「テーマパークに来たみたい。ワクワクするなぁ」
薬で体調が多少良くなったぼくは今、情報、活気、全てがここで揃うルミナスクエアの端にある模型屋さんに来ていた
もちろんエレンに黙ってだけど……………
まぁ…エレン、今出かけてるし………帰ってくる前に帰ればバレない……はず………?
「にしてもワクワクするなぁ………」
ほんとにここにくればなんでも揃う
鉄道模型からSF、艦艇、航空機などのプラモデル、プラモデル用品等々モデラーが欲しいものならなんでも揃う!!
まさにモデラーのルミナスクエア……
ぼくはエレンから支給される少ないお小遣いを握りしめてどのプラモデルを買うか選んでいた……
「うーん……やっぱり戦艦長門のプラモデルを買おうかな……いや…ヤマトも捨てがたい…………キリシマもいいなぁ………」
カズは3つのプラモデルを見て悩んでいた………
「久々に無骨なパゴダマストの戦艦、作りたさあるし……長門はこれぞ戦艦!って感じの無骨でかっこいい艦だし…………」
「ヤマトは戦艦大和の面影を残しづつも遥かな大宇宙に飛び立つ力強さがあるし…………」
「いやキリシマは国連宇宙海軍の第一世代宇宙艦艇特有のあの葉巻型の船体は心くすぐるし………」
「あーどうしよ………予算的に3つも買えないからなぁ…………」
カズは悩む……小さな頭をフル回転させて考える………
「買うやつ決まった?カズ」
「まだ決まってないんだよ……エレンだったらどう…す…る………あっ………」
カズの後ろにはいるはずの無いエレンが青筋をたてて立っている…………
カズは恐怖で尻もちをついてしまう……
「え……へ……?…な、なんで……?エレンがここに……………?」
「はぁ……コレ忘れたの?」
エレンはそう言いながらぼくに携帯の画面を見せてくる……
なんだ…これは……たまげたなぁ…………ぼくの現在地が映されているじゃないか………
「へ…?なんで……ぼくの…現在地が……?」
「忘れた…?カズがつけてる首輪にアタシ、GPSつけてたじゃん………。アタシ言ったよね?アタシに黙って勝手に出かけるなって…………ほら、帰るよ。」
エレンはそう言うとぼくの首根っこを掴みお店を出る
そしてルミナスクエアを引きづられて家に帰るのだった………
あぁ……
あぁ……
「ぼくのプラモデル……!!!!」
「うるさい。とっとと帰る。」
「はい……」
「近頃の若いのはすごいのぉ……」
「……!」
「どうした?朱鳶よ。」
「いえ…先輩……さっき弟の声がしたような気がして………」
「ほぉ…朱鳶に弟がおったとは……」
「えぇ……弟とは言っても弟の様に可愛がっていた親戚の男の子で………私の事を姉と慕ってくれてたんです…………」
「よほど可愛がっていたのだな……口振り的に久しくあっておらんであろう……?」
「はい…………ホロウに巻き込まれてから連絡が取れなくて…………また会って抱きしめたいです………」
「そうか………」
「先輩、仕事に戻りましょう。いつまでも油を売ってたらきりがありません」
そういうと朱鳶は仕事に戻る………
朱鳶を姉と慕って懐いていた男の子…………
一体誰なのだろうか…………
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「んで、なんで約束破ったの?」
「……」
ソファに座って静かにキレているエレン
そして……
「……」プルプル
青くなって恐怖に震えているカズ
全く自業自得である。
「アタシ言ったよね?カズ1人で出かけたらいざって時に守れないからアタシと一緒にいる時以外はなるべく出かけないでって。出かける場合は必ずアタシに連絡してって言ったよね?そんな簡単な事も出来ない?ねえ?どうなの?聞いてるカズ?」
「黙っててもわからないんだけど?ねぇ………はやく応えてよ?アタシ気が短いの知ってるよね?」
エレンは尻尾をビタンビタンと打ち付けてあからさまに不機嫌であると主張してくる
「……」プルプル
カズは顔を俯けエレンと顔を合わせない様にしている………
「はぁ……はやく答えて…答えろ。」
エレンはそういうとカズの顔を掴み無理矢理顔を向かける
「ひっ……」
カズは今にも泣きそうなほど目には涙をためて怯えている……
「ねぇ………はやく答えろ。」
エレンはとてつもない眼光でカズを睨む
「ごめ……ごめ……………」
カズが震えながらエレンに謝罪をしようとした時だった………
「まぁ…謝っても許さないけどね……。」
「へ……?」
「勝手に出かけるのも怒ってるけどさ、これ…なに?」
エレンはソファの背もたれから一つのビデオを取り出す。そのビデオを見たカズはまるできかんしゃトーマスの青いボディのように顔が真っ青になる。さっきまで泣きそうになっていたのに恐怖で涙も引いたらしい……
「え…エレン…な、なんで…そ、れを……?」
「掃除してたら出てきたって言っても信じないよね……プロキ……あんたのバ先の店長に直接聞いたの。……前にもアタシ言ったよね?アタシ以外の女見るなって。けどカズはこのビデオに現を抜かしてた。これ…浮気だよね?アタシ、浮気絶対許さないって前にも身体に徹底的に教えたのにさ………」
「あの…それは……その……」
「言い訳?聞く訳無いじゃん。ふーん……全くいい趣味してんじゃん?なに?『アソコのお口もおジョーズ』?キモ。アタシがいるのにさ?他のサメのシリオンの女に現を抜かしてたんだ?」
「はぁ……ムカつく。本当に……ムカつく!!」
「ごめ……ほ、ほんとごめ、んなさい……」
「許さない。絶対に許さない。」
エレンの目は光を通さないほどどす黒く濁っている…
「監禁やめたの間違えだったな……監禁やめなければこんなビデオまた見無かったのに………さ!!!」
エレンはカズを床に押し倒す
「あーあ。やっぱりカズ弱いね。ほんとに………女の子のアタシに押し倒されちゃってさ…?恥ずかしくないの?まぁ…いいや。」
「え、えれ、ん?」
「アタシ前にも言ったと思うけどさ?カズにはアタシ以外……ルビー達以外の他の女と話して欲しくもないし見て欲しくもない。カズが他の女を見るのがヤなんだよね。もうカズが他の女を見ないように目、潰す事も考えたけどさ?それだともうカズがアタシ見れなくなるからやめたんだけどね。」
「ひっ……」
「アタシね。カズの全てが欲しい。心も体も毛の一本から血の一滴まで全部。カズの全部が欲しい。」
カズはエレンの発言を聞き恐怖のあまり泣き出してしまった………
「泣いちゃった。けどカズの自業自得だよ?まぁ…いいや。もう二度とアタシ以外を ぜ っ た い に見ない様に徹底的にお仕置きして分からせて………抱き潰すから…。だから……覚悟してね。全部、全部、カズが悪いの。……反省してアタシに狂ってね?カズ………♡」
「ひっ……やめ……!!」
「もう…やめないから……♡」
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「はぁ……幸せ………」
乱れたベッドの上でエレンは気絶したカズを抱きしめる
もちろんカズの体にはぎっしりエレンの噛み跡とキスマークがついている
「カズはアタシのモノ………ぜったいにぜったいに他の女なんて見させない……………」
「カズは誰にも渡さない………ずっとずっと…アタシのモノ……………」
「だけど……カズは他の女に現を抜かすし…………」
「カズの心を壊してアタシだけを……アタシだけしか見れないように作り直さないとだめなのかな………」
「もう立ち直れないほどボロボロにしてカズの心をアタシが支配して………………」
「けど………まだその時じゃないか……………」
「カズが他の女に靡いたら……アタシなにするかわかんないから………気をつけてね?カズ……?」
「すぅ……はぁ………やっぱり…カズの頭いい匂い…………ぜったいにぜったいに離さない……。サメは嫉妬深いんだよ?ふふっ……」
エレンはカズを抱きしめ眠りにつく………
やはりこのサメっ子……恐ろしいほど嫉妬深いらしい………………
自業自得だけど頑張れカズくん!
因みに翌日からエレンによる束縛が強まったカズであった…………