いきつけのビデオ屋さんの店長達はパエトーンかもしれない。


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作:とん6
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パエトーンの消えた日
治安局はブラックなのかもしれない。


原作まで時を進めていきたいと思いまぁす!

感想、評価どしどしくださいね。


【ヤヌス区ルミナ分署特捜班臨時オフィス】

 

この日は朝から全員が集まり、赤牙組の研究所襲撃事件に関する報告がなされていた。

 

「ここ数週間の赤牙組は、事件前後変わらず暴行事件や強盗、誘拐など既に10人以上の構成員が逮捕されています。」

 

「付け加えると、組のシルバーヘッドは十四番街の本拠地にいるのが確認されておる。まるで自分は捕まらないと思っているかのようであるな。」

 

「なら今すぐ十四番街に向かって赤牙組を捕まえましょうよ!」

 

立ち上がりそうになる元気な後輩を座らせて、資料に目を通しながら答える。

 

「落ち着けよセス…今ここで十四番街に踏み込んでみろ雑魚構成員がわらわらと湧いてきて、そいつらの相手してる間にヘッドはとんずらしちまうよ。」

 

「ですが先輩…!」

 

「セス坊よ、今回は珍しくユリ坊が当たっておる。ここで突入は下策…しかしてそうもいかないようであるな…。」

 

「はい、青衣先輩…来週の金曜日、ブリンガー長官の指示により十四番街分署とこのルミナ分署、特捜班の人員によって赤牙組の掃討作戦が開始されます。」

 

青衣は瞳を閉じゆっくりと白湯を飲み、セスはユーリの言ったこととの矛盾に頭をひねり、ユーリは不快感を隠そうともせずココアを飲み干す。

 

「ヤヌス区総監選挙のためですか?H.A.N.Dとの協力もせずに治安局のみでの掃討作戦なんて…絶対にまずいことになりますよ。」

 

「研究所からの一刻も早い金庫の奪還を念押しされた故と聞いてはいますが…理由については私も長官から詳細を聞けませんでした。」

 

「ブリンガー長官のことを置いておくとしても、今まで手を出さなかった十四番街の掃討とは、些か不穏ではある。」

 

「俺達の任務は何になるんですか?」

 

「特捜班はシルバーヘッドの逃走経路になると思われる場所で待機し、敵ヘッドの逮捕を狙います。」

 

「決まってしまったのなら、人事天命を尽くして待つしかあるまい。」

 

荒れるな…これは…

 

「朱鳶先輩、もし赤牙組がホロウ内部に逃げた場合は如何様に?」

 

「我々が先行して追跡します。ユーリくんは後続のためにホロウ侵入口の確保を。」

 

「…了解しました。」 

 

「以上で本日の会議を終了します。今日も一日頑張りましょう。」

 

赤牙組について話ながらオフィスを出ていくセスとユーリ。

 

「心配であるかユリ坊のホロウ適性が」

 

「青衣先輩…確かにホロウ適性値50以上はホロウで活動できると言いますが…ユーリくんの適性は60…ホロウ内部での活動時間はそこまで多くはありません。薬で何とかできはしますが万が一を考えると…」

 

「そのことはユリ坊が一番よくわかっておる。朱鳶よ、あまりお主が気に病むことでもないぞ。」

 

青衣は白湯を飲み干すと、背伸びをしてオフィスをでていく。朱鳶は、自身の冷めてしまった珈琲を見ながら今後のことについて考えていた。

 

「あぁ、そうなんだよこの前会っただろ?赤牙のやつ、あれの件で忙しくてさ。」

 

『ユーリもさぁ、もう少し僕みたいに上手くサボらないとワーカーホリックなるよ?』

 

「よく言うよ自分がワーカーホリックの癖に…じゃ、切るぞ?飯はまた今度な」

 

電話を切って、大きなため息を吐く。

 

「ホロウ値がもうちょいあれば朱鳶先輩達の役に立てるんだけどな…こればっかはどうにもなんないし」

 

「書類仕事ができればもっと役に立つであろうな。」

 

「青衣先輩?!いつからいたんですか!」

 

「忙しくてさ〜から聞いておる。」

 

この人は本当に…全然気づかない自分も悪いけどさぁ!

 

「いるなら言ってくださいよ!」

 

「電話相手はH.A.N.D.の友達か?六課にいると聞いてはいたが」

 

「学生の頃の同期ですよ…なんやかんや似た職だから今も交流が続いているんです。」 

 

「話したことがバレたら朱鳶に怒られるであろうなぁ。好感度もマイナスは確実か…?」

 

「う゛っ…ど、どうか内密に」

 

バレてクビになるのはまずい…!

 

「ほれ、行くぞ」

 

「い、行くって朱鳶先輩のところですか…本当に勘弁してください…電池あげるんで…」

 

「ユリ坊よ…電池で我は動かん、それに行くのは十四番街であるぞ」

 

そうか今度の掃討作戦のための下見か…青衣先輩はこういうところがしっかりしてて好きだ。

 

「あ、はい運転しますね」

 

「うむ、安全運転でな。主は車両破損で始末書をよく書いているからのう。」

 

「わかってますよ!」

 

珈琲を買ってから十四番街へと車を向ける。路地裏に目を向けるといかにもという感じの奴らがたむろしている。

 

「赤牙組が研究所襲った件、どう思いますか?いくら彼奴等が馬鹿だと言っても、研究所を襲うような馬鹿ではないと思うんですよ。」

 

「うむ…研究所にいる軍を跳ね除けて金庫を奪えるほどの技量があるとは我も思えぬ。シルバーヘッドはあれでも頭が切れる奴であろう?このような愚策を行うとは到底…」

 

「ま、捕まえれば全部わかりますよ。十四番街も平和になりますし赤牙組は壊滅…上手く行けば、ですけどね」

 

そう…全てが上手く行けば赤牙組も壊滅して十四番街の治安も良くなる。ヤヌス区総監選挙も懸念事項は消えて全てがうまくいく。パエトーンのことを考える暇もないなこれは…

 

「それとユリ坊よ、掃討作戦の準備やなんやでお主の家からでは帰るのが遅くなる。セス坊の家にでもとまらせてもらうがよい。朱鳶の家でもよいが」

 

「からかわないでくださいよ!朱鳶先輩とはまだそんなんじゃ…」

 

「どっちもどちであるな…全く。頼むぞユリ坊、五万ディニーのためにも」

 

五万ディニー???何言ってるんだこの人…

 

 




ユーリくんのホロウ適正は決して高くないですから、実はホロウ内捜査があまりできないことを負目に感じていたりします。

ユーリくんの属性は?

  • エーテル
  • 物理
  • 電気
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