とある昼下がりカズの姿はRandomPlayにあった
今日は珍しくガラガラの店内………
カズはカウンターにうつ伏せながら勤務していた。
「暇だなぁ………」
つまらなそうに呟くカズ
近くで棚のビデオを眺めているアキラは微笑みながらカズに同意する。
いつもだったら店内はビデオを求めるお客さんが何人かいるはずだが今日に限ってガラガラだ。
仕事がほぼ無く暇なカズは
『エレンの髪に顔埋めて甘えたいなぁ……エレンに抱きしめられたい……エレンに頭を撫でてもらいながら背中ポンポンされたい……エレンとお昼寝したい……エレンに褒めてもらいたい……ダメダメなぼくを肯定してもらいたい……エレンに側に居て欲しい………』
なんて考えながらカウンターにうつ伏せている。
もはや依存の域を飛び越えているが…………
店頭のビデオを一通り眺め終わったアキラは暇そうにしているカズに声をかける
「カズ、ジュースでも飲まないかい?」
ジュース。この一言を聞いたカズはムクッと起き上がる。
目を輝かせながらアキラを見る。
流石エレンの幼馴染だけあって甘党であるみたいだ。
「凄い食いつきだね……ぼくの部屋の冷蔵庫に確かジュースが入っているから飲みに行っておいで」
「やった!!ありがとうアキラさん!!!」
カズは少年(見た目も精神年齢も)のように目を輝かせながらウキウキとした足取りでアキラの部屋に向かって行く。
もしも彼が犬のシリオンだったら尻尾がブンブンと荒ぶっていたんだろうと考えに浸るアキラであった。
ちょうどカズと入れ違いで上から降りてくるリン。
リンは少し不思議そうにアキラに聞く
「ねーねーお兄ちゃん、さっきカズくんすっごいウッキウキでお兄ちゃんの部屋向かって行ったけどなんかあったの?」
腕を組み頬杖しながら聞くリン。
そして
「あぁ、僕の部屋の冷蔵庫にジュースが入っているだろう?それをカズに飲んで良いって言ったんだ。うれしそうにジュース取りに言っててかわいかったなぁ」
カズが弟だったらなぁと笑いながら話すアキラ。
しかしリンの顔はどんどん青くなっていく。
「お兄ちゃん……お兄ちゃんの部屋の冷蔵庫に入ってる奴………私が入れてたお酒だ…………」
「え?は?あれジュースじゃなくてかい??」
「あちゃーお兄ちゃんのことだからあれジュースに見間違えるよね……」
頭を抱えるリン。そして顔を青くするアキラ
「と、とりあえずまだ行ったばかりだから…カズが飲む前に止めよう!!!」
「う、うん!」
2人はアキラの部屋に向かう。ドタバタしている2人を店番している18号はあきれた目で見ていた…
「ンナァ……」
階段を駆け上がった2人は急いでアキラの自室に向かう。
そして扉をあけ…………
「「カズ(くん)!!!!」」
すでに時は遅かったようだ…………
空っぽの缶が転がっており………
「あ〜てんちょがいっぱいいりゅ〜えへへ〜」
顔を真っ赤にしてにへらと笑いかけるカズが部屋でしゃがみ込んでいる。
「あちゃ………」
「手遅れみたいだね………」
頭を抱える2人にベロベロに酔っぱらったカズはまるで幼児のような眩しい笑顔を向けるのだった。
「むらしゃめがたうちゅうじゅんようきゃんかっこいい〜♪」
ベロベロ酔っぱらったカズはソファでリンに膝枕されながら宇宙戦艦ヤ◯ト2199第一話冒頭、ガミラス艦隊と国連宇宙海軍第1艦隊の海戦、冥王星沖海戦を見て幼い子供のようにはしゃいでいる。
因みにカズは超絶下戸で酔うと幼児化するようだ。
しかしまぁガミラスと圧倒的技術格差によって手も足も出ず、次々と轟沈、撃破される地球艦隊の中核打撃力たる村雨型宇宙巡洋艦、いわば地球のやられ武器を見てきゃっきゃっうふふしているカズはよっぽどマニアックのようだ。
次々と撃破、爆発する宇宙艦艇の映像を見て喜ぶカズ。そして喜んでいる彼を見て、リンは病んでるのかなと彼を少し心配する。
また一隻、また一隻と地球艦隊はガミ公のイモムシ共に撃沈されていく。
ほぼ沈められたところでカズはムクッと起き上がり映像を止める。
リンはまだ再生時間が残っているのに映像を消したカズの摩訶不思議な行動に疑問を抱く
「あれ?カズくんまだ残ってるけど消すの?」
「うん!」
彼はいかにも満足そうな顔でリンに頷く。
「続き見ないの?」
「ぼく、ちきゅうきゃんたいみたかっただけだからまんぞく!」
にへらと笑うカズ。リンはノックアウトされた。
「リンしゃん?おなかいたいの……?」
カズの可愛さに悶えるリン。そんなこと知らずリンを心配するカズ。
「はぁぁぁぁぁ…………カズくん可愛過ぎる………」
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「えへへ〜♪」
再びリンに膝枕され、頭を撫でてもらっているカズはニコニコしながらリンに甘えている。
因みにカズはまだベロベロに酔っぱらっている。
たかだかアルコール3%の缶を一つ飲み干しただけなのに……………
「ぼく、あたまなでられるのすき……」
カズは気持ちよさそうに目を細めながら、頭を撫でてくれてるリンの手に頭をすりつける。
「カズくん気持ちよさそうだね?そんなに頭撫でられるの好きなの?」
「うん……すきぃ…………」
頭を撫でられ顔が少しとろけているカズ。
そしてそんなカズを見て何かイケナイことをしている気分になるリン
お手つきしたくなる気持ちを抑えリンはカズの頭を撫でる。流石に自分の兄の部屋でおっぱじめるのはまずいと分かるのだろう。
リンはどうにかカズにお手つきしようか己の頭脳をフル回転させ考える。
その時リンに電流走る!!
単純なカズの事だ。好きなモノで釣ればイケる!
そう考えたリンは半ば意識が蕩けかけてるカズにある提案する
「ねぇねぇカズくん。私の部屋で仮面ライダー見ない?」
仮面ライダー。この一言にカズはぴくっと反応する
「なんのやつ…?」
「もちろんカズくんが好きなBLACKRXだよ。お兄ちゃんの部屋だと機械が対応してないからさ?私の部屋で見よ?ね?」
「うん…みりゅ……」
流石パエトーン(妹)カズが好きなモノは大体分かるのだろう。上手く釣れて良かったねリンちゃん日頃からカズをストーカーしたりFairy使って監視してた甲斐があったね
リンはウッキウキでカズをお姫様抱っこして自室にお持ち帰りしてゆっくりしっぽり楽しもうとアキラの部屋から出ようと扉を開けた時だった。
「ねぇ。プロキシ、アタシのモノどこにつれてく気?」
ものすごい不機嫌な顔をしていつも通りのヴィクトリア家政のメイド服を着たエレンがリンの行く先を塞ぐ。
まるで何人たりとも通さないというそんな凄みがある。
リンはエレンの圧倒的な雰囲気にビビって声を震わせながら答える。
「い、いやぁ……カズくんお眠だからぁ私の部屋で寝かせようかなぁ……って思って…………」
「ふーん……まあいいや。カズ、早くアタシに渡して。今すぐ。」
エレンはリンにカズの引き渡しを要求する。エレンは尻尾をビタンビタンと床に叩きつけ声色も冷たくいかにもイラついており険悪なムードが漂っている。
まぁベロベロに酔っ払ってるカズは空気を読むわけもなく………
「あっ!エレンだぁ〜!エレン〜抱っこして〜!」
ニッコニコでリンの腕の中から手を伸ばしてエレンに手を伸ばすカズ。
これには仕方がなくリンもカズをエレンに引き渡す他ない。
「わぁ…エレン……えへへ…ぼくエレン大好き……」
エレンに引き渡されお姫様抱っこされているカズは彼女に甘えている。
エレンもカズが甘えてきて満更でも無さそう…いや、まるで自慢するようにリンに見せつけている。
「あっ…あっ…あっ……」
可哀想にリンの脳は破壊された。
脳破壊されたリンを介護しているアキラを傍目にカズを抱っこして家まで連れ帰ってきたエレン。
どれだけ弱いのか今だ酔っ払ってるカズはベッドの上、隣で寝っ転がっているエレンに愛の言葉を囁きながらずっと彼女に抱きつき頬ずりして甘えている。
「エレンすきぃ…………だいすき……えへへエレンのにおいすきぃ…………えへへ……ぼくずっとエレンといたい………もっとだきしめて………すきぃ…………ずっとぼくのそばにいて………エレンだいすき……ぼくをはなさないで………ぼくひとりぼっちやだ………ずっとずっとエレンといっしょがいい…………」
カズはエレンの尻尾、腕に包まれながらずっとエレンに甘えている。
エレンはやれやれって感じでカズの頭を撫でてやる
「カズ…めちゃ甘えてくるじゃん………そんなアタシのコト好きなの?」
「ぼく、エレンだいすき!」
「ふふ…そ。」
エレンはそう返すとカズをぎゅっと抱きしめる
「ほんと幸せそう……ほら…ぎゅー」
カズはエレンにだきしめて貰い幸せそうに顔をとろけさせる。
「あーあ。いつもこんな好き好き言わないのに酔っ払うと言うんだ……なんか複雑……。」
「だってぇ〜ぼくエレンみるとね?すきすきって気持ちとまらなくなるんだけどね?……だけどそんなことエレンにいったらきもちわるいとおもわれないか……こわくてね?それにぼく………エレンとつりわないし………だけどいまなんかあたまぽあぽあしちゃってかんがえてることぜんぶくちにでちゃうの…………」
カズはぽやぽやとしながらエレンに言う。普段心のうちに秘めていることがポロポロと口からあふれ出てしまう。
「ふーん………まだそんな事思ってたんだ………」
カズの思っていること。感じていること。
そして…………エレンに対して今だ自分は釣り合っていない……エレンに迷惑をかけてしまうと思っていること………自分を卑下する発言を聞いたエレンはカズを押し倒す。
「ほら………押し倒しちゃった…………って………」
「すぅ……すぅ……」
穏やかに寝息をたてているカズ。
「はぁ……寝てるし…………」
「まあ…いいっか………」
エレンは寝ているカズに自分の尻尾、足、腕をヘビのように絡みつける。
「あぁ…温かい…………」
しょーじき今日、プロキシに甘えてるカズ見てすごい腹立ったし………帰ってきてからずっとアタシに甘えてきてどーでも良くなっちゃった。
「アタシと離れたくないか………ふふ……」
あぁ……もっともっとアタシに依存して…………
身も心もアタシだけのモノ………………
「カズ……ぎゅー……………」
カズのいい匂い………
小さくて温かい身体…………
かわいい寝顔………
ゼンブ……ゼンブ……アタシだけモノ…………
「けど……認識は改めさせないと………………」
頭バカになるぐらい………………
アタシと釣り合わないとか思えなくなるぐらい………
「アタシが愛してあげるから……カズ………」
寝ているカズに歪んだ笑顔を向けるエレンであった……
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RandomPlay……リンの部屋にて…………
「あーあ………エレンいいなぁ…………」
リンが使うノートパソコンの画面にはエレンとカズが抱き合って寝ているのが映っている。
そんな彼女らを見てリンはため息をつきながら呟く
「私だってカズくん欲しいのに………………」
リンはどうしたらエレンからカズを奪えるか腕を組み考える……………
「……朱鳶さんと共謀してエレンから盗っちゃおうかな…………」
治安官の力を借りれば………………
だけど……エレンほんとに………………
「うらやましい……うらやましい……なぁ…………」
カズには女難の相があるのかもしれない………