「うーん………」
「なに見て唸ってるの?」
「中古車見てたんだ。」
「へー。つかカズ免許持ってるの?」
「高1の終わりにとったよ。」
*この新エリー都では16歳より自動車免許の取得が可能です
「ふーん…んで何買うの?」
「それで今悩んでるんだよね………」
カズは腕を組みながら言う……
「ある程度候補は出てるの?」
「まぁ…ある程度は……」
そう言うとカズは2枚の紙をエレンに見せる……
「このRX8の後期かZN6かで迷ってるんだよね…」
二台のスポーツカーの写真……エレンは頭を抱えた
「はぁ…………」
ため息をつくエレン
「エレン、今日は一段とため息が多いですね?」
「えぇ…少し悩み事でもあるの?」
「…ボス…リナ………」
エレンが事の経緯を話す……
「まぁ…幼馴染くんが車を買おうとしてると」
「アタシは別に車買うこと自体は良いんだけど……」
「心配という訳ですね?」
「うん……候補の車、わりと型古そうだし…アイツ少し危なっかしいからさ……」
「因みにそのエレンのご友人は免許を?」
「うん……なんか…マニュアル?で取ったとか言ってた。」
「あら、今どきマニュアルで取るなんて珍しいですわね?」
「そうなの?」
「えぇ…今時はオートマチックが主流ですから。」
「ふーん…ボスが今時とか言うなんて珍しい…」
「ん”ん”っ……」
咳払いをするライカン
「ところでご友人はどの車を買おうとしてるのですか?」
「あっ、話逸らした…よく覚えてないけど候補、どっちもスポーツカーだった……なんか…1台はローなんとかエンジンとか言ってた……」
「ロータリーエンジンですわね?」
「そう。それ。リナよく知ってるね?」
「うふふ…車好きのご主人様が何人かいらっしゃったので…」
「ふーん…納得……」
「ロータリーエンジンですとRX系統の車ですか……」
「RXとか知らないけどなんかエイトとは言ってた」
「なるほど…エイトですと…RX8ですか…………」
「その車ってなんかまずいの?」
「いえ…良い車ではありますが………」
微妙な反応をするライカン…
「扱いが難しい車でもあるって事よ。ね?ライカンさん」
「えぇ…ロータリーエンジンを搭載してる車に共通していることですが……エンジンが特殊故に少々保守にコストがかかるといいますか………」
「ふーん…」
腕を組んでエレンは悩む……
「まぁ…ご友人が決めることですしエレンはあまり気負いしなくても良いんじゃない…?」
「そうなんだけどさ……なんか心配なんだよね……」
「アタシの幼馴染さ…なんていうか…危機感ないし…すぐ調子乗るし…アタシが常に見てないと心配になるほどアホだし…………」
「…ああいう車乗ったら絶対事故るよ………」
エレンはこめかみを押さえながら言う....
「少々貶し過ぎでは……?」
「ボスは知らないからそう言えるんだよ……」
「近くでアタシが見てないとホントヒヤヒヤするんだから………」
「もしカズになんかあったら……アタシは………」
エレンは頭を抱える………
「うふふふ、エレンは本当にその幼馴染くんの事が好きですね?」
「好きじゃなかったら…心配しないし…同居まで持ち込まないよ……」
少し紅くなりながらエレンは言う……
しかし………
「待って下さい…エレン。今なんと?」
「好きじゃなかったら心配しない……」
「その後です。」
「同居まで持ち込まない……?」
「えぇ…そこです。エレンそのご友人と同居しているのですか?」
「そうだけど……そこまで反応すること……?」
「えぇ…ヴィクトリア家政の業務内容が漏洩する可能性がありますので………」
「それなら…言ってないし大丈夫なはず………」
「エレン……もう少し危機感を…………」
ライカンは頭を抱えた
「エレンは1人暮らしでしたよね?いつの間に同居しはじめたのです?」
「えぇ…言わなきゃダメ……?」
「少々気になりますわ」
「はぁ……一度しか言わないからちゃんと聴いててね?」
「カズがアタシ以外の女に靡こうとしたから自分が誰のモノかワカらせて、アタシ以外のとこに行かないようにウチに縛り付けたのが同居の始まり。」
「あと、カズが住んでた家はアタシが勝手に解約したから帰る場所が無かったのも理由。」
エレンはあっけらかんと事の経緯を話す………
しかしあまりにも話が激ヤバだったのでライカンの胃は荒れた………可哀想……………
「あれ…?ボス、どうしたの?お腹痛いならトイレ行けば?」
「うふふふふ…エレン?今はそっとしといてあげましょう?」
「…?わかった。」
「ところでエレン?その幼馴染くんの個人情報を教えてもらってもよろしくて?」
「別に良いけど……」
エレンが詳しいカズの個人情報を話す……
「まぁ…まさかエレンの言っていた幼馴染くんがガイド様のところのアルバイトさんだとは思いませんでしたわ」
「逆に知らなかったんだ……」
「えぇ…彼、ガイド様のお仕事について知らないみたいでしたし……」
「ふーん……」
「しかし……中々良い人材ではありませんか?ライカンさん?」
「えぇ…エーテル適性がエレンよりも強く自動車免許もある……中々良い人材ですね。」
「やめてよ…アイツにあまり危ない事させたくないし。」
ムスッとした顔でエレンは言う……
「あら…?エレン、もう定時ですよ?」
「ホントだ…んじゃアタシ上がりまーす。」
「気をつけて帰って下さい。」
エレンはとっとと着替えて帰って行った……
「にしても沖田カズ…中々良い人材です……しかし………」
「運動音痴が珠に傷ってところですわね………」
「えぇ……それ以外は申し分ないのですがね………」
_______________________
_____________
_
「ただいま……」
あれ……?静か………
「カズ……?」
アタシはリビングに向かう……
すると…………
「うーん……足って良いなぁ……」
「やっぱりサメのシリオンの尻尾良いなぁ……」
「おっ…攻めるなぁ……」
イヤホンを付けてテレビでグラビアを見ているカズ…
アタシがいるのに…………
また………
「やっぱりサメのシリオンって良いなぁ……」
「そんなに良いんだ……」
「そりゃもちろん!エレンに見られた…ら………」
「アタシに見られた?なに?」
「逃げるんだぁ…」
アタシは逃げようとするカズを持ち上げ近くのベッドに押し倒す
「エレンごめん許して……」
あぁ…カズが涙目で怯えてる……
すごいかわいい……
けど………
「絶対に許さない。前にも言ったよね?アタシ以外見るなって。」
「だからお仕置き。」
「や、やだ…も、もうあのお仕置きは………」
「ダメ。カズが悪いんだよ?お仕置きされるような事をやるカズが………」
「カズが心の底からアタシのモノってワカるまで徹底的に……」
「アタシ無しじゃ生きれなくなるまでカズにアタシを刻みつけてあげるから………」
「気絶して気持ちよ過ぎて気が狂っても辞めないから………」
「今日は寝れると思わないほうがいいよ?」
「ほら…少し痛いから…」
アタシはカズの首筋を思いっきり噛む
「〜〜♡」
カズ…噛まれて気持ちよさそう………♡
「ぷはぁ……綺麗に着いた……」
「…♡」
「まだ噛んだだけなのに…目こんなとろとろに…して…………」
「今日は絶対に寝かさないから…覚悟してね?カズ……?」
アタシはそう言いカズを捕食した…………
「かわいい……」
アタシは隣で果てて寝てるカズを抱きしめていた……
肌と肌が触れ合ってまるで……
「一つになったみたい………」
ゾクゾク…
「アタシにあんなにされたのに…」
「ほんと唆る………」
あぁ…カズ……絶対に離さないから…………
絶対に……アタシから逃さないから………