いきつけのビデオ屋さんの店長達はパエトーンかもしれない。


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作:とん6
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あんぱん友の会・上


アンケート結果は柳さんで決まりました!いいですよね柳さん…あんぱん食べたいだけであの色気ってどうなってるんですかね?




【六分街COFF CAFE】

 

 マスターにミントエスプレッソを頼み外の席に座る。優雅にコーヒーを淹れるマスターの姿はまさしくプロの仕事の雰囲気を感じられる。マスターに礼を言って芳醇な香りを楽しみつつ口をつける。

 

「口当たりは濃厚で滑らか、酸味と苦味のバランスがこれまた絶妙だ…そして自分の勘だとここにシロップを垂らして飲むと…хорошо!(素晴らしい!)まさに愛好家から会社員まで御用達の素晴らしい店だ…。」

 

「…帰っていいかい?」

 

 呆れたように背中合わせで、隣の席に座る男が声を掛ける。この男は兄妹でビデオショップを営んでいるイケメン天然スケコマシだが、奴の顔はビデオ屋の店長、スケコマシの他にもう一つ顔がある。

 

「そう言うなパエトーン…今はヘーリアデスだったかな?」

 

「ユーリ?あれほど外で呼ぶなって言ったよね?非力な僕でも殴りたいのおさえてるんだからね??」

 

「わかったわかった…今回お前を呼んだのは他でもないプロキシとしてのお前に用があるからだ。」

 

とあるサイトのアドレスが書かれたメモ用紙をヘーリアデス(面倒なのでアキラと呼ぶ)のポケットに入れる。

 ポケットから取り出したアキラは一瞬怪訝な顔をするが、メモ用紙をポケットに戻しカプチーノを口にする。

 

「そのサイトである物を手に入れなくちゃならない…それが手に入れられるのは明日0900だ…お前のところのAIを使えば二つ…いや三つは手に入るだろう。」

「報酬は勿論それ相応のディニーと…」

 

鞄からとある物を取り出し机に置くと、アキラは目を見開き物を恐る恐る手にとって本物かを確認しているようだ。  

 

「間違いない…これはポッター・ヒルの初回限定版…!たった十枚しか配られてないビデオ愛好家にとって伝説のビデオを何故君が…?!」

 

「ふっ…まあ色々と…な(あれそんな凄いのだったのか…買ったはいいけど怖くてみてなかったやつが…もったいなかったか?)」

 

「しかも封も開けられてない…傷一つないなんて…」

 

「リンちゃん誕生日近かったよなぁ?それをお前から渡せば……どうなるか分からないお前ではあるまい。」

 

「任せてくれユーリ。この依頼は必ず達成すると約束するよ僕の名にかけてね。」

 

「明日1030にまたここで依頼結果を聞く。頼んだぞアキラ…あんぱん友の会のためにもな。」

 

「ん?うん、朗報を期待しててくれユーリ。」

 

アキラの分の珈琲代も支払い車に戻る。惜しいことしたなポッター・ヒル…そんなもの自分がリンちゃんに渡せばくっそ喜ばれたってのに。いや目的のためなら仕方ないことだ、今回の目的は自分だけのためじゃないからな。

 私用の携帯を取り出し、電話帳の一番下にある人物に電話をかける。確か今の時間は休憩時間だったはずだ。数回コールした後、聞いてると自身も落ち着いてしまうような声が聞こえてくる。

 

『柳さんお疲れ様です。…今って大丈夫ですか?』

 

『お疲れ様ですユーリくん。そうですね…二分程なら問題ありませんよ?』

 

『急なんですけど、明日の午後って柳さん会えたりしませんか…?勿論こっちが柳さんの方に会いに行きますんで。』

 

『明日の午後ですと…1530に治安局のヤヌス区分署の方に向かう用事があるので、その時でよければ会えますよ?何か用事でしたら後でメールでも…』

『いや…できれば会って話したいことがあるんです!じゃあ用事が終わったら分署の屋上でどうですか?』

 

『わかりました、明日屋上で…あ、そうだ…』

『ちゃんとご飯を食べてますか?前のように偏った食事ばかりしてると体がうまく動かなくなってしまいますよ。』

 

『う゛っ…ちゃ、ちゃんと三食栄養考えて食べてます!』

『糖分も控える…約束しましたよね?』

『ハイ…』

 

『明日会えるのを楽しみにしてますね?ユーリくん?』

 

『ひゃい…』

 

電話を切ると、体から力が抜けたように感じる。なぜか柳さんと電話をしていると緊張してしまう…あの声のせいか?

 ん?柳さんと何処で知り合ったのか?あぁそれは、ただ直線に進む修行して迷子になってた対ホロウ六課の課長こと、星見雅さんを自分が見つけて送り届けた時に知り合ったのが初めましてだ。友達の浅間とのつながりもあったりだったりで六課の人達とはなかよくしているってのもあるが…自分と柳さんは、とあるモノで同好の士として特に仲を深めていたりする。

 

「そういえばアキラはしっかりやってくれるだろうか?」

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【Random play】

 

『マスター、そちらのメモに記載されたサイトを調べたところ、一日限定八個のみの限定あんぱんの予約サイトであることが判明しました。ウイルスや別サイトへの入り口は確認できませんでした。』

 

「まさか…本当にただこれを予約させようとしてる?」

 

『推測、恐らく依頼主はこの超高性能AIである私の力を使うことを狙っていると思われます。』

 

「余計な部分もあるだろうけどそうだね…Fairyどうかな?三つ予約できそう?」

 

『残念ながら、私の反応速度をもってしても複数個の予約は40%の確率しか無いと思われます。』

 

「そんな?!そんな人気なのかこのあんぱん…というかなぜあんぱんなんだろう…?」

 

『依頼主は重度の甘味中毒であることがうかがえます。ルミナ分署のカメラをハッキングしたところ、依頼主は勤務中だけで十回以上の糖分補給を行っています。そして特捜班班長の育てているトマトを二度盗み食いをして、二度とも発見され怒られています。』

『このことから依頼主は学習能力がかなり欠如していると思われます。』

 

「Fairy…酷いことをいってないでハッキングをやめるんだ。」

「はぁ…あのビデオが無ければ絶対に受けなかったんだけどなぁ…」

 




ヘーリアデスは主のゲーム名だったりしながら後半へ続着ます。

ゆり「自分は2個食べたけど青衣先輩もたべてました!」
青衣「一個しか食べておらぬ。」
セス「すいません班長…!食べていいものと騙されて一個食べてしまいました!」
じぇ「私は別に〜?二人が食べてたしいいんじゃない?って言っただけだしぃ…ま、私も一個食べたけどね?」
しゅえん「とりあえずセスくん以外の全員は会議室に来てください…いいですね?」
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