雷門の生駒軒さんが2025年3月25日に閉店だそうです
雷門の生駒軒さんが閉店するというので行ってきた。
最初に訪問したのは2016年5月14日だった。
入り口の戸を開けると三社祭の日で店内は雷門と書かれたはっぴを着た人たちでいっぱい。祭りの人たちは席についている人もいたが、店内に立ったままの人もいて、こりゃ満員だと、帰ろうとすると、ご主人が、「そこ空いてんだろ、座らせてあげて」と言ってくれて2人テーブルに先客がひとりいるところに座らせてもらった。先客はビールにおつまみのチャーシューを食べている、やはり祭り関係の人のようだった。
注文は決まっていた。当時、町中華のカレーチャーハンを食べ歩いていたのだが、こちらのお店にカレーチャーハンがあるのを確認していた。それでやってきたのだ。カレーチャーハンをオーダー。ご主人がつくり始めると、カレーの香りが漂い、店内の祭り装束の人たちからオーッという歓声があがった。
着丼したカレーチャーハンをいただいてみると、これがなかなかうまい。よく炒められている。当時、食べ歩いていたカレーチャーハンのなかでもいちばんうまかった。スパイスが効いたいい味だ。
この日は祭りの人たちでごった返していたので、代金700円を払い、すぐ店を出た。しばらくは口の中がスパイスの香りがした。
で、その後もこちらのお店に通い、いろいろなメニューをいただいた。で、ご主人と話をするようになっていろいろわかったことがあった。
僕は1990年代後半から2000年代前半にかけて、四谷の本塩町ということころ住んでいて、坂町にあった生駒軒が近く、たまに行っていたというような話をすると、ご主人はかつてその坂町の生駒軒で働いていたというのだ。僕が住んでいた時期よりも前なんだけれど、それでいろいろ話をするようになった。
色々話をしてわかったのは、テレビや雑誌の取材は断っているということだ。ダメモトで『散歩の達人』の浅草の町中華特集で取材させてくれないかとお願いをするとOKしてくれた。
ありがたいことだ。
その後も店にはたまに顔を出していたが、しばらく休みますの張り紙があった。聞けば、ご主人が交通事故にあったとか。
ご主人は出前に出かけるときは、カブに乗っているが、自転車にも乗っていた。あるとき雷門近くを歩いていたら自転車に乗ったご主人に後ろから声をかけられたことがあった。その自転車で事故にあったんだそうだ。病院に入院していたそうだが、しばらくして店も復活。
町中華探検隊は『散歩の達人』で町中華の連載をしていて、そこに出てくれないかとお願いしたら、これもOKしてくれた。取材の日取りなども決まっていたが、ご主人から電話があった。奥様が病気で入院されるのだそうだ。奥様とは二人三脚だから店も閉めるので、取材には応じられないとのこと。その後、お店は復活するも再び長い閉店になることもあった。奥様が再び入院されたそうだ。
で、3月18日、偶然前を通ったら営業中でけっこういそがしそうだった。
ご主人か奥様に挨拶でもしようかと思ったが、なんだかいそがしそう。表の貼り紙には営業時間が11時30分~3時までとあるので、また後日こようと帰宅した。その日の、町中華探検隊のLINEグルーブにラーメン女子の森本聡子さんが、浅草の生駒軒が3月の25日で閉店と教えてくれた。えぅ。そっかってことで、本日3月24日に行ってきた。
1時過ぎに店に入ると、そんなに混んでいなかった。
テレビの下に貼り紙があった。3月25日で閉店だそうだ。ご主人に「長蛇の列かと思ったらけっこう席が空いてたんで拍子抜けですよ」カウンターに座り、軽口を叩くと、ご主人はいや昨日は行列が出来てたとおっしゃる。そうか、昨日は日曜日だもんね。なんていう話をしているとあっという間に店内は満員に。年齢や性別などもさまざま。改めて、いろいろな人々に愛されていたんだと思う。そして、注文も人それぞれ。多いのは半チャーハンにラーメン。そしてカレーライスの注文も多かった。カレーライスと肉炒めを頼んでいる人もいた。僕は、最初に食べたカレーチャーハンをオーダー。
ああ、最初に食べたカレーチャーハンとまったく同じ味だ。うまい。
食べているとなんだか涙が流れてきそうになった。
「それじゃ、お元気で。本当にいろいろとお世話になりました」とご主人と奥様に申し上げ、800円を払った。そうか、最初にうかがったときから100円しか値上げしていないんだ。また、いい町中華がなくなってしまった。



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