住基ネットシステムが謎の突然停止…大阪市でトラブル頻発 280万人の個人情報にリスク
人口約280万人の大阪市で、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)のトラブルが頻発した。昨夏から10件以上発生し、マイナンバーカードの発行などが一時停止に。住基ネットはサーバーを通じてつながっているが、他の自治体で同様の事案は確認されていない。機密性の高い個人情報を扱うだけに、原因の解明と再発防止が急務だ。 【ひと目でわかる】マイナンバーカードで相次いだトラブル ■復旧まで15分 今年3月4日午前、大阪市内の全24区役所とサービスカウンターなど計33カ所で異変が起きた。 市によると、午前10時23分から住基ネット端末にエラー表示が出るなどし、マイナンバーカードの交付や更新などができなくなり、20人に影響した。後日の申請や郵送への切り替えを案内するとともに、サーバーを再起動し、同38分までに復旧した。 市では同様の事案が昨年7月~今年3月の9カ月間で10件以上起きており、担当者は「平成14年の住基ネット導入以降、これほどの頻発は初めて」と明かす。いずれもサーバー専用のオペレーティングシステム(OS)が停止し、一時的に業務用アプリケーションが使えなくなった。 ■他市では確認されず 住基ネットは、各自治体の居住者らの氏名や住所などが記載された住民基本台帳のほか、マイナンバーなどの個人情報をネットワーク化し、全国共通に本人確認ができるシステムだ。 国と自治体が共同管理し住基ネットなどの開発・運営を担う「地方公共団体情報システム機構」によると、他の自治体でこうしたトラブルは確認されていない。 大阪市のサーバーには平時の「運用系」とは別に、停電や災害などで運用系がダウンした際に使う「待機系」がある。3~5月は引っ越しなどで転入・転出が多い繁忙期にあたり、市は3月4日の不具合を受け、国と相談して待機系に切り替えた。その後トラブルは発生していないという。 ■「改善共有が必要」 原因について、市は難読漢字など標準文字コードに含まれない「外字」を使った人名などがエラーを引き起こした可能性があると推測するが、大阪市で特に外字が多いわけではない。担当者は「業務に支障が出ただけでなく市民に迷惑がかかった。原因を特定し、再発防止に努めたい」と話す。 情報セキュリティーに詳しい近畿大の柏崎礼生(ひろき)准教授は「コンピューターは同じ製品でも品質に差が出る。大阪市の装置が、たまたま低品質だったのでは」とみる。