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漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

熟語の読み・一字訓読(その288) 鋺 錮 錚 錣 鍠

2016年08月21日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その288)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<鋺:エン、はかりざら、かなまり、まり> *漢検2「はかりざら」訓ナシ(意味②にあり)
・はかりざら:秤鋺(ヒョウエン)=はかりのさら  *「秤」:現行音に“ヒョウ”ない(ビン、ショウ、はかり)が、「秤量(ヒョウリョう)」あり・・・慣用音か?
・かなまり、まり:(邦語。金属製の椀のこと。)

<錮:コ、ふさ(ぐ)、とじこ(める)、かた(い)、ながわずら(い)>
 *漢検2「とじこ(める)」訓ナシ(ただし、意味②に“とじこめる、「禁錮」”掲載あり)
*錮:2級:中学…コ 1級…ふさ(ぐ)、とじこ(める)、かた(い)、ながわずら(い) 
(既掲載記事の再録)
①錮(いかけ:当て字)― 錮(ふさ)ぐ
禁錮(キンコ)- 錮(とじこ)める
③錮陋(コロウ)― 錮(かた)い
錮疾(コシツ)― 錮(ながわずら)い
(参考)
①錮(いかけ):「錮(こ)」の字は、「溶かした金属を流しこんで、すき間をふさぐ。いかける。」というのが、もともとの意(漢字源)。=鋳掛。(錮(いかけ)=鋳掛:はんだなどで金属製器具を修繕することー三省堂・難読漢字辞典ー) ⇒後記<周辺知識①>参照。
②禁錮:もともとは仕官の道を「ふさぐ」意。ここでは通説的に「とじこめる」意としています。他に、「廃錮(はいこ):官吏の身分をとりあげて、家で謹慎させること  ・・・漢書ほか出典多・・・「松陰全集の中にも、「・・・信頼する杉蔵へはこの他にもいくつかの大切な書簡が残されています。 安政5年7月11 日 ・・・吾れ幽囚廃錮、為すある能はずと雖も、近ごろ恩旨を蒙り、建言諱(い)まざるを 允(ゆる)さるるを得たれば、其れ徐(おもむ)ろに具して之れを奉らん。・・・」とあります。他に、「党錮」⇒後記<周辺知識②参照。
③錮陋:=頑迷固陋の「固陋」に同じ。「固」のほうが一般的。頑固。
④錮疾:これも「痼疾」のほうが一般的。なかなか治らない病気。 
<周辺知識①>
錮(いかけ)の語源:①穴があいた鉄や銅の鍋・釜を修繕することを“鋳掛(いかけ)”といい、これを職業とする人を“鋳掛師(いかけし)”といった。江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には、「白鑞(しろめ)を鎔(わ)かして鍋・釜の漏(もり)をふさぐのを鋳懸(いかけ)という。錮の字を用いる。」とある。錮は“ふさぐ”と訓読みし、刑罰の禁錮(禁固)も、もともとは仕官の道をふさぐことを意味しました。
②江戸の文政時代、滝沢馬琴などと親交のあった山崎美成編の「海録」と云う辞典で見ると、当時は. 鋳掛けを普通は骨路(コツロ)と呼んでいたと ある。ふさぐことを意味する錮(コク)が訛ってできた用語かと思われる・・・。 ①、②ともにネット上からの借用。
<周辺知識②>
党錮:「党」は党人のこと、「錮」は禁錮の意。中国、後漢末、政界の中枢を握っていた宦官が儒学の徒である官僚層(党人)を禁錮に処して、その批判を封じたこと⇒「党錮の禁(とうこのきん)」:後漢末期に起きた弾圧事件。宦官勢力に批判的な清流派士大夫(党人)らを宦官が弾圧したもので、その多くが禁錮刑(現代的な禁錮刑とは異なり、官職追放・出仕禁止をさす)に処された事からこの名で呼ばれる。大要、ネット上から借用。

<錚:ソウ、かね、どら>
・かね:(=鉦のこと)錚鐸(ソウタク)
・どら:(大漢和・字通には熟語ナシ)
錚錚=①金属、金鉄の音、②凡人の中で少し優れた者 ・・・
錚然=金属の音

<錣:テツ、しころ>・しころ:(邦語)
*「錣」に、算木・かずとりの意のほか、①はり ②むちさきの鉄片 ③むち の意あり。
(漢検2にも、意味②「馬のむちの先につけた針」とある)
*錣鈞(テツキン)=多寡をはかる器。かずとり。算籌。
*錣針(“テイ”シン)=つづり針(漢字源:音に、テイ(漢音)、タイ(呉音)あり)
*その他(字通に掲載の熟語):策錣、引錣、錯錣、利錣・・・

<鍠:コウ、まさかり、おの>
・まさかり:(熟語見当たらず)
・おの:儀鍠=明(ミン)のときの、木を刻してつくった斧)
鍠鍠=鐘鼓の音。一説に、音の和すること(和らぎ楽しむ意)。
*「鍠」:秦の時代に鉄鉞を改めて“鍠”としたとある。また、唐では剣に似た兵器のこと。

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熟語の読み・一字訓読(その287) 銖 銓 銛 鋏 銷

2016年08月21日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その287)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<銖:シュ、ジュ、わず(か)、かる(い)、にぶ(い)> *漢検2「かる(い)」訓ナシ(意味①に“わずか、かるい”あり)
・わず(か):銖黍(シュショ)=すこし、すこしも。銖寸(シュスン)=少し、ほんのわずか。「銖積寸累」=銖を積み、寸をかさねる=すこしずつ積む。錙銖(シシュ)=わずかな目方、転じて微小なもの、つまらないものの喩え。
・かる(い):銖衣(シュイ)=甚だ軽い衣物 
・にぶ(い):銖鈍(シュドン)=にぶい
・その他(重さや貨幣の単位):一銖=十黍(*他の単位とするものもある)、一錙=六銖

<銓:セン、はかり、はか(る)、しら(べる)、えら(ぶ)> *漢検2「しら(べる)」訓ナシ。
・はかり、はか(る):銓衡=選考=①はかり ②はかりしらべる
・しら(べる):銓考=はかり考える、しらべる=銓校、銓疑=疑問のことを考えはかる
・えら(ぶ)::銓授=えらび授ける、銓序=えり出して官位をつける、銓別=えらび分ける

<銛:セン、すき、もり、するど(い)>
・すき、もり:(音熟語ナシ)
・するど(い):銛利、銛鋭、銛戈、銛鉤=するどいつけばり、銛錐、銛刀・・・

<鋏:キョウ、はさみ、かなばさみ、つるぎ、つか、はさ(む)> *漢検2「かなばさみ」訓ナシ(意味②に“やっとこ”)
・はさみ:鋏刀(キョウトウ)=はさみ、唐ばさみ。鉄鋏
・かなばさみ:鋏箸(キョウチョ)=かなばし
・つるぎ:(=剣、刀のこと)剣鋏=つるぎ、短鋏、矛鋏・・・長鋏(*下記参考参照)
・つか:(=剣把のこと)剣鋏=つるぎのつか長鋏(下記参考参照)、弾鋏
・はさ(む):撃鋏、鋏撃
(参考・・・既掲載記事から一部抜萃・補筆修正・・・)
*「車魚之嘆」「長鋏よ帰らんか」で有名な、斉の馮讙(フウカン)の故事。孟嘗君の待遇が悪いので不平不満を云って待遇をだんだん良くしてもらった故事・・・最初は、「長鋏(チョウキョウ)よ帰らんか、食うに魚なし」。次は、「長鋏よ帰らんか、出づるに輿(こし=車のこと)なし」。更に、「長鋏よ帰らんか、以って家を為すなし」とかなんとか、不満たらたらだった人物・・・最後に功績を上げて孟嘗君に見直してもらったお話(史記・ 孟嘗君列伝)
*この「鋏」・・・「キョウ、はさみ、かなばさみ、つるぎ、つか、はさ(む)」の音訓読みがありますが、この故事の「鋏」は「つるぎ」や「(刀の)つか」の意味・・・。
*長鋏(チョウキョウ)=佩剣のこと(字通)
*より正確にいうと、「鋏(キョウ)を弾じて「長鋏(チョウキョウ)よ、帰らんか」・・・」と詠じた由。この前者の「鋏(キョウ)」は「(剣・刀の)つか」=剣把のこと。・・・つまり、「刀のつか(束)をたたいて、「長鋏よ、・・・」と詠じたということ。

<銷:ショウ、と(かす)、と(ける)、つ(くす)、つ(きる)、け(す)、そこ(なう)、ち(る)>
・と(かす)、と(ける):銷鑠、銷金
・つ(くす)、つ(きる):銷沈、銷膏=あぶらを燃やしつくす、銷耗(ショウコウ・ショウモウ)=つかいへらす=費消・消耗
・け(す):銷夏=夏の炎暑を消す、銷棄=消し棄てる、銷憂=憂さをけす・うさばらし=消憂、銷恨=うらみを消す=悲しみを忘れる
・そこ(なう):銷刻=そこなう、はぎとりへらす、銷骨=①骨をそこなう ②骨をとかす
・ち(る):銷解=ちらす、無くする
*「銷遣の具」の「銷遣」=消遣(=消憂=銷憂)=うさばらし(の手段)
(参考)遣悶=「悶を遣(わす)れる」=遣憤=うさばらし

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熟語の読み・一字訓読(その286) 鉗 鉉 鉈 鈿 銕 銜

2016年08月21日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その286)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<鉗:ケン、カン、くびかせ、はさ(む)、と(じる)、かなばさみ> *ケン(漢音)カン(慣用音)
 (以下、既掲載記事を一部修正・補筆)
*第2版にも、音訓読みはすべて掲載されている
・くびかせ :鉗梏(ケンコク)=くびかせと手かせ、鉗鉄=くびかせの鉄、鉄のくびかせ、
・はさ(む):鉗灼(ケンシャク)=はさんだり焼いたりすること、
・と(じる):鉗口(ケンコウ)=鉗噤=口をとじて言わない、口をとじる *漢検2「カンコウ・ケンコウ」
・かなばさみ:鉗鎚(ケンツイ)=かみそりとつち(かなばざみとつち)、鉗子(カンシ)=はさみの形をした外科用具、手術などで物をはさむのに用いる。鉗夾(ケンキョウ)=金ばさみではさむ
*音読みによる意味分けはないようだが、このうちの、「鉗子(カンシ)」を「ケンシ」と読むと、別の意味になる。漢検2は「鉗子(カンシ)」と掲載されている。
*大字源も漢字源も、
 ①「ケンシ」=くびかせをはめられた囚人
 ②「カンシ」(俗語)=くぎぬき、ピンセットの類
 ③「カンシ」=手術用外科用具
 同じような意味で、くびかせをつけられた者という意味で、「鉗奴(ケンド)」=「鉗徒(ケント)」=くびかせをはめられた罪人、「鉗赭(ケンシャ)」=くびかせと罪人の着る赤い衣 ・・・という熟語もあり、すべて「ケン」読みだった・・・。

<鉉:ケン、ゲン、つる、とって> *「鉉」:①鼎のみみづる(鼎の耳を貫いて、これを扛げる金具) ②ゆみづる(=弦に通ず)
・つる、とって:鼎鉉(テイゲン)、金鉉、黄鉉
*「鉉」=公に喩える語の意味あり。「鉉台」=「台鉉」=台鼎=三公をいう 「鉉席」=三公の地位 「槐鉉」 など。

<鉈:シャ、タ、ほこ、なた> *シャ(漢・呉音) *“タ”音は化学元素の一、タリウム。
・ほこ:(短いほこ=短矛) 熟語ナシ。*大漢和に説明あるも、「鉇(シ)」や「釶(シ)」の字という説明のみ。
・なた:(邦語)
(参考)漢字源:「シ・ジャ(漢音)、セ・ジャ(呉音)。今はta(タ?)と発音する」との事。
 
<鈿:デン、テン、かんざし、かざ(り)> *テン音の熟語見当たらず。
・かんざし:花鈿=鈿朶(デンダ)=はなかんざし、金鈿(キンデン)、鈿響=かんざしのひびき、鈿針=こがねのかんざし
・かざ(り):鈿窩(デンカ)=着物に貼りつけるかざり、鈿胯(デンコ)=帯につけるかざり
螺鈿・鈿螺=青貝の細工、鈿車(デンシャ)=鮑や貝・螺貝なD、螺鈿をはめこんで飾った車
(大漢和)「鈿」:①かねかざり ②貝細工、青貝細工 ③かんざし

<銕:テツ、くろがね> *「鐵」の古字。 (略)

<銜:カン、ガン、くつわ、ふく(む)、くわ(える)、くらい>
・くつわ:馬銜(バカン・はみ)、銜勒(カンロク・ガンロク)・・・以下省略・・・
・ふく(む)、くわ(える):銜枚(カンバイ)・・・以下省略・・・
・くらい:官銜(カンカン=漢検2読みナシ。大字源読み。)=官吏の官職の肩書。頭銜、銜掲(ガンケイ)=官位を上に書いた紙片。銜欠(ガンケツ)=原任の官職と現在の欠分(地位・官職)
*「くらい」:位、待遇の意、官位のこと。後世、官職にある者に与える官で名だけで職のない優遇官の由。

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熟語の読み・一字訓読(その285) 鈞 釿 鈔 鈕 鉅

2016年08月20日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その285)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<鈞:キン、ひと(しい)、はか(る)、ろくろ>
・ひと(しい):(=均)鈞諧(キンカイ)=ひとしくととのう、鈞等=ひとしいこと、鈞調=ととのうこと、鈞適=ひとしいこと=鈞敵
・はか(る):鈞衡(キンコウ)=①人材をはかりえらぶ ②政治の公平を保つ(宰相の称)  ③彼此差別のないこと(=平均)
・ろくろ:鈞陶(キントウ)=ろくろで陶器をつくる、「洪鈞(コウキン)・大鈞(タイキン)=①ろくろ ②転じて、造物主や天を表す」(漢検2)
*大鈞=天(万物造化の神) *鈞天=①九天の一。天の中央。 *鈞命=貴命・ご尊命 *鈞覧・・・(➪尊敬の意を表す接頭語)
*(「鈞」=まつりごとの意)国鈞=国の鈞を秉る(秉鈞)

<釿:キン、ギン、おの、ておの、き(る)、た(つ)>
*大字源:キン(漢・呉音)・ギン(呉音) *ギ音の熟語見当たらず。
*漢字源:キン・ギン(漢音)・コン・ゴン(呉音) *熟語掲載ナシ
・おの、ておの:釿鋸(キンキョ)=ておのとのこぎり(大漢和)、手斧(ちょうな)とのこぎり(大字源)
・き(る)、た(つ):熟語見当たらず(大漢和・字通・大字源・漢字源)
*「釿鍔(キンガク)」=器物の彫物の凹凸線。 *「“釿”は、器物のへりの意。「凹」部分を“釿”、「凸」部分=“鍔” という。あるいは、「沂」に作る。」(大漢和)
(注)大字源:「釿鍔(ギンガク)」=器物の表面の凸凹模様。釿(ギン)=くぼんだ所。鍔=盛り上がった所。 *「沂“鄂”(ギンガク)」あり、「沂」=「釿」とも・・・。
*大漢和にも「ギン、キン、ゴン」音あり。本熟語も「ギンガク」でも可かもしれない。

<鈔:ショウ、ソウ、かす(める)、うつ(す)、うつ(し)、さつ> *ショウ(呉音)ソウ(漢音) *ソウ音の熟語見当たらず。
・かす(める):鈔略=鈔掠=抄略=かすめとる、鈔邏(ショウラ)=かすめとる、鈔撃(ショウゲキ)=かすめとる、鈔劫(ショウキョウ)=かすめとる、鈔盗(ショウトウ)=かすめぬすむ、鈔奪(ショウダツ)=かすめうばう
・うつ(す)、うつ(し):鈔写=うつしとる、鈔本(*)、鈔校=うつしただす、鈔録=①うつし記す、謄写する ②ぬきがきする、抄録。 
・さつ:(=紙幣のこと)鈔印=紙幣に押す印、鈔引=さつ、紙幣。
*「鈔」に“ぬきがき”(=抜録)する意あり。「うつす」意とは別羲のようであるが・・・。漢検2では“うつす”意のところに「鈔本」とあるが、「鈔本」=「①ぬきがきする ②紙幣を発行する準備金」(大漢和)となっている。
 同様に、“ぬきがき”する意の熟語として、
「鈔録」②(前記)、「鈔纂」=ぬきがきしてあつめる、鈔綴(ショウテイ)=ぬき出しつづる、鈔謄=ぬき写しする  等がある・・・厳密に区別しなければ、これらの熟語も“うつ(す)、うつ(し)”に対応する熟語として理解しておいても良いかも知れない。

<鈕:ジュウ、チュウ、つまみ、とって、ボタン> *ジュウ(漢音)熟語ナシ *チュウ(慣用音)
・つまみ:印鈕、玉鈕、璽鈕、瑞鈕、亀鈕、鉗鈕、鎖鈕・・・後記(参考)参照。
・とって:環鈕=鐶鈕=把手、とって、引き手 *金をもってするのが「“鐶”鈕」、玉をもてするのが「“環”鈕」。
・ボタン:鈕釦=鈕子=ボタン、鈕鉤=ボタン、こはぜ。鈕口=鈕孔=ボタン穴
(参考)<古代史>カテゴリーの記事より一部抜萃・・・
・「鈕」にはいろいろな種類があることがわかった。字通によれば・・・
「印鼻」という。古くは「紐(ひも)」の字を用い、のち、「鈕」を用いた。 (*糸・絹の時代から金属の時代への移行の反映だろうな。) 飾りによって、「亀鈕」「蟠蛇鈕(バンダチュウ)」「螭虎鈕(チコチュウ)」のように云う。諸蕃には「蟠蛇鈕」の類を与えた ・・・との事。

<鉅:キョ、おお(きい)、おお(い)、とうと(い)>
*漢検2「とうと(い)」訓ナシ。ただし、意味②「大きい、おおい、とうとい」の中に記載あり。意味①は「はがね、鋼鉄」
・おお(きい):(=巨)鉅偉=すぐれて大きいこと。 鉅魚、鉅過=大きな誤ち、鉅石、鉅大、鉅衍=おおきく広い・・・
・おお(い):鉅億=きわめて多いこと、鉅費=巨費、多くの入費、鉅萬=甚だ多い、鉅狡=きわめて悪がしこいこと
・とうと(い):(「鉅」=尊者の通称)鉅公=①天子の称。巨公。②大人物 鉅卿=大兄、鉅儒=大学者=碩学大儒、鉅人=高貴の人、鉅人長徳=大徳の偉人
*「鉅」に“はがね、鋼鉄”の意あり(漢検2でも意味①に記載あり)
「鉅鉄」(大字源)が該当しそう・・・「はがね、丈夫な鉄」(漢字源)

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熟語の読み・一字訓読(その284) 醢 醯 醵 醺 釉 

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・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その284)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<醢:カイ、ひしお、ししびしお、しおから> 
・ひしお:醢漿(カイショウ)=ししびしおとひしお、醢豚(カイトン)=豚のひしお
・ししびしお:(骨を除いた肉の漬け物):醢漿、醢豚、覆醢(*)
・しおから:醢醯(カイケイ)=しおから *「醯」は“酢(す)”のこと。
*覆醢(フクカイ):「醢を覆う」=衛人が子路を醢にしたことを聞いて、孔子が家にある醢
を食うに忍びなく、これを棄てたという故事。
<醢汁(しょっつる)>(漢検2)
*魚醢(ギョカイ)、脯醢(ホカイ)、烹醢(ホウカイ)・・・大字源掲載熟語。

<醯:ケイ、す、すづけ、しおから> 
・す、すづけ:醯醢(ケイカイ)=すづけとしおから(大漢和)、「しおから。汁の多いししびしお」(大字源)、醯醬(ケイショウ)=「す」(大字源)、「すづけのしおから、また、す(酢)と味噌」(大漢和)、*大字源掲載熟語=「塩醯」「食醯」➪「す」のことと思われる。
・しおから:醯漿(ケイショウ)=「しおから、ししびしお」(大字源)、「しおから」(大漢和)
*「醯鶏(ケイケイ)」=虫の名。酒壺にわく小虫。
*「醯酸(ケイサン)は蚋(ゼイ)を慕わず」=酢は蚋を慕わないが、蚋がその味を好んで自然に集まってくる意。
*「醯(ケイ)、酸(す)くして蚋聚まる」 =醯は酸いので、蚋がその味を慕って集まってくる意。醯は一種の酢(す)。有徳者は自然、人にに慕われるに喩う。

<醵:キョ、あつ(める)、つの(る)> *漢検2:キョ音のみ掲載。訓ナシ・・・意味には記載あり。 
・あつ(める):醵出(=拠出)=金銭を出しあう。醵銭、醵資=衆人から金をあつめる(大漢和)
・つの(る):醵金(=拠金)=金銭をつのる *「もと、金銭をあつめる意。後、広く金銭をつのる意に。」(大漢和)

<醺:クン、よ(う)、ほろよ(い)> *漢検2「ほろよ(い)」訓ナシ。意味には掲載あり。
・よ(う)、ほろよ(い):醺然=酔ったさま、醺酣=よう、醺醺(クンクン)=酔って喜ぶさま。小醺、微醺、余醺

<釉:ユウ、うわぐすり、つや、ひかり>・うわぐすり:釉薬、釉灰
・つや、ひかり:(漆器の光、光沢のこと) 大漢和・字通・大字源・漢字源とも熟語見当たらず。

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熟語の読み・一字訓読(その283) 酣 酥 酳 酲 醋 醂

2016年08月20日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
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●熟語の読み・一字訓読(その283)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<酣:カン、たの(しむ)、たけなわ> 
・たの(しむ):酣興(カンキョウ)=心ゆくまで楽しむ、酣豢(カンカン)=酒食の楽しみ、酣楽=十分たのしむ。酣宴、酣歌、酣酔=酒を飲み気持ちよく酔うこと、また、すっかり酒に酔うこと。酒酣酣賞=心ゆくまで楽しむ ←漢検2では「たけなわ」の項での熟語となっている。
たけなわ:酣春=春たけなわ、酣飲=さかんに酒を飲む=酣觴、酣讌=さかんな宴、酣酔=大酔、酣戦=思う存分に戦う、酣眠=熟睡する、酣酣(カンカン)=たけなわ

<酥:ソ、ちちしる> 
・ちちしる:酥酪(ソラク)=ちちしる(牛や羊の乳でつくった飲料)。酥油、酥乳=酥汁=酥湯、牛酥、凝酥、酥灯・・・
*「酥胸(ソキョウ)」=白く滑らかな胸(大字源)

<酳:イン、すす(ぐ)、すす(める)、すす(る)、あま(り)>
・すす(ぐ):酌酳=酒で口をすすぐ(儀礼の際、食後に酒で口をすすぐことをいう)
・すす(める):酳醋(インサク)・酳酢(インサク)=尸(かたしろ)に酒をすすめ、また、尸が主人夫婦に酒をすすめる。酳尸(インシ)=尸(かたしろ)に酒をすすめる。酳酬(インシュウ)=酒を献酬する
・すす(る):酌酳=「わすかに少し飲む(すする)」(大漢和)という意味もあり
・あま(り):(熟語見当たらず)

<酲:テイ、よ(う)、あ(きる)、わるよ(い)> 
・よ(う):酲酔=よう、酲魂(テイコン)=酔い心地、酲夢=酔夢、解酲=酲解=酔いざめ
・あ(きる):酲酔=酒に酔い心が歓楽に飽き足る(大漢和) 「心、酲酔・・・」(西京賦:酲、“飽”也)
・わるよ(い):酲困=悪酔い=酲煩。宿酲
*「酲湎(テイメン)」=酒の疾。*「酲」に、もともとこういう意味(酒のやまい)あり。

<醋:サク、ソ、す> *サク(慣用音)ソ(漢・呉音) *「酢(サク、す、す(い))」の別字。 
・す:酢酒(ソシュ)=酢(す)、酢甕(ソオウ)=酢がめ、酢蛤(ソコウ)=蛤の剥き身を酢に浸したもの、また、その蛤。=酢蛤 酢芹(ソキン)=せりやき、酢浸し芹。
・その他①:酬醋=酬酢(シュウサク) *「醋・酢」に、「客が主人に杯を返す」「むくいる」意あり。(対:「酬」)
・その他②:醋酸(サクサン)=無色酸性液=酢酸、醋漿(ソショウ)=ほおずき、*酢漿(草)=かたばみ 漢検2<酸漿草(かたばみ)>、醋大(ソダイ)=措大=士人、大事を挙措する者、醋龞(サクベツ)=貝の名、醋母(サクボ)=醋酸菌
・その他③(大字源によれば「俗語」の由。大漢和・字通にはナシ):醋缶(ソカン)=嫉妬する、醋意(ソイ)=やきもち、悋気、嫉妬。醋興=嫉妬する、醋性=嫉妬心、醋文=むずかしい文語 *「醋興」「醋性」「醋文」には読みフリなし。

<醂:リン、さわ(す)、あわ(す)、さわしがき、たるがき>
*リン(慣用音)*現行音にないが、本来は「ラン」(漢・呉音)・・・漢字源・大字源・・・
・さわ(す)、あわ(す):醂柿(リンシ)
・さわしがき、たるがき:醂柿(さわしがき:漢検2)、醂柿(リンシ)=さわしがき、たるがき。酒を垂らして渋を去った、たる柿。「醂(さわ)し柿」とも書く(大字源)。
*「味醂(ミリン)」(邦語) 

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熟語の読み・一字訓読(その282) 遒 遉 逾 遽 邀 邃 

2016年08月19日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その282)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<遒(逎):シュウ、せま(る)、つよ(い)、ちからづよ(い)>
・せま(る):(迫急の意。せまる、近づく、つきる、終末に近づく 等)遒尽=つきる、なくなる
・つよ(い):遒豪=強くすぐれる、遒健=強い、強健。遒美=つよく美しい
・ちからづよ(い):遒逸=文勢の力強くすぐれたおもむき=遒勁、遒文、遒麗、遒利=力強く鋭い

<遉:テイ、うかが(う)、さぐ(る)、さすが、さすが(に)>
・うかが(う)、さぐ(る):遉邏(テイラ) *「偵」に通ず。
・さすが、さすが(に):(邦語)

<逾:ユ、こ(える)、こ(す)、いよいよ>
・こ(える)、こ(す):逾越、逾日、逾年、「日月逾邁」 
・いよいよ:逾甚(ユジン)=ひどい、いよいよ甚だしい、逾労=ますます疲れる(字通)ますます労する(大漢和)、逾逸(ユイツ)=いよいよ安逸にする(大漢和)

<遽:キョ、にわ(か)、すみ(やか)、あわただ(しい)、あわ(てる)、おそ(れる)、せま(る)>
・にわ(か):遽然=急に、にわかに=突然、、遽爾(キョジ)=不意に。忽遽(コツキョ)、卒遽
・すみ(やか):遽亟(キョキョク)=すみやか、にわかではやい(大漢和)、急遽、遽疾=すみやか
・あわただ(しい):惶遽、遽叱(キョシツ)=あわただしく叱りつけてせきたてる、
・あわ(てる):遽色=あわてた顔色、遽惶
・おそ(れる):遽惶=あわておそれる、おそれるさま(大漢和)、遽遽=遽然=②おそれおののくさま
・せま(る):遽急=さしせまる、遽疾=さしせまる(大字源)
*「遽然」:にわかなさま。*一説に、(大字源)「①驚喜するさま また、②懼れおののくさま」という意味もある由。

<邀:ヨウ、むか(える)、もと(める)>
・むか(える):邀撃=むかえうつ、邀遏=むかえとどめる、邀討=むかえうつ、邀飲=招待して一緒に酒を飲む、邀遮=むかえさえぎる、邀聚=むかえ集まる、邀賓=客をむかえる
・もと(める):邀求=もとめる、邀功=功績を求める、邀幸=僥倖、邀名=名声を求める

<邃:スイ、ふか(い)、おくぶか(い)、とお(い)>
・ふか(い)、おくぶか(い):深邃、高邃、静邃幽邃=奥深くかすか、邃室=奥座敷=邃房、邃冥=深く暗い、邃谷=深谷、邃峻=奥深く嶮しい、邃澗=奥深い谷川、邃奥(スイオウ)=深奥、邃宇=奥深い建物
・とお(い):邃古=大昔、邃世=大昔、邃初=遠い昔

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熟語の読み・一字訓読(その281) 逋 迸 逵 遏 遑 

2016年08月19日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その281)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<逋:フ、ホ、に(げる)、のが(れる)、かく(れる)、おいめ>*フ音の熟語ナシ。
・に(げる):逋民、逋逃=にげる、逋播(ホハ)=本国を抜け出て遠く逃亡する *「逋播之臣」=亡命の臣 、逋徒=国から逃げ出した者、逋遷=亡命して他国へうつる
・のが(れる):逋逃、逋走=のがれ走る、逋脱=逋税=税からのがれること。滞納している税。こういうことで“おいめ”のあること。
・かく(れる):逋罪=罪をのがれかくれる、逋竄=のがれかくれる、逋客(ホカク)=世を避けた隠者
・おいめ:(かけめ、おいめ、未納の税のこと)逋欠、逋負(ホフ)=①負債をのがれてつぐなわない、滞納の税。②つぐなうべきして、まだつぐなっていないもの。逋賦、逋米=未納の賦米・未進米、逋流=税を修めない、滞っている租税。逋糧=課税をのがれる
(参考ー既公開記事ー)
①その1「逋逃
・記憶に新しい、27―②の読み問題で出題された「それ逋れ逃げ、その国に帰る」・・・標準解答では「のが(れ)」。
・第1版にも第2版にも、意味①として「のがれる。にげる。かくれる。「逋逃」」とあった・・・この「逋逃」の応用で出しているのかあ・・・てことがわかった(^^)
・しかし、この「逋逃」、各辞典で以下のとおり・・・
 漢字源:「にげる」(とらえられるのをさけてにげる)
 大字源:罪を犯して逃亡すること・逃亡した罪人
 字 通:逃亡、亡命者
 大漢和:刑罰をのがれる、のがれかくれる、また、その人。
・送り仮名が「逋“れ”」なので、さすがに「にげ(れ)」はムリがあるだろうけど、「かく(れ)」は微妙だと思うけど・・・現に、漢検辞典でも上記のとおり、「のがれる・・・かくれる」の後に「逋逃」と載せているんだから(ーー)
・とは云っても、第1版では、実は、音訓は「ホ、フ、のが(れる)」のみ掲載、大見出しでは「逋(のが)れる」となっているので、第1版レベルでは、「のが(れる)」にしないとダメという事なのかもしれない・・・ま、この設問の場合は、「のがれる」が適切だとは思うけど、「かくれる」ではダメな根拠が今いち、よくわからない・・・。
・なお、第2版では、音訓「ホ、フ、に(げる)、のが(れる)、おいめ」と増加している。依然として、「かくれる」は意味の方での記載に止まっている。
②その2「逋欠
・この「逋」を調べていて、第1版にも第2版にも、しらっと「意味② 負債や租税をはらわない。「逋欠」 (←読みは記載なし)」と出ていた。
・この「逋欠」・・・1級受検者ならピンとくると思いますが、読みは「ホケン」 。調べたら、いつもの4辞典ともここは満場一致で「ホケン」でした。・・・「欠伸(ケンシン)」の「欠(ケン)」と同じ読み方ですね・・・ただし、この「欠(ケン)」は、「借り、借りがある(負い目がある)」というような意味での「ケン」です。「逋」の訓読みの「おいめ」に該当しそう・・・。
・なお、「欠(ケン)」読みによる熟語は「逋欠(ホケン)」「欠伸(ケンシン)」以外にも幾つかありますが、それはまたこの次にご案内します。
・ここは、この「逋欠(ホケン)」を覚えておいた方が良いかも・・・今度は、音読み問題で出るかも知れない(^^)
(本記事に追記)(かり、借りがある、税の未納などに関連する)「欠(ケン)」の熟語:欠負(ケンプ)=税をまだ納めない(字通は「ケップ」)、積欠(セキケン)=累積滞納する、欠債(ケンサイ)=税を納めない、欠籍(ケンセキ)=税の未納を記録する帳簿・・・

<迸:ホウ、ヘイ、はし(る)、ほとばし(る)、たばし(る)>*漢検2「たばし(る)」訓ナシ(意味①にはあり)
・はし(る):迸竄(ホウザン)=はしりのがれる、迸走(ホウソウ)=にげ走る
・ほとばし(る)、たばし(る):迸散(ホウサン)=ほとばしり出る、飛び散る。迸出(ホウシュツ・ヘイシュツ(注))=ほとばしり出る、迸瀑(ホウバク)=瀑のようにほとばしる、迸沫(ホウマツ)=水が湧き出る、迸溜(ホウリュウ)=ほとばしるしたたり、迸涕(ホウテイ)=ほとばしるなみだ
(注)漢検2:「迸出(ヘイシュツ)・・・“ホウシュツ”とも読む」と掲載されている。他の漢和辞典はすべて「ホウシュツ」・・・。
*「ヘイ」音の熟語は調べた範囲では見当たらず(大字源では「ヘイ」音で「はしる」意となっているも、熟語なし。「ホウ」音にも「はしる」意あり。)。

<逵:キ、おおじ、おおどおり>
・おおじ、おおどおり:逵路(キロ)、大逵(タイキ)、通逵(ツウキ) 

<遏:アツ、と(める)、とど(める)、た(つ)、さえぎ(る)>
・と(める)、とど(める):遏雲、遏止、遏悪、遏塞、遏糴(アツテキ)=隣国が買い入れる穀物をとどめる=米穀の輸出を止める
・た(つ):遏絶=①たち切る・種族を残らず滅ぼす ②さえぎりとめる、遏截(アツセツ)=とどめたつ・とどめさえぎる、遏劉(アツリュウ)=王者が殺戮を絶ち止めるをいう。
・さえぎ(る):禁遏、防遏、擁遏、抑遏

<遑:コウ、あわただ(しい)、あわ(てる)、いとま、ひま>
・あわただ(しい):遑遽(コウキョ)=ひどくあわてる=惶遽 
・あわ(てる):遑急=あわて急ぐ、遑惑=あわてまどう、遑遑=こころが落ち着かない、うろうろするさま、いそがしいさま =皇皇=惶惶=栖栖(棲棲:セイセイ)
・いとま、ひま:遑安=ひまがあってやすらか、遑暇(コウカ)=ひま、いとま、遑息=休み憩ういとまがある、遑寧(コウネイ)=いとまがあって安んずる

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熟語の読み・一字訓読(その280) 迪 迴 迹 逍 逞 逖 

2016年08月18日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その280)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<迪:テキ、みち、みちび(く)、ふ(む)、すす(む)>
・みち:恵迪=みちに従う・道理に従う「迪(みち)に恵(したが)う」(大漢和)、不迪=みちに従わない、また、その人。
・みちび(く):啓迪、訓迪=おしえみちびく、また、その人。
・ふ(む):迪哲=明哲の道をふむ・明智をふみおこなう、迪知=踏み知る、允迪(インテキ)=まことにふむ 「後人を啓迪し、厥の徳を允迪す」、迪率=ふみしたがう
・すす(む):迪嘗(テキショウ)=すすんで受ける
・その他:由迪(ユウテキ)=ただす、迪簡(テキカン)=えらぶ・えらびだす
*「迪」に、“すすめる、人材を登用する”(大字源)、“すすむ、道をたどってすすむ、官途につく”(漢字源)意あり。

<迴:カイ、めぐ(る)、まわ(る)、さ(ける)>*漢検2「さ(ける)」訓なし(意味②には“さける、回避する”とあり)
・めぐ(る):迴渓=めぐりまわっている谷、迴顧=ふりかえる、迴合=めぐりあう、迴天=天をめぐらす
・まわ(る):迴雪=舞う雪、迴旋=めぐりまわる、迴風=つむじ風
・さ(ける):迴避=避けのがれる=回避、迴遅=ためらう
*大漢和では「“回”、“廻”に同じ、回・廻を見よ」となっていて、「迴」の熟語は掲載されていない。

<迹:セキ、シャク、あと、あとかた、おこな(い)> *漢検2は「あと」訓のみ掲載。 *シャク(呉音) *ジャク(慣用音)・・・大漢和
・あと:行迹、迹察(セキサツ)=迹を尋ねて察する。迹索・・・垂迹(スイジャク)=垂跡(スイジャク)
・あとかた:行迹、足迹、聖迹、旧迹、浪迹(ロウセキ)、
・おこな(い):迹状=行迹のありさま。美迹、善迹・・・
(参考)景迹(キョウジャク)=(広辞苑)①行状。行迹。②心底をいぶかしく思うこと。不審。③事情の経過について推察すること。推測。

<逍:ショウ、さまよ(う)>
・さまよ(う):逍遥  *大漢和も字通も、この熟語のみ。

<逞:テイ、たくま(しい)、たくま(しくする)、こころよ(い)>
・たくま(しい):逞兵=精兵、逞卒=勇卒
・たくま(しくする):逞才=才能を発揮する、逞願=願望をほしいままにする≒逞欲、逞志=我が思うままにする・志をたくましくする=逞意、逞施=きままにする
・こころよ(い):逞快=思うままにこころよくふるまう、心持ちのよいこと。不逞=快しとしない、不平をいだいて反抗する (後記参照)
<参考:「不逞、不定の輩」について・・・既公開記事・・・>
●「逞」・・・「逞(たくま)しい」とか「不逞の徒・不逞の輩」とか・・・
・「テイ、たくま(しい)、たくま(しくする)、こころよ(い)」
・漢検2でも上記音訓読みはすべて載っている。が、意味②の「ほしいままにする」のところに、「不逞」の熟語を載せている。これ、おっかしいんじゃないの???・・・たしかに、「逞」には、(現行訓読みには無い)「ほしいままにする、ほしいまま」という意味・読みがあるんだけど、じゃ、この「不逞」は“ほしいままにしない(=謹直とか?)”の意味なのかあ???そうじゃないでしょ(ーー)
・「不逞」の意味・・・
 大漢和:①わがままにふるまうこと、また、その人 ② 満足せぬこと。逞は“快”。
 字 通:不法の者
 漢字源:①ルールを守らずわがままにふるまうこと ②不満に思い満足しないこと
 大字源:①こころよく思わない ②満足しない ③悪事をする者
・「不腆」の例でもわかるけど、「腆(あつ)い」の反対だから「(“うすい”という意味になる)不腆」・・・でも、「腆」そのものの読みとしては「あつい・・・」だから「あつい」の所に「不腆」となってんでしょ。
・同様に、この「不逞」は現行訓読みに対応させるなら「こころよい」(つまり、「不逞」なら“こころよくない”意)の所か、その他のところで説明すべきなんじゃないかな・・・少なくとも、「不逞」で「わがまま(ほしいまま)」という意味もあるようなので。でも「逞」一字では“堅い、謹直”のような意味はないわけで・・・。
・ちなみに、
 ①「こころよい」に対応すると思われる熟語:逞快(テイカイ)=心持ちの良いこと・思うままにこころよくふるまう、逞願(テイガン)=願望をほしいままにする
 ②「ほしいまま、ほしいままにする」に対応すると思われる熟語:逞志=我が思うままにする、逞意=思うままにふるまう、逞施=きままにする

<逖:テキ、とお(い)、はる(か)>
・とお(い):逖出=遠く行く、とおざかり出る
・はる(か):逖遠=はるかに遠い、逖聴=はるかに(遠く)聞く=逖聞、逖慕=はるかに仰ぎ慕う
・その他:逖逖(テキテキ)=利を求めるさま(字通)、利を欲するさま(大漢和)、利益を欲するさま、又、不安なさま(大字源)、逃げ足の早いさま(漢字源)←漢字源のみ、この解釈!!

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熟語の読み・一字訓読(その279) 輾 轎 轢 辟 辣

2016年08月18日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その279)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<輾:テン、デン、ネン、めぐ(る)、ころ(がる)、ひきうす>*テン(漢・呉音)デン(漢音) *ネン(呉音ー漢字源)
・めぐ(る):輾転=車輪がひとめぐりする、輾顧=回顧
・ころ(がる):輾転(「輾転反側」) *「輾」は半転、「転」は周転。
・ひきうす:水輾、輾房=水車小屋。石輾   *「水輾」「輾房」「石輾」・・・振りナシ(下記参考参照) 
<参考ー既公開記事ー>
「輾」・・・「輾転反側」の「輾」・・・
・「テン、デン、ネン、めぐ(る)、ころ(がる)、ひきうす」・・・漢検2でもすべて掲載されている・・・
・「輾」は半回転(半転) 、「転」は一回転(周転)。(また、男性の寝返り方が「輾」で、女性の寝返り方は「転」と説明しているブログかなんかがあったと記憶している・・・この点は、辞典ではよくわからなかった・・・)
・「ひきうす」は分かりやすい・・・「碾(テン、デン、うす、ひ(く))」に通じている。
・ただ、「ひきうす」の意味のときは、どうも「デン」音の模様・・・どの辞典も明確ではないが、大字源に「デン・・・ひく、ひきうす」と説明があり、「石輾」となっている。読みは振っていないが、説明の並びから「セキデン」と読むのではないか・・・。他に、他の辞典に「水輾」「輾房(=水車小屋)」などがあったけど読みが振ってなかった・・・でも、「スイデン」「デンボウ」と読むのかも知れない・・・・。漢検さんがどう読むかは不明。

<轎:キョウ、かご、やまかご、くるま>
・かご、やまかご、くるま:轎子、轎夫=輿丁=轎丁、轎行=かごに乗っていくこと、轎馬=かごとうま、轎人=轎夫。轎罩(キョウトウ)=轎の雨覆い(乗物のかごにかける覆い=漢字源)=轎衣=轎帷=轎幃、轎車=(俗語)中国北方の箱馬車。かご型の二輪車で騾馬に引かせる。
*かご・やまかご=竹で編んだこし。くるま=小車のこと。
*各訓読みに対応する熟語の区別が未詳。
*他に、(大字源)山轎・大轎・輿轎・便轎・・・

<轢:レキ、ひ(く)、ふみにじ(る)、きし(る)>・ひ(く):轢脚、轢殺轢死、轢腹、轢断
・ふみにじ(る):陵轢、轢蹙(レキシュク)=しのぎおかす、刻轢
・きし(る):軋轢、轢轆(レキロク)=車のきしる音
 
<辟:ヘキ、ヒ、ひら(く)、きみ、め(す)、さ(ける)、かたよ(る)、よこしま> *現行音にないが、呉音で「ビャク」音(=ひらく意)あり。
*漢検2:特に音分けナシ。
・ひら(く):辟国(ヘキコク)、辟啓(ヘキケイ)=ひらける、辟脅(ヘキキョウ)=開くことと収斂すること、辟蔵(ヘキゾウ)=蔵をひらく、辟田(ヘキデン)=開墾した田=闢田(ヘキデン)、辟土(ヘキド)=土をひらく
・きみ:復辟(フクヘキ)、百辟(ヒャクヘキ)、辟公(ヘキコウ)=諸公
・め(す):徴辟(チョウヘキ)、招辟(ショウヘキ)、辟挙(ヘキキョ)、辟書(ヘキショ)=召し出し状
・さ(ける):(=避)(しりごみする意も含む)辟易(ヘキエキ)、辟就(ヒシュウ)、辟世(ヒセイ)=世をさける・かくれる、辟色(ヒショク)=色を避く=主人の顔色が自分をあなどるようであれば、これを避けて去ること。辟忌(ヒキ)=嫌って避ける、いみはばかる。辟席(ヒセキ)、辟人(ヒジン)、辟地(ヒチ)=避地=その地を去る(字通)
・かたよ(る)、よこしま:便辟(ベンペキ・ベンヘキ)、辟邪(ヘキジャ)、辟違(ヘキイ)、辟回(ヘキカイ)・・・
・その他:大辟(タイヘキ) (*漢検2・意味②に“つみ(罪)、刑罰”の意に対応する熟語として掲載。現行訓には対応するものナシ。)
・その他:辟称(ヒショウ)=たとえ。譬喩。
・辟支仏(ビャクシブツ)=(仏)縁覚に同じ。=「・・・声聞(ショウモン)とともに小乗の聖者とされる。独覚。辟支仏(ビャクシブツ)」(広辞苑)

<辣:ラツ、から(い)、きび(しい)、むご(い)、すご(い)>*漢検2「すご(い)」訓なし(意味②にはあり。でも、「辣腕」は掲載あり。)
・から(い):香辣、辣油(ラーユ)
・きび(しい):辛辣、辣手(ラツシュ)=きびしい手段。老辣・・・
・むご(い):悪辣、酷辣、辣実=辛辣な、惨酷な。
・すご(い):辣腕=辣手、臭辣
・その他:辣韮(ラッキョウ)、辣撻(ラツタツ)=日のまさに出ようとするさま。「出光辣撻」、辣辣=ひりひりすること、辣痛=しみること・しみて痛むこと

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熟語の読み・一字訓読(その278) 輓 輜 輟 輦 輹 

2016年08月17日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その278)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<輓:バン、ひ(く)、いた(む)、おそ(い)、ちか(い)>*「いた(む)・ちか(い)」は漢検2訓にはナシ・・・が、・・・。
・ひ(く):輓歌=柩車を引きながらうたう歌、輓喪=ひつぎを輓くこと、輓車=車をひく、輓舟=舟をひく、輓人=車ひき・輓夫。輓推=推輓。輓輦、輓犂(バンレイ)=すきをひくこと
・いた(む):輓詩、輓歌
・おそ(い):輓近=晩近、輓世
・ちか(い):輓近=近年・近時、輓今(バンキン・バンコン)
*漢検2:「輓歌」は「いた(む)」に対応する熟語として掲載。また、「推輓」は“人を引き上げて用いる”意として掲載(意味①の「引く、車や舟をひく」とは別建て)。「輓近」は「おそ(い)」&「ちか(い)」の双方に対応する熟語としている。

<輜:シ、ほろぐるま、にぐるま>
・ほろぐるま、にぐるま:輜車②=ほろぐるま、輜重=(漢検2)①軍隊の荷物 ②旅行者の荷物、また、荷物を運ぶ車。輜駕=軍需品をのせる車=輜車①。輜重車、輜重兵

<輟:テツ、つづ(る)、やめ(る)、とど(める)>
・つづ(る):熟語見当たらず
・やめ(る)、とど(める):輟耕、輟食、輟学、輟業、輟帚、輟舂、輟然=止むさま、輟朝=天子が朝廷に来て政務をみることをやめる、輟絶=とどまり絶える、作輟(以下参考記事参照)

<参考:既掲載記事>
「輟」・・・冒頭格言(?)の「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」の「輟」・・・
・「テツ、つづ(る)、やめ(る)、とど(める)」・・・漢検漢字辞典第2版にもすべて音訓で掲載されている・・・
・漢検辞典では、「輟耕」「輟食」の2熟語が掲載されている。いずれも「やめ(る)」「とど(める)」意の熟語。
・「作輟」も「やめる、とどめる」意の熟語ですが、なんと、念のため調べたら、大漢和にしか、掲載されていなかった。
・「つづ(る)」の熟語はいろいろ探したけど見つからなかった・・・どうも2字以上の熟語はない模様。(文章中に使われている「つづる」という意味での「輟」は一字で使われている)
・さて、この「輟」・・・大字源によれば、「少し欠けて繕った車」という意味だそうで、「車をつくろう、直す」「つづる」(字通)ということを表している由。「綴」に通じている由・・・なるほど、と思ったけど、熟語が無いんじゃ、仕方なし(^^;)

<輦:レン、てぐるま、みくるま、こし> *漢検2「みくるま」訓ナシ(意味①の中に記載あり)
・てぐるま、みくるま、こし:輦轂(レンコク)=てぐるまのこし、輦台=蓮台。輦道、鳳輦、輦輿、輦前=てぐるまの前・天子の御車の前、玉輦、輦者=てぐるまをひく人。輦路、輦輅
*「てぐるま」=人がひく車、天子のてぐるま(秦代に始まる) *「こし」=こし、たごし、手でかつぐ輿

<輹:フク、とこしばり、よこがみしばり> *漢検2「よこがみしばり」訓ナシ。
・とこしばり:(ぢくしばり=軸しばり)・・・熟語なし(大漢和には、「輹」の長文の説明あるも熟語なし。説明略。)
・よこがみしばり:熟語なし。意味の説明もなし。

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熟語の読み・一字訓読(その277) 軫 軾 輊 輅 輒 

2016年08月17日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その277)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<軫:シン、いた(む)、うれ(える)>*漢検2では「うれ(える)」は意味欄の方でのみ掲載。
・いた(む)、うれ(える):軫念=天子のみこころ、天子のみこころをいためたまうこと、軫懐=うれえる、心配する、痛み思う、軫憂=いたみうれえる(漢字源:きめ細かく心配する)、軫恤(シンジュツ)=いたみあわれむ、あわれみめぐむ、軫慟=痛哭=かなしみいたむ、軫惜(シンセキ)=(天子が)いたみおしむ、軫悼=うれえいたむ、天子がなげきいたむ=宸悼
・その他:車軫、琴軫、軫宿・軫星(28宿の一。みつかけぼし。)
*参考:既出の記事
「③「軫」・・・天子の軫念(シンネン):天子が心を痛めること・天子の心(漢検)・・・
・「シン、いた(む)、うれ(える)」・・・漢検2では「うれ(える)」は意味欄の方でのみ掲載。
 ・漢検辞典では意味③の「いたむ、うれえる」で「軫念」「軫懐」の2熟語掲載。意味①車の横木、転じて車。意味②ことじ。琴の弦を支えるこま。 (相変わらず、意味の順番と熟語掲載がアンバランス(ーー))
 ・漢検2の意味①&②の内容は各辞典とも似たり寄ったりだが、漢字源がすこし詳しい・・・漢字源によれば、「①よこぎ(車の後部にあるよこ木。また、車台を組み立てるこまかい材木)②琴の弦を巻いて調節する軸木・・・きめこまかい木で作ったよこぎや柱・・・」。
 ・この説明に沿うように、漢字源では、
 「軫念」=天子が“きめこまかく”心配すること
 「軫懐」=心に“深く”心配する 「軫憂」=きめこまかく心配する
 という感じで、“こまかく”とか“深く”とか、非常に正確?に意味の説明をしてくれている。他の辞典や漢検では、あっさり「いたむ、心配している」とか「うれえる」とかで、ここまでの緻密な説明にはなっていない・・・。・・・漢字源もなかなかヤルな・・・私の中ではちょっと評価が上がりつつある。
・ついでに、意味①の「車のよこ木・車」に対応する熟語・・・「車軫」、意味②の「ことじ(琴柱)・・・」に対応する熟語・・・「琴軫」・・・なんてのがありました👍 」

<軾:ショク、しきみ、よこぎ>*漢検2「よこぎ」訓ナシ。
・しきみ、よこぎ:拠軾(キョショク)=軾に拠る、軾蛙(ショクア)=「怒蛙(ドア)に軾す」、軾閭(ショクリョ)=賢者のいる門に敬意を表す。伏軾(フクショク)=軾に伏す=車の横木によりかかる=車上で敬意を表す=憑軾(ヒョウショク)=軾に憑(よ)る

<輊(チ、ひく(い)、おも・い)>*漢検2「ひく(い)」訓ナシ・・・意味・熟語(「軒輊」)はあり。
・ひく(い)、おも(い):軒輊=車の前の高低、上がり下がり
*参考:既出の記事
「・「軒輊(ケンチ)」で有名な「輊」・・・よく「輊(ひく)い」の音訓読みで出題されていたと記憶している。
 ・「輊」は、大字源によれば、「前部が重く低く下がっている車」という意味。「軒輊」=車の前の高低・上がり下がり。
  (「大車の両ながえ(轅)のおわり・・・」と説明している辞典もある)
 ・第1版では「チ」音のみで、訓読みは掲載されていなかったけど、第2版では「チ、おも(い)」が掲載されていて、“意味①”に「ひく・い」が   載って、熟語も「軒輊」と載っている。
 ・「軒輊」の「輊」・・・「輊(ひく)い」と答えるのか、「輊(おも)い」と答えるのか・・・どうも曖昧だな(ーー)どちらでもOKのような気は  するが、この辺、漢検さんや採点者の裁量に任せておくのは危険なような気がする・・・(ーー)
  (注)漢検辞典でも「輊:車の前が重くて下がっているさま」とは記載されている。 」

<輅:ロ、くるま、みくるま>*漢検2熟語掲載ナシ。 *“ロ”は漢音。現行音にないが、呉音で“ル”(漢字源)、他に、カク・ラク音(大字源)などあり。
・くるま:輅木(ロボク)=飾りのない車、輅輓(ロバン)=人の力で引く小車
・みくるま:輅鑾(ロラン)、輅馬(ロバ)=大きな馬・天子の乗馬・路馬。輅車の馬(大字源)。鸞輅(ランロ)、輅車(ロシャ)=大きい車・天子の乗車(君主の車)。輦輅(レンロ)
(参考)以下は無視してよいと思います(念の為、記録のため記しておくだけですので・・・。)
「ラク」音:①ながえ(轅)・しばり=轅にしばりつけた横木(大字源)・・・彫輅(チョウラク)(大字源)、輓輅(バンラク)=車引き(「輓」は車をひくっこと、「輅」は人のひく小車・・・大漢和・・・)
「カク」音:人力で引く小車をいう、牛馬などの引く引き車。輓輅(大字源)。・・・輓輅(バンカク)=車前を遮る、横木をひく(大漢和) 車をひく(字通)
 *「輓輅」について、字通・大漢和・大字源で読み、意味が異なっている!!

<輒(チョウ、すなわ・ち、たちま・ち)>・・・27-②文章題の読みで出題された「輒(すなわ)ち」・・・> 
 *許容字体=輙:チョウ、すなわ(ち)、たちま(ち) 
・すなわ(ち):輒死、輒殺、輒事
・たちま(ち):輒時(「輒時として・・・」)、輒尽=直ちに用いつくす、輒然(下記参考参照)
*「輒悔」=已に約したことを悔いて、之を変ずること(大漢和)・・・“たやすく、無造作に”の意か?

(参考)・・・公開済み記事の再録・・・
・漢検2でも「チョウ、すなわ・ち」しか、音訓読みでは載っていない。「たちま・ち」の読みも知っていた人は今回迷ったかも・・・。
・大見出しで「輒(すなわ)ち:①そのたびごとに。いつも。②たやすく。すぐに。」と載っている・・・ので、文意からしたら、やはり「すなわち」の方なんでしょう・・・。
・また、大見出しの熟語として「輒然(チョウゼン)」が掲載されていて、「①直立して身動きしないさま ②にわかなさま。突然。 類:忽然 」。
・この「輒然」の②の方の意味が「たちま(ち)」に該当しそうです。 類義語で、「忽然、突然=輒然」なんてのに注意が必要かも(^^;)
・ところで、この「輒然」、
 *大字源・字通では、意味①の方しか説明なし。(ちなみに、この意味①の熟語は、有名な荘子の「輒然として我が四肢形体有るを忘るるなり」が、ほとんどの辞書の出典となっている。問題集なんかにもよく出ている文章ですね。)
 *大漢和には(さすが)、意味①と②の両方の説明がありました。
 *漢字源が面白くて・・・
  意味 ①べたべたとくっついている ②密着して一体となったさま ③すぐ、とつぜん。・・・だって。
・・・これだけじゃ理解に苦しむと思いますが、漢字源は親切に「「輒」は、車の両脇に取り付けた耳たぶのような形のもたれ木」と説明あり・・・これだと、なんとなく、意味①や②は理解できますねえ(^^)
・車ヘンの字は、このように、本来、車のどこの構造のことなのかを理解するとわかりやすいものが多い・・・「輒」以外にも、また、追々、お知らせしたいと思います。面白いですよ👍(^^)👍
 <その他、ご参考まで>
・「すなわち(そのたびごとに、たやすく、無造作に などの意味)」に該当すると思われる熟語:輒死、輒殺、輒事、輒悔・・・
・「たちまち(にわか、すぐさま、即座に などの意味)」に該当すると思われる熟語:輒尽=ただちに用いつくす、輒時=すぐさま、たちまち

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熟語の読み・一字訓読(その276) 躄 躋 躱 軋 軛

2016年05月31日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その276)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<躄:ヘキ、いざ(る)>
・いざ(る):躄行=躄歩=いざって行く、躄躄(ヘキヘキ)=ゆっくり移動するさま、躄疾=あしなえ、跛躄、蹇躄、躄踊(ヘキヨウ)=親の喪に胸をたたいたり飛び上がったりして悲しむこと
*「悶絶躄地(モンゼツビャクジ)」(漢検四字熟語辞典)・・・現行音にないが“ビャク”音読み。*大漢和と漢字源には「ヒャク」音記載あり。ただし、熟語としての「躄地」はナシ・・・“躃地(ビャクチ)”とある。もともとは「躃」の字なのか・・・1級対象外漢字。なお、大字源には「悶絶躃地(モンゼツビャクジ)」とあった。
<躋:セイ、サイ、のぼ(る)、のぼ(らせる)>*“サイ”音熟語見当たらず。
・のぼ(る)、のぼ(らせる):躋升(セイショウ)=躋陞(セイショウ)、躋躓(セイチ)=昇降、躋陟(セイチョク)=のぼる、躋堂、躋陵=登攀する、躋攀(セイハン)=よじのぼる=攀躋(ハンセイ)
<躱:タ、かわ(す)、さ(ける)>
・かわ(す):躱避(タヒ)=身をかわして避けかくれる、責任を回避する、躱閃(*)=①にげかくれる、責任を回避する ②からだをかわして逃げる *大漢和「タンセン」(誤植か?)大字源・字通「タセン」、躱身(タシン)=身をかわす、姿をかくす、躱蔵(タゾウ)=逃げ隠れる
・さ(ける):躱学=学業をさける=なまけて休む、躱開=よける、さける、躱難=危難をさける、躱熱=避暑する、
*躱懶(タラン)=怠る、なまける、不精。
<軋:アツ、きし(る)、きし(む)、くわ(しい)、こま(かい)>*漢検2「こま(かい)」訓ナシ。
・きし(る)、きし(む):軋轢=①車のきしること ②紛争・反目、軋摩=磨軋=きしりこする、軋鴉(アツア)=船の櫓のきしる音 、軋軋(*)
・くわ(しい):軋辞=委曲の辞、くわしく言った言葉。
・こま(かい):軋沕(アツブツ)=こまかいさま (*「沕」は対象外漢字。)
*「軋軋(アツアツ)」=(大漢和)①物のあつまり生じるさま ②車の音。轆轆。③機を織る音 ④船の櫓をこぐ音 ⑤進みにくいさま (字通)車のきしる音、物の群生する様子。
・その他:軋忽(アツコツ)=(物のさま)長く遠いさま、軋吃(アツキツ)=(どもる、どもりの意)どもる、軋死=車で轢き殺す、車にひかれ死ぬ、轢死、軋傷=車でひかれ負傷する、車で轢いて傷つける、その傷。
<軛:アク、ヤク、くびき>*アク(漢音)・・・熟語ナシ。*ヤク(呉音)
・くびき:軛脚(ヤクキャク)=くびきの両端、軛衡(ヤクコウ)=くびきと横木、懸軛、車軛、推軛、両軛・・・羈軛

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熟語の読み・一字訓読(その275) 蹶 蹲 蹼 躁 躅 

2016年05月30日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その275)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<蹶:ケツ、ケイ、つまず(く)、おき(る)、た(つ)、たお(れる)、すみ(やか)>*ケツ・ケイとも漢音 *漢検2「おき(る)」訓ナシ。
・つまず(く):蹶失(ケツシツ)、顚蹶(テンケツ)、蹶躓(ケツチ)=つまずく、つまずきたおれる、蹶顚(ケツテン)=つまずきころぶ、蹶倒=つまずきたおれる
・おき(る)、た(つ):蹶然=驚いて飛び立つさま、奮い立つさま *大字源は「ケツゼン・ケイゼン」両読み。蹶起(ケッキ)=奮起、蹶跳(ケッチョウ)=はねあがる
・たお(れる):僵蹶(キョウケツ)
・すみ(やか):蹶蹶(ケイケイ)=動作が敏捷なさま、また、驚くさま(大漢和)*大字源は「ケイケイ・ケツケツ」両読み。「楽しみを好むも荒むことなく、良士、蹶蹶たり」(詩経)
・その他:蹶角(ケッカク)=額の先で地をたたく=“厥角”稽首(*漢検四字熟語辞典)
*漢検2にも「意味③はねおきる、とびたつ」あり。
*「ケイ」音の場合、「あわてる、あわてていく、はしる、うごく、うごかす」意のときの読み方のようである。
<蹲:ソン、シュン、うずくま(る)、つくば(う)、つくば(い)>*ソン(漢音)シュン(漢・呉音)
・うずくま(る):蹲踞蹲倨、蹲坐、蹲夷(ソンイ)・夷蹲(イソン)=うずくまる
・つくば(う)、つくば(い):邦語。<蹲踞(つくばい)>、「蹲(つくばい)」
*蹲蹲(シュンシュン)=(大字源・大漢和)*士が舞うさま、物のさま ①舞うさま、舞い踊る ②行くに節あるさま(大漢和)・礼儀正しく歩くさま(大字源)
*蹲蹲(ソンソン)=(字通)立って舞うさま(漢字源)①とんとんと片足に重みをかけて舞い踊るさま ②節度あるさま  *字通・漢字源には“シュン”音ナシ。  「坎坎として我に鼓し、蹲蹲として我に舞う」(詩経・小雅)*坎坎(カンカン)=鼓を撃つ音、木を伐る音(字通)
蹲循(シュンジュン)=①すなおにしたがう、進まないさま、後じさりするさま =逡巡 ②ゆるやかなさま
・その他:「蹲鴟(ソンシ)を羊となす」=「蹲鴟を悪鳥となす」=無学な。を謗る喩え。*蹲鴟は芋(やつがしらとか大芋とか)のこと。
<蹼:ホク、ボク、みずかき>*ホク(漢・呉音)ボク(慣用音)
・みずかき:熟語見当たらず
<躁:ソウ、さわ(ぐ)、さわが(しい)、うご(く)、あわただ(しい)、あらあら(しい)>*漢検2「あらあら(しい)」訓ナシ(意味はあり)。
・さわ(ぐ)、さわが(しい):躁狂=さわぎ狂う、躁病、躁鬱病、躁躁=さわがしいこと、躁恣=さわがしくほしいまま、躁勁=さわがしくつよい、躁気
・うご(く):躁動=さわがしく動き回る
・あわただ(しい):躁急=こころせわしく急ぐ、きみじか、せっかり、躁求=あわただしく求める、躁蹙=あわてせまる、躁心=心のせわしいこと、いらいらする心
・あらあら(しい):躁虐=心いらだって荒々しい、手荒くむごい、躁怒=あらあらしく怒る、躁暴=いらだってあらあらしいこと
<躅:チョク、ふ(む)> *現行音に“タク”音なし・・・ただし、以下のとおり、タク音での熟語あり。
・ふ(む):躑躅(テキチョク)=行きなやむ、たちもとおる、躅足(チョクソク)=足で地をふむ・あしずりする、あしずり(字通)、跼躅、遐躅
*躅(タク音)に、“あしあと、事跡、てがかり”などの意あり。
*躅路(タクロ)=行いのあと *字通は「チョクロ」=みち *芳躅(ホウタク・ホウチョク)=良い行跡、古人または他人の事績の尊敬語。(広辞苑) *遺躅 *鸞躅 

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熟語の読み・一字訓読(その274) 蹈 蹤 蹠 蹻  

2016年05月29日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その274)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<蹈:トウ、ドウ、ふ(む)、あしぶみ(する)>*トウ(漢音)ドウ(呉音)*漢検2「あしぶみ(する)」訓ナシ。
・ふ(む):蹈義、蹈節、蹈襲=踏襲、蹈常襲故・・・
・あしぶみ(する):(“こおどりする”意も含む)蹈舞=足をふみならしてよろこび舞う、蹈躍=足踏みして喜ぶさま、発揚蹈、・・・蹈歌、・・・
踟蹈(チトウ)=ためらう、躊蹈(チョトウ)=ためらう
<蹤:ショウ、したが(う)、あと、あしあと>
・したが(う):(=“従”に通ず)追蹤
・あと、あしあと:先蹤、蹤跡
<蹠:セキ、あしのうら、ふ(む)>*「跖」の別体字*
・あしのうら:蹠骨、対蹠(タイセキ)、遠蹠=蹠(セキ)を遠くす=あしを遠くする=間の広いこと、鶏蹠=鶏の足のうら
・ふ(む):蹠実=蹠地=地をふむ、確実に地をふむ(字通)=跖地
・その他:蹠蹻(セキキョウ)=跖蹻=大盗の名(盗蹠と荘蹻)・・・蹻蹠・蹻跖(キョウセキ)ともいう。
・その他不明:千蹠、仙蹠、食蹠・・・字通に記載あるも意味不明(調査不足)
<蹻:キョウ、キャク、キョク、あ(げる)、おご(る)、かんじき>
・あ(げる):蹻足(キョウソク)=足をあげる、蹻容(キョウヨウ)=舞うさま、舞容(字通)、
・おご(る):蹻蹻(キャクキャク)=小人が志を得ておごるさま(大漢和)、おごり高ぶる(字通)「小人、蹻蹻(キャクキャク)・・・」
・かんじき:(“檋(かんじき、キャク、キョウ)”に通ず)・・・熟語見当たらず・・・
・その他①:蹻蹻(キョウキョウ)=①強いさま ②さかんなさま (大字源:①おごりたかぶるさま ②元気の盛んなさま ③勇武なさま)、蹻捷(キョウショウ)=足が速い、身軽ですばやい、蹻勇(キョウユウ)=すばやくて勇ましい、蹻騰(キョウトウ)=勢いよく走る、飛び上がる(字通)、蹻疾(キョウシツ)=敏捷(字通)、蹻然:大字源「キャクゼン」=しっかりと定着しないさま、大漢和「キョクゼン」=すみやかで堅固でないさま
・その他②:(ぞうり、わらぐつの意)躡蹻=わらぐつをはく(大字源「ジョウキャク」)、履蹻(リキャク?)(大字源)
・その他③:(そり、そりぐるまの意)蹻車=そり、そりぐるま(蹻は「橇」(大漢和))*大漢和「キャクシャ」字通「キョウシャ」、乗蹻(ジョウキャク?ジョウキョウ?)
(注1)その他②とその他③の熟語は、“ぞうり、わらぐつ”、“そり”の意のところの熟語となっていて、“かんじき”に対応する熟語ではない模様・・・。“かんじき”とは別項での説明となっている(大漢和・字通とも)
(注2)大字源では、音による意味分けは次のとおり。
①「キョウ、キャク」:あげる、いく ②「キョウ」:いさましい ③「キャク」:ぞうり、わらぐつ

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