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漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

熟語の読み・一字訓読(その273) 踞 踪 踵 踰 踴 蹊 蹉 蹌

2016年05月27日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その273)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<踞:キョ、コ、うずくま(る)、おご(る)>*コ(呉音)、音熟語ナシ。
・うずくま(る):踞座、踞侍=うずくまり側に控えること、蹲踞蟠踞箕踞=踑踞、踞蹲、踞肆=①うずくまる ②幅をきかす、いばりのさばる
・おご(る):踞敖=踞傲=倨傲
・その他:踞鞍=鞍による(ものによって座る意)、踞牀=床几にこしかける
<踪:ソウ、シュウ、あと、あしあと、ゆくえ>*シュウ:表外音
・あと、あしあと、ゆくえ:失踪、踪跡(ソウセキ)蹤跡・蹤迹(ショウセキ)、踪影=あとかた、旧踪、前踪、人踪、踪由(ソウユウ)=由来=蹤由=原因と経過
<踵:ショウ、かかと、くびす、きびす、つ(ぐ)、ふ(む)、いた(る)>
・かかと、くびす、きびす:踵骨、接踵、跂踵、摩踵、踵接、旋踵・・・
・つ(ぐ):踵武=武をつぐ、あとをつぐ。踵軍=後続の軍、踵係=踵継=つぎつぐ
・ふ(む):踵跡=あと、あとをつけていく(ふむ)、踵践、踵古=古のことをひきつぐ(ふむ)
・いた(る):踵門=親しくその門にいたる、その家に行く、訪問する
<踰:ユ、こ(える)、こ(す)>
・こ(える)、こ(す):踰越、超踰、踰垣=かきをこえる、のりこえる、踰紀=歳をこえる、踰月=月をこす、翌月になること、踰年、踰垠(ユギン)=江河をこえる (「垠」は“岸”の意。)
<踴:ヨウ、おど(る)、おど(り)>*「踊」と同じ(大漢和)。
(略)
<蹊:ケイ、こみち、みち>
・こみち、みち:成蹊、蹊径=こみち、小径、蹊逕=こみち、蹊隧(ケイスイ)=こみち、蹊道=こみち=蹊路
・その他:(“わたる、よこぎる”の意あり)蹊田=田の中をわたる
<蹉:サ、つまず(く)、あやま(る)>
・つまず(く):蹉跎(サタ)=①つまずく、②時機を失う、③ふしあわせで志を得ない、蹉跌(サテツ)=つまずく、しくじる、失敗する、蹉躓(サチ)=失敗する=蹉跌
・あやま(る):蹉失=過失、蹉路=失路、(日月)爽蹉(ソウサ)=たがう(大漢和・字通)
<蹌:ショウ、ソウ、うご(く)、よろめ(く)、はし(る)>*ショウ(漢音)ソウ(呉音)
・うご(く):蹌蹌(ソウソウ)(注)、蹌揚(ソウヨウ)=舞うさま、舞う
・よろめ(く):蹌踉(ソウロウ)・踉蹌(ロウソウ *大字源は「ロウソウ・リョウショウ」)=よろめくさま、足元がふらつくさま
・はし(る):蹌捍(ソウカン)=馬の走ることの速いさま(大漢和)馬を疾駆する(字通) *「良駿逸速、蹌捍凌越・・・」、蹌跪=はしりつまずく、趨蹌(スウソウ)
(注)「蹌蹌(ソウソウ)」には複数の意味あり。
漢検2:①立居振舞に威儀あるさま、力強く堂堂と歩くさま ②動きまわるさま、また、舞うさま ③「蹌踉」に同じ。
大漢和:①うごく ②歩むに威儀あるさま ③容儀ののびあがること ④舞いおどるさま ⑤行くさま、のぼり上がるさま ⑥並ぶさま

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熟語の読み・一字訓読(その272) 跋 跟 踉 踝 踑 

2016年05月26日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その272)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<跋:バツ、ふ(む)、こ(える)、つまず(く)、おくがき>
・ふ(む):跋渉、跋履(バツリ)=ふみあるく、へめぐる
・こ(える):跋扈、跋渉、跋滞=とどこおったものをふみこえる
・つまず(く):跋躓(バツチ)、跋倒
・おくがき:題跋、序跋、跋語、跋題、跋文
<跟:コン、くびす、かかと、したが(う)、つ(ける)>
・くびす、かかと:跟腱(コンケン)=アキレス腱=踵骨腱(広辞苑)、跟踵=くびす、かかと、跟脛=くびすとはぎ、跟骨(コンコツ)=踵骨=かかとの骨 *広辞苑は「跟骨(“ゴン”コツ)=踵骨
・したが(う):跟従=したがう、ともの者、従者=跟胥(コンショ)=跟人=跟随(コンズイ)=人を頼り、後ろについていくこと。また、従者。
・つ(ける):跟上=①あとをつける ②つけこむ、乗ずる。 跟緝=跡をつける、跟捉=あとをつけてめしとる、跟追=あとをつける
<踉:リョウ、ロウ、おど(る)>*リョウ(漢・呉音)・ロウ(慣用音)(漢字源は“ロ”音=呉音) 
・おど(る):跳踉=高踏=おどる
・その他:
踉蹌(ロウソウ)=蹌踉=①みだれ走るさま、あわてて行くさま ②よろめく、千鳥足。大字源「リョウショウ・ロウソウ」両読み。
*踉位(ロウイ)=行き迷う(大漢和・字通) *荘子・徐無鬼篇にある熟語。「空谷跫音」の前段・・・「其の空に踉位すれば、人の足音、跫然(キョウゼン)たるを聞きて喜ぶ。」 *ネット上の他ブログなどでは「リュウイ」読みや「長い間」という意味でとらえているものもあり。
*踉挂(ロウカイ・ロウケイ)=足をかけて相撲すること(大漢和)
<踝:カ、くるぶし、かかど、くびす>
・くるぶし:踝脛(カケイ)=くるぶしとすね、踝骨=くるぶしの骨
・かかと、くびす:踝跟=くるぶし、かかと。
・その他:踝跣=すあし=踝足、踝踝=①堅いさま ②単独のこと
<踑:キ、あぐら>
・あぐら:踑踞=あぐらをかく、なげすわり、両足を投げ出してすわる

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熟語の読み・一字訓読(その271) 趾 趺 (跚) 跖 跌 跛

2016年05月25日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その271)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<趾:シ、あし、あと、ねもと>
・あし:趾甲=脚爪・足のつめ、足趾截趾適履、趾踵=かかと、趾骨、下趾、跂趾
・あと:聖趾、芳趾、基趾、城趾
・ねもと:趾業=基業、山趾
<趺:フ、あし、うてな、あぐら>
・あし、うてな:趺架=坐架、亀趺=石碑の台座、趺石=石趺、萼趺、花趺
・あぐら:趺坐=趺足、趺跏=結跏、趺居=うずくまる
*“あし”は、“あしだい、うてな、器の台”などの意、ただし、“あしの甲、かかと”の意味もある(大漢和・大字源・字通)
<跚:サン>
(*熟語は「蹣跚」のみ)
<跖:セキ、あしのうら、ふ(む)>
・あしのうら:(見当たらず)
・ふ(む):跖地=地をふむ、跖空=空にのぼる、跖実=(大地をふむ意で)獣類のこと、
・その他①:盗跖=古代中国の泥棒の名(漢検2意味③)、跖蹻(セキキョウ)=魯の盗跖と楚の荘蹻(2人の大盗の名)、跖狗、跖犬
・その他②:跖硬=強弩(字通)、跖戻=かがむ、跖距=けづめ(字通)
<跌:テツ、つまず(く)、こ(える)、あやま(つ)>*漢検2「こ(える)」訓読みナシ(意味はあり)
・つまず(く):蹉跌、顚跌、跌墜、跌傷、跌倒、跌蹶、跌失
・こ(える):跌宕(テットウ)=無頓着にふるまう=跌蕩(=①同左 ②あわてふためく)
・あやま(つ):跌誤=たがいあやまる
*“こ(える)”に、「度を越す、すぎる、過度」等の意味も含まれる。
<跛:ハ、ヒ、かたよ(る)>*ハ・ヒ(漢・呉音)  *“ヒ”音:片足で立つ意(漢字源・大字源)、ただし、漢検2は音による意味分けナシ。
・かたよ(る):跛行(ハコウ)、跛喩(ハユ)=妥当でないたとえ・・・跛倚(ヒイ)=①片足で立って物によりかかる、偏倚する ②偏頗なこと、跛蹶(ハケツ)=跛躓(ハチ)=足がたかむき、つまずく(大漢和)足がわるくてつまずく(字通) 
・その他:(足が不自由な意味“ハ”音)跛鼈、跛者、跛足、跛夫、跛眇・・・など多数。
*“ヒ”音で「片足で立つ」意となっているが、各辞典とも、跛立(ハリュウ)=片足で立つこと(大漢和・大字源・漢字源)・・・ハ、ヒ音分けあるも、ヒ音は「跛倚(ヒイ)」のみ・・・厳密ではなさそうなので無視したほうが良いかもしれない・・・。

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熟語の読み・一字訓読(その270) 赭 赬 赳 趙 跂  

2016年05月24日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その270)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<赭:シャ、あかつち、あか、あか(い)、はげやま>*漢検2「はげやま」訓読みナシ。
・あかつち、あか、あか(い):赭顔(シャガン)、赭髯(シャゼン)、赭堊(シャアク)=赤土と白土、赭衣=罪人の服、赭鞭=赤いムチ、赭面=顔を赤く塗る、代赭赭熊(シャぐま)、<赭土(そおに)>
・はげやま:赭山=禿山=はげやま
<赬:テイ、あか、あかいろ>*漢検2「あかいろ」訓読みナシ。
・あか、あかいろ:赬尾(テイビ)*「魴魚赬尾」(=君子の苦労、「魴魚赬尾、王室、燬くがごとし」)、赬肩、赬面、赬羽、赬萼・・・赬膚、赬臀・・・など多数
*赬鯉(テイリ)=緋鯉、ひごいの異称。赬霞(テイカ)=朝焼け、夕焼け
<赳:キュウ、たけ(し)>
・たけ(し):赳赳=強いさま、赳赳桓桓、赳武=勇武、「赳赳たる武夫は、公侯の干城」(詩経)
<趙:チョウ、こ(える)、およ(ぶ)>*漢検2「およ(ぶ)」訓読みナシ(意味欄にはあり)
・こ(える):趙行=こえていく(大漢和)、とびこえる(大字源)、疾行(字通) *字通の「趙」は“はやい、すばやい”意の“趙”。
・およ(ぶ):(熟語見当たらず)
・その他:趙可=可(よ)ろし *“趙”は発語、語助となす。「“得”を云うに、即ち、“趙得”といい、“可”と云うに、即ち、“趙可”という。」、趙日(チョウジツ)=南方の日、趙小=細小 *趙に“少ない”の意あり。
(参考)漢検2では意味として「①ゆっくり歩く ②およ(及)ぶ ③こ(超)える ④中国の戦国時代の国の名」とあるのみ。重要度順であるはずの意味の①が「ゆっくり歩く」だって・・・対象外漢字で熟語ある(大字源)が、略。
<跂:キ、ギ、つまだ(てる)、は(う)>
・つまだ(てる):跂望=跂足、跂想=つまだち望む、待望する、跂踵(キショウ)=つまだつ
・は(う):跂行、跂行喙息、跂跂(キキ)=虫の行くさま

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熟語の読み・一字訓読(その269) 賻 贄 贅 贇 赧

2016年05月23日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その269)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<賻:フ、おく(る)、おくりもの>
・おく(る):賻祭=物をおくって死者をまつる、賻絹=喪主におくる絹、賻布=喪主におくる布
・おくりもの:賻贈=賻儀=香奠、贈賻、賻賚(フライ)=貴人から賜る香奠
<贄:シ、にえ、てみやげ>
・にえ、てみやげ:贄幣=礼物、進物=贄帛、贄敬(シケイ)=初めて人を訪問するときに礼物を贈って敬意を表す(大字源)、贄見=礼物を持参して師にまみえる、執贄(シュウシ・シツシ)=贄をとる、礼物をもって敬意を表すること=委贄(イシ)=委質(イシ・イシツ)に同じ。
(参考)「委贄」
①委質(イシ・イシツ)に同じ。初めて仕官する。「質」は「贄」で礼物。「委」は“置く”意味。仕官の初めに礼物の雉をささげて、君の前に置いた。(一説に、「質」は“体(からだ)”で、ひざを曲げて体を地面に置く、平伏する。また、身命を主君にゆだねる意。)
②子供が初めて、先生にお目にかかったり朋友をたずねたりするとき、礼物の束脩(束ねた乾し肉)を地面に置く。*直接の手渡しは失礼とされた。(礼記・曲礼)
<贅:セイ、ゼイ、いぼ、こぶ、むだ、よけい(な)、いりむこ>*ゼイ(慣用音)
・いぼ:贅肬=贅疣(ゼイユウ)=たこやいぼ
・こぶ:贅瘤(ゼイリュウ)
・むだ、よけい(な):贅言=むだ口=贅語=贅辞、贅土=無用の地、贅物=無用の物、贅冗(ゼイジョウ)=余分な。贅及(ゼイキュウ)=蛇足=むだな言及・附言、贅肉
・いりむこ:贅入(ゼイニュウ)=むこいり
<贇:イン>
*熟語見当たらず。「宇文贇」「趙贇」など、多くは人名に用いられている。
*「贇(イン)、美好なり」=美しいさま。貝の模様が入りまじって美しいさま(大字源) 均整がとれて美しいさま(漢検2)
<赧:タン、ダン、あから(める)、は(じる)>
・あから(める):赧顔(タンガン)=赧面=赤面、赧愧(タンキ)、赧赧(タンタン)=はじて顔をあからめる、愧赧、羞赧
・は(じる):赧然、赧汗=はじて冷や汗をかく、赧怒=はじて怒る、愧赧、羞赧

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熟語の読み・一字訓読(その268) 貪 貽 貲 賈 賺  

2016年05月22日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その268)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<貪:タン、ドン、むさぼ(る)、よくば(り)>*ドン(慣用音)
・むさぼ(る):略。(熟語多数あり)
・よくば(り):(強いてあげれば)貪強(タンキョウ)=欲が深く強い、貪虐(タンギャク)=欲が深くむごい、貪賈(タンコ)=欲深い商人、貪官(タンカン)=欲の深い官吏、貪猾(タンカツ)=欲が深くわるがしこい=貪獪(タンカイ)
<貽:イ、おく(る)、のこ(す)>
・おく(る)、のこ(す):貽厥(イケツ)=子孫、子孫にのこす貽訓=遺訓・詒訓・遺誡、貽謀、貽殃、貽範=法を設けて後人に示し教える、貽託=仮によせる、貽悔=悔いを後日に及ぼす、後悔の種となる
・その他:貽貝(イがい)=黒い貝の名
<貲:シ、あがな(う)、たから、みのしろ>
・あがな(う):貲贖(シショク)=あがなう、賠償する
・たから、みのしろ:(みのしろ=財産、身代、給金の意)貲財=資財、財産、たからや金。貲家=財産のある家、貲産=身代、財産。高貲
<貲布(さいみ)>=麻布の名。(参考)字通では「シフ=麻布」、大漢和では「さよみ、さよみの布」となっていた。
<賈:コ、カ、あきな(う)、あきな(い)、う(る)、か(う)、あたい>*漢検2は音分けナシ。*コ(漢音)カ(漢音) *“あたい(価)、ねだん”の意のときに、「カ」音としている辞典(大字源、漢字源)あり。
・あきな(う)、あきな(い):賈人(コジン)=賈客=商人、賈船(コセン)、書賈(ショコ)、商賈(ショウコ)、良賈(リョウコ)、賈衒(コゲン)=店売りと行商、賈貿(コボウ)=あきなう、賈市=市場、賈肆=商店、善賈、大賈
・う(る):賈販(コハン)=販売する
・か(う):賈勇(コユウ)=他人の勇を買う、賈怨(コエン)=怨みをかう・うらまれる、賈買(コバイ)=買う、賈禍(コカ)
・あたい:賈貴=高価、値が高い  *字通「コキ」大漢和・大字源・漢字源「カキ」、「賈(カ)を飾る」=掛け値をする(大字源・漢字源)
*「待賈」・・・論語・子罕諞にある熟語・・・だが、2通りの解釈があるよう・・・(すでに、別に記事にしています)
(大漢和・大字源・漢字源)
 「タイコ」(と読めば)=良い商人が現れるのを待って売る=賢君が出現する機会を待って仕えること、賢君の聘を待って仕える意味。
 「タイカ」(と読めば)=良い売値を待って売る→上記と同様の意味  *大漢和には「一説に“タイカ”と読み、良い価を待って売る」とあり。
(字通)
 「タイカ・タイコ」と両読み、ただし、説明は「善賈(ゼンコ)を待って売る」の意味のみ掲載されている。
<賺:タン、レン、すか(す)、だま(す)>*タン(漢音)レン(漢・呉音) *レン音は楽曲の調子をあらわす音。“レン”音の熟語ナシ。
・すか(す)、だま(す):賺得(タントク)=だましすかす、だましとる。賺詐(タンサ)=騙る、欺きだます、ごまかす。賺騙。啜賺(セッタン)=巧みに言葉をつづる、内容の伴わない言葉でだます
・その他:(「賺」にもうける、利益の意あり)賺利(タンリ)=もうけ、利益
*他に「あざむく、たぶらかす」という意味も別項であり。
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熟語の読み・一字訓読(その267) 譬 讒 讖 讙 豈 貉  

2016年05月21日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その267)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<譬:ヒ、たと(え)、たと(える)、さと(す)>
・たと(え)、たと(える):譬況、譬称、譬喩、譬類、譬説・・・
・さと(す):論譬、暁譬、引譬・・・
<讒:ザン、サン、そし(る)、つげぐち、へつら(う)、よこしま>
・そし(る):讒悪、讒害、讒謗、讒言
・つげぐち:讒言=悪口、讒舌、讒夫=讒言する男、讒人
・へつら(う):讒佞、讒莠=讒佞の人、讒諛
・よこしま:讒謀=悪だくみ、讒臣、讒人、讒邪
(2017.4.4 追記)
・漢検2辞典の訓読み表記は「そし・る、よこしま」のみ。意味説明欄には“告げ口、へつらう”もあり。
・漢検2掲載熟語の意味(大見出し以外)・・・大字源から・・・
 讒慝(ザントク):よこしま。邪悪。また、その人。
 謗讒(ボウザン):そしる。そしり。讒謗。
 和讒(ワザン) :一方で親しくし、一方で悪口をいう。表面は親しくし、陰でそしること。
・本記事掲載の主な熟語の意味(大字源)
 讒悪(ザンオ):そしる、悪くいう。
 讒舌(ザンゼツ):つげぐち。また、告げ口をする。讒口(ザンコウ)
 讒口(ザンコウ):無実の事を言い触らし人を陥れる。また、つげぐち。
 讒人(ザンジン):告げ口して人を陥れる者。讒者=讒夫=讒言する人。
<讖:シン、しるし> *しるし=前兆のこと *他に、予言書・未来書の意味あり
・略。讖言、讖書、讖緯・・・など多数あり。
<讙:カン、かまびす(しい)、やかま(しい)、よろこ(ぶ)>
・かまびす(しい)、やかま(しい):讙譁、讙声、讙譟、讙言、讙呶、讙敖・讙囂=やかましく騒ぎ立てる
・よろこ(ぶ):讙説(カンエツ)=よろこぶ、讙奮(カンプン)=よろこび奮いたつ、讙然=よろこぶ
<豈:ガイ、キ、たの(しむ)、やわ(らぐ)、あに>
・たの(しむ):豈楽(ガイラク)=よろこびたのしむ、 「豈楽飲酒」:たのしんで酒をのむ(詩経)
・やわ(らぐ):豈弟(ガイテイ)=やわらぎたのしむさま
・あに:(ほとんど訓読みだが・・・)豈鉅(ガイキョ)=なんで、どうして(反語の辞)、豈止(ガイシ)=あにただ、あにただに
*“キ”音の掲載は各辞典ともにあるが、熟語の読みに“キ”音のフリがあるものは無かった・・・漢字源に「あに、ただに、~のみならんや」の意味の熟語として「豈惟、豈唯、豈徒、豈特・・・」の熟語あるも読みなし・・・。
<貉:カク、むじな>
・むじな:貉子:字通「カクシ」大漢和「バクシ」 =小さいむじな、人を罵る語。貉睡(カクスイ)=よく眠ること
(参考)
*「貉」に(現行音にはないが)“バク、ハク、バ、マ”音あり。
 (例)四字熟語で「大貉小貉(タイバクショウバク)」=“バク”の音のときは「えびす、蛮族」のことを意味している。
*他に、「貉道(バクドウ)」=貊道=北方異民族のやり方(漢字源)、貉貉(バクバク)=悪いさま(大字源)、蛮貉(バンパク)=蛮貊(バンパク)=えびす、「貉祭(バサイ)」=軍中の祭り、いくさ祭り(字通・大漢和)←「貉」にこういう祭りの意味あり。
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熟語の読み・一字訓読(その266) 諢 諞 諡 謗 謫 謾 謨 譁 譌 譏 

2016年05月20日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その266)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<諢:コン、ゴン、たわむ(れ)、おど(け)>*コン(慣用音) すべて“コン”読み熟語
・たわむ(れ)、おど(け):諢話=落とし話、ふざけ話、諢衣=戯言(ざれごと)をかいた衣、諢語=おどけ、諧謔の語、諢名=あだな、異名、綽名
<諞:ヘン、へつら(う)>
・へつら(う):諞佞(ヘンネイ)=口先上手、口がうまい。諞言=巧みな言葉、
*「諞」は、現代用語では“かたる、あざむく”意の熟語で使われている由・・・
「諞嘴(ヘンシ)」=口先で人をだます(詐欺用語)、「諞術(ヘンジュツ)」=こしらえごと、かたりごと。「諞人(ヘンジン)」=人を欺く、巧みに人をごまかし利用する
<諡:シ、おくりな、よびな>*漢検2「よびな」訓読み掲載ナシ
・おくりな、よびな:諡号、賜諡、贈諡、勅諡、諡法=おくりなのつけ方・・・
<謗:ボウ、ホウ、そし(る)、そし(り)、うら(む)>*漢検2「うら(む)」訓読みナシ(意味欄にはあり)
・そし(る)、そし(り):謗言、毀謗、謗毀、讒謗、誹謗・・・
・うら(む):(そしりうらむ意なので、そしる意の熟語でもある)怨謗、謗怨、謗恨
<謫:タク、チャク、つみ(する)、なが(す)、せめ(る)、どが>*タク(漢音)・チャク(呉音) *チャク音熟語見当たらず。
・つみ(する)、なが(す):謫居(漢検2:タッキョ、他辞典:タクキョ)、謫所、遠謫、竄謫、謫落、謫徙(タクシ)、遷謫、配謫、貶謫、流謫(ルタク・リュウタク)、謫罰=過ちを罰する、謫仙=天上の仙界から降ろされた人
・せめ(る):謫発=誤りをせめたてる
・とが:謫咎(タクキュウ)=とが
<謾:バン、マン、あざむ(く)、あなど(る)、おこた(る)>*バン(漢音)マン(呉音)*バン音熟語見当たらず。
・あざむ(く):欺謾=欺瞞、謾語=うそ、いつわり、でたらめ。謾欺=あなどりだます(字通)あざむく(大漢和)、謾誕=いつわり=誕謾(タンマン)
・あなど(る):謾易=あなどる、謾欺、謾侮(マンブ)=あなどる
・おこた(る):謾怠
<謨:ボ、モ、はか(る)、はかりごと>*ボ(漢音)モ(呉音) ほとんど“ボ”音熟語
・はか(る)、はかりごと:遠謨、淵謨、深謨、謨猷(ボユウ)=はかりごと、謨訓(ボクン)=国家の大計、後王の模範となる教戒、謨臣・謨士=深いはかりごとを蔵する臣・士、謨慮、宏謨、聖謨、廟謨、謨範(ボハン・モハン)=手本・模範(大字源)
<譁:カ、かまびす(しい)、やかま(しい)>
・略。諠譁・・・
<譌:カ、なま(る)、なま(り)、いつわ(る)、あやま(る)>
・なま(る)、なま(り):(=「訛」と同じ)譌語、譌音
・いつわ(る):譌火=怪火、譌言=いつわりごと
・あやま(る):譌雑(カザツ)=あやまり乱れる、譌舛(カセン)=あやまり、譌字=誤字、譌謬(カビュウ)=あやまり
<譏:キ、そし(る)、せ(める)>・そし(る):謗譏、詆譏、讒譏、譏謗・・・
・せ(める):譏譴(キケン)=せめる
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熟語の読み・一字訓読(その265) 諍 諳 諧 諱 謔 諠

2016年05月19日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その265)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<諍:ショウ、ソウ、いさ(める)、うった(える)、あらそ(う)、いさか(い)>*ショウ(呉音)ソウ(漢音)
・いさ(める):諍臣(ソウシン)=諫諍(諫争)の臣、諍治(ソウチ)=諫止する(字通)*大漢和は「あらそい治める」、廷諍(テイソウ)、諍友(ソウユウ)=あらそい、いさめる友人、諫諍(カンソウ)
・うった(える):諍訟(ソウショウ)=訴訟、
・あらそ(う):諍議(ソウギ)=争論=諍論(*)、諍気(ソウキ)=争って勝とうとする気、廷諍、諍友、
・いさか(い):紛諍(フンソウ)、廷諍(テイソウ)、諍闘(ソウトウ)=いさかい
*「諍論」:漢検2「ジョウロン」、大漢和・字通・漢字源「ソウロン」 広辞苑「ジョウロン」 ・・・この熟語の音読みだけは“ジョウロン”読みが通用、定着?しているらしい。
<諳:アン、そら(んじる)、な(れる)、さと(る)>
・そら(んじる):諳記(暗記)=そらで覚える、諳憶=そらんじ記憶する、諳究=すっかりそらんじる、諳悉=諳記しつくす、諳誦(アンショウ)*“アンジュ”とも読む。
・な(れる):諳練・諳錬=熟習する、十分になれ覚える(大漢和)
・さと(る):(=暁る意。熟達する意。)諳暁(アンギョウ)=識りさとる、そらんじさとる
<諧:カイ、かな(う)、ととの(う)、やわ(らぐ)、たわむ(れ)>
・かな(う):和諧諧和、諧允(カイイン)=心にかなう、
・ととの(う):諧婉(カイエン)=調和して美しい、諧協=ととのう、諧調、調諧
・やわ(らぐ):諧合=和合する、諧和=和諧=なかよく親しくする、諧易(カイイ)=くつろぎ親しむ、歓諧
・たわむ(れ):諧謔、諧語俳諧詼諧諧調=からかう
*複数の読みに対応すると思われる熟語は重複して載せています。
<諱:キ、い(む)、はばか(る)、いみな>
・い(む):諱避(キヒ)=いみ避ける、はばかり避ける、諱悪(キオ)=いみ嫌う、諱疾(キシツ)=疾をいむ=欠点をかくす、諱日=忌日=命日、諱忌(キキ)=いみ嫌うこと忌諱(キイ・キキ)
・はばか(る):諱屈=はばかって隠す、諱言=はばかって直言しない、不諱(フキ)=はばからない(*「臣、不諱の朝に居る」ー“朝”は朝廷、宮廷のことー)
・いみな:諱名、偏諱(ヘンキ) 
*いみな:実名のこと。生前には“名”といい、死後には“諱”という。
<謔:ギャク、たわむ(れる)、ふざ(ける)>*漢検2「ふざ(ける)」訓読み掲載ナシ。
・たわむ(れる):謔劇=謔浪=たわむれる、謔語=たわむれの言葉、ざれごと。謔笑
・ふざ(ける):謔笑=おどけわらう、たわむれふざける
*下付き:諧謔、戯謔、嘲謔   *「謔浪笑敖(ギャクロウショウゴウ)」=たわむれ嘲り笑う
<諠:ケン、かまびす(しい)、やかま(しい)>
略。諠擾(ケンジョウ)、諠譟(ケンソウ)、諠鬧(ケンドウ・ケントウ)、諠譁=喧嘩・・・など熟語多し。)

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熟語の読み・一字訓読(その264) 誥 誚 誦 誣 諄

2016年05月18日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その264)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<誥:コウ、つ(げる)、ふ(れ)、みことのり>
・つ(げる):誥告、誥教・・・
・ふ(れ):大誥、制誥、典誥・・・
・みことのり:誥命(コウメイ)=天子がつげるみことのり、誥勅  *「誥命」・・・漢検2は「つ(げる)」の方での熟語に掲載している。
<誚:ショウ、せ(める)、しか(る)、そし(る)>
・せ(める):誚譲(ショウジョウ)、誚責、責誚
・しか(る):訶誚、怒誚
・そし(る):詆誚
<誦:ショウ、ジュ、とな(える)、よ(む)、そらん(ずる)>*ショウ(漢音)ジュ(呉音) (参考)“ズ”(呉音または慣用音)
・とな(える):誦諫=諫言をとなえる、誦功=功を頌する、
・よ(む):誦説=経典をよみとく、誦味=熟読する、誦習、誦読 *(類)読誦(ドクジュ)
・そらん(ずる):誦詩、暗誦
*下付き:愛誦、吟誦、口誦、伝誦、念誦、諷誦、復誦、朗誦・・・(すべて“ショウ”読み)
*「誦経
 ①漢検2では、『「ズキョウ」(ジュキョウとも読む)。声を出して経文を読むこと、経文を暗誦すること』とある。*なお、“ズ”音は呉音(慣用音としている辞典もあり)だが、現行音にはナシ・・・。
 ②漢字源では、
  ア.「ショウケイ」=経書をよむ
  イ.「ズキョウ・ジュキョウ」=(仏教用語)仏教の経文を声を出してとなえる
 とある。
*漢検2では「ショウケイ」読みは掲載していないので、要注意。仏教用語でなければ“ショウケイ”と読むべきか・・・。
<誣:フ、ブ、し(いる)、あざむ(く)、そし(る)>*フ(慣用音)ブ(漢音) (参考)“ム”(呉音)
・し(いる):(無実のことをあるようにいう意味)誣陥(フカン)=無実のことで人を陥れる。誣枉(フオウ)=無実の者をいつわって罪する。誣言(フゲン・ブゲン)誣告(漢検2:ブコク、その他辞典“フコク・ブコク”)=わざと事実をいつわって告げること
・あざむ(く):誣罔(フモウ)=でたらめで欺く、誣惑(フワク)=偽りまどわす、欺誣(ギフ)・そし(る):誣譖(フシン)=無実のことでそしる。誣謗(フボウ)、誣妄(フボウ)、讒誣(ザンブ)
(参考)「誣告」の読み:漢字源「ブコク・フコク」大字源「フコク・ブコク・フコウ」大漢和「フコク」
<諄:ジュン、シュン、あつ(い)、まこと、ねんご(ろ)、くど(い)>*ジュン(慣用音)
・あつ(い)、まこと:(「惇」に通ず)諄篤(ジュントク)=心の誠一なこと、人情の厚いこと。
・ねんご(ろ):諄誨=ねんごろに教える。諄切=懇切。諄諄(ジュンジュン)繰り返し教えさとす、よくわかるように何度も繰り返していねいに説くようす・・・(類)懇切、懇懇・・・「諄諄(くどくど)」と読めば別の意味
・くど(い):諄複(ジュンフク・ジュンプク)=くどい(字通)、くどくどと繰り返す(大漢和)
*「諄諄(ジュンジュン)」:大漢和では、①ねんごろに教えるさま、教えて倦まないさま ②忠勤のさま ③にぶいさま という意味解説あり。

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熟語の読み・一字訓読(その263) 觴 訛 詁 誂 誄 

2016年05月17日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その263)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<觴:ショウ、さかずき、もてな(す)>*漢検2「もてな(す)」訓読みナシ(意味はあり)
・さかずき:觴詠、觴酌、羽觴、酣觴、壺觴、杯觴、濫觴、玉觴、觴酒、・・・・
・もてな(す):觴客、(「觴政」、「觴令」も該当するか・・・調査不十分・・・)
<訛:カ、なま(る)、なまり、いつわ(る)、あやま(る)>
・なま(る)、なまり:訛音(カイン・カオン)、訛語
・いつわ(る):訛偽(カギ)=いつわり、訛索(カサク)=金品を詐取する、訛誤=あやまり、いつわり。
・あやま(る):訛言=あやまった風評、流言。訛舛(カセン)=あやまりたがう。訛謬(カビュウ)=誤謬。訛伝訛誤
<2018.3.30加筆>
*漢検1(第一版のこと)では「訛(いつわ)る」訓の掲載はなかったが、漢検2では、「訛る(いつわ)る」訓も掲載されている・・・
*「訛言」には、「訛(なま)る」「訛(いるわ)る」「訛(あやま)る」の3つの訓が対応しそうだが、漢検2の説明の仕方からすると、「訛(なま)る」「訛(いるわ)る」訓の対応のようだが・・・(「意味」のところに明確に対応する熟語としての掲載はないので、この辺はちょっと曖昧というか不明確ではあるが・・・)
*送り仮名が同じだと迷ってしまうが、音訓問題で出たらどうしたら良いんだ???
(漢検2)
意味:
①あやまる。あやまり。「訛誤」「訛伝」「訛謬(カビュウ)」
②言葉がなまる。なまり。方言。「訛音」「訛語」
③いつわる。うそ。類)偽
「訛」から始まる言葉 訛る(あやま-る) 訛音(カイン) 訛言(カゲン) 訛語(カゴ) 訛伝(カデン) 〈訛声〉(だみごえ) 訛(なまり) 訛は国の手形(なまりはくにのてがた) 訛る(なま-る)
訛音(カイン):なまった発音。なまり。「カオン」とも読む。
訛言(カゲン):①「訛語」に同じ。 ②いつわりを言うこと。またその言葉。いつわりのうわさ。「―を伝布する」類)流言(リュウゲン)・(ルゲン)
訛語(カゴ):共通語と比べて、発音にちがいのある言葉。なまった言葉。類)訛言(カゲン)
訛伝(カデン):まちがって伝えること。また、その言い伝え。類)誤伝
<詁:コ、よ(む)、よ(み)、と(く)、わけ>
・よ(む)、よ(み):訓詁、詁訓
・と(く)、わけ:解詁、字詁、伝詁、義詁、引詁  *“わけ”は「注釈のこと」(字通)
*各訓読みともに、今の言葉で古言をときあかす意(大漢和)。「詁」は古言のこと。
<誂:チョウ、あつら(える)、あつら(え)>
・あつら(える)、あつら(え):(邦語)音熟語なし。
*もともと、「誂」は“いどむ、たわむれる、からかう”を意味する字(「挑」に通ず)。*漢検2にも「意味②いどむ(類:挑) 意味③もてあそぶ、からかう (類:嘲)」とある。
(参考) 誂戯=ふざける、 誂弄=もてあそぶ、誂撃=からかう、誂越=軽く不安定な音・・・などの熟語あり。
<誄:ルイ、しのびごと、いのりごと>
・しのびごと、いのりごと:誄詞・誄文・誄辞=死者の冥福を祈るためにのべる言葉、弔辞、弔文、弔詞。誄歌、銘誄(メイルイ)、誄讚(ルイサン)=しのびごと。*「誄」は死者の生前の行跡を述べる辞、「讚」は人の美を称する辞。「之が誄讚を為り、以て、其の懿徳を昭らかにす」
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熟語の読み・一字訓読(その262) 覘 覯 覲 觚 觜 

2016年05月16日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その262)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<覘:テン、うかが(う)、のぞ(く)、ぬすみ(みる)>*漢検2「ぬすみ(みる)」訓ナシ・・・意味にはあり。
・うかが(う)、のぞ(く):覘視=うかがいみる、覘望=うかがいのぞく、うかがいのぞむ。覘覧=うかがいみる
・ぬすみ(みる):覘候=偵視=①さぐりみる、②敵の様子を探偵する 覘邏(テンラ)=さぐりみる、また、その者。
<覯:コウ、あ(う)、み(る)、あ(わせる)>
・あ(う)、み(る):覯見=会する、遇う。覯感=うれえにあう、悲しい目にあう、覯閔(コウビン)=閔(うれ)えにあう。(*悲しい目にあう(字通))。稀覯、希覯、朝覯
・あ(わせる):(合わせる、結婚するなどの意)覯精(「男女、覯ㇾ精、万物化成」)
<覲:キン、まみ(える)、あ(う)>
・まみ(える)、あ(う):朝覲参覲、謁覲、覲饗(キンキョウ)=まみえ饗応する(又、神として祭る)、覲見=おめにかかる、覲接=お目通り(身分の高い人にあう、まみえる)、覲礼=諸侯朝覲の礼 
<觚:コ、さかずき、かど、ふだ>*漢検2「ふだ」訓ナシ・・・意味にはあり。
・さかずき:觚器、奠觚、素觚・・・
・かど:(かど=稜角のこと)觚稜(コロウ、コリョウ)=殿堂の屋根の高くとがり出たかど。
・ふだ:觚牘(コトク)=木札の形、木簡。觚編=書物のこと。*「觚」は木札のこと。操觚=(觚を操(と)る)→文を作る喩え→文筆を業とすること
*「破觚為円」=「觚を破りて円と為す」(漢書)=かどだったものを円くし、こみいったものを簡単にする。転じて、酷刑を破り繁雑な規則を刪ること。「破觚斲雕(カコタクチョウ)」(史記)(「斲(タク)」は対象外。“削る”意。)=上記と同様の意味。
*「觚、不ㇾ觚(觚、觚ならず)」(論語)=孔子が当時の觚器が古制を失って、かどのないのを歎じた語。転じて、名のみあって身を伴わない喩えに用いる。
(参考)一度、この「觚」の実物を見ると理解が早い(大漢和にも絵図が載っていた)。*ネットで、MOA美術館「饕餮文觚(トウテツモンコ)」がみられるが、これよりも大漢和のほうが、もっと“かどかど”していて古(いにしえ)の觚器ってこんなものだったのかということがよくわかる・・・。
<觜:シ、スイ、けづの、とろきぼし、くちばし、はし>*シ(慣用音)スイ(漢・呉音)
・けづの:(みみずくの頭上の“毛角”のこと)角觜(カクシ)
・とろきぼし:觜宿(シシュク)*大漢和のみ「“スイ”シュク」(他に、「觜陬(“スイソウ”)」=星の名・・・「陬」:現行は“スウ、シュ”音のみ)・・・大漢和のこの読みは無視した方が良いかも・・・)、娵觜(シュシ)=星宿の名(漢字源)
・くちばし、はし:觜距(シキョ)=くちばしとけづめ(*武器を意味する)、觜翅(シシ)=くちばしとつめ(*武器を意味する)、觜爪(シソウ)=くちばしとつめ、觜吻(シフン)=口先、口さき
*觜蟹(シカイ)=小さいかに。*觜臉(シケン)=とがった顔、みにくい顔。←人を罵る語→觜鼻(シビ)=鼻まがり

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熟語の読み・一字訓読(その261) 襁 褶 襌 襠 襞 襦 襭 襪 襴

2016年05月15日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その261)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<襁:キョウ、せおいおび、むつき、お(う)>
・せおいおび:襁褓(キョウホウ)=①せおいおびと小児の衣=襁保(キョウホウ)
・むつき:襁褓=②おしめ(むつき)、<襁褓(おしめ)>、<襁褓(むつき)>
・お(う):襁抱(キョウホウ)=背負うことと抱くこと、転じて幼少の時をいう。襁負(キョウフ)=背負い帯で小児を背負う(*一説に、「襁」は子守り籠・竹かご
<褶:チョウ、シュウ、あわせ、かさ(ねる)、ひだ>*チョウ(漢音)シュウ(漢音・慣用音)*大字源では“チョウ”音で「あわせ」の意としているが、調べた範囲では、熟語はすべて“シュウ”音(漢検2もすべて“シュウ”音)
・あわせ:褶衣(シュウイ)=①あわせ=袷衣(コウイ)、褶衾(シュウキン)=袷のふすま、褶子(シュウシ)=あわせ
・かさ(ねる):褶衣=②襲衣 、褶畳(シュウジョウ)=折りたたむ
・ひだ:褶曲(シュウキョク)=①しわがよって曲る ②地層の波状のさま。褶痕、褶紋
*「袴褶(コシュウ)」=乗馬用の服、または略装の軍服。「褶袴(シュウコ)」=素襖の下に着る長袴(素襖袴)
<襌:タン、ひとえ、はだぎ>*漢検2「はだぎ」訓読み掲載ナシ(意味はあり)。
・ひとえ:襌衣、襌緇(タンシ)=ひとえの黒衣、襌襦=ひとえの衣服=襌袍
・はだぎ:襌襦(タンジュ)、襌衣、中襌・・・
*「襌襦」:漢検2では「意味②の“はだぎ、下着”のところに、この熟語掲載あり」
<襠:トウ、うちかけ、まち>
・うちかけ:裲襠(リョウトウ)=両襠。錦襠(キントウ)、裲襠(うちかけ)
・まち:(邦語)襠高袴(まちたかばかま)→まちの高いはかま(乗馬ばかまともいう。)
*漢検2で「意味①したおび」で「褌襠(コントウ)
<襞:ヒャク、ヘキ、ひだ、しわ>*ヒャク(呉音)*“ヒャク”音での熟語見当たらず。
・ひだ、しわ:褶襞(シュウヘキ)、襞褶=衣裳のひだ=襞積(ヘキセキ)、襞幅(ヘキフク)=ひだのあるむかばき、山襞(やまひだ)
<襦:ジュ、はだぎ、どうぎ>*漢検2では意味①で「はだぎ、どうぎ(胴着)、下着、汗とり」すべて一緒。
・はだぎ:汗襦(カンジュ)、羅襦(ラジュ)、襦袢(ジュバン)、襦袴=はだぎとはかま、襦袖=はだぎのそで
・どうぎ:(腰までの短い衣。漢検2では“胴着”)襦襖(ジュオウ)=短い衣
<襭:ケツ、つまばさ(む)>
・つまばさ(む):音熟語見当たらず。「薄言、襭ㇾ之」(薄言、之を襭む)(詩経・周南) 
(参考)同義の「擷」(対象外漢字)での熟語多し。 「擷花」=花をつむ(つまばさむ)・・・
<襪:バツ、ベツ、たび、くつした>*バツ(漢音)ベツ(慣用音)
・たび:襪衣(バツイ)=足袋の異称。襪線(バッセン)=たびの糸。「襪線の才」「襪才(バッサイ)」、襪布(バツフ)=足袋をつくるきれ。
・くつした:襪子(バツシ)=くつした、たび。襪底(バツテイ)=くつしたの底。襪帯(バツタイ)=くつした止め。
*以上は大漢和・字通(ともに、“バツ”音のみ)。辞典によって読みが異なる熟語あり。
*「襪線」:漢検2読みナシ。大字源・漢字源「ベッセン・バッセン」両読み。 *「襪才」:大字源「ベツサイ・ベツザイ」
(参考①)「襪綫(ベツ“サン”)」=くつしたの糸(漢字源)←「綫」現行音は“セン”しかないが・・・。
(参考②)過去問読みで「羅襪(ラベツ)」(=うすぎぬのくつした)あり。
<襴:ラン、ひとえ>・ひとえ:襴衫(ランサン)=すそ飾りのある裳の服。金襴・・・

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熟語の読み・一字訓読(その260) 褓 褞 褥 褪 褫

2016年05月14日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その260)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<褓:ホ、ホウ、むつき、かいまき>*ホウ(漢音)ホ(呉音)
・むつき、かいまき:襁褓(キョウホウ)、褓襁(ホウキョウ)、褓裙=嬰児の着衣=褓被、褓中(ホウチュウ)の児=むつきにくるまっている小児
・その他:褓乳(ホウニュウ)=極めて幼いこと *漢検2は読み掲載ナシ。
<褞:ウン、オン、うわぎ、どてら>*ウン(漢・呉音)オン(慣用音) *漢検2は訓読み掲載ナシ(意味にはあり)
・うわぎ、どてら:褞褐(オンカツ) *字通は“ウンカツ”、褞袍(オンポウ)=縕袍(オンポウ)、<褞袍(どてら)> *漢字源は「縕袍」=“ウンポウ”、褞袿(オンケイ・ウンケイ)=うちかけ(=うわぎのこと)
*「褞褐(オンカツ)」=ぬのこ、転じて賤者をいう(大漢和) *「褞袍(オンポウ)」=ぬのこ、どてら、粗末な衣
<褥:ジョク、しとね、ふとん>*漢検2:「ふとん」訓読み掲載ナシ(意味にはあり)。
・しとね、ふとん:衾褥、産褥、就褥、病褥、褥瘡、褥婦、褥席、簟褥(テンジョク)、・・・*熟語多多あり。
<褪:タイ、トン、あ(せる)、さ(める)>*タイ(慣用音)トン(漢・呉音)
・あ(せる)、さ(める):褪紅(タイコウ)、褪紅色(タイコウショク)、褪色(タイショク)、褪英(タイエイ)=色あせた花びら、褪落(タイラク)=色がさめる、ぬける、褪淡(タイタン)=淡薄
*「褪紅」:漢字源は「タイコウ・トンコウ」両読み。「褪色」:漢字源は「タイショク・トンショク」両読み。
・その他:(「褪」:衣服をぬぐ、おろす意)褪衣(トンイ)・褪衣裳(トンイショウ)=衣服をぬぐ。(「褪」:ひっこめる意(現代の用法))褪手・褪袖(トンシュウ)=手を袖の中にひっこめる *「褪手」:字通「タイシュ」大字源「タイシュ・トンシュ」(漢字源、熟語なし)
<褫:チ、うば(う)、は(ぐ)>
・うば(う):褫奪、褫職、褫官、褫散=うばわれて四散する、褫取=奪い取る、褫魄(チハク)=心をおびやかす
・は(ぐ):褫奪=官位を、はぐ・うばう、褫皮=皮をはぐ
・その他:(「褫」:しきもの、毛氈の意あり)褫氈(チセン)=ねまき、蓐衣の一。
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熟語の読み・一字訓読(その259) 裙 裹 褂 褌 褊 

2016年05月13日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その259)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<裙:クン、も、もすそ、すそ、はだぎ>
・も、もすそ:裙腰=もすそをつけた腰、裙釵(クンサイ)=もすそとかんざし=婦人のこと、裙帯=もすそのひも、もすそと帯。  「クタイ」とも読む(漢検2)、裙布=綿布のもすそ(婦人の服飾の飾りのないもの)
・すそ:裙辺=裙子(*)のすそ
・はだぎ:裙衫(クンサン)=はだぎとひとえ(*「衫」は単衣の意)、裙襦=はだぎ
*「裙子(クンシ)」=僧侶が身に着けるひだのある黒い袴のような衣服。「クンス」とも読む。 ←大字源も同様。大漢和では「「裙子(クンス)」=女子の腰にまとう襞のある袴」
・その他:裙帯菜(クンタイサイ)=わかめ、鼈裙(ベックン)=スッポンの甲羅の周囲に取り巻くようについている、柔らかくて美味しい肉のこと
<裹:カ、つつ(む)、つつ(み)、まと(う)、たから>
・つつ(む)、つつ(み):裹革包裹(ホウカ)、裹屍、裹足、裹頭、裹糧・・薬裹・・・裹物・・・
・まと(う):裹纏(カテン)=つつみまとう
・たから:(つつみ蔵するものの意)国裹(コッカ)、苞裹、裹物=布施、贈り物などにする金銀布帛の類をつつんだもの
・その他:(「裹」に“はな”=華?とか“ふさ”とか“草の実”とかの意あり)緑葉紫裹、濯穎散裹・・・出典:詩の中の一節・・・(漢検2にも、意味②として“草の実”とあり。熟語掲載はナシ。)
<褂:カイ、うちかけ、はだぎ>
・うちかけ、はだぎ:熟語ナシ。「袿」に同じ(大漢和)。
・その他:(いくさごろもの一つということで)褂子(カイシ)=戎衣。
<褌:コン、したばかま、ふんどし、みつ>
・したばかま:褌衣、褌袴、褌中、褌襠=袴襠=したばかま、褌冒=したばかまと頭巾、褌蝨(コンシツ)・・・
・ふんどし:(邦語)緊褌
・みつ:前褌(まえみつ)
・その他:<褌祝(へこいわい)>
<褊:ヘン、せま(い)、きみじか>*漢検2「きみじか」訓読みナシ(意味にはあり)
・せま(い):褊狭(ヘンキョウ)=①度量が狭いこと ②土地などが狭いこと 「偏狭」とも書く。、褊隘(ヘンアイ)=せまい、窮屈、褊忌(ヘンキ)=心が狭くて人をねたむ、褊心、褊忿=心が狭くて怒る、褊激=せまくはげしい 
・きみじか:褊心、褊促=心が狭く気が短い、褊急=器量がせまくて性急なこと
・その他:褊衫(ヘンサン)=僧衣の一種。「偏衫」とも書く。褊綴(ヘントツ)=江戸時代に医師などが着た羽織。偏衫と直綴(ジキトツ)とを折衷してつくった衣。「ヘンテツ」とも読む。 
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