私の思いも背負って、ここまで戦ってきてくれました。中学から新潟県糸魚川市に相撲留学。元横綱輪島さんをはじめ、相撲どころの石川県を離れることで、多くの人に「裏切り者」と言われました。もちろん、変わらずに接してくれる人もいましたが、私は若いころ、石川県代表として国体などに出場。それが息子を他県に留学させたことで、地元の津幡町少年相撲教室でも、それまでのように指導ができなくなりました。

何とか見返そうとしてくれていたと知ったのが21年12月。大学3年でアマチュア横綱のタイトルを取った日の夜、両国の居酒屋に私ら親子と泰輝の相撲部の友人、3人で入った時です。その友人に説明する形で、泰輝が「オレたち親子は、本当につらかった」と、涙を流しながら話している姿に、私も涙が止まりませんでした。自分のせいで、私まで相撲と関わることができない状況にしてしまったと、責任を感じていたようでした。そんなこと何も気にしなくていいのに、いつも誰かの思いを背負う。優しい性格に育ったことが、何度優勝することよりも、横綱に昇進することよりも親としてはうれしいです。

2場所連続優勝したことで、これまで以上に追われる立場になると思います。しかし、丈夫な体と、誰かのために戦う姿勢は変わらないと思うので、大丈夫と信じています。相撲をやっていた人間として、息子を尊敬し、誇りに思います。