随想録 とんかつ 神保町 


とんかつならとんかつ、神保町なら神保町とテーマをきめて
書くことがよく、伝わりやすいとはわかりつつも
ごった煮で思いつくままに記す失礼をお許しくださいませ。

 

 

 

 


昨晩は文京区関口のカテドラルで
「グレゴリオ聖歌とラテン語による荘厳司教ミサ」に
あずかり終わって神保町まで足をのばした。
ミサの終わりは16時半だったので千葉方面に行くのは
時間と交通費を考えまたの機会としたのである。
中学生の頃に友人と本がいっぱいある町が神田にあるからと
でかけて行った。それが神保町と僕との出あいであった。
高校になると週一くらいで神保町に行き本をあさったり
ただふらふらしたりとしていた。
親からもらった昼食代を使って行っていたのである。
つまり毎日お昼は食べなかった。だからガリガリに僕は
やせていた。
お昼を食べず我慢してでも神保町に行きたかったのである。
しかし神保町に行くと少しは食べたものだ。

 

 

 


1977年の水道橋・神保町には牛丼チェーンの「たつ屋」
が4店舗はあったと記憶している。

 

 

               (たつ屋のかつ丼 )

 

 

 

 


吉野家がアメリカの牛肉を使っていたのにたつ屋は国産牛を
使い味噌汁もサービスであった。値段も吉野家と同じ、
もしくは50円ほど安かった。
味については個人的感想の域にとどまるけれど吉野家とは
くらべものにならないほどうまかった。
現在、新宿に一店舗だけとなったたつ屋に僕とおない年の
スタッフさんがいる。たつ屋の顔と言ってもよい方だ。
実はそのスタッフさんは僕と同じ頃、つまり1976年、
1977年に水道橋・神保町でたつ屋の牛丼を食べて
感動しそのままたつ屋に就職したという牛丼一筋40年
選手なのである。
当時を回想して僕に話してくれたことがあった。

 

 


「あの頃の味はもう無理ですよ 国産牛でしたからねえ」

 

 


1979年に空前のインベーダーブームがあり、
神保町も1980年代初頭は町ががらりと変わった。
ゲームセンターだらけとなったのである。
自分は弟を連れて今度はゲームをしに神保町に行った。
日銀が100円硬貨の製造にまにあわないというほど
アーケードゲームははやっていたのだけれども、
1980年代になると50円ゲームの店もぼちぼち
出てきた。
神保町にコーヒーのサービスがある50円ゲーム
の店が白山通りを一本中にはいった通りにあった。
弟とその店によく行き、クレイジークライマーに
夢中になっていたことを思いだす。

 

 

 


こんな風に学生の頃からずっと好きだった町である。
しかし近年、神保町は昔の神保町を捨ててしまい、
すっかり違う町になってしまった。
僕は数年前にもう神保町とはお別れしたのである。
今の神保町になんの魅力も感じない。
また昔の面影を追いかけようという気もない。
追いかけようにももうなにも残っていないのだから。
歩き疲れて一休みしていた愛全公園も今はこぎたない
公演になり喫煙スペースがあるのでタバコの煙で
いたたまれない場所になってしまった。
高校時代には土の公園でブランコがひとつだけある
だけであった。
シーンと静かな神保町。そしてブランコがひとつだけの
公園。今では想像もつかない。
ところで30代になった僕は三省堂書店のはす向かいに
あったトマス外語学院に通っていた。
カトリック教会が運営する語学学校で語学学校としての
評価は高かった。
自分は2年間、ドイツ語クラスでドイツ人教師から
ドイツ語を学んでいたのである。
トマス外語学院もすずらん通りにかわらずある風景の
一部であった。ところがどのくらい前であったか、。
閉校となり居酒屋に変身したのである。
学校が居酒屋になったというのもショックだったけれど
その後、何度も何度も店舗は閉店し最近はラーメン屋に
なっていた。ついこのあいだオープンした
ラーメン屋には入って弊ブログにレポしている。
で、昨日行くと今度はタイとミャンマーの家庭料理の
店になっていた。

 

 

 

      (かつてこのビルがトマス外語学院だった)

 

 

 

 


何十年も変わらずだった学校が飲食店になったと思ったら
閉店に次ぐ閉店・・・・・
あきれかえってものも言えないといった感じ。

 

 


ともかく今の東京にはなじめない。
神保町にはしかし「年間行事」があるため今後も
出向くであろう。
年に1回は食べておかないと落ち着かないという店が
あるからだ。

 

 


それらのお店を以下に記しましょう。

 

 

 


1軒目はとんかつのいもや。
とんかつは高級な店からたちぐいそば屋で出すとんかつまでいろいろ
だけれども僕はB級グルメ人であるから数千円するとんかつをめぐろうとは思ったことはない。
数千円もするとんかつならうまいのがあたりまえ。
数千円払ってうまいとんかつを食べてもあたりまえなだけ。
そして僕にとっては贅沢。
贅沢ができるような仕事はしていないし、1000円以内でうまいとんかつをたべて満足するという、まさしくB級グルメ人なのである。
B級グルメという言葉をはじめて使った田沢竜次さんが
絶賛しており、著書で世代を超えて愛されている「重要文化財」として
紹介している。

 

 

 

          (いもやのとんかつ定食800円)

 

 

 


いもやのとんかつ定食は現在800円でありたしかにどんどん値上がりしていくのだが、揚げたてのぶあついとんかつが味わえ、ご飯もキャベツも大盛りが出来、もっと食べたいのなら
おかわりができるというのだから良心的な値段である。
いつも1000円近いラーメンを食べてまずかったときには
思うものだ。

 

 


「ああ、神保町のいもやでとんかつ定食を食べていればよかった」

 

 

 

 

 

 


2軒目は天ぷら定食のいもや。
しかし昨年だったか・・・・弊ブログにコメントいただく「酒人」さん
はじめいろいろな方から閉店という情報をいただき行ってみたら
ほんとうに終わっていた。
実は父もてんぷら定食のいもやを愛し通っていたのである。
親子二代で通った店なのに閉店してしまった。
しかしながら、定食を50円だったか、そのくらいの値段安くして
出すもう一軒のてんぷらのいもやがあるので、そちらを開拓
してみようと思っている。
3軒目はラーメンファンならずその名が知れ渡っているさぶちゃん。
芸能人がよく食べにくる「伊峽」出身のご主人だが、日本ではじめて
半分のチャーハンとラーメンのセット、すなわち「半チャンラーメン」
を考案したことでも知られている。
現在は「伊峽」でも半チャンラーメンをだしている。
もちろんいただきましたが、庶民的でなつかしい、いい味でした。
さぶちゃんは先月あたりから長期休業されており、
すごく心配している。いつも閉店時間後とか休業日にさぶちゃんの
前を通るので営業再開の有無は確認していないけれど、
昨晩もお店の前に行くとしばらくの間休業しますという張り紙が
なかったので再開したのではないかと期待している。
黄色い極細麺にラードがおおって鶏ガラのうまみたっぷりの
スープ。いかにも昭和という味わいで大好きなラーメンだ。
半チャーハンはほんと独特のもので、失礼ながらまかない的な
印象を受けるのだが、さぶちゃんが出すこのラーメンと実に
相性がよく、ラーメン、チャーハンと交互に食べると
とまらなくなるのだ。
とんかつのいもやもさぶちゃんも30年近く通う店。
以上、3軒なのだけれども、神保町はもうこれでいいと
思う。ともかく繰り返しになってしまうけれど、出来ては
つぶれ出来てはつぶれと繰り返しているので、追いかけていると
疲れるのだ。
愛全公園の話しもしたけれど、公園の前には僕が高校の頃から
たぶんあったお店で、チャイニーズ・ミニ・レストラン文華と
いう中華料理屋がある。
なかなかいい店だ。
また通りには高校時代からあった商店も残っている。
豆腐屋さんもその頃からあったかもしれない。
豆腐は10年くらい前に一度だけ買ったことがあるので、
また行ってみたいと思う。

 

 

 


さて、こんな風に神保町の話しはつきないのだけれども、
そろそろ筆を置きたいと思う。
その前に「ごった煮」と言った手前、いもや以外の
お気に入りのとんかつ屋について話しておこう。
先に述べたように数千円でとんかつを食べたいとは思わないので
B級グルメ人を満足させるとんかつ屋であります。

 

 

 


1軒目は武蔵関の「味よし」。
武蔵関に実家があった自分。
大学生の時に駅商店街のゲームセンターでアルバイトをしており
そこの女性店長から何度も何度もおいしいとんかつ屋があるから
一度行ってみたらと言われて行ったのがはじまり。
つまり20歳、21歳、そのあたりで行った店である。
それから僕は大学を出てサラリーマンになったのだけれども
すぐにやめてしまい、再び、武蔵関に戻ってきた。
やがて武蔵関に映像プロダクションをたちあげたのだけれども、
社屋兼自宅から一番近い飲食店が「味よし」であった。
駅まで歩くとき、かならず通る。
なので週に2回は日替わりサービスなどを食べていた。
ともかくやすい。やすいとんかつはだいたいNGなのだけれども
ここはうまいのだ。
30年前は日替わりサービスのとんかつ定食が550円だったと
記憶する。
味も盛り付けも当時とまったく変わっていない。
先日、いただいてみたけれどたしかに味は変わっていなかった。
食べ終わると女将がニコニコして言った。

 

 


「変わっていないでしょ」

 

 

 


やはり変えないということ、老舗の味をまもるということを
大切にしているのだなあと食後感もよかった。
味よしは武蔵関ではおすすめの
とんかつ屋ということで評価されている。

 

 

 

 


とんかつの話しはまだまだ尽きないのだけれども、
B級グルメカテゴリーでは、江古田、昭和7年創業の好々亭
のとんかつ定食もまあまあ好き。ご飯がおひつで
提供されるのもポイント大である。

 

      (好々亭 マスメディアでの紹介頻度も高い)

 

 

 

 

 

 


閉店してしまったけれど船橋の
とんかつの老舗「三輪」のとんかつ定食が好きだった。


市川・船橋で何軒かとんかつ屋めぐりをした中、一番おいしいと
思えた店である。

 

 


原木中山のとんかつ義絹はまだ数回も行っていない店だけれども、
あられ茶屋と名前を変えすぐ近くにオープンしたようである。
女性スタッフできりもりする店で女性らしいこまやかさが
味にも反映されておりおすすめのとんかつ屋だ。

 

 

 

           (永井荷風が愛したカツ丼)

 

 

 


市川・船橋方面では永井荷風いきつけの「大黒家」の
閉店は残念でありました。割烹料理屋だけれども
荷風はカツ丼だけを食べていた。ついこの間、店の
前まで行った。建物はこのまま残し
学習センターなどが入るようですネ。

 

 

 

 


それとあまりにもローカルすぎる話しなので割愛しようと
迷ったけれど、武蔵関に40年ほど前にオープンした
中華調理屋のとんかつ定食が最高にうまかった。
弟の同級生のご両親がやっていた店で名前を失念している。
吉祥寺へのバス通り沿いにあり、武蔵関駅北口商店街
の手前・・・すなわち小関(大泉学園寄り)寄りで
石神井川を渡るすぐ手前にあった店である。
自宅から徒歩2分くらいだったので出前もよく
してもらったが、かならずとんかつ定食だった。
衣がバリバリに硬くて、そこにとんかつソースが
からまって、まあ、ご飯がすすむわ、すすむわ。
他にもお肉屋さんのとんかつなどなど、
とんかつの話しはつきないが、これにて筆を置きます。

 

 

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