マイナ保険証を持たない人の健康保険証代わりとなる「資格確認書」。
この資格確認書を紛失したり、破損したりして再発行が必要になった場合、加入者に1万円の手数料を取る健康保険組合が現れた。
マイナ保険証の10倍。いくらなんでも高すぎるのではないか。
さすがの厚生労働省も黙っていなかった。(戎野文菜)
資格確認書 マイナ保険証を持っていない人が健康保険証の代わりに使える証明書。従来の保険証と同じく券面には、氏名、生年月日、保険者番号などが印字される。従来の保険証は今年12月までに有効期限を迎える。期限が切れると、申請しなくても加入する健保から無償で交付される。有効期限は最長5年間で、健保ごとに設定できる。更新もできる。
◆なじみ深いあの化粧品会社の健康保険組合で…
5月初旬、医療関連団体の職員から、私のスマートフォンにメッセージが届いた。
「資格確認書 再発行手数料が1万円」
金額に目を見張った。添えられたリンクをクリックすると、「資格確認書の再発行手数料の徴収につきまして」というタイトルが付いた3枚の文書が開いた。
発行元は書かれていないが、1万円の振り込み先が記されていた。
口座の名義は「ポーラ オルビスグループケンコウホケンクミアイ」。化粧品メーカー「ポーラ」(東京)の社員らが加入する健康保険組合(健保)が作成した文書のようだ。
内容は、今年3月1日から資格確認書の再発行に1万円がかかることを案内するものだった。
私自身もポーラの化粧品を使ったことがあり、なじみ深い企業の名前に驚きながら、同時に興味もわいた。
◆「マイナ保険証の受診が原則」だからと
まず取りかかったのは、この文書が本物か、という裏取りだった。
文書にあったポーラ・オルビスグループ健保(以下、ポーラ健保)をネットで検索すると、実際にウェブサイトが存在した。
そして、サイトの中に、私が受け取ったものと同じ文書が見つかった。
資格確認書の再発行に関する3枚の文書には、「ご不明点の参考に」として、マイナ保険証や資格確認書の仕組みについて、Q&Aで紹介していた。
この中で、再発行に手数料を徴収する理由を3つ挙げていた。
① 国がマイナ保険証での受診を原則としているため
② 健保は共助の仕組みであるため
③ 財政の健全化のため
そして、補足として、次のような説明が添えられていた。
「必要な給付、手厚い検診が受けられるように無駄な支出を抑えることが必要となります」
「(マイナ保険証を取得していない)3割弱の方のために資格確認書の在庫を抱え、システムを完備するなどコストをかけることが共助の仕組みにそぐわないと考えます」
◆マイナンバーカードの再発行は1000円なのに
でも、なぜ1万円もかかるのか。
マイナンバーカードは、区市町村が交付するもので、国が再発行の手数料を一律1000円(特急発行は2000円)と定めている。
これに対し、資格確認書は各健保が加入者に交付する。資格確認証の再発行の手数料は、交付する健保が独自に決めることができる。
ポーラ健保に直接、電話で尋ねた。「どうしてこんなに高額なのですか?」
健保担当者は思いのほか、快く答えてくれた。
【記事の後半には】マイナンバーカードの取得は任意です。マイナ保険証に登録しないことで、不利益を被るようなことは制度上、問題ないのでしょうか。他の健保の状況も調べてみました。記事の最後では、高額手数料に対する厚生労働省の見解も紹介しています。
「結局、...
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