巫(フ)」、男を「覡(ゲキ)」という。(大漢和)
・みこ、かんなぎ:巫覡(フゲキ)=女みこと男みこ、巫媼、巫嫗、巫医、巫婆、巫女、巫蠱(フコ)=みこと邪道をもって人を惑わす者、巫祝=みこ、かんなぎ、神に事えて祭事・神事を掌る者=はふり
・その他1:巫鼓(フコ)=無根のこと・でたらめ・妄説 (*「みだり」の意)、巫雲=男女の情、巫雨、巫山之雨、巫雲蜀雨、巫馬戴星・・・
・その他2:巫歩=禹歩=巫のような歩き方(足の不自由な人のような歩き方の意)
<已:イ、すで(に)、のみ、はなは(だ)>
・すで(に):已然、已知、已成=既成、已定=既定、已久=すでにひさしい・・・
・のみ   :(音熟語なし)「皆、その本を失う已(のみ)」
・はなは(だ):已甚(イジン)=はなはだしく度がすぎる
<帚:ソウ、シュウ、は(く)、ほうき>
・は(く):帚払(ソウフツ)=掃う・はく、帚掃(ソウソウ)=ほうきではく
・ほうき :帚彗(ソウスイ)=ほうきぼし=彗星、帚卜(ソウボク)=ほうき占い=帚姑(ソウコ)←呉の俗、 帚柄(ソウヘイ)=ほうきの柄、竹帚、箕帚(キソウ・キシュウ)・・・箕帚の妾(キソウのショウ)・・・、帚目(ほうきめ)、帚草(ほうきぐさ)
<帑:ド、トウ、かねぐら、つまこ> *「ド」は慣用音
・かねぐら:帑廩(ドリン)=金庫と米倉。帑庫、内帑(金)・・・
・つまこ:帑戮(ドリク)=孥戮
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●熟語の読み・一字訓読(その88)です。
<帛:ハク、きぬ、しろぎぬ、ぬさ>
・きぬ  :帛巾(ハクキン)=きぬぎれ・絹織物、帛書、帛絮(ハクジョ)=きぬとわた、帛布=絹と布、帛帳=きぬ製のとばり・・・
・しろぎぬ:束帛加璧(この「帛」はしろぎぬの意。)帛御袍(ハクのゴホウ)=白の絹で仕立てた祭服で天子が神事を行うとき用いる。
・ぬさ:幣帛(ヘイハク)・・・この「ぬさ」は「礼物として贈答する、たむけぎぬ」のこと。
・その他:「くろぎぬ」の意→「玉帛」。うすぎぬの意→「竹帛(之功)」。
<幀:テイ、チョウ、*訓なし>*「テイ」は慣用音
・装幀、幀首(テイシュ)=表装の上部、一幀(イッテイ)・二幀・・・(掛け物や額装などの数え方)
<幟:シ、のぼり、しるし>
・のぼり:旗幟、麾幟(キシ)=指図に用いる旗とのぼり、旌幟、赤幟、幟帛(シハク)=のぼり・はたのきれ、幟半(シハン)=鎧の指物とする小旗
・しるし:標幟(ヒョウジ・ヒョウシ)=象徴、しるし
 *「標幟」の用法(ネット上から検索)
   ○念珠は仏教徒の標識(ひょうしき)・標幟(ひょうじ)・象徴であるとさえ・・・
   ○仏の手に持つ持物のようなシンボルは、仏の誓願の意志を示すには最もふさわしい。それを標幟(ひようじ)、三昧耶形といい、これをもって
    表現したのが三昧耶曼荼羅である・・・
   ○「満州建設の標幟」(マンシュウ ケンセツ ノ ヒョウシ)  ○密教道場の荘厳とその標幟  ○大聖の制し服された袈裟こそ「仏教の標幟」
     であり・・・
   ○本来、袈裟というものは僧侶の標幟となるべき法衣であって・・・
   ○釈尊の悟りの内容は縁起の理法を達観されたことにあり、それはそのまま、仏教の標幟 が諸行無常印・諸法無我印・涅槃寂静印の三法印にある
    といわれる所以でもあります・・・
<幢:トウ、ドウ、はた>
・はた:幢牙(トウガ)=旌幢の牙旗、幢戟(トウゲキ)=はたとはたぼこ、幢幡=「トウハン」と読むと、①(軍の指揮に使う)はた、「ドウバン」と読むと、 ②仏教用語で仏堂に飾る旗のこと。

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熟語の読み・一字訓読 (その85)&(その86)

2015年04月30日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その85)です。
<崢:ソウ、たか(い)、けわ(しい)>
・たか(い) :崢崢=高峻=たかくけわしい。嶢崢(ギョウソウ)=けわしく高い。霄崢、陵崢・・・
・けわ(しい):崢崢・・・
<崚:リョウ、たか(い)、けわ(しい)>
・たか(い) :崚層=たかく重なるさま(大漢和)・幾重にもそびえる(字通)
・けわ(しい):崚崚=けわしくそびえるさま、やせぎす、人品骨格すぐれていること *「気骨崚崚」・・・
<嵌:カン、あな、ほらあな、けわ(しい)、は(める)、はめこ(む)、ちりば(める)>
(2018.3.21 補筆・・・赤字部分)
嵌:カン、あな、ほらあな、けわ(しい)、は(める)、はめこ(む)、ちりば(める)
あな:嵌竇(カントウ)=あな 「遠川、曲がりて流れを通じ、嵌竇潜(ひそ)みて瀬(ライ)を洩らす」 (杜甫・万丈潭)、山嵌(サンカン)
ほらあな:嵌巌(カンガン)=山洞、嵌窟(カンクツ)=洞穴、
けわ(しい):嵌谷(カンコク)=深い谷、嵌巉(カンザン)=山がけわしい、嵌嵒(カンガン)=けわしい山・巌(いわお)・・・✕か。下記参照
は(める) :嵌金=象嵌、嵌工=象嵌工
はめこ(む):嵌合(カンゴウ)
 *その他(「上に大きく開き張るさま」の意)嵌空(カンクウ)=広々としたさま。穹嵌。空嵌。・・・✕か。下記参照。
 *他に「嶄嵌(ザンカン)」=けわしいあな?ほらあな?(不詳)・・・✕か。下記参照。 
(2018.3.21 追加)
(漢検2)意味①はめる。はめこむ。ちりばめる。「嵌工」「嵌入」
②あな。ほらあな。くぼみ。「嵌空」「嵌谷」類)坎(カン)
③けわしい。「嶄嵌(ザンカン)」
下つき:象嵌(ゾウカン)・(ゾウガン) 
「嵌」から始まる言葉▲嵌(あな)▲嵌工(カンコウ)▲嵌頓(カントン)▲嵌入(カンニュウ)
▲嵌まり役(はまりヤク)▲嵌め殺し(はめころし)▲嵌める(は-める)
嵌空(カンクウ):(大字源)①うつろ。ほらあな。②透き通ったような美しさ
嵌谷(カンコク):(大字源)深い谷。深谷。嵌嵒(カンガン)=深い谷。谷の深いさま。
嶄嵌(ザンカン):(大字源)山が険しく奥深いさま。
<嵒:ガン、いわ、いわお、けわ(しい)>
・いわ :嵒幄(ガンアク)=岩窟、岩屋
・いわお:嵌嵒、危嵌、桂嵒、翠嵒  *「嵒」には①みね・やまの意もあり。*山上に累々たる岩石のある形
・けわ(しい):岑嵒、嵒嵒(ガンガン)=いかめしく立つさま、嵒峻(ガンシュン)=高くけわしいさま、嵒齬(ガンゴ)=けわしくて凹凸のあるさま(大漢和)、高低のあるさま(字通)
*「嵒居川観(ガンキョセンカン)」=「嵒(いわ)に住み、川で眺める」=世を避けて山水を友とすること(日本政記・崇徳天皇論)
<嵎:グウ、くま、すみ>
・くま:嵎角(グウカク)=山のくま、「嵎(グウ)を負う」=山のくまの険要を背にして構える=英雄が割拠して勢いのさかんなさま
・すみ:嵎夷(グウイ)=暘谷(ヨウコク)=日のいづる所、嵎谷(グウコク)=日の入る所

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●熟語の読み・一字訓読(その86)です。
<嵬:カイ、ガイ、ギ、たか(い)、おお(きい)>
・たか(い):崔嵬(サイカイ)=①山のごつごつして険しいさま ②たかく聳えているさま、嵬岌(カイキュウ)=高くそびえる山、嵬嶷(カイギョク)=高くけわしいさま、嵬嵬(カイカイ)=高く聳えるさま=嵬然
・おお(きい):嵬峨(カイガ)=高く大きいさま=高大、嵬崛=高く大きいさま、嵬磊(カイライ)=大きな石山
・その他(あやしい、みだり、ほしいまま、おごる 等の意あり)嵬説=狂妄の説・とるに足らぬ説=嵬瑣(カイサ)、嵬容=怪しく正しくない様子・奇怪な姿、嵬岸(カイガン)=おごりたかぶる
<嶂:ショウ、みね>
・みね:嶂雲=高山の雲・・・
・その他:嶂嶮=峻険=高くけわしくそばだつ、嶂=瘴、嶂気=瘴気  *後者2語の「嶂」は「瘴」と通じ、「瘴癘」の意で用いられる。
<嶢:ギョウ、けわ(しい)>
・けわ(しい):嶢嶢=山の高く聳えるさま・志の高いさま、嶢巌、嶢崎=きわだってけわしい、嶢嶷=高峻、嶢闕=大門、嶢崢=けわしく高い
<嶝:トウ、さか、さかみち>*「嶝」:①小さい坂 ②さかみち ③あおぐ 、「登り道」のこと。 (大漢和)
・さか、さかみち:音熟語なし。・・・(比較参考):「磴:トウ、いしざか、いしだん、いしばし」、石磴、磴道・・・
<嶬:ギ、けわ(しい)>
・けわ(しい):崎嶬(キギ)=高くけわしい
<嶮:ケン、けわ(しい)>
・けわ(しい):峻険、嶮阨=嶮隘=せまく危うい、嶮岨、嶮陂=急坂、嶮路=けわしく危うい路
<嶷:ギ、ギョク、たか(い)、さと(い)、かしこ(い)>
・たか(い):嶷岌・岌嶷=高いさま、嶷然=嶷爾=嶷如=高く抜きんでたさま、嶷立=高く抜きんでて立つ  *すべて「ギョク」よみ。
・さと(い)、かしこ(い):(大漢和・字通に、読みナシ・・・)英嶷、明嶷・・・
*嶷嶷(ギョクギョク)=①小児の智慧のすぐれたさま(大)、子の知恵づくさま(字) ②徳の高いさま 
*九嶷(キュウギ):山名。舜の葬られた所(古くは「九疑」と書かれていたらしい)。九嶷山。九嶷信仰→馬王堆帛書に、この信仰の模様が伝えられている由。

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熟語の読み・一字訓読 (その83)&(その84)

2015年04月29日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その83)です。
<屮:テツ、ソウ、め、めば(える)> (注)「屮(サ、ひだり):対象外」とは別字。ネット上にも、「屮」の字体で表示されているもの多し。
・め、めば(える):大漢和・字通とも音熟語なし。
(字通)「めばえ、くさ:①めばえる、②くさ 若芽がわずかにあらわれる形」大漢和「①め、めばえる、めぐむ、②艸の古字」
・その他(くさの意での熟語):屮実(ソウジツ)=草の実、屮茅(ソウボウ)=くさむら、転じて民間・在野、屮昧(ソウマイ)=草昧、屮蹻(ソウキョウ)=わらぐつ・わらで作ったくつ、屮稿(ソウコウ)=草稿=藁稿(コウコウ)
<屹:キツ、そばだ(つ)、けわ(しい)>
・そばだ(つ):屹立、屹峙、屹屹、屹然・・・
・けわ(しい):屹蹶(キツケツ)=嶮しい(険しい)=「屹(けわ)しく蹶(た)つ」意か・・・
<岌:キュウ、ギュウ、たか(い)>
・たか(い):岌岌(キュウキュウ)=たかくあやうい、岌峨(キュウガ)=たかくけわしい、岌嶷(キュウギョク)=高峻、岌然=聳える
・その他:岌乎(キュウコ)=あやうい
<岑:ギン、シン、みね、けわ(しい)>
・みね    :岑壑(シンガク)=みね・山と谷、岑蔚(シンウツ・シンイ)=深く茂った峯・山=岑鬱(シンウツ)=岑翳(シンエイ)、岑嶺
・けわ(しい):岑嵒(シンガン)=高く峻しい=岑巌、岑峭(シンショウ)=けわしく聳える峯、岑立(シンリツ・シンリュウ)=峯のように高くけわしく立つ。岑崟(シンギン)=高くけわしい *崟:ギン、みね、たか(い)
・その他:岑岑(シンシン)=頭痛、頭の悼さま、もだえ苦しむさま。 
<岔:サ、タ、訓なし>*字通にはこの字なし。以下は大漢和。「タ」音のみ。
・岔道(タドウ)=②別れ道=岐路。岔気(タキ)=急に胸が苦しくなる病気。
*その他、地名・曲名・川名・村名・城の名などで、「タ」熟語あり・・・岔河、岔曲、岔口、岔道(①城の名)、岔路(タロ。川の名)・・・

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●熟語の読み・一字訓読(その84)です。
<岫:シュウ、くき、いわあな、みね> *「くき」=山の洞窟≒「いわあな」 *「岫」:穴のある山(大漢和)
・くき、いわあな:岫雲(シュウウン)=山のあなから起る雲。岫居=山のあなの中に居る、岫戸=いわあなの戸、岫室=山の洞穴中の室、岫衍(シュウエン)=山のほらあなが広い、岫虎=洞穴に棲む虎
・みね:岫色=山の色あい・山色。岫勢=山の形状  
<峙:ジ(ヂ)、チ、そばだ(つ)、そな(える)、たくわ(える)> *以下の熟語はすべて「ジ(ヂ)」音。
・そばだ(つ):峙立、対峙、聳峙、鼎峙・・・ 
・そな(える)、たくわ(える):峙積=貯え積む。儲峙。峙糧=糧食を積みたくわえる
<峭:ショウ、けわ(しい)、きび(しい)> *熟語極めて多し。
・けわ(しい):峭狭=けわしくせまい。峭谷、峭崖、峭岸・・・・・
・きび(しい):峭寒=きびしく寒い。峭訐(ショウケツ)=きびしく訐(あば)く、容赦なく非難する。峭覈(ショウカク)=気性がきびしく鋭く、物事を徹底する
<峪:ヨク、たに>*音熟語なし。多くは山名、関名(嘉峪関・・・)
<崟:ギン、みね、たか(い)>
・みね   :巌崟、崎崟、崖崟・・・
・たか(い):岑崟(シンギン)=高くけわしいさま。崟岌(ギンキュウ)=山の高いさま、崟崟(ギンギン)=崟巌=高峻=崟崎=高くけわしいさま
<崛:クツ、そばだ(つ)>
・そばだ(つ):崛起、崛然・・・

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熟語の読み・一字訓読 (その81)&(その82)

2015年04月28日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その81)です。
<宦:カン、つかさ、つか(える)>
・つかさ   :宦途=仕官のみち、宦事、群宦・・・ほか多数
・つか(える):宦意=仕えたい心、宦術=出仕する法・・・
・その他:いわゆる「宦官(カンガン)、しもべ・・・」等、他の意味も多々あり。
<宸:シン、のき>
・のき:宸宇(シンウ)=のき、やね
・その他:(ごてん、そら、建物の聖所、神聖な場所、天子の居所などの意。「宸」の熟語の多くは天子のことに冠して用いる語が多い。この「宸」の用法は六朝期以降の用法・・・):宸翰、宸筆、宸襟・・・等々。*「六朝(リクチョウ)」:中国で、後漢の滅亡後、隋の統一まで建業(現在の南京)に都した呉・東晋・宋・斉・梁・陳の6王朝のこと。
<冦:コウ、あだ、かたき>
・あだ、かたき:冦讐(コウシュウ)、冦仇(コウキュウ)、冦敵・・・
・その他(とる、かすめる、そこなう、害する等の意あり):冦害、冦虐、冦賊、冦盗、冦兵、冦掠(コウリャク)・・・
<窹:ゴ、さ(める)、さと(る)> *「寐:ビ、ね(る)」
・さ(める):窹寐(ゴビ)=ねてもさめても。窹覚=さめる、窹思=さめて思う=窹懐、窹言=さめて言う
・さと(る):窹合=なるほどとさとる、窹然=さとる
<寞:バク、マク、さび(しい)、しず(か)>
・さび(しい)、しず(か):寞寂=寂寞、寞然、寞寞、寞落=落寞、・・・
<寥:リョウ、さび(しい)、しず(か)>
・さび(しい):寥寂、寥落=さびしいさま・落ちぶれたさま、寥寥=寂寞・・・
・しず(か) :寥闃(リョウゲキ)=さびしくて静か、寥邃(リョウスイ)=静かで奥深い・・・
・その他(むなしい、そら の意あり):寥廓(リョウカク)=広大でむなしい、大空・・・

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●熟語の読み・一字訓読(その82)です。
<寰:カン *訓なし>
・寰宇=寰海=世界・天下、寰瀛(カンエイ)=仙人のいるところ、寰球=地球・世界、寰中=世界中・畿内の中、寰甸(カンデン)=天子の封畿、寰内・・・*「寰」:①天子が直轄した領地 ②あめのした(宇内) ③区域・地域 ④ちまた・うきよ ⑤宮殿を取り巻いた垣 (以上、大漢和)
<尸:シ、しかばね、かばね、かたしろ、つかさど(る)>
・しかばね、かばね:(史魚)尸諫、尸骸=屍骸、尸山=しかばねの山、尸車=棺車
・かたしろ:尸官・尸位=かたしろ、かたしろのように何もしない者=曠職、「尸位素餐」、尸祝=かたしろとかんなぎ *「庖人、庖を治めずと雖も、尸祝、樽俎を越えて之に代わらず・・・越俎代庖・・・」
・つかさど(る):尸臣=司る臣、尸盟=盟誓を司る
<屏:ヘイ、ビョウ、かき、ついたて、しりぞ(く)、しりぞ(ける)、おお(う)>
・かき:屏緑(ヘイリョク)=生け垣、藩屏(ハンペイ)、蕃屏、牆屏、門屏
・ついたて:屏障(ヘイショウ)=屏風(ビョウブ・ヘイフウ)と障子、屏風=衝立、屏幃=とばりの内、室内
・しりぞ(く):屏居(ヘイキョ)=世を退き隠居する=屏隠
・しりぞ(ける):屏語(ヘイゴ)=人払いして密語する、屏斥、屏去=除く
・おお(う):屏蔽(ヘイヘイ)=かばう、屏面=顔をかくす(おおう)、屏掩(ヘイエン)=おおいかくす
<屠:ト、ほふ(る)、さ(く)>
・ほふ(る):屠城=城中を全滅する、、屠牛、屠狗・・・
・さ(く) :屠割(トカツ)=して肉を割く=屠裂、屠肉=肉をさく
・その他:屠肆=屠販=肉屋、屠沽(トコ)=酒肉をうる、屠蘇(トソ)=正月の薬酒
<屓:キ、ひいき> *贔(ヒ、ヒイ)
・ひいき:贔屓(ヒイキ、ひいき)・・・字通によれば邦語。
・その他(「屓」に「さかん」、「贔」に「いかる」等の意あり):屓護(キゴ)=庇護、屓贔(キヒ)=強くて力がある(大漢和)、有力(字通)
(参考1)「贔」のその他の熟語:贔屓(ヒキ)=①力を用いるさま・つとめるさま(大漢和)、怒って力をふりしぼる(字通) ②大きい亀(一説に、雄の大鼈とも。) ③目をかけてひきたてる・ひいき・援引、贔怒(ヒド)=怒る・勢いのさかんなこと、贔逆(ヒギャク)=反逆
(参考2)贔屓(ヒキ)とは、中国の伝説上の生物で、竜が生んだ九匹の子(竜生九子(リュウセイキュウシ)の一。「負屓(フキ)」という説もあり。石碑を載せる台石を大亀の形にしたものとして見かけられる。この台石を「亀趺(キフ)」という。ついでに・・・、この竜生九子の一に、「饕餮(トウテツ)」というのもある。

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熟語の読み・一字訓読 (その79)&(その80)

2015年04月27日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その79)です。
<嬾:ラン、おこた(る)、ものう(い)>
・おこた(る):嬾惰=懶惰=なまけ怠る、嬾癖=なまけぐせ、嬾婦=なまけ女・不精な女、嬾情=懶情=怠る心、嬾慢=懶慢=なまけ気まま
・ものう(い):嬾惰=懶惰=ものうく怠る、嬾看=見るにものうい、嬾拙=ものうくつたない、嬾煙=ものういようにただよう煙霧(春、湖水上に浮かぶ靄をいう)
<孅:セン、かよわ(い)、こま(かい)>
・かよわ(い):孅弱=①身体のかよわいこと・たおやか ②筆致が細かで弱いこと 孅研=小づくりでうるわしい・細くて美しい=「繊妍」に同じ
・こま(かい):孅介(センカイ)=こまかい、ちいさい、細小、細緻  孅悉(センシツ)=極めて微細なこと
<孀:ソウ、やもめ>
・やもめ:孀娥=孀婦=寡婦、孀居=やもめぐらし、孀閨=やもめのいる部屋、孀老=年老いたやもめ
<孒:キョウ、ぼうふら>
・ぼうふら:孑孑(ケッキョウ、ぼうふら)=ぼうふら、短い、右臂・右腕がないさま
<孑:ケツ、ゲツ、ひと(り)>
・ひと(り):孑立=一人ぼっちで立つ=孤立、孑遺(ケツイ)=ただひとつ残っているもの=遺種、孑孑(ケツケツ)=①ひとりぼっち・特出のさま・孤立のさま ②小さいさま ③俗に、「ぼうふら」をいう=孑孒(ケッキョウ・ぼうふら)、孑絃=一本の絃、孑然=孤独、ただひとつのさま、孑短(ケッタン)=みじかい
*「孑」には、「孒」(右腕がない意あり)に相対応して、「左腕がない」意あり。
<孕:ヨウ、はら(む)、みごも(る)>
・はら(む)、みごも(る):孕婦、孕胎=懐胎、孕育=孕鬻、孕月=①月をはらむ ②産み月、臨月 、孕珠=珠をはらむ(子をはらむこと)
<孚:フ、かえ(す)、まこと、はぐく(む)>
・かえ(す) :孚化=孵化、孚卵、孚乳=鳥が卵を抱いてかえす
・まこと   :孚信=信実、孚兌(フタイ)=まことがあって喜ぶ(易、兌)
・はぐく(む):孚育=はぐくみ養う=孚養
・その他(つつむ、おおう意あり):孚洽(フコウ)=あまねく行きわたる、孚尹(フイン)=玉の光るさま、玉のあやのあるさま

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●熟語の読み・一字訓読(その80)です。
<孛:ハイ、ボツ、ほうきぼし> *「ボツ」は慣用音
・ほうきぼし:孛星(ハイセイ)=孛彗(ハイスイ)、妖孛(ヨウボツ)、飛孛(ヒボツ)、彗孛(スイボツ)・・・
*「ハイ」と読むときは大きなほうき星、「ボツ」と読むときは小さなほうき星・・・と、どこかで読んだか見た記憶が・・・不確かです。
<孥:ド、ヌ、つまこ>
・つまこ:孥戮(ドリク):妻子まで罰すること
・その他(子、しもべ・やっこ の意あり):孥稚(ドチ)=幼い者、孥輩(ドハイ)=召使い達
<孩:カイ、ガイ、あかご、ちのみご>
・あかご、ちのみご:孩嬰=嬰孩、孩幼、孩童、孩孺、孩子、孩提・・・
<孰:ジュク、たれ、つまび(らか)、いず(れ)>
・たれ     :孰誰(ジュクスイ、たれぞ)=誰か、何人か、「孰(たれ)ぞ、能く・・・せん」
・つまび(らか):孰計=熟計=よく考える、つまびらかに計る、孰察=熟察=つまびらかに察する、孰視=熟視=よくみる、つまびらかにみる
・いず(れ)  :孰若(いずれぞ)
・その他(「ねんごろ」の意):孰諫(ジュクカン)=ねんごろにいさめる=熟諫
<孺:ジュ、ちのみご、おさな(い)>
(訓に対応する音熟語の区別は厳密ではありません。どちらでも対応すると思います。)
・ちのみご  :孺嬰、孩孺・・・
・おさな(い):孺子、孺孩、孺弱=幼くか弱い
<孼:ゲツ、ひこばえ、わざわ(い)、わきばら>孼=孽
・ひこばえ  :孼芽(ゲツガ)=芽生え、端緒
・わざわ(い):妖孼=孼卿=不吉なしるし、孼根(ゲツコン)=わざわいのもと、孼海(ゲツカイ)=罪悪の多い人生=業海、孼障=わざわいの行為、孼種=わざわいのたね・・・
・わきばら  :孼子(ゲッシ)=妾腹の子・庶子=孼庶(ゲッショ)、孼孫=庶出の孫、孼嫡(ゲッチャク)=妾の子と正妻の子=嫡庶

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熟語の読み・一字訓読 (その77)&(その78)

2015年04月26日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その77)です。
<嫋:ジョウ、たお(やか)、しな(やか)、そよ(ぐ)>
・たお(やか):(大漢和・字通ともに、この訓読みナシ)・・・嫋(たお)やか・・・
・しな(やか):嫋娜(ジョウダ)=しなやか、やわらかで長い、美しい、=婀娜
・そよ(ぐ) :嫋嫋(ジョウジョウ)=風のそよぐさま (他に、①弱い ②まといめぐるさま ③声が細くて絶えないさま ④しなやかに長いさま ⑤美しいさま・柔美なさま 、などの意あり。)
<嫂:ソウ、あによめ>
・あによめ:嫂妹(ソウマイ)=あによめと妹、嫂子(ソウシ)=あによめ、嫂叔=あによめと弟 ・・・
<媽:ボ、モ、はは>
・はは:媽媽(ボボ)=①母を呼ぶ称。②年老いた母、女。老婦。(大漢和)
(注)「阿媽(アマ)」=「東アジア諸国に住む外国人の家庭に雇われた現地の女中または乳母の称。媽媽(ママ)。(広辞苑)」とあり、「媽」を「マ」音としている・・・一方、「阿媽(アモ)」と読ませているものもある。漢検DSでは「アモ」。
<嫗:オウ、ウ、おうな、あたた(める)>
・おうな    :媼嫗(オウウ)=老婆。嫗貌(ウボウ、オウボウ)
・あたた(める):嫗伏(ウフウ、オウフウ)孕鬻、嫗育(ウイク、オウイク)=あたため育てる、嫗煦(ウク、オウク)
*字通は、ほぼ「ウ」音。大漢和は「ウ」と「オウ」両方の音読み。
<嫩:ドン、ノン、わか(い)> *「ノン」音は地名のみ。
・わか(い):嫩緑=新緑、嫩芽=若芽、嫩葉=若葉、嫩碧=わかばの緑=新緑、その他、嫩枝・嫩日(=あさひ、旭日)・嫩筍・嫩色など・・・
・その他(「よわい、うすい」意):嫩寒=うすら寒い=薄寒、嫩涼=うすら寒い・・・

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●熟語の読み・一字訓読(その78)です。
<嫖:ヒョウ、かる(い)、みだ(ら)>
・かる(い):嫖客=うかれ客=游冶郎、嫖姚(ヒョウヨウ)=軽くはやいさま(字通)、つよくすばやいさま(大漢和)、嫖子(ヒョウシ)=遊女
*嫖姚:漢の有名な将軍・霍去病は「嫖姚校尉」として驍名を馳せた由。
・みだ(ら):嫖蕩=悪所通い、嫖妓=うかれめ、嫖娼=娼妓=狎妓
<嫺=嫻:カン、みやび(やか)、なら(う)>
・みやび(やか):嫺雅=嫻雅、嫺都=嫻都=みやびやか、うつくしい、嫺麗=嫻麗
・なら(う)  :嫺習=嫻習=ならう、熟練する、 嫺熟=嫻熟=熟達する
<嬌:キョウ、なまめか(しい)>
・なまめか(しい):嬌艶、嬌韻=なまめかしい響き、嬌影=嬌容=媚態=なまめかしい姿、嬌香=なまめかしい香り
・その他(あでやか、かわいい、おごる等、多くの意あり)嬌娘(キョウジョウ)=嬌女=嬌稚、嬌愛、愛嬌、嬌嬰、嬌靨(キョウヨウ)=愛嬌のあるえくぼ、愛嬌笑い=嬌笑、嬌娃(キョウアイ)=うつくしい、あでやかな女
<嬋:セン、ゼン、あで(やか)>
・あで(やか):嬋娟(センケン・センエン)、嬋媛、嬋妍
・その他:嬋娟媚(センケンビ)=つつじ=躑躅=嬋娟榴(センケンリュウ)
<嬖:ヘイ、おきにい(り)、かわい(がる)>
・おきにい(り):嬖人・嬖色(=お気に入りの女)、嬖習(=お気に入りの近習)、嬖姫、嬖女、嬖僮、嬖妾・・・ 
・かわい(がる):嬖愛=寵愛する、嬖昵(ヘイジツ)=気に入り愛する、嬖幸=嬖倖 →「おきにい(り)」にも該当。
<嬲:ジョウ、なぶ(る)>
・なぶ(る):嬲悩(ジョウノウ)=なぶりなやます

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熟語の読み・一字訓読 (その75)&(その76)

2015年04月25日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その75)です。
<姆:ボ、モ、うば>
・うば:姆訓(ボクン)=うばの教え、姆教(ボキョウ)=うばが教える、女教師の教え、姆師(ボシ)=保姆(ホボ)=うば、女教師、姆傅(ボフ)=女子にかしずき教える婦人、うば、
・その他:姆姆(ボボ)=母母=あによめ(*弟の妻が兄の嫁を呼ぶ語(大漢和))、姆姥(モモ?)=①保姆 ②老母 *姥(凖1:ボ、モ、ロウ(大漢和のみ)、うば、ばば)
<姨:イ、おば>
・おば:姨娘(イジョウ)=母方のおば=姨母(イボ)、姨子(イシ)=母方のおばの子、・・・ほか多数あり。
<妍(姸):ケン、ゲン、うつく(しい)>
・うつく(しい):孅妍(センケン)=ほっそりして美しい、妍影=美しい映像、妍歌=美しい歌、妍蚩(ケンシ)=美醜=妍醜。妍粧、「妍姿艶質」
<姙:ニン、はら(む)、みごも(る)>=「妊」に同じ。
・はら(む)、みごも(る):姙(妊)娠、姙(妊)孕(ニンヨウ)、姙(妊)娘(ニンジョウ)=姙(妊)婦
<姚:ヨウ、うつく(しい)、はる(か)>
・うつく(しい):姚冶=姚美=婀娜、姚姚=美しくさかんなさま
・はる(か)  :姚遠=はるかにとおい
・その他:「魏紫姚黄」=牡丹の名。姚佚(ヨウイツ)=煩わしいことと安らかなこと *「姚」は煩労、「佚」は安佚の意。
<娥:ガ、うつく(しい)>
・うつく(しい):娥輝=娥眉光輝=美女のこと、娥娥=女子の容貌の美しいこと
・(月の意味) :娥月、娥影=月のひかり、月光、月かげ、娥輪=月、姮娥(コウガ)=嫦娥(コウガ)
<娟:ケン、エン、うつく(しい)、しな(やか)>
・うつく(しい):娟娟(ケンケン・エンエン)=美しいさま、娟好(ケンコウ)=研好=容貌が美しい、(「娟好静秀」=容貌が美しくてしとやかなこと)、娟秀(ケンシュウ)=器量が良い、嬋娟(センケン)= 顔や姿の 美しくあでやかなようす
・しな(やか):嬋娟(センケン)=なよなよとして美しいさま。(= 「嬋妍・蟬蜎」とも書く。) 、便娟(ベンケン・ベンエン)=①美しくてなまめかしいさま(楚辞・大招)、②軽やかに舞を舞うさま。 ③雪の軽く舞うさま。 *「うつく(しい)」にも対応するか・・・。
・その他:娟魄(ケンパク)=月の異称。

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●熟語の読み・一字訓読(その76)です。
<娜:ダ、ナ、しな(やか)>
・しな(やか):娜娜(ダダ)=①ゆれうごくさま ②しなやかなさま 、婀娜(アダ)=婀(たお)やか、娜(しな)やか
<娉:ヘイ、ホウ、と(う)、めと(る)、め(す)> *(女の名を)「と(う)」→転じて、めとる意となっている。だから、「とう」も「めとる、めす」もほぼ同様の意味。
・と(う)、めと(る)、め(す):娉問=聘問=(名をとい、)めす、よぶ=娉娶(ヘイシュ)・・・
・その他(同様の意味の熟語):娉財=娉納=娉幣=(我が国でいう)結納、娉命=娉会=娉内=許婚、婚約、婚姻の約束、媒娉(バイヘイ)=仲人
<婬:イン、たわむ(れる)、みだ(ら)>
・たわむ(れる):婬愓(イントウ)=たわむれる、あそぶ(「愓」は対象外)、婬佚=みだらなことを楽しむ、たわむれる、
・みだ(ら) :婬伎、婬戯、婬佚、婬俗、婬荒=淫荒、婬女=淫女、婬靡、婬穢、婬耽=淫耽、婬乱=淫乱・・・多多あり。
<婉:エン、しと(やか)、うつく(しい)、したが(う)、すなお>
・しと(やか) :婉辞=婉曲=婉言、婉慧(エンケイ)=しとやかで賢い、婉曼
・うつく(しい):婉奕、婉麗、婉秀
・したが(う)、すなお:婉御(エンギョ)=したがい侍る、婉従=おとなしくしたがう、婉娩=おとなしくすなお(*婉娩聴従)、婉容=おとなしい態度、柔和な姿
<娵:ソウ、シュ、たおやめ、よめ>
・たおやめ:音熟語なし。手弱女。美女の事(大漢和)。
・よめ  :邦語。大娵(おおよめ)。
<娶:シュ、シュウ、めと(る)>
・めと(る):娶嫁=結婚、娶妻、娶聘=めとる、娶親=嫁をむかえる、娶得=めとる・・・
<媾:コウ、まじ(わる)、よしみ>
・まじ(わる):媾合=男女のまじわり=交合、媾接=交接、媾婚=結婚、媾兵=交兵
・よしみ   :媾和=講和・和好  *「よしみ」=仲直りする、和睦などの意。

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熟語の読み・一字訓読 (その73)&(その74)

2015年04月24日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その73)です。
<夬:カイ、ケツ、わ(ける)、き(める)、ゆがけ>
・わ(ける):音熟語なし。刀器などを使って切ったるえぐったるする行為のとき、「夬(わ)ける」と読むらしい。・
・き(める):夬夬(カイカイ)=思い切りの良いさま、果決のさま、決断して疑いを持たないさま、夬履(カイリ)=正しい道を決めてふみおこなうこと(大漢和)、正道をふむ(字通)
・ゆがけ:音熟語なし。
・その他:夬月(カイゲツ)=陰暦3月の異称。
<夭:ヨウ、わか(い)、わかわか(しい)、うつく(しい)、わざわ(い)、わかじに>
・わか(い)、わかわか(しい):夭夭=わかく美しいさま、しなやかなさま、夭柔=若く美しく温柔、夭冶(ヨウヤ)=なまめかしい
・うつく(しい):夭麗、夭夭、夭柔・・・
・わざわ(い):夭妖=わざわい、まが、夭魔=魔物、へんげ、妖魔
・わかじに:夭疫=わかじにと疫病、夭寿=わかじにと長寿、夭殤(ヨウショウ)=わかじに=夭折=夭昏・・・
・その他:(ふさぐ、とめる等の意あり)夭閼=夭遏=おしとどめる、夭矯=自在に屈伸するさま(字通)、飛び上がるさま・ほしいまま・屈曲のさま(大漢和)
<夸:コ、カ、ほこ(る)、おご(る)>
・ほこ(る):夸者=権勢をほこる者、夸耀=誇耀=ほこりかがやかす、夸矜(コキョウ)=誇張してほこる、夸衒=ほこりてらう、夸大=誇大、夸張=誇張、夸誕=おおげさででたらめ、夸詐=ほらをふく、夸人=ほらふき、夸言=誇大な話、おおげさな話、大言、誇言
・おご(る):夸恣(コシ)=おごってきまま、夸汰(コタ)=おごる、夸慢(コマン)=いばる
<夾:キョウ、さしはさ(む)、はさ(む)、ま(じる)>
・さしはさ(む):夾溝=みぞをさしはさむ、夾日=太陽をさしはさむ、夾水=川をさしはさむ、夾乗=さしはさんで乗る、夾杖=さしはさんでいる杖、・・・・その他、夾道、夾宅、夾持・・・など多数あり。
・はさ(む):夾開=はさみきる、夾緊=きつくはさむ、夾撃=はさみうつ=夾攻、夾棍・夾棒=刑具の名(罪人の両足をはさむのに用いる)、夾訊=夾棍や夾棒を用いて拷問すること
・ま(じる):夾雑=まじる、混合する
<奕:エキ、ヤク、いご、ばくち、うつく(しい)、うれ(える)、かさ(なる)、おお(きい)>
・いご :奕棊(エキキ)、奕棋(エキキ)
・ばくち:博奕(バクエキ)
・うつく(しい):婉奕、奕致=美貌 (*奕致:広東地方の方言?)、奕奕・・・
・うれ(える):奕奕
・かさ(なる):奕葉、奕世、奕代・・・
・おお(きい):奕奕
 
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●熟語の読み・一字訓読(その74)です。
<奐:カン、あき(らか)、おお(きい)>
・あき(らか):奐奐=光り輝く、光明なさま、奐然=奐焉=奐乎=かがやかしく美しい、
・おお(きい):輪奐=建築物の高大で壮麗なこと、「輪奐の美」、「輪奐一新」:建物が新しくなって、大きく立派な建物になること。(礼記)
・その他:奐衍=散り敷くさま、多いさま、奐爛=多いさま、多くてさかんなさま
<奎:ケイ、キ、とかきぼし、また> *「また」とは「またぐら」のこと。
・とかきぼし:奎宿、奎星、奎婁(ケイロウ)=奎星と婁星
・また   :奎蹄(ケイテイ)=股間(胯間)と蹄(ひづめ)、「両髀の間を奎(また)という」(説文)
・その他:奎運=文運、奎光=文運の名誉、奎翰=かきもの=瓊翰、奎章・奎書=天子の御筆、奎画=宸翰
<奚:ケイ、しもべ、なん(ぞ)、なに>
・しもべ:奚奴=しもべ、召使い。奚隷、奚僮=奚童、奚婢=下女・下婢
・なん(ぞ)、なに:「奚(なん)ぞ疑わんや」=奚疑(ケイギ)、奚距(ケイキョ)=なんぞ、なんすれぞ。奚若(イカン)=いかん、いかんぞ、なんすれぞ。奚如(ケイジョ)=いかん、何如。奚翅(ケイシ)=なんぞただに・・・*「翅」と「啻(シ、ただ(に))」が音通。「翅」は「啻」の仮借。
<奘:ソウ、ゾウ、ジョウ、さか(ん)>*「ジョウ」は慣用音。他に「ショウ」の音あり。
・さか(ん):奘細(ショウサイ)=巨細=太い(大きい)と細い、奘腰(ショウヨウ)=大腰、大きい腰、ふとごし *大きい意あり。
・その他:僧・玄奘(ゲンジョウ)
<奸:カン、おか(す)、よこしま>
・おか(す):奸犯=おかす、奸命=命にたがう、
・よこしま :奸侫・奸邪・奸譎・・・奸吏=悪役人、奸説=よこしまな説、奸細=小悪人、奸渠=大悪人、奸雄=姦雄 *「君の明は奸雄に闇(くら)まされ、君の恵は群孽(グンゲツ)にふさがる」 (群孽=多くの悪者)
<妁:シャク、なこうど> *「妁は酌なり」(説文)
・なこうど:媒妁=媒酌

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熟語の読み・一字訓読 (その71)&(その72)

2015年04月23日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その71)です。
<塹:ザン、セン、ほり、あな、ほ(る)>
・ほり、あな:塹壕=塹濠=城のほり(とりでのあな)、塹塞=ほりととりで、塹柵=ほりと柵、坑塹、鑿塹・・・
・ほ(る) :塹壕=壕をほる、塹道=道をほる、塹壕の道(字通)、塹刺(ザンセキ・ザンシ)=入れ墨をする(ほる)、ほりもの
<墅:ショ、ヤ、なや、しもやしき、のはら>
・なや:墅扉(ショヒ)・墅門(ショモン)=いなかやの扉、いなかやの戸・・・*「なや」は、もと、穀物を収める田廬(デンロ)、かりいおの事。のち、別邸別荘の意となる。*これらの熟語は「なや」よりも「しもやしき」に該当するかも・・・。
・しもやしき:墅舎(ショシャ)=別墅(ベッショ)=墅楼=別邸、別荘・・・郊墅・山墅・新墅・草墅・林墅・幽墅・野墅など
・のはら:「野」と同義。熟語なし。墅(ヤ、のはら)、壙(コウ、あな、むな(しい)、のはら)
<塿:ロウ、つか、おか>
・つか、おか:培僂(ホウロウ)=ちいさなつか、ちいさなおか *「培塿のに松柏なし」(春秋左氏伝):狭苦しいこせこせしたところには大人物は育たないということのたとえ。
<墟:キョ、おか、あと>
・おか:墟土(キョド)=大きな丘(大漢和)、丘陵地(字通)、 = 丘墟(キュウキョ)
・あと:廃墟、殷墟、墟域=都城のあと、墟巷(キョコウ)=荒れ果てた街、墟墳=荒れ果てた墓、墟曲=荒れ果てた村落
・その他(*「市のたつ所、市」の意あり)墟市=臨時の市=墟集、墟落=墟里=墟聚=墟井=村里  *墟落・墟里:荒れた村落という意味もあり。
<壅:ヨウ、ふさ(ぐ)、さえぎ(る)>
・ふさ(ぐ) :壅河(ヨウガ)=河をふさぎとめる、壅隔=ふさぎへだてる、壅塞=ふさぐ、壅劫(ヨウキョウ)=ふさぎおさえる
・さえぎ(る):壅遏(ヨウアツ)・壅閼(ヨウアツ)=おさえとどめる、壅却(ヨウキャク)=へだておさえる、壅沮(ヨウソ)=へだてはばむ
<壑:ガク、たに、みぞ>
・たに:壑谷(ガクコク)=(字通)たに、あなぐら、(大漢和)あなぐら、地下室、窟屋  *「壑」には「あな」の意もあり。
・みぞ:溝壑(コウガク)=溝渠、みぞ、ほり
・壑舟(ガクシュウ)=谷にかくした舟 →事物の推移を知らないたとえ。「夫れ、舟を壑に蔵し、沢を山に蔵し、之を固しという」(荘子・大宗師) *舟壑(シュウガク):ネットには、「物を安全なところにしっかりと仕舞い込むことのたとえ」という説明もあり。

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●熟語の読み・一字訓読(その72)です。
<壙:コウ、あな、むな(しい)、のはら> *壙(のはら)は原野の意。
・あな:壙穴=つかあな、はかあな、墓穴、壙中=墓穴のなか、壙壟(コウロウ)=はか
・むな(しい):壙虚=むなしい、空地、荒地、壙壙=むなしいさま、がらんとしているさま
・のはら:壙野=あらの、壙壙=野原などのひろびろとしたさま
<壜:タン、ドン、びん>*壜(タン)は「さかがめ」の意。 
・びん:邦語。音熟語なし。
・半壜(ハンタン)・・・「・・・棋を覆して残局あり。橘辺(キッペン)に酒を沽(か)いて半壜空し・・・」(唐・許渾「夜、駅楼に帰る」)
<壟:リョウ、ロウ、うね、つか>
・うね:壟上=うねの上、壟端=うねの端、壟次=うね、壟畔(ロウハン)=はたけのかうね、壟畝(ロウホ)=はたけ、いなか
・つか:壟断、壟塋、壟丘=小丘、塚、墳墓
<壼:コン、おく、しきみ> *「しきみ」=門のしきみ、閉ざすもの(字通) *しきみ内、転じて、女の意。
・おく :壼奥(コンオウ)=蘊奥(ウンノウ)、宮中の奥深いところ。、壼政=大奥の政、宮中の奥向きの政
・しきみ:壼訓=婦人の良い教え、壼範=婦人の徳の模範、壼閣=閨房、壼則=婦人の行為のさだめ
・その他:壼術=宮中の道
<夐:ケイ、はる(か)、とお(い)、なが(い)>
・はる(か):夐然=夐焉=はるかなさま、夐絶=はるかに異なる、かけ隔てる、夐長=はるか、ながい、幽夐、悠夐、寥夐・・・
・とお(い):夐迂=遠大、夐遠=とおい、はるかにとおい、夐古=遠い昔、夐遼=遼遠、
・その他:夐夐(ケイケイ)=おどろきみるさま、みるさま 、 夐明=大いにあきらかなさま
<夥:カ、おびただ(しい)、おお(い)、なかま>
・おびただ(しい)、おお(い):夥多、夥煩、夥繁、夥頤(カイ)=多いかな!*「一説に、2字ともに、驚いて発する語」(大漢和)
・なかま:夥盗=盗賊仲間、夥同=一味・一党・なかま、夥居=なかまで住居する、夥開=なかまで開業する、夥党=謀叛人・盗賊などのなかま、夥犯=犯人のなかま、夥伴=つれ・なかま・・・

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熟語の読み・一字訓読 (その69)&(その70)

2015年04月22日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その69)です。
<垠:ギン、かぎり、さかい、きし>
・かぎり、さかい:垠鄂=垠鍔=辺際、極限、垠際=涯際、はて、かぎり
・きし:垠崖(ギンガイ)=切り立ったように聳えた岸・がけ
<垤:テツ、ありづか、つか>
・ありづか:垤塊(テツカイ)=ありづか、ちいさな国、 垤蟻(テツギ)=蟻垤=ありづか
・つか  :丘垤、荒垤、高垤、阜垤、封垤、隆垤・・・
<埆:カク、そね、やせち>
・そね :(邦語か。音熟語なし。石ころが多く土地がやせているさま。「埆(そね)」
・やせち:埆埆(カクカク)=土地のやせたさま、墝埆(コウカク)=石の多いやせ地 *「墝」は対象外漢字(「磽确」=「墝埆」)
<埒:ラチ、ラツ、かこ(い)> *「ラチ、ラツ」は慣用音(大漢和)。大漢和・字通とも「レツ」での音熟語あり。
・かこ(い):埒外(ラチガイ)、埒内(ラチナイ)、放埒(ホウラツ)、不埒(フラチ)・・・
 *埒垣(レツエン)=囲い、*埒畝(レッポ)=うね、田のあぜ、*埒略(レツリャク)=大略、あらましをのべる
<堊:ア、アク、しろつち、いろつち>
・しろつち:堊室(アクシツ)=白壁の室。服喪する室。=堊廬(アロ)、堊車(アクシャ)=白く塗った車、喪に服する者の乗る車。、堊塗(アクト)=白く壁を塗る・塗り込む、白堊(ハクア)、堊筆(アクヒツ)=白墨・チョーク、堊牆(アクショウ)=堊壁(アクヘキ)=しらかべ、堊白(アクハク)=白く塗る、*「堊慢(漫)(アマン)」=しろつちを塗る(べったり塗る)・・・運斤成風の故事中、「郢人、その鼻端を堊慢(漫)し、・・・匠石をして、これをけずらしむ。匠石、斤を運らして風を成し、・・堊をつくせども鼻傷つかず・・・」、赭堊(シャアク)=あかしろ、赤塗り(赤つち)と白つち、「黝堊丹漆(ユウアクタンシツ)」:建物が昔からの伝統に基づいて作られていること。 異説もあるが、「黝」は青みを帯びた 黒色、「堊」は白色、「丹」は赤色、「漆」は黒色または漆塗りのこと。
・いろつち:「堊(アク)せず」=漆喰をかけない、壁などの上塗りをしない→「堊」は白つちまたは色つち(大漢和)、他に、「丹堊」「土堊」などの「堊」も「いろつち」の意か・・・*「しろつち」も「いろつち」も区別は不詳・・・。
*2015.12.20 補筆・訂正
 上記の「堊慢(漫)」について、字通は上記のとおり「アマン」ですが、その後の調査では、
 大漢和「オマン」(正確には辞典の表示は「ヲマン」)、大字源・漢字源は「アクマン・オマン」という読みとなっています。なお、現行音では「オ(ヲ)」音はありません
。 
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●熟語の読み・一字訓読(その70)です。
<堙:イン、ふさ(ぐ)、ふさ(がる)、うず(める)、うず(もれる)>
・ふさ(ぐ)  :堙塞(インソク)=ふさぐ、堙阻(インソ)=ふさぎはばむ
・ふさ(がる) :堙鬱(インウツ)=気がふさがる、堙澱(インデン)=ふさがりつまる、ふさがりよどむ
・うず(める) :堙塹(インザン)=堀うめ、堀をうずめる、堙茨(インシ)=うずめふさぐ
・うず(もれる):堙蕪(インブ)=うずもれ荒れる、堙滅=湮滅=うずもれ滅びる
*堙穴(インケツ)=地下道(字通)・・・(穴をふさぐ?、うずめる?)
<堡:ホウ、ホ、とりで、つつみ> *「ホ」は慣用音。
・とりで:堡営(ホエイ)、堡砦(ホサイ)=堡塞・堡寨=堡柵=堡障=堡塁  (= 城寨)
・つつみ:堡塢(ホオ)=どて、つつみ *「塢」は対象外。大漢和・字通とも、この熟語しか見当たらず。
<堽:コウ、おか> *「堽」は「岡」の別字体。
・おか:岡(堽)曲(コウキョク)=おかのくま、岡(堽)阜(コウフ)=小高い丘、
 *「堽」での熟語というより、「岡」での熟語で表示されている。
・その他:堽頭(コウトウ)=水夫の頭目(大漢和)
<塋:エイ、はか、つか>
・はか:塋域=塋園=塋地=兆域、*ほかに、塋場、塋田、塋土、塋墳、塋墓、塋壟など・・・塋記=墓誌の一種、塋樹=墓地に植えた樹木
・つか:冢塋、丘塋 *「つか」でも「はか」でも通用するか・・。
<塒:シ、ジ、とや、ねぐら、とぐろ>
・とや、ねぐら:塒鶏(シケイ)=ねぐらにある鶏、とぐらの鶏、 塒圏(シケン)=鳥をいれておく所と獣を入れておく所。鳥獣のおり。
(ほかに、鶏塒、棲塒、雉塒など)
・とぐろ:大漢和・字通ともに、読み&音熟語なし。邦語か・・・。
*とや=鳥屋=鳥を飼っておく小屋(「とや」には他の意味もあるも省略)、*とぐら=鳥栖・鳥座・塒(広辞苑:鳥の夜寝る所。ねぐら。とや。「塒」=「とぐら」と読むが、正規の訓読みにはナシ。)  
*「垣を鑿ちて棲むを塒となす」(爾雅・釈宮)・・・「垣に穴をあけて鶏を棲まわせる処。転じて、一般に、鳥の棲む所。「とぐら」をいう」(字通)

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熟語の読み・一字訓読 (その67)&(その68)

2015年04月21日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その67)です。
<囃:ソウ、はやし、はや(す)>
・はやし、はや(す):乱囃(ランソウ)=かまびすしくはやしたてる
<囈:ゲイ、たわごと、うわごと>
・うわごと:囈言・囈語=うわごと、ねごと 
・たわごと:囈譫(ゲイセン)
*「譫:セン、たわごと、うわごと」「譫」も「譫言」、「譫語」などの熟語がありますね。
*「囈」、「譫」とも一字で、「うわごと、たわごと」と訓読みできます。
<囮:カ、おとり>
・おとり:囮子(カシ)=おとり
・その他:(あざむく、あざむきさそう等々の意味あり)囮育=化育、囮場=賭場、讒囮・・・
<圄:ゴ、ギョ、ひとや、とら(える)>
・ひとや:囹圄(レイギョ・レイゴ)・圄囹(ギョレイ)=ひとや、牢獄、圄空(ギョクウ・ゴクウ)=牢獄が空になる→太平の世 *「昔、周公、吐哺の労を躬(みずか)らす。故に、圄空の隆あり。」
・とら(える):音熟語なし。「圄(とら)える」
<圉:ギョ、ゴ、ひとや、まきば、うまかい、か(う)、ふせ(ぐ)>
・ひとや  :囹圉、獄圉、・・・
・まきば  :(大漢和・字通ともに読みも意味もなかったけど、強いて挙げれば・・・)圉者=牧畜する者=圉人、圉牧=家畜の世話をする人・・・などか。
・うまかい :圉人=うまかい、圉臣=うまかい、馬を飼育する臣(*臣下の謙称でもある)、圄者=うまかい・調馬師
・か(う) :馬圉、牧圉、豢圉・・・
・ふせ(ぐ):守圉、禁圉、圉禁、強圉、・・・いづれも「ふせぎとめる、ふせぐ」意。
・その他:
  圉余=陰暦四月 *「月が丁にあるから圉余という」(爾雅・釈天)=陽の月の名(大漢和)
  辺圉=辺境=くにざかい、圉圉焉=「始めてこれ、魚をはなてば、圉圉焉たり、少しすれば即ち洋洋焉たり・・・悠然として逝く・・・」=のびやかでないさま、つかれおとるさま、苦しんでのびないさま
  圉隷=罪人と奴隷、 圉奪=人を閉じ込めて物をうばう、 圉絆=とらえる、とらえられる=拘禁
<圜:カン、エン、めぐ(る)、めぐ(らす)、まる(い)>
・めぐ(る)、めぐ(らす):圜流(カンリュウ、エンリュウ)=めぐって流れる(「圜流、回水なり」)、急流(字通)、「圜流九十里」(孔子家語)
・まる(い):圜丘(エンキュウ)=月形の丘、天子が冬至に天を祭る壇、圜冠(エンカン)=儒者が用いる円形の冠、圜闕(エンケツ)=まるい屋根の宮殿、圜壺(エンコ)=士の旅食に用いたまるい壺・・・<圜(エン、まる(い))>の熟語は多多あり・・・

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●熟語の読み・一字訓読(その68)です。
<坎:カン、あな、なや(む)>
・あな:坎穽(カンセイ)=おとしあな、坎井(カンセイ)=浅い井戸・古くなって壊れた井戸 *坎井の蛙=浅い井戸に住む蛙、坎壇(カンダン)=祭るために地に穿った穴と地に築いた壇 、坎墓(カンボ)=墓地、はかあな  *「避坎落井(ヒカンラクセイ)」=一難去ってまた一難(穴に落ちるのを避けて井戸に落ちる)
・なや(む):坎軻(カンカ)=行きなやむ
・その他:坎止(カンシ)=険難にあって止まる、坎路=悪路=険路   *「坎」:けわしい意。
<圻:キ、さかい、きし>
・さかい:圻界=境界、圻郊=郊野、圻田(キデン)=王領地、圻内=王畿の内、圻埒(キラツ)=辺界
・きし :圻岸(キガン)=きし、海圻(カイキ)
<坏:ハイ、おか、つき>
・おか:(低い丘のこと)音熟語なし。
・つき:(邦語。物を盛る器の名)坏坩(ハイカン)=つきとつぼ、陶器、やきもの、 陶坏(トウハイ)、磚坏(センハイ)
・その他:坏土(ハイド)=ひとすくいの土、わずかな土、一杯の土 (注)「抔(ホウ、すく(う)、など」とは別字。「一抔土」=ひとすくいの土、転じて、墓地・はかの意。
(参考)坩(カン、つぼ、るつぼ)・堝(カ、るつぼ)、坩堝(カンカ、るつぼ)
<坡:ハ、ヒ、さか、つつみ、なな(め)>
・さか :坡地(ハチ)=傾斜地
・つつみ:坡下(ハカ)=つつみ(堤)の下、坡塘(ハトウ)=つつみ、堤防、坡隴(ハロウ)=おか・丘陵(字通)、つつみとおか(大漢和)
・なな(め):坡陀=陂陀=高低起伏してつづく(字通)、斜めに傾いて平らでないさま(大漢和)、坡地=傾斜地
<坿:フ、ブ、ま(す)>
*音熟語なし。「城郭を坿(ま)す」(呂覧・孟冬)・・・「坿す」=益す →「附」に通ず。(「附(つ)ける」)
・その他:「白坿」=石英
<垓:カイ、ガイ、はて、さかい>
・はて :垓極(ガイキョク)=地の果て、荒遠の地、
・さかい:九垓(=境界の意)「天子は九垓の田に居る」、壇垓、田垓・・・、「八極九垓」=天下の意(字通)
・その他:垓垓=乱雑なさま、垓心=重囲の中(この「垓」は「さかい」の意か・・・)、垓(ガイ)=数の単位。1京(ケイ)の1万倍。10の20乗。古くは京 の10倍とも・・・。

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熟語の読み・一字訓読 (その65)&(その66)

2015年04月20日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その65)です。
<噬:セイ、ゼイ、か(む)、く(う)>
・か(む):噬臍(ゼイセイ)=噬斉、噬狗=かみ癖のある犬=噬犬、噬呑=呑噬=かみつき飲み込む、噬螫(ゼイセキ)=かみ刺す、噬膚(ゼイフ)=はだをかむ←容易なことのたとえ
・く(う):噬食=噬啖=くらう
<噪:ソウ、さわ(ぐ)、さわ(がしい)>=「譟」と同じ。
・さわ(ぐ)、さわ(がしい):喧噪=喧譟
<嚆:コウ、さけ(ぶ)、なりひび(く)>
・さけ(ぶ):音熟語なし。「嚆(さけ)ぶ」
・なりひび(く):嚆矢=鳴りかぶら(なりひびく鏑矢)→事のはじまり・事を始めること=鳴箭(メイセン)
<嚀:ネイ、ねんご(ろ)>
・ねんご(ろ):叮嚀
<嚊:ヒ、はないき、かか、かかあ>
・はないき:大漢和・字通ともに該当する音熟語なし。「嚊煙壺(ビエンコ)=かぎタバコ入れ(嗅ぎタバコを入れるための容器)。かぎたばこ=鼻の穴にすりつけて香りを味わう粉タバコのこと。」や「吸嚊(キュウキ)」=気を開くこと・開張 (この「嚊(キ)」は息・呼吸の意)」が「はないき」に該当するかもしれない・・・。
・かか・かかあ:邦語。嚊天下(かかあでんか)など。

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●熟語の読み・一字訓読(その66)です。
<嚮:キョウ、むか(う)、む(く)、さき(に)、ひび(く)>
・むか(う)、む(く):嚮赴=むかいおもむく、嚮背=向背、嚮晦=日の入る時・暗にむかうとき、嚮邇(キョウジ)=むかいちかづく、嚮晨=明け方に向かう=夜明け、嚮導=嚮道=道案内する、嚮服=帰服=向服、嚮風=慕ってその風に傚うこと、嚮慕=心を寄せる、慕う=向慕
・さき(に):嚮時=以前、嚮日=①往日、(日にむかう・太陽の方にむく という意味もあり)、嚮者=さきに、嚮来=さきに
・ひび(く):嚮然=音のひびくさま、嚮景(キョウエイ)=響きと影
・その他:嚮使(キョウシ)・嚮令(キョウレイ):もし、たとえ、もしも、さきに云々して云々せしめば・・・
<嚬:ヒン、ひそ(める)、しか(める)、ひそ(み)>
・ひそ(める):嚬眉=まゆをひそめる、嚬蛾=美しい眉をひそめる、嚬蹙(=顰蹙)、嚬瘁(ヒンスイ)=まゆをひそめて憂える
・しか(める):嚬蛾=美人が顔をしかめること(「蛾」は蛾眉のこと)、嚬蹙(=顰蹙)、嚬笑=顔をしかめることと笑うこと(一嚬一笑)、嚬呻(ヒンシン)=顔をしかめてうめく、困苦する
・ひそみ=嚬(ひそ)み=顰(ひそ)み
・その他:嚬伸(ヒンシン)=あくび(字通・・・、眉をひそめる・しかめる意かも・・・)
<嚶:オウ、な(く)>
・な(く):嚶嚶=①鳥の鳴きあう声 ②朋友が励まし合う声 ③鈴の音 、嚶鳥=なく鳥、嚶声=なく声、嚶鳴=鳥が相和して鳴くこと
<囂:キョウ、ゴウ、かまびす(しい)、やかま(しい)、わずら(わしい)>
・かまびす(しい):囂塵(ゴウジン)=囂埃(ゴウアイ)=囂滓(ゴウシ)=かまびすしい俗世間、囂号=囂譁=囂諠=かまびすしく叫ぶ
・やかま(しい) :囂囂=多くの衆のやかましいさま・声・・・など複数の意味あり、囂訟(ゴウショウ)=やかましく訴える
・わずら(わしい):囂黷(ゴウトク)=わずらわしくてけがらわしい、囂務=わずらわしい仕事
<嚼:シャク、か(む)、あじ(わう)>
・か(む)  :咀嚼、嚼咀、嚼咽(シャクエン)=かんでのむ、嚼嚥=かんでのみこむ、嚼歯(穿齦)=歯をくいしばる
・あじ(わう):嚼味=味をかみわける(*「かむ」にも該当するか・・・)

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熟語の読み・一字訓読 (その63)&(その64)

2015年04月19日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その63)です。
<嗤:シ、わら(う)、あざわら(う)>
・わら(う)、あざわら(う):嗤笑=あざけりわらう、嗤翫(シガン)=さげすみ笑いもてあそぶ・あざ笑ってなぶりものにする、嗤詆(シテイ)=あざ笑いののしる、嗤鄙(シヒ)=あざ笑いいやしむ
<嗾:ソウ、そそのか(す)、けしか(ける)>
・そそのか(す)・けしか(ける):使嗾 
<嗽:ソウ、ソク、せ(く)、せき、くちすす(ぐ)、うがい、す(う)>
・せ(く)、せき:嗽咳(ソウガイ)=咳嗽=せき、しわぶき、せきする、嗽喘(ソウゼン)=せきこむ、嗽声=しわぶき声
・くちすす(ぐ):嗽口(ソウコウ)=くちすすぐ、嗽石(=漱石)=石にくちすすぐ、口をすすぐ・うがいする
・うがい    :嗽薬(ソウヤウ)=うがいぐすり、嗽石
・す(う)   :嗽飲(ソウイン)=すいのむ、嗽吮(ソウセン)=すう 「癰を・・・嗽吮す」
<噁:オ、アク、いか(る)>
・いか(る):喑噁(インオ)=怒るさま
・その他:噁噁(アクアク)=鳥の声  *2015.12.18「アクアク」に訂正。 (以前は「オオ」としておりました。)
<噎:イツ、エツ、むせ(ぶ)、む(せる)、ふさ(がる)>
・むせ(ぶ)、むせ(る):噎噫(エツイ、エツアイ)=むせび悲しむ声、噎噎(エツエツ)=むせぶ、噎嘔(エツオウ)=①むせぶ、②喜びの余り声がつまる (以上、字通)、①むせんで吐く、②笑い喜ぶ声 (以上、大漢和)、噎食(イツショク)=食にむせぶ
・ふさ(がる) :噎鬱(エツウツ)=気がふさがる、噎喑(エツイン)=声が咽喉につかえて出ない、だまって物を言わない(大漢和)、声がつまる(字通)、噎下(エツカ)=おおいふさぐ

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●熟語の読み・一字訓読(その64)です。
<嘴:シ、くちばし、はし>
・くちばし・はし:嘴爪(シソウ)=くちばしとつめ、嘴鼻(シビ)=口と鼻、「鶍の嘴(はし)の食い違い」
・その他:嘴臉(シレン)=①評判・面目 ②醜い顔(大漢和)
*熟字訓・当て字で、「活嘴(カラン)」=水道の蛇口
<嘶:セイ、いなな(く)、しわが(れる)>
・いなな(く) :嘶号(セイゴウ)=いななき、いななきさけぶ、嘶噪(セイソウ)=①馬がいななき騒ぐこと ②蝉が鳴き騒ぐこと、嘶馬(セイバ)=いななく馬、嘶声=馬などの鳴く声(いななき声)
・しわが(れる):嘶啞(セイア)=声がしわがれること=嘶咽(セイエツ)、嘶困(セイコン)=言語がしわがれむせぶこと
・その他:「むせび鳴く、鳴く」意あり。嘶囀(セイテン)=なきさえずる
<嘸:ブ、ム、さぞ>
・さぞ:邦語。音熟語なし。
・嘸然=憮然        <参考><憮:ブ、ム、いつく(しむ)、がっかり(する)>
<噫:イ、アイ、ああ、おくび>
・ああ :噫嗟(アイサ)=ああ、
・おくび:噫気(アイキ)=おくび、あくび、吐き出す息、 噫欠(アイケン)=おくびとあくび
・噫乎(ああ)・噫戯(ああ)=嘆息する声
・その他:噫咽(アイエツ)=むせぶ、噫嗚(イオ)=なげく、なげきいたむ、五噫(ゴイ)、嘆噫、長噫、憂噫
<参考>噯(アイ、ああ、おくび):噯気(アイキ)=おくび
<噤:キン、つぐ(む)、と(じる)>
・つぐ(む):噤口=口をつぐむ、発言しない、噤臥=口をつぐんで臥す=黙臥、噤黙=黙る
・と(じる):噤閉(キンペイ)=口をとじる、つぐむ、噤門(キンモン)=閉門、噤戦=口をとじておののく、物も云えずにふるえる

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