備蓄米流通の混乱めぐり、大手米穀卸が「コメ卸は多くの利益を得ている」に反論
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備蓄米の流通が滞り、米価高騰に歯止めが掛からない。大手米穀卸は原因として、さまざまな制約や規制の存在を指摘。コメ騒動の再発防止として、補助金で需給・価格をコントロールする現行の農政見直しを求める声も聞かれ始めた。
規制の壁と見直しの必要性訴える声も
農林水産省が16日、政府備蓄米流通に関する卸業者のコストや利益を公表したことを機に「コメ卸が多くの利益を得ている」と一部メディアで批判が高まり、各社に問い合わせが急増している。備蓄米のコストアップ構造について「年産・産地品種の特定が困難なことや、発注からのリードタイムが通常より長いなどの制約がある」「全販売量のごく一部に過ぎない割に、確認作業や事務作業の負担が大きい」「経費や利益の考え方は通常の精米と同じだが、双方の価格と同一にすると、備蓄米で利益が出て一般米で損をする構図となるため、備蓄米の利益が大きく見える。一般米損失額は公表されてない」と弁明する。 備蓄米の流通が滞る原因と解決策については「政府より集荷業者(全農)が備蓄米を産地置き場で買い受けた後、全農物流が流通を一手に担うため、デリバリーが追いつかない。産地置き場で直接卸に引き渡してもらえれば、スムーズに流れる」「全農への発注日が指定され、受け入れ体制や倉庫の状況など、通常と異なる受発注体制が求められ段取りが難しい。手続きも煩雑で、広範囲での販売が困難。報告簡素化を」など要望する。 ほかに「運送確保や製造工程がパンク状態」「得意先への供給は随時行っているものの、在庫が不十分で需要に追いつかない」「配分量が少なく、販売先を絞らざるを得ない」状態にも陥っている。 今後の米価に関して産地JAの中には、早々に25年産米概算金を高値設定するケースもあり、新米の高値スタートの可能性も高く、直近の下落は難しいとの見方が多い。 長期的な米価の適正水準維持には「生産量を増やし適正な在庫水準にすることで、生産者の収入を安定させ、新規就農増加と、農地継続を促す」ことで一致する。そのためには「コメ政策を、情報提供に代表される間接的関与に徹底させ、現物・先渡し・先物の市場を育て市場原理に任せ、政府がコントロールしない」「収穫前に用途を限定せず、使用実績に合わせて売る側に補助金を出す制度に変更することで、用途ごとに必要量確保が可能になり、あるべき価格に落ち着く」「現行のモノ(コメ)に補助金を出す仕組みではなく、EUのような農家への直接支払いも、食料安全保障確保の一つ」などの声が挙がり、長年の生産調整による米価維持が、令和の米騒動のそもそもの原因と見て、見直しを求める声も挙がっている。
日本食糧新聞社
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