「カズ、正座。」
「へ…?な、なんっ「正座。」はい………」。
エレンは威圧的なオーラを放ちながらソファに腰掛けている。もちろん機嫌がすこぶる悪いのか彼女の尻尾はビタンビタンと床を叩きつけている…………
やばい…………朝起きたらめちゃくちゃエレンめっちゃキレてる………………………
昨日の酔ったぼく……何やらかしたんだ……………?
そんな事を考えていると……………
「ねぇ…カズ聞いてる……?」
「え、あっ………勿論です!」
「ふーん……んじゃアタシがなんの話したか言ってよ。」
やばい……考え事しててなにも聞いてなかった………
適当に言おう………どうにかなれ…………
「ぼくと別れたいとか……?」
「は?」
エレンの睨み付ける攻撃!!カズには効果抜群だ!!
114514のダメージ!!
どうやらぼくはまたやらかしたらしい。尻尾がどんどん荒ぶっていく………床壊れちゃう^〜
「ねぇ…カズふざけてる?ねぇ…おい。」
「すいません………」
ぼくは急いで土下座しエレンをなだめる。これこそ日本人の究極奥義…土下座!!
「謝って済むと思うわけ?つか別れたいって何?アタシと別れたいっての?そんなの絶対許さない……カズはアタシだけのモノ………離れるぐらいならいっそ……テアシヲズタズタニシテニドトツカエナクシテアタシガオセワシナイト……………」
最後の方ブツブツ言ってて良く聴こえなかったけど取り敢えずとっても怒ってるのは分かった……
にしても…………めちゃくちゃ荒ぶってるエレンの尻尾…………なんか……おっきくなってる…………
もしかしてじゃなくても…………
「やっぱ……エレン太ったよなぁ…………」
「最近…糖尿なりそうなレベルで甘い物食べてたしなぁ…………」
ぼそっと呟くカズ。しかしエレンの耳にはちゃんと届いていた。
「あのさ、言わないでよ。わざわざ。というかカズさぁ………アタシが怒った理由まるでわかってないよね?おい。なに?どこ見てんの?」
キレ気味というか…バチギレているエレンはカズを問い詰める。そして………
「ん?あぁ…エレンの尻尾とお腹。やっぱり……尻尾二回りぐらいおっきくなったし……お腹回りも少しぷにっとした?後…足も太くなってるし……」
流石は沖田カズ。このクソボケノンデリ男をしばき倒さないとならない。直ちに市中引き回しして打ち首獄門にするべきである。
エレンはすっごい冷たい眼差しでカズを見て一言。
「きも。」
そして続けて
「そんな……はっきり…わかる………?」
ちょっと悲しげに言う。
「まぁ…エレン愛好家のぼくじゃないとわからないぐらいだから……そんなにね?落ち込まないで…?ね?」
少し罪悪感を感じたカズ、尽かさずエレンにフォローを入れる。
「ほんと……?」
懐疑的に聞くエレン……
「うん!それにぼく、足太い方が好きだし!」
エレンをフォローするどころかエレンに向かって竹槍を投げるカズ。彼はほんとに命知らずなのだろうか………
「ふーん……そういう事言うんだ……………。」
エレンは立ち上がり、目の前で床に正座しているカズを…………………
「えいっ」
カズを床に押し倒したエレンは彼に馬乗りになる。
そして押し倒されたカズはというと…………
「へ……?エレン………?」
「ほーら、簡単に押し倒しちゃった。……いつも思うけどカズってほんとザコだよね。その癖……アタシを煽るからこうなるのに理解してないとかほんとバカ。ちゃんと学習してんの?」
そしてエレンから発せられる鋭い言葉の槍は次々とカズの心を貫く
「カズって警戒心のかけらもないし。この前だってアタシが迎えに来なかったらカズ、酔っぱらった状態でバ先の店長に頂かれてたんだよ?わかってる?」
「えぇ……嘘でしょ?」
「マジ」
「マジかぁ………」
酔っぱらったぼく……リンさんに襲われそうになってたのか…………いやぁ………まじかぁ…………
「酔っぱらったぼくそんな警戒心皆無だったんだ……」
「まぁ…酔っぱらったカズ可愛かったよ。ずっとアタシに好き好き〜って甘えて……。ぶっちゃけ犯したくなった。」
「oh……」
「けど………あのあとすぐカズ寝ちゃったから発散出来てないんだよね。」
「つまり………?」
「そ。カズ…今日は寝れると思わないでね……♡」
「あっ……。」
「いただきます………♡」
搾り取られるカズであった。
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エレンの腕の中、静かに寝息をたてて寝ているカズ。
そして彼を抱きしめているエレン。
エレンはカズの可愛らしい寝顔を見て呟く。
「かわいい……。」
アタシのかわいいカズ………。
ポンコツでどんくさいけどかわいいくて…………
アタシに依存してるくせにアタシ無しじゃ生きられないくせに離れようとするバカ。
ちっさい時からずっと一緒で……
ずっとずっとアタシの隣にいるアタシの大切なモノ。
絶対に…絶対に…離さない………………
例え新エリー都の全員が敵になっても絶対に離さない。
カズが離れようとしても絶対に………絶対に離さない。
あの時………カズと約束してから……………
ずっとアタシのモノ………。
カズの人生はアタシのモノ。
勝手に離れるなんて絶対に許さない。
「カズの心……ボロボロにして……………」
「アタシ以外……瞳に映らないように……………」
「二度と離れなれないようにアタシにズブズブに依存させて……………」
「ふふ………あはは………あぁ…カズ。」
エレンはぎゅーっと寝ているカズを抱きしめる。
「絶対に離さない。ずっと一緒。」
エレンの歪な笑みを月明かりが照らしていた……