二桁×二桁の計算問題、あなたならどうやって答えを出しますか? 電卓が手元になく、筆算するための筆記用具もない…。こんな状況では使えるのは自分の頭だけです。
どのような工夫をすれば簡単に暗算ができるのか、ぜひ考えてみてください。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
76×99
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「7524」です。
暗算の難しさを感じた人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。
楽に暗算するための工夫を紹介していますよ。
ポイント
この問題を楽に暗算するためには、「分配法則」を使うことがポイントになります。
分配法則とは、「二つの数を足してからある数を掛けること」と「二つの数にある数を掛けてから足すこと」は同じであるという法則です。
<分配法則>
〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■
(▲+■)×〇=▲×〇+■×〇
※分配法則は( )の中が引き算でも使えます。
〇×(▲−■)=〇×▲−〇×■
(▲−■)×〇=▲×〇−■×〇
この問題がややこしいのは、76や99のような切りの悪い数を使った掛け算が原因です。そこで、分配法則を用いて式を切りのよい数の掛け算に変形してしまいましょう。
まず、100に近い99を「100−1」の形に変形します。
76×99
=76×(100−1)
ここで分配法則を使い、( )の中の100と1にそれぞれ76を掛けていきます。
76×(100−1)
=76×100−76×1
=7600−76
「76×100」や「76×1」は比較的楽に計算できますね。
次の引き算ですが、そのままでは暗算しづらいと感じる場合はもう一工夫してみましょう。まず、7600から100を分離して「7600=7500+100」と表します。
7600−76
=7500+100−76
76はこの分離された100から引きます。
「100=76+24」であることから、100と76との差は「24」(100−76=24)だと考えるとスムーズです。
あとはこの24を7500に足すだけです。
7500+100−76
=7500+24
=7524
これで計算が終了しました。
まとめ
今回の問題では、99を「100−1」として表し、分配法則を使うことがポイントになりました。
<今回の問題のまとめ>
式を次のように変形する。
76×99
76×(100−1)
=76×100−76×1 ←分配法則
一つの掛け算が二つの掛け算になるので、よりややこしくなったように見えるかもしれませんが、76に100と1を掛ける計算は比較的楽に計算できますね。
今回のように、計算の工夫をしたいときには10の倍数(切りのよい数)との掛け算に変形する手法がよく使われます。
他の暗算問題にも挑戦して、同じ考え方で計算を効率化できないか、試してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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