今回出題されるのは、( )の外に数字が付いている式です。
この形の式は数学を習い始めたころに登場するのですが、どのように計算すればよかったのか覚えているでしょうか?
問題
次の計算をしなさい。
(1+2)^4
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「81」です。
日常ではあまり見かけない式の形なので、難易度が高く感じられたかもしれません。
しかし、次の「ポイント」で解説する計算過程を見れば、案外簡単に答えが出せることが分かるはずです。
ポイント
この問題のポイントは、「( )の中→累乗」の順番で計算をすることです。
累乗と指数
この問題を計算する前提として、「累乗」と「指数」の意味をおさえておく必要があります。
累乗とは、「同じ数を何回か掛けたもの」のことです。そして、指数とは累乗において「何回掛けるか」を表した数です。
通常、指数は掛ける数の右上に小さく書きますが、上付き文字が使えないテキストや表計算ソフトでは、「^」記号を使って指数を表すこともあります。
この記事では、「^」で指数を表しています。例えば、「2^4」は、「2を4回掛ける」という意味です。
2^4
=2×2×2×2
=16
計算の順序
今回の問題では、( )の右上に^4という指数が付いています。
(1+2)^4
このような書き方は「( )の中全体を4回掛ける」という意味になりますので、まずは( )の中から計算する必要があります。
※以下の計算順序のルールを頭に入れておきましょう。
<計算の優先順序>
1.()の中
2.累乗
3.掛け算、割り算
4.足し算、引き算
( )の中は「1+2」で、答えは3です。指数は4ですから、この式の意味は「3を4回掛ける」ですね。
(1+2)^4 ←( )の中から計算
=3^4
=3×3×3×3 ←掛け算はどこから計算してもよいので(3×3)×(3×3)=9×9と考えると九九が使えて楽!
=81
これで答えが出ましたね。
分配法則は使えないので注意
掛け算と( )を見ると、分配法則を使いたくなる人もいるかもしれません。
しかし、この問題を次のように計算してはいけません。
(1+2)^4
=1^4+2^4
分配法則の形をもう一度確かめてみてください。
<分配法則>
〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■
(▲+■)×〇=▲×〇+■×〇
分配法則が使えるのは、( )の中の足し算に対して何らかの数を掛けるときで、累乗の形はとっていません。
累乗の式は、指数を「掛ける数」と混同やすいので注意しましょう(例えば、2^4を2×4と間違えてしまうなど)。
まとめ
今回は、( )の外に指数が付いている問題に挑戦しました。
今回の問題に正解するには、まず累乗と指数の意味をおさえてから、正しい計算順序で答えを出すことが大事です。
<今回の問題のまとめ>
・累乗…同じ数を何回か掛けたもの
・指数…累乗で数を何回掛けるか表した数
・計算順序は( )の中→累乗
あまり日常生活で使うことがなく、忘れがちになってしまう累乗の計算方法だからこそ、大人のクイズとして楽しんでくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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