加古川中2いじめ自殺訴訟 市が対応不適切と遺族に謝罪、解決金300万円支払いで和解へ

兵庫県加古川市立中の女子生徒がいじめを苦に自殺した問題を巡り、学校側がいじめを把握しながら適切な対応を怠ったとして遺族が市に損害賠償を求めた訴訟で、市が26日、不適切だった対応を遺族に謝罪し、解決金300万円を支払う方向で和解が成立する見通しとなった。市が同日、和解のための議案を公表。遺族側も和解案を受け入れる方向とみられる。

訴えていたのは、平成28年9月に自殺した市立中2年の女子生徒=当時(14)=の両親ら。訴状などによると、生徒は27年ごろから部活動で悪口を言われるなど仲間外れが常態化。顧問らが部員にいじめの内容をメモに書かせるなど調査をしたが「部員同士のトラブル」と判断してメモを破棄、校長らへの報告も怠っていたとしている。

市教育委員会が設置した第三者委員会は29年12月に報告書をまとめ、いじめが自殺の原因と認定。両親が令和2年9月に神戸地裁姫路支部に提訴していた。

同支部は昨年6月に和解を勧告し、協議を経て今年4月、市教委や学校側の不適切な対応が遺族の心情を深く傷つけたことを謝罪する▷市はいじめの再発防止に取り組む▷市は解決金300万円を支払う-などの和解案を提示した。

岡田康裕市長は「自殺を防ぐことができず、申し訳なく思っている。第三者委の指摘を受けていじめ防止の態勢整備に努めており、二度と起こらないよう全力を尽くしたい」と述べた。

会員限定記事

会員サービス詳細