タクシーでわいせつ、降車後も追いかけ性的暴行の罪 被告の男に懲役5年求刑 山梨
タクシーの車内で知人女性の身体を触った上、降車した女性を追いかけて路上でわいせつな行為をした罪に問われている男の初公判が26日、甲府地裁で開かれました。男は起訴内容を認め、検察側は懲役5年を求刑しました。
不同意性交と不同意わいせつの罪に問われているのは組合立飯富病院の付属施設「峡南ケアホームいいとみ」の相談員、氏家達也被告(50)です。
起訴状などによりますと、氏家被告は去年9月、甲斐市内を走行するタクシーの車内で知人女性の体を触るなどわいせつな行為をした上、タクシーを降りた女性を追いかけて路上で性的暴行を加えたとされます。
26日の初公判で氏家被告は起訴内容に間違いはないか問われ、「ないです」と認めました。
裁判で検察側は事件当日、知人5人とともに氏家被告の誕生日会が開かれたことを明かし、氏家被告は酒に酔って態度が悪かったと指摘。飲酒して店で眠っていた被害女性はタクシーで帰宅する際も眠ったままで、氏家被告が「心配だから送っていく」とタクシーに乗り込み、行為に及んだことなどを明らかにしました。
一方、氏家被告は被告人質問で「お世辞や社交辞令と分かっていても若い女性から容姿などをほめられ、気分が上がっていた」と振り返り、「タクシーの中で抱きしめたこと以外は何も覚えていない。被害女性が嘘をつく理由はないのでおそらくしたのだろう」などと話しました。
また、裁判で検察側は被害女性が書いた手紙を読み上げ、今も職場復帰できずPTSDと診断されたことを明かした上で「できるだけ重い罰を望んでいます」とする女性の思いを語りました。
その上で「卑劣かつ執拗で悪質な犯行で酌量の余地はない」などと指摘し、氏家被告に懲役5年を求刑しました。
一方、弁護側は「被害女性と被告の間で示談が成立し、被告は反省している」などと述べました。
判決は、7月2日に言い渡されます。