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ホテリアー


2004.7.7UP

*** 管理人のドンヒョク的レビュー ***
 レビューというか、あらすじ+突っ込みというか、ドンヒョクに惚れた管理人がこれでもかとドンヒョクの魅力を中心に感想を書いたものです。
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◆登場人物一覧      ◆ソウルホテル全体図


第7話 寂しさの理由(ノベライズでは「私を寂しくするもの」)

 さあ、ドンヒョクファンの皆様、お待たせたいしました。これでドンヒョクに転んだというかた数知れずの第7話ですわよ! 気合い入れてまいりましょ~。

 テジュンが用意してくれた朝食を終え、滞在しているパールヴィラの前の道をぶらぶら歩くユンヒ。と、そこへ出勤途中のヨンジェが車で通りかかる。仕事もまともに出来ないでちゃらちゃらしているヨンジェは、実際の年齢は上でも、ユンヒにとってはほんの子どもにしか見えない。

「一方的に恋するのは損だとあなたも感じるだろうし、私も負担だわ」とヨンジェの気持ちを受け入れられないことを告げるユンヒに、ヨンジェは片想いでもかまわないと答える。
「愛はゲームじゃない。損得勘定ができるものでもない」

 ユンヒがこれから他の男とデートすると思い込んでしょんぼりと立ち去ろうとするヨンジェに、彼女は思わず、これから会うのはウンジュよと言ってしまう。一気に元気回復のヨンジェ。う~ん、ヘビの生殺しですな。

 ユンヒの滞在している部屋。着替えを持ってきてくれたウンジュに、ユンヒは総支配人が好きだと打ち明ける。「うそ、あのおじさんを!?」と、死ぬほど驚くウンジュ。注射でも打ってもらいなさいという親友に、「恋の病で死ねるならいいわ」と笑うユンヒ。
 ノベライズ本によれば、この着替えはユンヒが家政婦に頼んで用意させた物。ということは、家政婦さんもユンヒの味方なのね。

300本もあると、もはや花束に見えない(^^;)
 午後、支配人のオフィス。ジニョンあてに届け物が。なんと深紅のバラが300本! そう、この瞬間から、ドンヒョクはソウルホテルの従業員たちに“バラ300本”のあだ名を頂戴することになるのですね(^^;)





 プレイルームでビリヤードをするドンヒョク。今回のハイライトシーンその1。くぅ~っ、絵になるわ。

 そこへ、「今日はお暇なんですね~」と、昨夜借りた上着を返しに現れるジニョン。なんでサファイアヴィラに届けないんだろう。荷物になるのにね。まあいいか。

 お客様呼ばわりされて「ソンニム(お客様)?」と、聞きとがめるドンヒョク。ジニョンとしては、ここらで一線引いておかないと……って思ったんでしょうね(もったいない)。
 一緒にどうですと誘われて、「ビリヤードできないんです」と笑うジニョン。
ドンヒョク「仕事以外で得意なことは?」
 しばらく考えても出てこないジニョン。「ありません」
 いや~そんな仕事人間には見えないんですけど。まあいいか(^^;)

 花のことですけど……と、切り出すジニョン。
ドンヒョク「二度目のルームサービス、気に入ってもらえたかな?」
ジニョン「ええ、ありがとうございます。でも……」
ドンヒョク「でも?」
ジニョン「人目にもつきますし、職場でお客様とのお付き合いは好ましくないんです」
ドンヒョク「そう。では、今度からは自宅の方に」
 自分の真意が伝わらず、とまどうジニョン。
ドンヒョク「三度目のルームサービスに興味は?」
ジニョン「当ホテルにご滞在の間、最高のサービスを心がけます。でも……」
ドンヒョク「また、“でも?”」


 僕が負担かと問われ、ドンヒョクさんがじゃなくて、ルームサービスが……と苦笑するジニョン。ルームサービスをするのは私たちの方であって、お客様からは……と言おうとすると、客だから不便なら他のホテルへ行くと言われてしまう。

 そんな意味では……と、焦るジニョンに、ではどんな意味? と、畳み掛けるドンヒョク。
ジニョン「わからないんです」
ドンヒョク「わからない? 贈った花の種類が? それとも僕が客か、男なのかが?」
 そして、じっと見る。熱視線。

 いたたまれなくなって、バラのお礼を言って立ち去ろうとするジニョンをドンヒョクは呼び止める。「ソ・ジニョン」
 フルネームで呼ぶところがいいよね。
 ジニョンの背中に語りかけるドンヒョク。

「仕事でもゲームでも、僕は勝てる相手しか選ばなかった。
 でも、今回は予想がつかない。
 でも、どうしようもない。
 もう始まってしまった」

 逃げるようにその場を立ち去るジニョン。いつも行く屋上へ。
ジニョン「しっかりするのよ。からかってるだけよ。でも、もしかして……。ああ、どうしたらいいの」
 どうしたらも何も、彼の胸に飛び込めばいいのよ! ああ、うらやましいッ!!(笑)

 ジニョンが屋上で身悶えしてるころ、ドンヒョクはビリヤード台にもたれかかって、ぼうっと窓の外を見ている。そこへやってくるレオ。書類を手にあれこれ債権買占めについての報告をするが、ドンヒョクの耳には入っていない。
レオ「ボス? どこか具合でも悪いのか?」
ドンヒョク「今日は仕事はしたくない」

と、出て行ってしまうのですね~。ああ、もう正真正銘の恋わずらいなのね。なんであんながさつな女がいいの? というのは、この際置いといて。仕事の鬼が仕事も出来ないほど恋に身を焦がすのね。ツボだわ~。

 このシーン、最初は余裕を見せて、ビリヤードをしながらジニョンとの会話の主導権を握っていたドンヒョクだけど、押しても引いても仕事みたいに自分のペースでは事が運ばないのを、だんだん自覚していくのね。そして、本当に自分の中で「始まってしまった」ことを自覚するのね。

 「お客様」「お客様?」、「でも」「でも?」、「でも」「また、“でも”?」と、畳み掛けるように切り返しながら、ジニョンを追い込んでいくドンヒョクがステキ。狩人よね~。ハングルがわかる人が聞くと、言葉遊びみたいな感じでとてもしゃれた会話になってるらしい。わからなくて残念ですわ。「クロンデ(でも)?」、「ト クロンデ(また、“でも”)?」という深い響きにうっとり。


 疾走するヨンジェの黄色い車。ホテルのレストラン。珍しくユンヒに呼び出され、しっぽ振って駆けつけるヨンジェがいじらしい。「実は私、家を出たの。このホテルで働かせてくれない?」と愛しいユンヒに頼まれ、最初はとまどうものの、任せとけと請け合って社長のもとへ。

 自分の一存では決められないと、社長はハン・テジュンを呼ぶ。テジュンはあっさり承諾するが、交換条件として、ヨンジェも真面目に働くならと告げる。しぶしぶ条件を飲むヨンジェ。

 総支配人室。ヨンジェが連れてきた友達の顔を見て驚くテジュン。ユンヒだったとは。彼女とヨンジェを連れて、従業員用通路を歩きながら、あれこれと心得を言い渡すテジュン。楽な部署にしてやってくれとヨンジェは言うが、遅ければ深夜2時まで勤務する飲食部のウェイトレスになることに。
 ユンヒがヴィラに泊まっていること、テジュンもそれを知っていることをヨンジェは知って驚く。このあたりからユンヒの想い人がテジュンであることに、うすうす気づいていくのかな。

 早朝6時前。厨房を見回る料理長。たった一人で楽しそうに掃除しているジェニーに気づき、そっと見守る。

 車をぶっ飛ばしてホテルに着くと、必死で駆け込むヨンジェ。ソースの箱を運んでいたジェニーを突き飛ばし、お陰でジェニーはソースを落として割ってしまう。そうして、9時ぎりぎりにフロントに着くが、乱れた服装のヨンジェにテジュンは「仕事の準備が出来ていない。身なりを整えて来い。それにかかる時間は遅刻にする。明日からはもっと早く出勤しろ」と言う。

 うんうん、これくらい厳しくしつけてやって、やっとヨンジェは使える男になると思うよ。さすがは総支配人。おいしい見せ場ばっかりですな。ジニョンにももっとキャリアウーマンらしい見せ場を作ってやってくれ。

 厨房。ソースを割ってしまったジェニーを厳しく叱る料理長。決して甘やかさないところがいいね。言い訳しないジェニーもえらい。彼女の頑張りを知っているだけに、あとでこっそりイ・ガプス主任に「今日はあの子に水仕事はさせるな。手が傷だらけだったぞ」と、さりげない思いやりを見せる料理長。

 開店前のレストランにて。テーブルセッティングをユンヒに教え込むユ・チーム長。総支配人のコネで入ったからと厳しく当たる。メニューの暗唱に詰まったユンヒに、遠くからアン先輩が口パクで“ワイン、ワイン”と教えてくれたり、ジョンシクが微笑ましく見てたり、ジュヒが心配そうに見てたりと、みんな面倒見のいい人たち。
(アピタイザーという言葉が出てきますがこれは食欲をそそるための、食前酒や軽い前菜など。アペタイザー)


 冷蔵倉庫でソースを選び直しているジェニーのもとへ、ヨンジェがさっきぶつかったことを謝りにやってくる。親切で運んでやろうとするヨンジェに、冷たく当たるジェニー。ちゃらんぽらんに遊びながら働いている彼が、ここをクビになったら行くあてもないジェニーには腹立たしくてならないんだろうね。
 行きがけにドアを閉めてしまい、ヨンジェを閉じ込めるジェニー。真っ青になってドアをたたくヨンジェ。

 フロント。冷蔵倉庫の非常ベルが鳴ったという知らせを電話で受けるジニョン。「また誰か閉じ込められたわ」って、そんなにしょっちゅうなんですか~(^^;) しまいに誰か死にませんか;

 続けて客からプールの水温や水深についての質問の電話を受けるジニョン。電話が工事中なのでプールへ確認しに行くことにする。
 「水には気をつけて」と、予言するかのように(笑)言うテジュンに、「女には気を……」と言いかけて口をつぐむジニョン。ねえ、すごいトゲがあるんですが、ただ言い間違っただけなの?(^^;)

 プール。ハイライトシーンその2。
 女ばかりの客の中で、派手に泳ぎまくる男性客ひとり。ドン様ですね~(笑) 仕事すんのヤダとか言ってたと思ったら、こんなところで息抜きしてたんですね。
 ヘルスセンターに届け物をして、ふとプールをのぞき、ドンヒョクに気づくジニョン。水の中にいるのに何でわかったんでしょう。やっぱり愛のオーラが出てたんでしょうか。

 プールサイドまでやってきてしゃがみこむけど、ドンヒョクの姿が消えて不思議そうなジニョン。と、そのとき、いきなり水の中からジョーズ(古;)のように飛び出てジニョンを驚かすドンヒョク。もう、お茶目さんなんだから(*^^*)

 ドンヒョクにバスタオルを渡し、照れたように目をそらしているジニョン。そりゃもう私も正視できませんわ。眩しくて。厚い胸板ね~。胸に谷間が出来てる。私でさえ出来ないってのに(笑) 羨ましいったらありゃしない(笑)←やけくそ;

 どうして300本なんだと思います? と、贈ったバラの話をするドンヒョク。ラスベガスに関係があるとヒントをもらってもわからないジニョン。ついに降参する。

 あのレストランの名前が「300本のバラ」なんですと言うドンヒョク。「初めてあなたを見た場所」
 あ~あ、あのステーキがまずくてサービスの悪い店ね、とジニョンが思い出すと、
ドンヒョク「忘れられない店です」
 じっとジニョンを見つめる。
ドンヒョク「ジニョンさんに初めて会った場所だから」

 言葉を失うジニョン。じーっと見つめるドンヒョク。だから300本なんですね、と、ぎこちなく笑うジニョン。
「でもよかった。もし『300万本のバラ』だったら」
 ちょっと眉をしかめていたずらっぽく言うドンヒョクの言葉に二人して笑う。

「それで300本だったのね、いただいたスカーフもバラのプリントで……」と納得して笑っているジニョンをじーっと見つめて、
ドンヒョク「また行きたいな」
 アメリカに戻ればいつでも行けるでしょとジニョンに言われて、
ドンヒョク「一緒に行きたい」
 熱い視線を注ぎ続けるドンヒョクにジニョンはドキドキ。そそくさと挨拶して帰ろうとするが、さらに「一緒に行きませんか?」と誘われる。
「カッチ(一緒に)」

ジニョン「ラスベガスにはまた行きたいと思いますけど……」
ドンヒョク「一緒に」

 この「カッチ(一緒に)」にヤラレタ~!! とファンは皆言いますね。「腰が砕けた」「とろけた」etc.……(笑)



 「わかりません」と言って逃げようとしたジニョンはビーチチェアにけつまづき、プールにドボン。お約束
お約束o(^^*o)(o*^^)o 助けようとしたドンヒョクもろともですわ。
 溺れるジニョンを抱き上げるドンヒョク。笑いながらやさしくジニョンの髪をなでつけてあげるところがいいわ~。あ~羨ましいったらありゃしない(笑)

 しかし、なんでそんな浅いところで溺れたんだジニョン。
1.ジニョンのところだけ、すり鉢状に深かった。
2.ドンヒョクがこっそり足を引っ掛けていた。
3.そりゃもうドンヒョクに抱きつきたかったから。                        ……私はキム次長か;

 真面目に分析してみると「パンプスが滑って立てなかった」が正解だと思うんだけど、「鼻から耳管に水が入って三半規管が麻痺し、上下がわからなくなった」というのもアリですね。

 三半規管をやられると平衡感覚がわからなくなって、水面に上がるつもりが水底へ潜ってしまうってことはあるらしい。浅瀬でも起こるし泳ぎの達者な人もこれで溺死するので要注意です。って何を真剣に解説しているのやら(笑)

 ところで、特典映像にはリハーサルのときに誤って本当に落ちかけるソン・ユンアを必死で助けるヨンジュンシの映像があります。運動神経抜群ね。
 「本当に落ちるところだったぞ」と笑うヨンジュンシを笑いながら助け起こすソン・ユンア。く~~~いいな~~~。同じプールの水に浸れるだけでいいんでエキストラに使ってもらえませんか(笑)

 さて、女子ロッカー室に濡れねずみで戻ってくるジニョン。好奇心むき出しで寄って来るイ支配人。ジニョンは無線に応答しようとして、間違ってドンヒョクの髭剃りを持ってきてしまったことに気づく。

とまどう顔が少年のようです。
 サファイアヴィラ。昼は寿司にでもするかと言って、来週からの仕事の段取りを考えるドンヒョク。キム会長と午後から会う約束があったが、「ボスが探していた人が見つかった」と、レオが差し出す書類を見て予定を変更する。
 そこには年配の男性の写真が。じっと見つめるドンヒョク。神妙な顔のレオ。


 違う制服に着替えたジニョンが髭剃りを手に、ニヤニヤしながらサファイアヴィラへの坂を上がってくる。
 プールでのことを思い出してますね~。そうね、忘れられそうにない強烈な記憶よね。く~このこの~(*^^*)

 隣の部屋の食事の後片付けをしていたアンに呼び止められ、食器をワゴンまで運ぶのを手伝うジニョン。ひっつめ髪から後れ毛がこぼれて、この髪型の方がずっとかわいくていいと思うなあ。

 バラ300本の噂を聞いて、羨ましがるアン。「いいな。ソ支配人に惚れちゃったのね」と言われてまんざらでもないジニョン。
 そのとき、ドンヒョクがレオと一緒に出てきたのを見て呼び止めようとするが、厳しい顔つきのドンヒョクはまったく気づかず車で行ってしまう。


 漁港のある町。ハイライトシーンその3。
 漁協に入ったレオは、外で車に寄りかかって待つドンヒョクに、探している人物が書類の住所にはいないと告げる。その人の家は人手に渡り、今は生活保護を受け、浮浪者同然の暮らしをしていると。
 その人物がよく出
入りするという大衆食堂に行ってみるドンヒョク。

 店に入ったとたん、目当ての人物を見つけ、ドンヒョクの目は釘付けになる。店の女将があれこれ料理を勧めるが、すべて上の空。
 そう、21年前に生き別れた父親、シン・ジャンヒョクを見つけたのだった。

  コップをもう一つもらい、父親に酒を勧めるドンヒョク。何も知らずに喜んで盃を受ける父親を感情を押し殺した目でじっと観察する。

 仕事は? と話しかけ、横から口出しする女将の言葉から、レオの言ったとおり、父親が浮浪者のような暮らしに甘んじていることを知るドンヒョク。
 懐を探ってタバコを探す父親にタバコを勧め、火を点けてやりながら、一番聞きたかったことを訊く。

「お子さんは?」
 最初はいないと答えた父親だったが、女将に「いるじゃないの」と言われて、しぶしぶ、「女房が死んで、息子をアメリカに留学に出したんだ」と認める。

 しかし、留学どころか、博打にはまってアメリカに孤児を連れて行く話に喜んで乗り、我が子を孤児に仕立て上げて送り込んだこと、2歳の娘まで手放したことを女将にすべて暴露されてしまう。

 妹まで自分と同じように捨てられていたことに衝撃を受けるドンヒョク。「アメリカに行けばいい服を着て肉を食べて勉強ができて幸せだろ?」と、うそぶく父親の言葉が胸に刺さる。

 子どもに会いたいと思ったことは? 親として罪悪感はないのか? と尋ねるドンヒョクに父親は、今さら会ってももう自分の子じゃないし、俺もあいつらもそういう運命だったのさと軽くいなす。
「くだらん昔話はよして、酒でも飲もう」

 ついにドンヒョクは昂ぶった感情を父親にぶつける。
「親子の関係は忘れようとしても忘れられる関係ではないでしょう。断ち切ることもできず、一生恨んで生きる気持ちがわかりますか?

 親に捨てられたことで、誰にも心を開けず、狂ったように勉強して仕事で成功しても、ただの一度も、ただの一度も幸せを感じられなかったとしたら?
 それでもこれがくだらん昔話だと言うのですか?」

 ここでようやく父親も女将と娘も、ドンヒョクが誰であるのか感づき始める。激した感情を抑え込みながら、ドンヒョクは静かに言う。
「あなたの生き方を一度見ておきたかった。
二度と会うことはないでしょう」

「車を出せ」
 彼が息子であることを確信する父親。懐から白い封筒を出してテーブルに置き、はなをすすり上げて「これで勘定を」と小切手を置いて席を立つドンヒョク。

 はだしで後を追う父親。
「待ってくれ。それじゃおまえは……」

「車を出せ」と、車に乗り込むドンヒョク。
 待ってくれ、話を聞いてくれと追いすがる父親から目を背けたまま、「早く出せ!」と怒鳴る。
 どうすることも出来ず、レオはボスの命令に従う。

 車は走り去り、父親は取り残される。遠ざかる車をいつまでも見送る父親。
 女将と娘が封筒に億単位の金が入っていたと慌てふためいて教えにくるが、投げ捨ててしまう。
 風に舞う小切手を拾い集める女将と娘。




 走る車の中。ドンヒョクの目から涙がつたう。メガネを取り、涙を拭い、手で顔を覆うドンヒョク。



 ウミネコが鳴き交わす浜辺には、ドンヒョクが忘れて行ったライターに頬ずりをし、もらったタバコに火をつける父親の姿が……。








 灯台。父親の写真が載った書類を広げ、細かくちぎって風に飛ばすドンヒョク。やがて懐から携帯電話を取り出し、ジニョンあてのメールを打ち始める。
ソ・ジニョンさん、僕は 海に来ています
 ドンヒョクが父親を探した目的は、自分を捨てた父親を見返してやることにあったのだろう。あなたが捨てたあなたの子は、親の手を借りずともこんなに成功したのだと、多額の金を無造作に置き、冷たく笑って背を向けるつもりだったのだろう。

 だが、父親に会ったとたん、彼の心は大きく動揺する。自分でも抑えがたいほどに。父親の口から語られる自分と妹へのあまりに酷い仕打ちに今また深く傷つきながら、それでも、そんな男でも父と慕う心を抑えることができない。

 彼の心に浮かぶのは貧しいながらも幸せだった日々。父と母と妹と自分と。どんなに巨額の富を得ても、決してもう手にすることのできない幸せ。

 彼は気づいてしまったのだ。憎んでも憎みきれなかった父親に自分がどんなに会いたかったか。仕事で成功し、人が羨むような暮らしを手に入れても、自分は決して幸せではなかったのだと。

 親にすら愛してもらえなかったという喪失感、絶望感。それらは彼の人生に影を落とし、彼を苦しめ続けた。泣き言など言うつもりはなかったのに、気がつけば彼は思わず自分の感情を父にぶつけていた。
 これ以上ここにいれば父にすがりついて声を上げて泣いてしまうかもしれない。精一杯の虚勢を張って車に乗り込むドンヒョクが痛ましい。

 すごく心にしみるエピソードです。私はプールのエピソードも好きなんですが、7話のハイライトはなんと言ってもこの父親との再会シーン。
 まず、ドンヒョクの目がいいんですよ。今までのドンヒョクが見せなかった表情、初めて見る表情ばかりでハッとさせられます。

 父親の姿を見つけて目が釘付けになり、店のおばさんの声もほとんど耳に入っていないドンヒョク。おそるおそる自分のことを聞き出そうとするときの、仕事で勝負するどんな相手にも見せたことのない不安げなまなざし。
 そして、聞きたくなかった事実を突きつけられて傷つく表情。怒りに顔を歪ませ、今までの恨みや憎しみを一気に爆発させるところも、どれもとても惹きつけられます。

 追いすがる父親を振り切って車で立ち去るときの顔も、「車を出せ!」と荒げた声も、そのあと頬をつたう涙も、それを手で拭って顔を覆うところも、灯台からジニョンにメールを打つところも、このシーンのすべてのドンヒョクにハートを鷲づかみされてしまいました。そうです。私は完全にここで落ちました。ああ、かわいそうなドンヒョク。ジニョン、そばにいてあげて~(ToT) と、灯台のシーンを見ながら涙しました。

 ここで流れている曲は「The Rhapsody main love song(love is just a dream)」。2001年公開の韓国映画「狂詩曲(The Rhapsody)」のサントラ盤に入っているそうです。

 さて、涙を拭って続きからまた始めましょう。あ、そうそう、下世話な話ですが、ドンヒョクが支払った勘定は100万ウォン(10万円)ですね
(^^;)
 なぜ食事のお勘定まで小切手? 多めに支払ったにせよ、10万円くらいなら現金でも……そう思った人も多いのでは?

 韓国の最高額紙幣は1万ウォン(千円)のため、何十万も入れていると財布がパンパンになるとか。そこで万を越える支払いは小切手を使うこともあるようです。

 シナリオBOOKには灯台でメールを打つシーンは入っていません。なぜでしょうね。


 海辺でのせつないシーンからBGMが引き継がれ、舞台は社長室へと。亡き夫の写真を見ながらタバコを吸う社長。電気を消し、外へ出て、照明に浮かび上がる桜を見上げ、夫との思い出に浸る。そこへ当直のジニョンが夕食を誘いに来る。

 社員食堂で。顔色が悪く元気のない社長を気遣うジニョン。夫がいない寂しさを語る社長。あなたのような娘がいたらとつぶやく。ヨンジェの様子を聞かれて、最近は真面目に仕事をしていると答えるジニョン。そこへ従業員がお客様と喧嘩をしているという緊急連絡が入る。

 あわてて駆けつけてみると、なんとまあヨンジェじゃありませんか。せっかく褒めてたところだったのにね。酔った客に靴を脱がせろと命令されてキレたらしい。

 客を演じている俳優はけっこうイケメンですが(主題歌歌ってるカンチョルかと思った)、この人が今回のゲストかな。ホテリアーでは毎回有名俳優がゲスト出演してるらしいですね。

(わかりました。じーにょさんのサイトのホテリアーページによれば、チョン・ジュノという俳優だそうです)。

 間に入った社長に謝れと言われても頑として謝らないヨンジェ。ふっ、まだ青いな。再びつかみ合いになり、はずみで社長が突き飛ばされて倒れる。怒るヨンジェ。必死で止める社長。

「怖気づいたのか。さあ、殴ってみろよ」と客に挑発され、殴ったのはなんとジニョン。
ジニョン「さあ、殴ったわよ」
客「ホテルの従業員が客を殴るだと?」
ジニョン「お客様ならお客様らしくしてください」
って、おいおい;

 またまたトラブルが持ち上がるソウルホテル!(こんなとこに泊まるのイヤだぞ(^^;))
 次回は第8話「ある長い一日」。ますます急接近なドンヒョクとジニョン。噂のダンスの回ですわよ~~♪

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