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漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

熟語の読み・一字訓読 (その121)&(その122)

2015年05月18日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その121)です。
<曬:サイ、さら(す)>
・さら(す):曬光=光をさらす、曬燥=さらしかわかす、曬書=書物を虫干しする、曬曝(サイバク・シバク)=日にさらす(*大漢和ではこの熟語のみ「シバク」と読んでいる。大漢和・字通とも「サイ」音のほか、「シ」音も読み方としては載せている。)
<曰:エツ、いわ(く)、のたま(わく)、い(う)>
・いわ(く):(邦語)「曰く」
・のたま(わく)、い(う):熟語なし。
*その他:曰若(エツジャク)=発語のことば。「ここに」という意味(発語の助辞)。
<曷:カツ、なに、なん(ぞ)、いずくん(ぞ)、いつ>
・なに、なん(ぞ)、いずくん(ぞ):曷若(いかん)=いかん、何。 曷為(なんすれぞ)
・いつ:曷日(カツジツ)=いずれの日、何日
*その他:曷鼻(カツビ)=仰鼻(字通)、すくも虫のようあ形をした鼻(大漢和) *「曷」に、虫の名・鳥の名(→曷旦)などの意味あり(大漢和)
<朮:シュツ、ジュツ、チュツ、もちあわ、おけら、うけら> *「ジュツ」は慣用音。「うけら」は「おけら」の古名。
・もちあわ:朮酒=朮(もちあわ)でつくった酒。朮羹艾酒=朮(もちあわ)でつくったあつものとよもぎをいれた酒(5月の節句に洛陽の人がつくたもの) *「朮」は「秫」という漢字と通じて「もちあわ」の意。
・おけら、うけら:熟語なし。「朮(おけら・うけら)は、一名、山薊(サンケイ・やまあざみ)なり」(薬用植物の由)
(注)朮羹艾酒の「朮」:ネット上、各種辞典上も「もちあわ」か「おけら(うけら)」かほぼ半々の解説。漢検四字熟語辞典では「朮」に読みを入れていないが、薬用植物と書いてあることから暗に「おけら」を指そうとしているようにも見える・・・ここでは、大漢和・字通ともに、「もちあわ」との意味で記述してありましたので「もちあわ」の意としております。ついでに・・・この「もちあわ」は粘り気のある糯粟のことらしい。

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●熟語の読み・一字訓読(その122)です。
<朿:シ、とげ、のぎ、いが>
*音熟語なし・・・廃字らしい。今は「刺」字が使われている由。
<朸:リキ、リョク、ロク、もくめ、おうご、てんびんぼう>*「おうご」=「てんびんぼう」。いづれも邦語。
*音熟語なし(地名などでは有り)
<杆(=桿):カン、てこ、てこぼう、てすり、たて>
・てこ、てこぼう:槓杆
・てすり:欄杆(→欄干)
・たて:杆杓(カンシャク)=盾の柄、槍杆=やりと楯、鎧杆=よろいとたて
*その他:まゆみ、やまぐわ等の木の名の意味あり(大漢和・字通)。
<杠:コウ、はたざお、ちぎ、ちきり>
・はたざお:杠首(コウシュ)=はたざお(旗竿)の先
・ちぎ、ちきり:(邦語)杠秤(コウヒョウ、ちぎ、ちぎり、はかり)
*その他:杠梁(コウリョウ)=橋梁のこと(「杠」は徒行のためのもの。「梁」は車輿を通すもの。「こばし(小橋)」の意あり。)、杠蓋(コウガイ)=車蓋(「杠」は車蓋の柄)、杠轂(コウコク)=物の中心をいう(「杠」は物の中心・・・横木の意あり・・・「轂」も同様。)、杠衣(コウイ)=車蓋の柄を蔽う布、杠谷樹=枸骨(ひいらぎ)
<杞:キ、コ、くこ、おうち、かわやなぎ、こりやなぎ>
・くこ:杞菊(キキク)=くこと菊、杞葉=くこと葉、杞笋(キジュン)=くこの芽 、枸杞(クコ)=くこ
・おうち:杞梓(連抱)=おうちと梓 (一説に、この「杞」は「かわやなぎ」とも)
・かわやなぎ:杞柳(キリュウ)=かわやなぎ、こぶやなぎ(「こぶやなぎ」は「こりやなぎ」と同じ)
・こりやなぎ:同上。
*「杞憂」の「杞」は国名(地名)

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熟語の読み・一字訓読 (その119)&(その120)

2015年05月17日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その119)です。
<晢:セツ、セイ、あき(らか)、かしこ(い)>=「晣」
・あき(らか):晢晢(セイセイ)=光明なさま・明らかなさま(大)、星の光るさま(字通) *「明星、晢晢たり」(詩経)、晣晣(セイセイ)=あきらなさま *「庭燎、晣晣たり」(詩経)、明晢=明らか *「明晢・・・晢明に事を行う」(説文)、昭晢=昧爽・夜明けの意、目晢・・・
・かしこ(い)適当な熟語見当たらず。
<(晰):セキ、あき(らか)>
・あき(らか):=晰晰、昭晰、明晰・・・晰理=分理、晰類=分類、*明晰:頭脳明晰=あきらかではっきりしていること 
*その他(「皙(セキ、しろ(い)、なつめ)」と通じて「白い、色白」の意あり・・・この「皙」は「」と字体異なるので注意。)白(セキハク)=色白の人、種=白色人、人=色白の人
<暈:ウン、かさ、ぼか(し)、めまい、くら(む)、ぼか(す)、ぼけ(る)、くま>
・かさ:暈囲=日月のかさ、月暈、日暈、暈気=日がさ、暈月、暈蝕=かさと蝕、暈珥(ウンジ)=日がさ(*「日の気。日がさ。暈は日を囲繞する気。珥は両旁に在って内に向かう気」(宋史・天文志一))・・・天文用語の模様・・・、暈光=採光、暈裙=月光のようなもすそ
・ぼか(し):暈蔭=うっすら、暈染(ウンゼン)=ぼかし=暈淡、暈繝(ウンゲン)=ぼかし染めた物・くまどりまじえるもの
・めまい:暈眩、眩暈、暈穴(ウンケツ)=急所(*「相手をしてめまいをせしめるところ」(大漢和))
・くら(む):暈目=目をくらます
・ぼか(す)、ぼけ(る):暈花=かすむ、暈昏=かすんで迷う
・くま:(邦語)暈取(くまどり)
*その他(現代用語で船・車などに「酔う」意あり)暈船=船酔い=船暈、酒暈、酔暈、車暈・・・
<暉:キ、かがや(く)、あき(らか)、ひかり、ひか(る)>
・かがや(く):暉映=かがやきうつる、暉暉=①日光のかがやくさま
・あき(らか):暉暉=②空がはれてあきらかなさま
・ひかり、ひか(る):暉芒=光芒=ひかり・かがやき、暉光=ひかりかがやく、かがやく光、暉夜=蛍火のこと。

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●熟語の読み・一字訓読(その120)です。
<暘:ヨウ、ひので、あき(らか)>*「暘、日出 也」(説文)「暘、明 也」(書・堯典)
・ひので:暘谷(ヨウコク)、暘烏(ヨウウ)=日の異名=陽烏
・あき(らか):暘谷
*その他(かわく、かわかす意)暘燥(ヨウソウ)=日照りで乾燥すること
<暝:ミョウ、メイ、くら(い)、かす(か)、く(れる)>
・くら(い):暝途(メイト)=暗い道・夜道、暝煙=暗雲、暝暗、暝晦、暝靄=ほのぐらい靄、暝暝=くらい(字)、さびしいさま(大)、暝天=くらい夜空
・かす(か):暝茫=ぼんやり
・く(れる):暝雪=夜半の雪、暝鐘=ひぐれの鐘、暝色=晩の景色・夕暮れの景色、暝帆=晩帆・遠方にくらく見える船の帆
<曠:コウ、あき(らか)、ひろ(い)、むな(しい)>
・あき(らか):曠迥(コウケイ)=はるか、とおい、あきらか
・ひろ(い ):曠闊、曠野=あら野、曠曠=ひろびろとしたさま、ひろく大きなさま、ひろくはるかなさま
・むな(しい):曠世・・・、曠官、曠古、曠天、曠久=曠日弥(彌)久・・・多多あり。
<曦:ギ、ひ、ひかり>
・ひ、ひか(り):曦光=日の光、赫曦(カクギ)=日の光、曦月=太陽と月、曦軒=太陽の乗っている車の意=日のこと
<曩:ドウ、ノウ、さき、さき(に)、ひさ(しい)>
・さき、さき(に):曩日=前日、さきの日、昔、疇昔。曩昔=さきに、かつて、以前。曩祖=祖先・先祖、曩時、曩歳・・・
・ひさ(しい):曩懐(ノウカイ)=ひさしい思い(昔から懐いていた思い)
*「さき、さきに」と「ひさしい」はほぼ同義(「ひさしい前」)で使われているので、熟語は両方の訓読みが可能と思われる。

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熟語の読み・一字訓読 (その117)&(その118)

2015年05月16日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その117)です。
<杲:コウ、あき(らか)、たか(い)> *大漢和では以下の2熟語のみ*
・あき(らか):杲杲
・たか(う) :杲乎(コウコ)=高いさま
<昃:ショク、ソク、かたむ(く)、ひるす(ぎ)>
・かたむ(く):日昃=日がかたむく
・ひるす(ぎ):日昃=日がかたむく時間。午後二時ごろ(ひるすぎ)、昃食(ショクショク)=夕飯・晩食
*「日昃之労」=昼食を摂らないで昼過ぎまで働くこと。脇目もふらずに働く労働。
<杳:ヨウ、くら(い)、おくぶか(い)、はる(か)>
・くら(い):杳杳、杳冥・・・
・おくぶか(い):杳冥=奥深くて暗い・はるかに遠い、・・
・はる(か):杳杳、杳冥=窈冥=杳溟、杳然、杳乎、杳漠、杳渺(眇)・・・
<昶:チョウ、ひさ(しい)、の(びる)>
*大漢和・字通とも音熟語なし。「昶しい」「昶びる」
<昜:ヨウ、ひら(く)、あ(がる)、あたた(かい)>
*大漢和・字通ともさまざまな説明あるも音熟語なし。(「暘」・「陽」に同じ・・・。)「昜く」「昜がる」「昜かい」
<晏:アン、おそ(い)、やす(らか)>
・おそ(い):晏起、晏昏=黄昏、晏駕、晏眠、晏暘(アンヨウ)=おそい日の出・・・
・やす(らか):晏晏→「晏晏之政」「晏晏之化」、晏安、晏如、晏息=安息、晏寧=安寧・・・
*その他:著名な「晏子」にまつわる熟語や四字熟語多し。

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●熟語の読み・一字訓読(その118)です。
<晁:チョウ、あさ、よあ(け)>
*大漢和・字通とも音熟語なし。
<晟:セイ、あき(らか)、さか(ん)>
*音熟語なし。
<晞:キ、かわ(く)、ほ(す)、さら(す)>
・かわ(く):晞塊(キカイ)=かわいた土=晞土、晞髪=髪をちらして乾かす
・ほ(す)、さら(す):晞幹(キカン)=幹を日にさらす(ほす)・木を日中にさらす(ほす)、晞日=日にさらす(ほす)
*その他:晞和(キワ)=あたたかなこと・のどかなこと *その他、「あきらか、日があける」等の意味あり。
<晧:コウ、しろ(い)、あき(らか)>
・しろ(い):「皓」に同じ。
・あき(らか):音熟語なし。
*その他「晧旰(コウカン)」=日光のかがやくさま、ひかりかがやくさま(爾雅・釈天)
<晨:シン、あした、よあ(け)、とき> *「あした」とは「朝(あした)」のこと。
・あした、よあ(け):晨旦=あさ。晨月=あけがたの月、晨暉=晨光=あさひの光、晨火=あけがたの火、晨駕=朝出る車(⇔晏駕)、晨興=晨起=夙起、晨旭=朝日、晨曦(シンギ)=朝日の光・旭日、晨宵=晨昏=旦暮、晨夕=朝夕、晨鶩(シンブ)=朝早く馬を走らせること。晨暾(シントン)=朝日=晨曦=暁暾、晨葩(シンパ)=朝の花、晨霏(シンピ)=あさぎり、晨飆(シンピョウ)=朝のつむじかぜ、晨星落落、晨去暮来、昏定晨省、花晨月夕、牝鶏司晨、牝鶏晨鳴、牝鶏之晨 ・・・
・とき:「辰」で対応している。「晨」では熟語なし?(・・・嘉辰令月など)
*晨宿(シンシュク)=そいぼし(28宿の一) *晨鳧(シンプ)=①野鴨・けり(鳧は常に朝早く飛ぶから「晨鳧」という) ②船の名

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熟語の読み・一字訓読 (その115)&(その116)

2015年05月15日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その115)です。
<敲:コウ、たた(く)、むちう(つ)、むち、たた(き)>
・たた(く)、たた(き):推敲、敲戛(コウカツ)=たたきうつ、敲門、敲折、敲拉(コウロウ)=たたきくだく、*敲金撃石
・むちう(つ)、むち:敲朴(コウボク)=むちうつ・むち(短いのを「敲(コウ)」、長いのを「朴(ボク)」という)。敲榜(コウボウ)=むち、むちうつ
<斃:ヘイ、たお(れる)、し(ぬ)、ほろ(びる)>
・たお(れる):斃死(ヘイシ)=たおれ死ぬ=僵死=僵斃
・し(ぬ):斃死=斃命=死ぬ、餒斃(ダイヘイ)
・ほろ(びる):(大漢和・字通には、この訓読みないが・・・)誅斃、自斃・・・
<斟:シン、く(む)、おしはか(る)、おもいや(る)>
・く(む):斟酌=①酒を酌み交わす。斟酒=酒をくむ。斟満=なみなみと注ぐ(くむ)。
・おしはか(る):斟酌=②くみはかる。斟量=酌量=くみはかる・はかり考える。斟誨(シンカイ)=はかり教える・くみはかり教える。斟問。
・おもいや(る):斟酌=③手心をくわえる・控えめにする
・その他(「斟」=酒・羹などの飲み物の意)数斟、盈斟、献斟、浅斟、独斟、満斟・・・
<旃:セン、はた、けおりもの>
・はた:旃旌、旃旆、旃旄=はたぼこ・・・
・けおりもの:旃毛=氈毛=けおりものの衣服の毛、旃裘=けおりものの衣服・毛織の衣=氈裘、旃蒻=しきもの(毛織物と蒲の織物 *「蒻」は蒲の織物)、旃席=毛織物の敷物、旃帳=毛氈の類でつくった帳幕=氈帳=穹廬
<旆:ハイ、はた>
・はた:旆旌、旆旆(ハイハイ)=①旗の垂れ下がるさま ②長いさま *「詩経・大雅」に見える表現

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●熟語の読み・一字訓読(その116)です。
<旁:ホウ、ボウ、かたわ(ら)、あまね(く)、ひろ(い)、よ(る)、つくり、かたがた>
・かたわ(ら):旁臥=かたわらに臥す、旁訓、旁言=かたわらの人の言葉、旁游=そばで遊ぶ、旁救=そばから救う・・・
・あまね(く):旁愛=あまねく愛す、旁引=博引=あまねく引き出す、旁開、旁求、旁及=あまねくゆきわたる、
・ひろ(い):旁資=(①あまねくとる) ②広くたすける 旁出=(①わきから出る ②多く出る) ③広くゆきわたる
・よ(る):旁委=ひろくすてる 旁縁=①よる、憑依 (②あまねく手づるにしあう・相率いる)
・つくり:偏旁冠脚
・かたがた:(邦語)
*その他:(かたわら):旁晩=夕方、晩方、日暮れ時 旁辺=かたわら・そば
*その他:(「妄」に通ず。「みだりに」の意)旁狎(ボウコウ)=みだりになれる 旁忤(ボウゴ)=みだりにさからう
<旄:ボウ、モウ、はた、はたかざ(り)、からうし、としよ(り)>
・はた:旄戈(ボウカ)=はた付の戈、旄罕(ボウカン)=はたの類、旄鉞(ボウエツ)=はたとまさかり(大将の持つもの)、旄麾(ボウキ)=旌旗、旄車、旄旒(ボウリュウ)=はたの流れ、旄葆(ボウホ)=はたの一種(はたぼこ と はねかざり)
・はたかざ(り):旄戈
・からうし:旄牛、旄象=からうしと象、旄麈=旄と麈
・としよ(り):旄期=耄期=耄と期(「耄」は80、90歳。「期」は100歳)
*その他:旄表=表彰すること
<旌:ショウ、セイ、はた、あらわ(す)、ほ(める)> *以下はすべて「セイ」音。
・はた:旌旃、旌罕、旌旗、旌鉞=はたとまさかり(大将軍の執るもの)
・あらわ(す):旌書=あらわし書く、旌信=まことをあらわす、旌智=智識をあらわす、旌忠=忠義をあらわす、旌飭=あらわしいましめる
・ほ(める):旌賞、旌表、旌善
<旒:リュウ、はたあし、たまかざ(り)、なが(れ)>
・はたあし:旄旒=はたのながれ、旌旒=はたとふきながし、旒旌=12のふきながしの付いたはた、旒綴(リュウテイ)=はたあし
・たまかざ(り):冕旒(ベンリュウ)、旒冕(リュウベン)
・なが(れ):旄旒
<旛:ハン、バン、はた>
・はた:旛幢(ハントウ)=旗杖(キジョウ)、旛麾(ハンキ)=軍旗と軍麾(グンキ)、旛旛(ハンハン・ハンパン・ハンバン)=はたなどの飛揚するさま

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熟語の読み・一字訓読 (その113)&(その114)

2015年05月14日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その113)です。
<撈:ロウ、と(る)、すくいと(る)>*「とる」は「ひっかけてとる」意。「すくいとる」は「水中に沈んで物をとる」意。
・と(る)、すくいと(る):撈月、撈針、撈漁=漁撈(労)=すなどりする・魚をすくいとる。撈救=水中から引き揚げて救う。撈上=すくいあげる。撈摸(ロウボ)=水中で物をさがす・あてどなく物を探る。 *海底撈月 *大海撈針 (注)漢検四字熟語辞典などでは「撈月」「撈針」の説明で、「すくう」とか「すくいあげる」意としているが、訓読みとしては「と(る)」か「すくいと(る)」となる。
<擅:セン、ゼン、ほしいまま、ゆず(る)>
・ほしいまま:擅愛、擅改=ほしいままに改める。擅移、擅為、擅哭、擅斡(センアツ)=自由にする・独占する。擅殺、擅私、擅劫(センキョウ)=おもうままにおびやかす。・・・熟語多。
・ゆず(る):擅譲(センジョウ)=位を賢者にゆずる *大漢和ではこの熟語のみ。 (注)
(注) <2020.5.27加筆> 「擅譲」には、“センジョウ”読み(大漢和・大字源・新漢語林)のほか、“ゼンジョウ”読みとしている辞典もあるようです。詳しくはコメント欄をご参照ください。
<擘:ハク、バク、おやゆび、さ(く)、つんざ(く)>
・おやゆび:擘指(ハクシ)=おやゆび・おおゆび(大指)。巨擘=①おやゆび ②同類の中で特にすぐれた人。また、指導的立場にある人。巨頭。
・さ(く):擘紙=紙をさく。擘箋=紙を裁ち切る。擘豚(ハクトン)=豚をきりさく
・つんざ(く):擘裂=劈裂(ヘキレツ)=ひきさく・つんざく。擘肌(ハクキ)=肌をうんざく。擘攫(ハクカク)=つんざきつかむ。擘膚(ハクフ)=肌をつんざく。
<攢(攅):サン、あつ(まる)、あつ(める)、むら(がる)>
・あつ(まる):攢蹙(サンシュク)=あつまりちぢまる。攢叢(サンソウ)=あつまりむらがる。攢起(サンキ)=あつまり起つ。
・あつ(める):攢花=①花をあつめる ②花模様を繍(ぬいとり)する。攢構=あつめ造る。攢槍=やりぶすま。攢下(サンゲ)=あつめる・貯蓄する。攢造=各帳簿を合冊すること。
・むら(がる):攢聚(サンシュウ)=むらがりあつまる=攢簇(サンソウ)。攢柯(サンカ)=密生した枝。
<攤:タン、ひら(く)、わりあ(てる)、ゆる(やか)>
・ひら(く)  :攤開=ひろげる。攤掛(タンカイ?)=ひろげかける。攤書=書冊を開きならべる。攤冷=おしひろげてさます。攤凍=ひろげて凍らせる。
・わりあ(てる):攤派(タンハ)=均分する・わりつける・分担する。攤賠=割賦で賠償する。攤付=割賦。攤分=分かつ・分配する。攤捐(タンエン)=各人にわりあてて義捐する。
・ゆる(やか) :攤飯(タンパン)=食後に少し休み眠ること。食後の一睡。午睡。「満腹になった腹をゆったりとのばすこと。」・・・「ひらく」にも該当するか。
・その他①:攤銭(タンセン)=①賭博の名 ②割り前を出す ③あないち・ぜにうち等の遊戯。 攤場(タンジョウ)=賭場・ばくち場。攤賭、攤戯。
攤子(タンシ)=露店・ほしみせ。
・その他②:攤扣(ダンコウ)=外官の俸給を削減すること。攤控(ダンコウ)=地方官の俸給を削減すること。*「ダ」「タ」の音もあり。

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●熟語の読み・一字訓読(その114)です。
<攫:カク、つか(む)、さら(う)、かすめと(る)>
・つか(む) :攫搏、攫噬、攫裂、攫鳥=猛禽=動物をつかみ殺す猛き鳥。
・さら(う)、かすめと(る):攫金=金をつかみかすめる。攫盗=すりとる・つかみ盗む。攫利=利をかすめる・利益をつかむ。攫徒=すり=攫客=掏摸。
<攬:ラン、と(る)、す(べる)、つま(む)>
・と(る) :攬轡(ランピ)=くつわをとる。攬筆=筆をとる。攬取=とりうばう。収攬。攬結=とりむすぶ
・す(べる):収攬。攬統=とりすべる=総攬=攬撮。
・つま(む):攬シ(「シ」は対象外漢字:よろいぐさ、香草の類)=つまみとった香草。攬ケツ(手ヘンに頡)=つまみとる=攬結
・その他:攬蔓(ランマン)=把捉=とらえる(大)捕える(字通)→「とる」意でも可か。攬秀=攬勝=景勝地を遊覧する・すぐれた景色を目におさめる →「とる」意か。
<畋:テン、デン、か(り)、か(る)、たがや(す)>
・か(り)、か(る):畋漁、畋遊=狩りをして遊ぶ。畋猟=畋狩=畋戈=かり。出畋、轍畋、魚畋、郊畋、蒐畋・・・
・たがや(す):畋食(デンショク)=耕し食らう・耕して生活を営む
<敖:ゴウ、あそ(ぶ)、なま(ける)、かなびす(しい)、おご(る)>
・あそ(ぶ):敖戯=あそびたわむれる。敖民=遊民。敖遊。敖客=ひやかしあそぶ
・なま(ける):敖惰、敖蕩
・かなびす(しい):敖敖、喧敖・・・
・おご(る):敖慢、敖倨、倨敖・・・
<敞:ショウ、たか(い)、ひろ(い)>
・たか(い):敞屋=高屋、敞地=高平、高敞
・ひろ(い):広敞、敞豁=ひろやかなさま、敞閑=広くて静か、敞麗=広大壮麗、敞亮=広くて気がはれる
<敝:ヘイ、やぶ(れる)、やぶ(る)、おとろ(える)、つか(れる)>
・やぶ(れる):敝衣、敝裘、敝履、敝筥(ヘイキョ)=敝篋(ヘイキョウ)=いたんだはこ
・やぶ(る) :敝
・おとろ(える):敝悪=劣悪、頽敝、衰敝
・つか(れる):敝卒=疲弊した兵士、労敝

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熟語の読み・一字訓読 (その111)&(その112)

2015年05月13日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その111)です。
<揆:キ、はか(る)、はかりごと、みち、やりかた、つかさ>
・はか(る):揆今(キコン)=今の世をおしはかる。揆測=はかる、測量する。揆水(キスイ)=水の深さをはかる。揆度(キタク)=はかる、おしはかる。
・はかりごと:揆策(キサク)=画策=はかりごとをめぐらす
・みち、やりかた:揆一(キイツ) *大漢和:天下をはかり治める所以の道が同一である。考え方が同一である。「先聖後聖、其の揆一也」(みち・道の意。「みち」は「のり(則、規、・・・)」、「みち(倫)」の意。) *字通:方法が同じ。
・つかさ:揆席=揆宰=宰相=百揆を掌る位=国政を維持する官=宰相のこと。
<搤:ヤク、アク、つか(む)、おさ(える)>
・つか(む)、おさ(える):搤腕(ヤクワン)=腕をにぎる、腕をさすって意気込む、腕をつかみ意気込む。搤殺(ヤクサツ)=つかみ殺す、しめころす。搤咽(ヤクイン)=搤吭(ヤクコウ)=急所をしめる。搤臂(ヤクヒ)=ひじをにぎる、ひじをしめる(=心を伝える意味) 
*上記熟語の中には、「にぎる」意・読みに対応する熟語もあり。
<搆:コウ、ひ(く)、かま(える)> *「ひ(く)」は「牽く」意。
・ひく、かま(える):搆間=不和をひきおこすように仕組む。搆怨=構怨=怨みをかまえる・怨みを結ぶ・怨をひきおこす。搆逆=叛逆を企てる。搆陥=いいがかりをつくって陥れる。搆成=構成=かまえつくる・くみたてる・形づくる。搆兵=兵をかまえる・兵器をつらねる・軍隊を出動させる。
(参考)搆釁(コウキン)=構隙
<搓:サ、よ(る)、も(む)>
・よ(る):搓香=香を撚り丸める
・も(む):搓揉=擦り付けて揉む。搓手=手をこする・手をもむ。
・その他 :搓塊=銀塊をなげうつ。「塊を地に擲搓(なげうつ)」という意味あり。
<搗:トウ、つ(く)、か(つ)、う(つ)、たた(く)、か(てて)>*「搗」は「擣」に同じ。
・つ(く):搗砕(トウサイ)=つきくだく。搗碓(トウタイ)=舂(うすづ)く。搗虚=隙をうつ(つく)・隙をねらってつけいる・虚に乗じる。
・か(つ):邦語。搗栗(かちぐり)、搗稲(かちしね)
・う(つ)、たた(く):搗衣=衣をうつ・きぬた。=擣衣。搗薬=薬をつく=擣薬。擣爛(トウラン)=舂いてぐだぐだにする
・か(てて):邦語。「搗てて・・・」
・その他:搗鬼(トウキ)=①うそをつく・うそつき ②こそこそ云う・独語する・つぶやく。搗乱=混乱する・秩序を乱す。 *「つく」に該当するかも。
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●熟語の読み・一字訓読(その112)です。
<搨:トウ、うつ(す)、す(る)、なす(る)> *「す(る)」は碑碣・法帖の類を石ずりにとる意。
・うつ(す):搨書=搨写=うつす。
・す(る)、なす(る) :搨本=石摺りにして写し取った印刷物=いしずり=拓本=搨帖(トウジョウ)。搨文=いしずりの文。
・その他:搨翼=搨翅=つばさをおさめる・羽をすぼめる
<摯:シ、と(る)、にえ、まこと、あら(い)>
・と(る):摯執(シシツ)=執摯(シツシ)=とらえる
・にえ  :(「贄」と通ず。)摯見=礼物を献じて面会する。摯敬=相見の礼物。摯献=礼物を贈る。摯幣=幣物。嘉摯、献摯、貢摯、奠摯・・・
・まこと :摯愛=熱愛、摯忱(シシン)=誠実・至誠・真心。摯誠=真摯。摯友=信友。摯醇=誠醇。
・あら(い):(「鷙」と通ず。)摯獣=猛獣。摯剛=剛強。
<摶:タン、セン、まる(い)、まる(める)、もっぱ(ら)>
・まる(い) :摶簾(タンレン)=圜(まる)くて利(するど)いこと。
・まる(める):摶沙(タンサ)=砂をまるめて団子にする・団子。少しも団結力のない喩え。摶食(タンジキ)=仏教語。食をにぎりまるめてくらう。=揣食(タンジキ)と同じ(仏教語なので「タンジキ」と読むらしい)。摶埴=粘土をまるめて陶器を造ること。摶泥、摶土、摶飯(タンパン)=飯をにぎりまるめること、転じて、にぎりめし・むすび。
・もっぱ(ら):摶一(センイツ)=専一。摶心(センシン)=心をもっぱらにする。
・その他:摶弄(タンロウ)=自由にもてあそぶ=玩弄・・・ほしいまま・もっぱらの意か・・・。摶風(タンプウ)=①まき風 ②屋根の翼
摶飛(タンピ)=風に羽うつ・まき風・風をうち気流に乗じる。摶空(タンクウ)=旋空 *「うつ」「あつまる」意あり。
<摎:キュウ、コウ、まつ(わる)>
・まつ(わる):摎結(キュウケツ)=まつわりかたまる。つかねて丸める。摎流(キュウリュウ)=周流する。まつわりめぐる。
・その他:摎蓼(コウリョウ)=あまねく捜索する(張衡の西京賦にあり)
<撩:リョウ、おさ(める)、いど(む)、みだ(れる)>
・おさ(める):撩理=おさめととのえる・乱をおさめる。
・いど(む) :撩戦=戦いをいどむ・いどみたたかう=挑戦
・みだ(れる):撩乱=繚乱

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熟語の読み・一字訓読 (その109)&(その110) 捏 掎 掫 捶 掏 捩 掾 揀

2015年05月12日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その109)です。
<捏:ネツ、デツ、こ(ねる)、つく(ねる)、こじつ(ける)> *「ネツ」は慣用音。
・こ(ねる)、つく(ねる):捏造(ネツゾウ)=土などをこねて物の形をこしらえる。転じて、根も葉もないことをつくりなす。無根の事実を構成する。捏成=土でつくる。捏塑(デッソ)=塑像=捏素(ネッソ)
・こじつ(ける):捏造、捏報、捏詞(ネッシ)=根も葉もないことば。捏控(ネツコウ)=誣告する。=捏告。捏病=仮病。
<掎:キ、ひ(く)、ひきと(める)>*(大漢和)「掎」:①足をひく ②後方からひきとめる 意。
・ひ(く) :掎角・角掎=角をとり足をひく。掎抜=ひきとる・ぬきとる。掎汨(キコツ)=ひきみだす。掎奪=ひきのける(大)・あげあしをとられる(字通)。
・ひきと(める):掎掣(キセイ)=ひきとどめる・制御する。掎止=後ろから引きとめる。
・その他:掎契(キケツ)=掎挈(キケツ)=*一つ一つ拾い上げて摘発する(大)*「其の立言指事を観るに、理要に根極し、往昔を敷陳し、当世を掎挈(きけつ)し、乱を撥し 理を興すこと 掌を反(かえ)すより易し」(荀子) *「たぐる、ひきよせる」意あり。ネット上には「前後から手足を引っ張る」と説明しているものもあり。
<掫:ソウ、シュ、シュウ、よまわ(り)>・よまわ(り):(音熟語なし。)「掫(よまわ)り」 *下記「掫扞(シュウカン)」が該当するかもしれない・・・。
・その他:(大漢和)<Ⅰ.>①まもる(=柝鼓(タクコ)の類をうって夜回りする) ②たきぎ(薪)、あさがら(麻幹) ③地名 ④「趣」に通じる ⑤姓 の意。<Ⅱ.>①うつ(撃) ②なす(「聚」に通じる)③もつ・とる(取) の意
→掫囊(シュウノウ)=ふくろの口をとじる(=蘊蓄を外にもらさないこと=学問はあっても実行しないこと)、*「学びて行わざる、之に命じて掫囊といふ」(荘子)。掫集(シュウシュウ)=集まる。掫扞(シュウカン)=まもる。 その他、「軍掫」「師掫」の語あり。
(参考)拆:タク、ひょうしぎ、き 
掫:ソウ、シュ、シュウ、よまわ(り)
よまわ(り):(音熟語なし。)「掫(よまわ)り」 *下記「掫扞(シュウカン)」が該当するかもしれない・・・。
その他:(大漢和)<Ⅰ.>①まもる(=柝鼓(タクコ)の類をうって夜回りする) ②たきぎ(薪)、あさがら(麻幹) ③地名 ④「趣」に通じる ⑤姓 の意。<Ⅱ.>①うつ(撃) ②なす(「聚」に通じる)③もつ・とる(取) の意
→掫囊(シュウノウ)=ふくろの口をとじる(=蘊蓄を外にもらさないこと=学問はあっても実行しないこと)、*「学びて行わざる、之に命じて掫囊といふ」(荘子)。掫集(シュウシュウ)=集まる。掫扞(シュウカン)=まもる。 その他、「軍掫」「師掫」の語あり。
(参考)拆:タク、ひょうしぎ、き 
(2018.3.22加筆)
大字源:「干掫(カンソウ)=撃柝(ゲキタク)=よまわり、拍子木や鼓などを打って夜回りする。
大漢和:「・・・陪臣、干掫」=拆鼓の類をうって夜回りをする意。「まもる」意。
とあり、「よまわ(り)」に該当する熟語の一つとして「干掫(カンソウ)」がある
(ただし、字通の逆さま熟語の「掫干」は「シュウカン」と読ませているが・・・)
・漢検漢字辞典第2版では、「ソウ、シュウ、シュ、よまわ(り)」 意味「①よまわり。木を打ち鳴らして夜回りする。②手にもつ 類:取」とあるも、熟語記載はナシ。
<捶:スイ、う(つ)、むち、むちう(つ)>
・う(つ):捶丸(スイガン)=(古の遊戯、今のゴルフのようなもの)木でたまをつくり、杖で撃(う)つ。捶鉤(スイコウ)=おびがねを(うって)きたえる。
・むち、むちう(つ):捶撃、捶撻、捶殺、捶打=捶笞(スイチ)、捶馬、捶罵(スイバ)=むちうって罵る。捶策(スイサク)=馬の鞭(むち)。捶楚(スイソ)=罪人をうつむち。しもと(笞・楚)。

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●熟語の読み・一字訓読(その110)です。
<掏:トウ、えら(ぶ)、す(る)> *「えらぶ」=「とる、えらびとる、とりだす」意。「する」=「手探りで物をとる」意
・えら(ぶ):掏択(トウタク)*「掏は掏択なり」(大)。 掏換=探す (*「掏(と?)」り換えると読む?「えらぶ」に対応するかも・・・)
・す(る) :掏児(トウジ)=すり=掏摸(トウボ・トウモ)。(注)・その他:(取り出す、くむ の意)掏溝=溝渠を浚う。掏井=井戸を浚う。掏銭=財布・懐中から銭を取り出す(*「えらぶ」意あるかも)
(注)漢検2では「①する。すりとる。「掏摸(トウバク)・(すり)」」読み。大字源では“トウバク・トウモ”読み。
<捩:レイ、レツ、ばち、ねじ(る)、よじ(る)、もじ(る)、ねじ>
・ばち:挿捩(ソウレイ)=「捩(レイ)を挿(さしはさ)み、琵琶を挙ぐ」。撥捩(ハツレイ・バチレイ)=ばち(*「撥捩心弦」*撥:ハチ、バチ、ハツ、は(ねる)、おさ(める)、かか(げる)、のぞ(く))。
・ねじ(る):捩手(レツシュ・レイシュ)=手をねじる(字通では「レイシュ」)。捩柁(レツダ)=かじをねじる、かじを廻して舟を転じる。=捩舵(レツダ・レイダ)。捩転(レイテン)=まげて方向を変える。
・よじ(る)、もじ(る):(「ねじる」とほぼ同義?対応する音熟語はなし)「捩花(ねじばな)」「捩摺草(もじずりぐさ)」
・ねじ:邦語。=螺旋。「捩子(ねじこ)」=①螺旋 ②ひきかけて捩るように作った一種の武器。
・その他:捩眼=横目でみる=捩眥 (*「よじる、ねじる」に対応するかも)。他に、「面捩」・・・不詳。
<掾:エン、たす(ける)、したやく、じょう>
・たす(ける):熟語見当たらず。「掾(たす)ける」なし
・したやく  :掾吏=掾史=掾佐、掾属=属官
・じょう   :邦語。我が国では「じょう」といい、下役・属官のこと。
<揀:カン、えら(ぶ)、わ(ける)> *大漢和には「ケン」「レン」の音もあり。既出の「揀択(ケンジャク)」(禅語)参照。
・えら(ぶ):揀兵(カンペイ)=兵をえらぶ。揀刺(カンシ)=えらんで入墨する。揀退(カンタイ)=淘汰されて退く=官をしりぞく。
・わ(ける):揀択(カンタク)=わかちえらぶ=選揀=揀選。揀別(カンベツ)=わかちくる、識別する。

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熟語の読み・一字訓読 (その107)&(その108) 抛 拉 拿 挌 拵 捍

2015年05月11日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その107)です。
<抛:ホウ、なげ(る)、なげう(つ)、ほう(る)>
(夫々、区別つけられないが、便宜的に分けてみると・・・)
・なげ(る)、なげう(つ):抛棄、抛荒(ホウコウ)=なげやりにする・あれはてる。抛泊=抛錨=投錨する。抛盤=円盤をなげる。抛与=投げ与える。抛網=網をうつ。抛石=石を投げる。抛車(ホウシャ)=古、軍中で投石の用に供した車。抛去=なげうち去らしめること。抛卻(ホウキャク)=なげうつ・うちすてる。抛擲。抛物。
・ほう(る):抛費=浪費。抛丸=放丸。抛躱(ホウタ)=放置して用いぬこと (*躱:タ、かわ(す)、さ(ける))
*「抛售(ホウシュウ)」=大売出し(字通) (*「投げ売り」という意味だと思う)←「なげる、なげうつ」意か。
拉:ラツ、ラ、ロウ、くじ(く)、ひし(ぐ)、ひしゃ(げる)、ひ(く)  (赤字部分:2018.3.22加筆)
 *「ラツ、ラ」は慣用音。
(大字源では、「ロウ(漢・呉音)ラツ(慣用音)ラ(呉音)」)
*ほとんどが“ロウ”音熟語。
*例外は、「拉致(ラツチ・ラチ)」<拉丁(ラテン)><拉薩(ラサ)>拉麺(ラーメン)拉殺(ロウサツ・ラサツ)⇦大字源では“ロウサツ”読みのみ。

くじ(く):拉朽(ロウキュウ)=朽ちたものをくじく→容易なことの喩え。拉脅(ロウキョウ)=脇骨をくじく。拉歯(ロウシ)。
ひし(ぐ)、ひしゃ(げる):拉殺(ロウサツ)=ひしぎ殺す(字通)・手で捩じ殺す(大漢和)。
ひ(く) :拉致(ラツチ・ラチ)=引き連れる (大漢和はラツチ、字通はラチ)。拉弓(ロウキュウ)=弓を引く。拉過(ロウカ)=引き連れる。拉車(ラシャ・ロシャ)=車を挽く。(大漢和はラシャ、字通はロシャ←印字・校正の間違いか???)
その他1:拉丁(ラテン)=羅甸(ラテン)=臘丁(ラテン)。
その他2:下付きの熟語で「くじく、ひしぐ、ひしゃげる」に対応すると思われるも熟語:摧拉=摧折、敲拉(コウロウ)=たたきくじく(うちくだく)。摺拉(ロウロウ)=とりひしぐ・くじく。捶拉。打拉。批拉(ヒロウ)=うちくだく。(*批(う)つ)・・・
その他3:(その他の読み・意味があるもの)
拉雑(ロウザツ)=①まぜる・よせあつめる ②しまりなくだらしないこと(呉の方言?)  「他心を拉雑して、これを摧焼せん」 *大字源ではロウソウ読み。(ただし、「雑(ザツ・ゾウ)」に、現行“ソウ”音はないので“ロウザツ”読みで良いと思う)
拉颯(ロウサツ)=みにくいさま(字通)・むさくるしいさま(大漢和)。乱れたさま。雑然としたさま。「衣被拉颯栖」(大字源)
拉撮(ロウサツ)=つまみとる。
拉答(ロウトウ)=拉塔=散漫でしまりがないこと。
拉上(ロウジョウ)=あげあしをとる。
拉瑟(ロウシツ)=風の音・風の吹く音。「拉(ロウ)」は風の音の擬声語。「~時に聴く、西風拉瑟の聲(声)」(蘇軾)「淅淅秋風、拉瑟(の)聲(声)」
   *拉瑟:大字源では「琴を弾く。転じて、風の音のさま。」(出典は上記と同じ)

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●熟語の読み・一字訓読(その108)です。
<拿:ダ、ナ、つか(む)、と(らえる)、ひ(く)>*「拿」は「拏」の俗字(大漢和)。漢検では「拏」が許容字体。
・つか(む):拿把(ダハ)=つかむ。拿手(ダシュ)=握手。手を握る=約束する。
・と(らえる):拿捕、拿獲、拿問、拿追=とらえる、拿雲手(ダウンシュ)=雲をとらえる手 (*「拿雲」(拏雲)=雲をとらえる→高い志をいう)。拿究(ダキュウ)=とらえてといつめる=拿問。
・ひ(く):(手でひっぱる、ひく意)大漢和・字通ともに対応熟語ない模様。
・その他:拿去(ダキョ・ナキョ)=持ち去る。拿茶(ナチャ?)=沿道に茶を備えて会葬の遺族にふるまうこと。拿茶当酒=茶を酒の代わりに飲む。
拿下(ナカ?)=①下げる ②おろす ③つかまえる 拿押(ナオウ?)=とらえて拘禁する。拿開(ナカイ?)=横のほうへのける。
四字熟語「虎擲竜拏」(漢検掲載)→「虎擲竜拿」でも可と思われる。熟字:拿林雀=金糸雀=カナリア 拿翁(ナオウ)=ナポレオンの当て字。拿破崙(ナポレオン)。
<挌:カク、う(つ)、なぐ(る)>*「挌」は「格」に通じる。
・う(つ)、なぐ(る):挌殺=うちころす=格殺、挌獣=格獣、挌闘=格闘、 挌撃、挌虎、挌戦・・・
<拯:ショウ、ジョウ、すく(う)、たす(ける)> *「すくう」=すくいあげる・たすける意
・すく(う)、たす(ける):拯饑(ジョウキ)=飢えをすくう。拯救=救済。拯活=すくいたすける。拯恤(ジョウジュツ)=すくいめぐむ。拯贍(ジョウセン)=(「すくいにぎわす」とあったが、「贍」を「賑」に間違ったのでは?「贍」なので、「すくいめぐむ」が正しいのでは?)
拯溺(ジョウデキ)=水におぼれるをすくう。拯擢(ジョウテキ)=救いあげる。拯難=難儀をすくう。拯撫=救いいたわる。拯弊=衰えたるをすくう。拯乱=乱をすくう。
<拵:ソン、よ(る)、こしら(える)>
・よ(る):(用例ほとんどなし(字通))「拵(よ)る」
・こしら(える):邦語。音熟語なし。「拵える」
<捍:カン、ふせ(ぐ)、まも(る)>・ふせ(ぐ):捍格=扞格=ふせぎはばむ。捍禦=扞禦=ふせぐ。捍護=扞護=ふせぎまもる。捍刃=刃物をふせぐ。捍敵=敵をふせぐ。捍塞(カンソク)=ふさぎふせぐ・防止する。
・まも(る):捍患(カンカン)=わざわいをふせぎまもる。捍辺(カンペン)=国境をふせぎまもる。
・その他:捍撥・画(カンパチ・ガ)=琵琶などの楽器の捍撥(カンパチ)=撥(ばち)のあたる皮張り。その表面の濃彩画。捍然(カンゼン)=堅いさま。(捍に「堅い」の意あり)

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熟語の読み・一字訓読 (その105)&(その106) 扈 扣 扛 扠 抒 拑 抻 拆 拈

2015年05月10日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その105)です。
<扈:コ、ひろ(い)、したが(う)、つきそ(う)、はびこ(る)>
・ひろ(い):扈扈(ココ)=(大漢和)①広いさま・心が広いさま ②鮮明・光彩のあるさま ③美しいさま (字通)広いさま。扈冶(コヤ)=広大な。
・したが(う):扈駕=天子の出幸にしたがう。扈行=随行。扈養=ともびと・従者(*「扈」は馬を養う者。「養」は炊烹する者。すなわち、馬丁と料理人)。
・つきそ(う):扈膳=陪食。扈従(コショウ・コジュウ)=おともする・供奉。=扈衛=扈侍=扈畢(コヒツ)=扈輦(コレン)
・はびこ(る):(跳梁)跋扈、狼扈
<扣:コウ、ひか(える)、たた(く)、たず(ねる)、さしひ(く)>
・ひか(える):扣制=ひきとめる・おさえとどめる=牽制・制肘(掣肘)、扣留=拘留、 *攀轅扣馬、
・たた(く) :扣扉、扣額=ぬかずく(頭をうって地をたたく)、扣舷=舷(ふなばた)をたたく、扣門=門をたたく=人を訪問する=叩門
・たず(ねる):扣問=たずね問う=叩問=質問、
・さしひ(く):扣算=差し引く・割引する、扣減=差し引く=扣除
<扛:コウ、あ(げる)、かつ(ぐ)>
・あ(げる):扛鼎、扛挙=もちあげる・かかえあげる。扛石=石をさしあげる。扛頭=つけあがる・増長する(頭を持ち上げる意か)
・かつ(ぐ):扛轎(コウキョウ)(夫)=轎(かご・やまかご・くるま)をかつぐ(人) (*轎:キョウ、かご、やまかご、くるま)。扛夫=駕籠をかつぐ人=轎夫
<扠:サ、はさみと(る)、やす、さ(す)、さて>
・はさみと(る):(対象内漢字では熟語なし)「扠、「挟取」なり」
・やす  :魚扠(ギョサ、やす)
・さ(す):扠門(サモン)=門の戸をさす。(扠手(サシュ)=交手=手をこまねく(手をさす意?)。扠腰(サヨウ)=腰に手をあてる(手をさす意?)
・さて  :邦語。(「扨(さて)」が国字。)
<找:カ、ソウ、さおさ(す)、たず(ねる)>
・さおさ(す):(大漢和に「「剗」(対象外)に同じ。」とあり、「找」では熟語なし。)「找(さおさ)す」。
・たず(ねる):找着(ソウチャク)=さがしあてる・たずねあてる。找人(ソウジン)=人をさがす・人をたずねる。找尋(ソウジン)=尋ねる・捜索する。找事(ソウジ)=職を求める・職さがす。余計なことをする。找字(ソウジ)=字をさがす・字を引く。
・その他(「おぎなう」意) :找給(ソウキュウ)=経費不足を補うこと。找兌(ソウダ)=発兌した不足を補うために更に発兌すること。找補(ソウホ)=補足
(参考)「剗(カ、カク)」:船をこぐ、水をかく、切る等の意。 *划竜(ペーロン):(大辞林)「飛竜・剗竜・划竜・白竜」(中国語)九州南西部で行われる中国伝来の舟漕ぎ競走。また、それに用いる舟。以下略。)

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●熟語の読み・一字訓読(その106)です。
<抒:ショ、ジョ、く(む)、の(べる)、のぞ(く)>
・く(む) :抒溷(ジョコン)=廁(かわや)の穢物をくみとる (「沐浴抒溷」の「抒溷」は「けがれを取り除く」意とのこと(漢検四字熟語辞典))、抒廁(ジョシ)=こやしくみ・こえとり、 *「く(む)」は汲み出し・汲出のこと。
・の(べる):抒志、抒情、抒洩(ジョエイ)=抒泄(ジョセイ・ジョセツ)=のべもらす
・のぞ(く):(沐浴「抒溷」?←大漢和・字通ともに、この意味では解説されていないが・・・)
<抃:ヘン、ベン、う(つ)、たた(く)>
・う(つ) 、たた(く):抃悦、抃牛=牛を手打ちにする(→勇気ある喩え)、抃舞、抃手、抃掌、・・・
<拑:カン、ケン、はさ(む)、つぐ(む)> *「カン」は慣用音。
・はさ(む):拑撃(カンゲキ)=挟撃、拑馬(カンバ)=馬の口に木を含ませる、拑制=拑勒=鉗制=しめつけること (*拑勒=馬のくつわをくわえさえること(大漢和))、拑住=はさみとる、拑秣(カンマツ)=木を馬の口中に含ませ、まぐさを食わせないこと
・つぐ(む):拑者(カンジャ)=沈黙者(字通)・口をとざして語らぬ者(大漢和)、拑口(カンコウ)=口をふさぐ・黙して言わぬこと
*「拑(はさ)む」とは物を拑入するをいう(字通)。竹をもってするを「箝」、鉄をもってするを「鉗」という。また、口をつぐむことをもいう(字通)。
<抻:シン、チン、の(ばす)>=「展」・「伸」に同じ。大漢和:熟語なし。字通:この字なし。
<拆:タク、ひら(く)、さ(く)>
・ひら(く):拆封=拆開=ひらく・開封する。 拆書=書物をひらいて読む。拆信=手紙の封を切る。拆損=ひらきいためる。
・さ(く) :拆断=破り裂く。拆裂=さけわれる・さきわる。
*「拆字(タクジ)」=(字をひらく、字をさく意か?)占卜の一種。文字を偏旁冠脚などに分解し、その意味で吉凶を占う法。「貨泉」を「白水真人」と読む類(漢検四字熟語辞典のどこかにも載っていたような記憶が・・・)
*その他(そこなう・こわす・分解する意あり)「拆貯(タクチョ)」=あらためて倉入れする。
<拈:デン、ネン、ひね(る)、つま(む)>
・ひね(る):拈出=みねりだす。 拈書=①本を繰る ②ひねりぶみ(イ.数枚の短冊または紙にそれぞれ、或ることを記して、これを別にひねってクジ(鬮)とし探りとって占うもの・もみくじ。 ロ.巻いてその端をひねった手紙。)
・つま(む):拈香=焼香=香をつまみくべて焼く(*拈香文)。拈華(微笑)=(仏教)花をつまむ=拈花(ネンゲ)。拈鬮(ネンキュウ)=鬮を引く、抽籤する。拈出=つまみだす。拈筆=筆を手にとること(とる≒つまむ)。

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熟語の読み・一字訓読 (その103)&(その104) 懶 懿 懼 戈 戍 戔 戛 戡 扁   

2015年05月09日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その103)です。
<懶:ラン、ものう(い)、おこた(る)、ものぐさ(い)>
・ものう(い)、おこた(る):懶意、懶惰、懶情、懶慢=怠慢
・ものぐさ(い):懶散=しまりなく取り散らかす・無精なこと、懶人=なまけもの=懶子、懶性=なまけるたち・懶惰な性質・ものぐさな性質、懶夫=なまけもの・無精者、懶婦=嬾婦=なまけ女
<懿:イ、よ(い)、うるわ(しい)>
・よ(い)、うるわ(しい):懿行、懿軌=善美な法則・のり、懿事、懿淑、懿恭、懿奐=美しくさかんなこと・立派なこと、懿業=うるわしい業績、懿訓=うるわしい教訓・良い教訓、懿鑠(イシャク)=うるわしくさかんなこと、懿醇=美しく純なこと、懿徳、懿美、懿風=うるわしい風俗、懿和=うるわしくやわらぐ、懿親=美しく(うるわしく)親しみのある親族の間柄=懿戚、懿誠、懿劭=善く美しい、懿臣=忠臣のこと、懿旨=皇后の命令=令旨(リョウジ)  *鑠(シャク、と(かす)、と(ける)、うつく(しい)) *劭(ショウ、つと(める))
<懼:ク、グ、おそ(れる)、おどろ(く)>
・おそ(れる):畏懼、懼怖、懼憚=おそれはばかる、懼怕(クハク?クハ?)*後記追記参照。=おそれおじる、・・・ほか多数あり。
・おどろ(く):駭懼、驚懼、懼然・・・「おそれる」意もあり・・・
<2017.7.20追記>
*懼怕(クハク?クハ?)・・・懼怕(クハ)と読んでいる辞典もあるようである。「怕」は(音による意味分けでは)“ハ”で読んだ方が良いような気もするが・・・当方で調べた辞典(大字源、字通か大漢和)では“クハク”だった。
<戈:カ、ほこ、いくさ>
・ほこ :戈戟、干戈、戈甲・・・
・いくさ:戈兵=兵器、転じて戦争。止戈(シカ)=兵乱をとどめる(「戈(ほこ)を止(とど)む」)、偃戈(エンカ)=ほこをふせる→戦(いくさ)をやめる意味。=戈偃(=休戦)、戈船=軍船=戈櫓(カロ)    *「ほこ」と読める熟語もあり*
・その他(「ほこ」の意ではあるが)戈法、戈脚、戈磔(カタク)=戈波・・・いづれも筆法の名称。
<戍:ジュ、まも(る)、たむろ>
・まも(る):戍衛、衛戍、戍傜、戍役、戍守、戍卒、戍兵、戍邏・・・
・たむろ  :戍所=陣屋・たむろ、戍屋=守り小屋・守備兵のたむろする小屋。 *「たむろ」とは陣屋・屯営のこと。

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●熟語の読み・一字訓読(その104)です。
<戔:セン、サン、ザン、そこ(なう)> *「「戔」は「賊(そこ)なう」也。」*戔は「戈+戈」の象形で相戦うこと。
・そこ(なう):音熟語なし。「戔(そこ)なう」
・その他:戔戔=①物の積み重なるさま(束帛=戔戔) ②数の多いさま(戔戔) ③物の少ないさま(束帛戔戔)・・・
<戛:カツ、ほこ、う(つ)>
・ほこ :熟語なし。「戛、戟也」「戛、長矛也」・・・
・う(つ):戛戛=①物の相うつ音 ②歯で嚙む音 ③食い違うさま=齟齬=戛戛乎、戛雲=高く上って雲をうつ、戛羹(カッコウ)=釜の底をうつ(→故事(既出)あり。「兄の妻・あによめ」を意味する。)、戛撃=楽器を軽くうちならすこと、戛瑟=琴をかきならす=弾琴、戛玉=玉をうつ音 *敲金戛玉、戛磨=うち磨く、摩戛=摩擦、戛然=①くいちがうさま ②金石のうちあう音、また、鶴唳の声(字通では「①くいちがうさま ②高くなりひびく音、また、鶴の声」)
・その他:大戛=大法・のり・かたの意  *「大戛に率(したが)わず」(爾雅・釈言)
<参考>「戛然」の使用例:蘇軾「後の赤壁の賦」「適(たまたま)、孤鶴あり、江を横切りて東より来たる。翅(つばさ)車輪の如く、玄裳縞衣、戛然として長鳴し、予が舟を掠めて西す」
<戡:カン、か(つ)、ころ(す)>
・か(つ) :戡定=勝ちさだめる・乱をしずめる、戡暴=暴乱を平らげる=戡乱=龕暴(ガンボウ)←*龕(ガン、カン、ずし、か(つ))。戡難=国家の危難をたいらげ定める。戡夷=たいらげる・定める   *熟語の中には「征する」意もふくまれているものがある。
・ころ(す):戡殄(カンテン)=敵をほろぼしつくす・みな殺しにして亡ぼす
<扁:ヘン、ふだ、ひら(たい)、ちい(さい)>
・ふだ:扁表(ヘンビョウ)=ふだをかけて表す。
・ひら(たい):扁平(足)、扁簪(ヘンシン)=ひらたい簪
・ちい(さい):扁舟(ヘンシュウ)=小舟。「扁舟一櫂(イットウ)、何処にか帰る」(蘇軾の詩)「扁舟、五湖に浮ぶ」(呉の笵蠡が勾践のもとを去って勇退高踏したことを指す)
・その他:扁額=がく、門戸上に書きしるしたもの。扁善=あまねく善し。扁桃=巴旦杏=アーモンド。扁口魚(=魚の名・鰈のこと)。扁鵲(ヘンジャク)=名医の名。扁鵲倉公(ともに春秋戦国期の名医の名)=扁倉、倉扁とも。耆婆扁鵲。

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熟語の読み・一字訓読 (その101)&(その102) 慝 慵 憖 憫 憮 懊 懈 懃 懆 懋   

2015年05月08日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その101)です。
<慝:トク、よこしま、わる(い)、わざわ(い)>
・よこしま :淫慝=よこしまでみだら、讒慝=よこしまに人を隠れて中傷すること、
・わる(い):淑慝=慝淑=善悪、慝人・慝姦=悪人、私慝=人に知られない悪事、慝礼=悪い行為・悪しく穢れた行為 *「淫楽慝礼 (インガクトクレイ)」、隠慝=以前の悪事(旧悪)
・わざわ(い):蠱慝(コトク)=わざわい。妖慝、除慝、凶慝・・・
・その他:穢慝(ワイトク)=けがれる、けがれ 
<慵:ショウ、ヨウ、ものう(い)、おこた(る)> *「ヨウ」が慣用音。
(「ものうい」と「おこたる」の区分はむずかしい)
・ものう(い):慵惰(ヨウダ)=ものうい、おこたる。慵懶(ヨウラン)=ものうくなまける。慵起(ヨウキ)=朝起きるにものうい。
・おこた(る):慵倦(ヨウケン)=ものうくなまける、慵眠(ヨウミン)=なまけねむる
・その他:慵夫=凡夫
<憖:ギン、なまじ、なまじい(に)、し(いて)>
・なまじ、なまじい(に)、し(いて):憖遺(ギンイ)=なまじ残すこと・しいて残すこと。憖置(ギンチ)・憖留(ギンリュウ)=(なまじ・なまじいに・しいて)とどめ置くこと。
・その他:憖憖(然)(ギンギン・ゼン)=①恭敬のさま・つつしみ深いさま ②高ぶって人に下らぬさま(崛彊のさま)、憖暇(ギンカ)=閑暇 (*「憖」に「しばらく」の意あり)
<憫:ビン、ミン、あわ(れむ)、うれ(える)>
(すべて「ビン」音よみ)
・あわ(れむ):憫笑、憫恤、憫惻、憫悼、憫焉=愍焉
・うれ(える):憫憫=うれえるさま。憫急=うれえのせまること。憫憂=あわれみうれえること(「あわれむ」に対応か)
<憮:ブ、ム、いつく(しむ)、がっかり(する)>
・いつく(しむ) :(「憮」→「撫」に通ず)愛撫=愛撫。歓撫
・がっかり(する):撫然=①心を失うさま・失意のさま(大)、茫然としてなげくさま(字) ②怪しむさま(=嘸然) 
・その他(他に色々な意味・読みあり)(例)憮敖・憮傲=あなどりおごる ←「ブゴウ」。*字通では「憮敖(コゴウ)」(*「コ」音あり)

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●熟語の読み・一字訓読(その102)です。
<懊:オウ、なや(む)、うら(む)>
・なや(む):懊恨=なやみうらむ、懊歎=なやみいたむ、懊喪=なやんで力を落す・落胆する、懊緒=なやみのいとぐち、懊悵=なやみいたむ
・うら(む):懊悩=うらみもだえる・くやみもだえる=懊儂(オウノウ)
・その他(「ふなうた」の意あり)懊藹(オウアイ)=漁歌のこと *「欸乃(アイダイ)と字が相通じる(大漢和)」由。
<懈:カイ、ケ、おこた(る)、なま(ける)、だる(い)>
・おこた(る)、なま(ける):懈怠(カイタイ)=怠懈=怠惰=なまけおこたる・おこたり。懈慢=怠慢・惰慢=おこたる。懈意=怠ける心。懈息=なまける。懈倦(カイケン)=おこたり倦む・あきてなまける。懈惰
・だる(い) :懈弛(カイシ)=気がゆるむ、懈体(カイタイ)=なまる、からだをなまけさせる *「だるい」そのものの意味はなし(大・字)
<懃:キン、ゴン、つと(める)、ねんご(ろ)、つか(れる)>
・つと(める):懃労=勤労、懃力=つとめる・一所懸命にする=勤力
・ねんご(ろ):懃恪=勤恪=ねんごろでつつしむ、懃懃=懃懃懇懇(キンキンコンコン)=慇懃懇切=ねんごろなさま、懃懇=ねんごろ・叮嚀・懇切
・つか(れる):懃悴=疲労
・その他:懃児=嫖客(=遊里にうかれ遊ぶ者。放蕩者。遊冶郎。) *「懃」:ねんごろ・てあつい・こまやかの意 (字通)
<懆:ソウ、うれ(える)>
・うれ(える):懆懆=うれえるさま
・その他:懆動=さわぐ (懆:うごく、おきる、むさぼる意あり)
<懋:ボウ、モ、つと(める)、さか(ん)>
・つと(める):懋戒=つとめいましめる、懋績=功績をたてるようつとめる、懋遷=交易をつとめはげむ、懋勉=つとめる、懋懋=つとめるさま、懋力=つとめる
・さか(ん) :懋勲=さかんないさしお、懋官=官をさかんにする、懋賞=賞をさかんにする、懋著=大いにあらわれる・甚だ著明、懋徳=徳を盛んなりとする・徳のあるをよみする

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熟語の読み・一字訓読 (その99)&(その100) 愾 愨 慊 愿 愬 慳 慫 慥  

2015年05月07日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その99)です。
<愾:カイ、ガイ、キ、なげ(く)、いか(る)> *「ガイ」=慣用音
・なげ(く):愾焉(ガイエン)=ため息をついて嘆息するさま、愾然=太息するさま・歎息するさま
・いか(る):敵愾(心)=愾敵、愾憤=憤愾、
<愨:カク、つつ(しむ)、まこと>
・つつ(しむ):愨愿(カクゲン)=つつしみぶかい・すなお、愨誠=つつしんでまことのあるさま=切愨、愨勤(カクキン)=誠実でつつしむ
・まこと:愨士=誠実な士、愨素=まことあること・ただしくすなおなこと
<慊:キョウ、ケン、あきた(りない)、あきた(りる)> *「キョウ」は慣用音
・あきた(りない):慊慊(ケンケン)=あき足らぬさま=慊如。慊懼(ケンク)=あき足らずにつつしみおそれること
・あきた(りる) :慊焉(ケンエン)=あき足りるさま・満足するさま、慊心(ケンシン)=心にあき足る、慊然(ケンゼン)=こころよいさま・あき足るさま  *「慊焉たらず」・・・*通常は語尾に否定語を伴って「あき足らない」意となる。
・その他:慊吝(ケンリン)=つづまやか・物惜しみする(慊:まずしい・つつましいの意)、慊誠(ケンセイ)=まことあること=誠慊(慊:まこと・まごころの意)
 以上、大漢和辞典より。
(注1)「慊然(キョウゼン)」「慊志(キョウシ)」・・・「キョウ」と読ませ、それぞれ、「キョウ」と読む場合に「満足」の意と解説しているブログがある。(真偽不詳)
(注2)「慊焉(ケンエン)」「慊然(ケンゼン)」・・・それぞれに、「満足」「不満足」の両方の意味があると解説している辞典もある。
<愿:ゲン、つつし(む)、すなお>
・つつし(む):愿款=慎み深くて誠があること、愿潔(ゲンケツ)=身をつつしみ行いの潔いこと、愿端=慎み深くてただしい、愿民=つつしんでまことのある民・素朴な民。、
・すなお :愿婉=すなお・まことですなお、愿愨=すなお・慎み深くてすなお、愿恭=誠があってうやうやしい、愿朴=すなおで飾らない・ありのままで揺るぎがない

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●熟語の読み・一字訓読(その100)です。
<愬:ソ、サク、うった(える)、おそ(れる)>
・うった(える):(すべて「ソ」音よみ)愬告=告訴、愬苦=訴苦、愬訟=訴訟。譖愬、往愬、赴愬・・・「膚受之愬(フジュノうったえ・ソ)」
・おそ(れる) :愬怒(サクド)=おそれいかる、愬愬(サクサク)=おそれるさま、びくびくするさま
・その他:愬風(ソフウ(大漢和)・サクフウ(字通))=風にむかう *愬→「遡」に通じ、「風に遡(む)かう」意とする。
<慳:カン、ケン、お(しむ)、しぶ(る)>
・お(しむ):慳嗇(ケンショク)=やぶさか・しわい、慳貪(ケンドン)=①(仏教)財貨をおしんで人に与えず貪り求めて飽くことのないこと・欲の深いこと、②むごいこと・情愛のないこと・意地の悪いこと、慳吝=慳悋=かたくなで物惜しみする(しぶる意もあり)
・しぶ(る):(「お(しむ)」の熟語ほぼと同じ)
*「慳囊(ケンノウ)」=貯金箱(字通)。吝嗇者が常に金銭を囊中に貯えて出し惜しみをすること(「おしむ」「しぶる」意に通じる)
・その他:慳銭(ケンセン)=粗悪銭・質の悪い銭=姦銭(大漢和)=びた銭(字通)、慳濫(ケンラン)=悪貨(字通) *他に、「慳=しぶる→天気がぐずつく意あり・・・「仲冬、雪、猶、慳・・・」」、「慳=かたくな、かたいじ(老人の知恵)の意あり・・・「慳、老人智なり」」
<慫:ショウ、おどろ(く)、すす(める)>
・おどろ(く):慫兢(ショウキョウ)=おそれて安んじない(おどろく、おそれる)、あわてる
・すす(める):慫慂
(大漢和・字通とも、この2語句のみ)
<慴:ショウ、シュウ、おそ(れる)>
・おそ(れる):(すべて「ショウ」音よみ)慴悸、慴色、慴憚=おそれはばかる、慴怖、慴怕(ショウハ)=おそれおののく・ふるえおののく、慴服=懾服=おそれ従う、慴伏=懾伏=おそれ伏す・おそれすくむ
<慥:ソウ、ゾウ、たし(か)> *「ゾウ」:慣用音
・たし(か):邦語。音熟語なし。
・その他:慥慥(ゾウゾウ)=慥慥爾(ゾウゾウジ)=篤実なさま・まことあるさま=慥然(ゾウゼン)=慥爾(ゾウジ) *「慥」に、まことあるさまの意あり。

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熟語の読み・一字訓読 (その97)&(その98) 悸 惓 悴 悽 惘 悾 惧 惺 愃 愎 慍 慇

2015年05月06日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その97)です。
<悸:キ、おそ(れる)>・おそ(れる):悚悸(ショウキ)、悸憂(キユウ)=憂悸=心におそれうれえる、悸怖(キフ)=おそれおののく、悸慄(キリツ)=おそれふるえる
惓:ケン、つつし(む)、う(む) *漢検2「う(む)」訓のみ。
 *「惓(う)む」の「惓」は「倦」と同義。「倦」の方が一般的。う(む)意での「惓」熟語はナシ。➪大字源に「惓怠」アリ
つつし(む):惓惓(ケンケン)=ねんごろ、真心をつくすさま
う(む):「惓む」=「倦む」 *倦厭・倦怠・倦労・疲倦・誨人不倦・倦怠疲労 ・孜孜不倦 (シシフケンン)・・・
      惓怠(ケンタイ):(大字源)いやになって怠ける。同)倦怠
<悴:スイ、やつ(れる)、かじか(む)、せがれ> *「せがれ」は邦語。別字で「倅」「躮」あり。
・やつ(れる):悴顔、悴容、憔悴=悴憔、貧悴、羸悴、愁悴・・・
・かじか(む):(しぼむ、かじける意も含む)悴葉=生気の無い木の葉、悴物=しぼみおとろえた植物、萎悴=「時雨、霑せず、・・・春苗、萎悴す」(魏書・文帝紀)
・せがれ:(邦語)
<悽:セイ、いた(む)、いた(ましい)、かな(しむ)>
・いた(む)、いた(ましい):悽愴=悲惨=悽惨=いたみかなしむ、いたましく悲しい=凄愴、悽愴(凄愴)流涕、悽如、悽戚=いたみうれえる、悽涙=いたみ泣く、悽然=いたましいさま・悲しいさま
・かな(しむ):悽感=悲しく感じる、悽艶=悽婉=悲しい中にもあでやかであること、悽歌=悲しい歌、悽欷=悲しんですすり泣く、悽切=悲しみの切なこと、悽絶=悲しみの極まること、悽囀(セイテン)=悲しい調子の音・音色の悲しいさま
<惘:ボウ、モウ、ぼんやり(する)、あき(れる)>
・ぼんやり(する):惘然(モウゼン)=うっとりするさま・ぼんやりするさま(大漢和)おどろくさま(字通)、惘失(モウシツ)=うっとりして物事を忘れること(大漢和)自失すること(字通)、惘惘(モウモウ)=ぼんやりするさま・あわてるさま、
・あき(れる):(邦語の模様)惘焉(モウエン)=おどろきあきれるさま(字通)うっとりするさま(大漢和)
・その他:惘惑(モウワク)=とまどう
<悾:コウ、まこと>・まこと:悾款(コウカン)=まこと・まごころ (*「款も「まこと」の読みあり。)、 悾悾(コウコウ)=まことあるさま・愚直なさま
<惧:ク、グ、おそ(れる)>
・おそ(れる):(「惧」は「懼」の俗字)音熟語なし。

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●熟語の読み・一字訓読(その98)です。
<惺:セイ、さと(る)、しず(か)>
・さと(る):惺悟
・しず(か):(音熟語なし)「惺(しず)か」
・その他(「さとる」意も含む熟語もあり):「惺鬆(セイショウ)」=(大漢和)①動揺して定まらないさま②醒めて気づくこと (字通)ぼんやり、「惺然」=(大漢和)精神の明らかなさま (字通)さめる 、「惺惺」=(大漢和)①心があきならなこと・さとくあきらかなさま ②鶯の声 ③骰子の別名 (字通) 心の明らなこと・眼がさめる
<愃:ケン、セン、ゆた(か)>
・ゆた(か):(愃(ゆた)か=心の寛容なさま(大漢和) 音熟語見当たらず。
<愎:フク、ヒョク、もと(る)、そむ(く)> *「フク」は慣用音  ヒョク(呉音)
(「もとる」も「そむく」もほぼ同義なので区分する意味はそれほどないかもしれません。一応、便宜的に区分しただけです)
・もと(る):愎気(フクキ)=剛愎=剛戻、愎戻=人に従わない、愎很(フクコン)=理にもとる、愎鷙(フクシ)=もとる、愎諫(フクカン)=いさめにもとる・諫言を用いない *「諫(カン)に愎(もと)り、卜に違う」(左伝)
・そむ(く):愎勃(フクボツ)=逆乱
*他の熟語・・・狼愎、貪愎、很愎(コンフク・コンヒョク)、矜愎、頑愎・・・
(2018.3.22加筆)
(漢検2)意味:もとる。そむく。片意地をはる。「愎戻」「剛愎」
剛愎:(広辞苑)ゴウフク:強情で人に従わないこと。かたいじ。
愎戻:(大字源)フクレイ:心がねじけていて片意地である。
<慍:ウン、オン、うら(む)、いか(る)>
・うら(む):慍見(ウンケン)=うらみまみえる・いかってまみえる、慍恚(ウンイ)=いきどおりうらむ・いかる *「いかる」意もあり*
・いか(る):慍然、慍怒、慍憤、慍容、慍惡(ウンオ)=いきどおりにくむ
<慇:イン、いた(む)、ねんご(ろ)>
・いた(む):慇慇(インイン)=思いいたむさま・心痛するさま=殷殷、慇憂=殷憂=深くうれえる=痛切なうれい(いたむ)
・ねんご(ろ):慇勤(インキン)=慇懃(インギン)
・その他:(「殷」に通じ、「さかん」の意あり) 慇潤(インジュン)=さかんにうるおす
(2018.3.21加筆)
(漢検2)意味①いたむ。心をいためる。「慇慇」 *読み、意味とも記載ナシ。
慇慇:(大字源)憂え痛むさま。(詩経・小雅)「我、独り念う、憂心慇慇たり」 同)殷殷
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熟語の読み・一字訓読 (その95)&(その96)

2015年05月05日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その95)です。
<恫:トウ、ドウ、いた(む)、おど(す)、おど(かす)>*「ドウ」は慣用音。
・いた(む):恫怨=いたみうらむ、恫悔=いたみくいる、恫矜(ドウカン・ドウキョウ)=いたみやむ・いたみうれえる(大)、うれえる(字)
・おど(す)・おど(かす):恫嚇(ドウカク)=恫喝(ドウカツ) 
・その他:恫疑(虚喝)=懐疑しおそれる(おそれる意)、恫擾(ドウジョウ)=動き乱れる(うごく意)、呻恫(シンドウ)=呻吟(うめく意)
<恙:ヨウ、うれ(い)、つつが> *「つつが」は虫の名。
・うれ(い):無恙(ムヨウ)=うれいなし=恙(つつが)ない
・つつが:無恙、恙虫(つつがむし)
・その他(「やまい(病)」の意):恙病=病気・不例。微恙、無恙、疲恙、疹恙、小恙、疾恙・・・
<悁:エン、ケン、いか(る)、あせ(る)>
・いか(る):悁悁(エンエン)=①うれえかなしむ、②いかる。 悁恚(エンイ)、悁恨(エンコン)=いかりうらむ、悁憂=悁悒=いかりうれえる、悁忿(エンフン)=いかる・立腹する=忿悁 (*字通では「ケンフン」)
・あせ(る):悁急(エンキュウ・ケンキュウ)=騒いで落ち着かないこと・怒りやすく短気なこと(大漢和)、躁急なこと(字通)=あせる・いらだつ。 (*「「躁急」のときは「悁」は「ケン(キュウ)」と読む(字通)」とありますが、大漢和では「エンキュウ」でした。)
<悚:ショウ、おそ(れる)>
・おそ(れる):悚慄=おそれふるえる、悚悸=おそれおののく、悚懼=おそれぞっとする・おそれおののく、悚然=悚悚
<悃:コン、まこと、まごころ>
・まこと、まごころ:悃誠、悃悃=ねんごろで誠実なさま・志が純一なさま、悃愚=誠実一方・馬鹿正直、悃款=誠実で飾りがないさま、悃願=懇願

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●熟語の読み・一字訓読(その96)です。
<悄:ショウ、うれ(える)、きび(しい)>
・うれ(える):悄焉、悄愴、悄悄、悄然、悄沈=銷沈=うれいにしずむさま(元気のなくなること)・・・
・きび(しい):悄乎(ショウコ)=態度のきびしいさま・親しまないさま
・その他(しずか・さびしい等の意あり):悄慧(ショウケイ)=しずかでさとい、悄寂(ショウセキ)=心さびしい・物さびしい、悄語=ささやく・小声で語る
<悛:シュン、あらた(める)、つつし(む)>
・あらた(める):改悛・悛改、悔悛・悛悔、悛革、悛志、悛心、悛容=かたちをあらためる・・・
・つつし(む) :悛悛=慎み深いさま・謹厚のさま・まことがありあまって言葉の少ないさま=恂恂
<悖:ハイ、ボツ、もと(る)、みだ(れる)、さか(ん)>
・もと(る) :(四字熟語「悖入悖出」「悖出悖入」)、悖逆、悖行、悖心、悖言、悖背、悖徳、
・みだ(れる):悖乱(=もとりみだれる)=勃乱・謀叛をおこす・正道をみだす  *「もとる」意もあり。
・さか(ん) :悖焉(ボツエン)=盛んに興る=勃焉
(参考)「悖繆(ハイビュウ)」「悖謬(ハイビュウ)」=もとりあやまる(大漢和)・みだれあやまる(字通)・・・「もとる」?「みだれる」?どっちなんでしょうかね(^^;)2大漢和辞典で、こう解釈が異なるのは困りものですねえ・・・ド素人からしたら混乱するばかり。
<悒:ユウ、うれ(える)>
・うれ(える):悒悒、悒怏、悒鬱=憂鬱、悒如、悒戚・・・
<悋:リン、やぶさ(か)、おし(む)、ねた(む)>
・やぶさ(か):悋想=やぶさかな思い
・おし(む) :悋嗇、悋惜(リンセキ)=吝惜=物おしみ
・ねた(む) :悋気=嫉妬・やきもち

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熟語の読み・一字訓読 (その93)&(その94) 很 怎 怛 怕 怦 恁 恊 恍 恃 恤 恂 恬    

2015年05月04日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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●熟語の読み・一字訓読(その93)です。
<很:コン、もと(る)、はなは(だ)>
・もと(る) :很忤、很愎(コンヒョク・コンフク)=心がねじけもとる、很戻、很剛、很心・・・
・はなは(だ):很好(コンコウ)=甚だ良い、很鷙=凶猛、很恣=勝手気まま、很突=凶悪、很剌(コンラツ)=悪辣
(2018.3.22加筆)
(漢検2)
很忤(コンゴ):(大字源)もとりさからう。人の言うことを聞き入れない。同)狠忤
很戻(コンレイ):(大字源)ねじけもとる。道に背く。同)狠戻
很好(大字源は熟語掲載のみ。「狠好」も同義だが熟語のみ。)
下つき:傲很(ゴウコン)・・・(大字源)高慢で人に逆らう。同)慠狠 慠很 慠狠
<怎:シン、ソ、ソウ、いか(で)、どうして> *大漢和・音「ソ、ソモ(唐音)」 *字通・音「シン、ス、ソウ」
・いか(で)、どうして:怎地(シンチ)=どうして、いかようにして、怎麼(シンモ・ソモ)=どんな、如何に、なぜに、怎様(シンヨウ)=どんな、
「怎生(いかん)ぞ」「怎生(いかんぞ、ソモサン)」「怎麼生(ソモサン)」
<怛:タツ、ダツ、タン、いた(む)、おどろ(く)> *「ダツ」=慣用音
・いた(む):怛悼(ダットウ)=かなしみいたむ、怛傷(ダッショウ)=かなしみいたむ=傷怛(ショウダツ)、怛怛(ダツダツ)=いたみうれえるさま、痛怛・・・
・おどろ(く):怛然(ダツゼン)=おどろくさま、いたむさま・おそれるさま、駭怛、驚怛、怛化(ダッカ)=死に臨んだ人をおどろかす、人の死んでいくのをおどろかす(大漢和)←「化(カ)を怛(おどろ)かすこと無かれ」(荘子)*「化(カ)」は道家で「死」をいう。
<怕:ハ、ハク、おそ(れる)>
・おそ(れる):怕畏(ハイ)=怕懼(ハク)=怕怯(ハキョウ)=おそれる、怕驚(ハキョウ)=おそれおどろく、怕婦(ハフ)=嫉妬深い妻をおそれる、 *四字熟語「欺軟怕硬」 *懼怕(クハク?クハ?)*後記追記参照。=おそれおじる 
・その他:「怕癢花(ハヨウカ)」=さるすべり・百日紅、「怕癢(ハヨウ)」=こそばゆい、くすぐったい
<2017.7.20追記>
「怕懼」と「懼怕」
 *大字源では、
  ・「怕」の項では、「怕懼(ハク)」=おそれる。怕怯(ハキョウ)。
  ・「懼」の項では、「懼怕(クハク)」=おそれる。怕も、おそれる。(なお、下つき熟語で「怕懼(ハクク)」となっている。)
 となっており、大字源の中でも「怕」の音読み分けが明瞭になされているわけではなさそう・・・。

 *他の辞典やネットなどでは「怕懼(ハク)」「懼怕(クハ)」の読みとなっているものもあるようである。こちらの方が読みとしては統一性があるような気がするが・・・いずれにしろ、どっちで読んでも良さそうだが、「怕(ハ)」で読んでおいたほうが無難な気はする・・・
<怦:ヒョウ、ホウ、せわ(しい)>
・せわ(しい):「心、怦怦(ヒョウヒョウ・ホウホウ)として諒直なり」=①こころせく=心急、②ただしい・忠謹のさま 
<恁:ジン、イン、ニン、か(かる)、このような> *「イン」は慣用音
・か(かる)、このような:恁麼(インモ)=どうして、このような、恁生(インセイ)=このような=恁地(ニンチ・インチ)=恁的(ニンテキ・インテキ)
<恊:キョウ、かな(う)、おびや(かす)>
・かな(う):(恊=協・・・恊調=協調など)
・おびや(かす):音熟語なし。「恊(おびや)かす」

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●熟語の読み・一字訓読(その94)です。
<恍:コウ、ほの(か)、とぼ(ける)>
・ほの(か):恍惚=①微妙で量り知ることのできないさま ②物事に心を取られてうっとりするさま、ぼんやり自失するさま、恍恍=ぼんやりしたさま・物事に心奪われたさま、恍若・恍然=うっとりするさま、恍惘(コウボウ)=ぼんやりする、恍洋=漠然として広大なさま、広く大きくとりとめのないこと、恍遊=うっとりとして遊ぶ  (注)「ほの(か)」に対応しない熟語もあり・・・以下、参照。
・とぼ(ける):「恍(とぼ)ける」=邦語?(大漢和・字通とも、読みナシ)
「恍」=(大漢和)①形のないさま、微妙で知り難いさま ②ほのか、おぼろげなさま ③うっとりするさま ④くらい
<恃:シ、ジ、たよ(る)、たの(む)>
・たの(む):恃険(ジケン)=険をたのむ=要害による、恃救=救援をたのむ、矜恃、恃勢、恃勇、恃憑(ジヒョウ)=たのみたよる
・たよ(る):恃頼(ジライ)=頼りとする、恃憑
<恤:シュツ、ジュツ、うれ(える)、あわ(れむ)、めぐ(む)>
・うれ(える):恤憂・恤恤=憂えるさま、
・あわ(れむ):恤敗=敗者をあわれむ、恤悲=あわれかなしむ、
・めぐ(む) :救恤、恤匱(ジュツキ)=貧者をめぐみあわれむ、恤災=災禍をあわれんで金銭・物品などをめぐみ送ること
<恂:ジュン、シュン、まこと、おそ(れる)、またた(く)>
・まこと   :恂恂=①まことのあるさま・まじめ (他に、②慎み深いさま ③温恭なさま ④恭順なさま・慎み深く従順なさま ⑥善くいざなうさま) 
・おそ(れる):恂恂=⑤おじ、おそれるさま、恂懼=おそれる・おののきおそれる、恂慄(ジュンリツ)=①きりりとひきしまって威厳あるさま(一説に、おののきおそれること)
・またた(く):恂目=①めくらみ ②心におそれること
<恬:テン、やす(い)、やす(らか)、やす(んずる)、しず(か)>
・やす(い)、やす(らか):恬淡=恬澹、恬豁(テンカツ)=心がやすらかで広い、恬如=心やすらかなさま・平気なさま
・やす(んずる) :恬嬉(テンキ)=安んじて喜ぶ(→文恬武嬉)、恬熙(テンキ)=世の中が安らかで無事に治まること
・しず(か)   :恬瀾(テンラン)=しずかな波(=世路が平静なたとえ)
*やすらか&しずか:恬然、恬静、恬性=静かな性質・性をやすらかにする、恬安、恬和・・・

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