「ひきこもりの自立支援」をうたう業者に自宅から無理やり連れ出され、施設に監禁されたなどとして、元入所者が運営法人らに1人当たり440万円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決で、横浜地裁(真鍋美穂子裁判長)は15日、原告2人に対してそれぞれ88万円を支払うよう業者側に命じた。
◆突然現れたスタッフ「拒否権ない」
施設は、一般社団法人「若者教育支援センター」(東京都渋谷区)が神奈川県中井町で運営していた「ワンステップスクール湘南校」。共同生活を通した自立支援を掲げ、50人ほどが生活していたとみられる。
訴状などによると、原告は2017~19年、自宅を突然訪れたスタッフに「拒否権はない」などと言われ、強制的に施設に連れて行かれた。ただ、具体的な支援はほぼなく、退去を申し出たものの、携帯電話や所持金を取り上げられた上、監視カメラも設置されるなど「逃げ出すのは困難だった」と主張していた。
◆「引き出し屋」を問題提起したかった
判決では、原告2人をを意思に反して連れ出し、入所させるなどしたことが民法上の不法行為に当たると認定。「移動や通信の自由を制限された生活を強いられ、逃走を図ったが連れ戻されるなど多大な精神的苦痛を受けた」と結論付けた。
賠償が認められた同県在住の渡辺豪介さんは「『引き出し屋』を問題提起したかったので有意義な判決だった」と話した。
集団訴訟の原告は、首都圏や沖縄県などの男性5人。うち1人は15日の判決で、尋問に正当な理由なく応じなかったとして請求が棄却された。残る2人は被告側が慰謝料計70万円を支払うことで、昨年12月に事実上和解している。(西川侑里)
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◆提訴から判決まで4年「時は取り戻せない」
「ひきこもりの自立支援」をうたう業者による意に反した連行、監禁を巡る集団訴訟は15日、横浜地裁が原告2人への損害賠償を命じた。判決の言い渡し後に横浜市内で開かれた報告集会には別の元入所者も駆けつけ、訴えが...
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