トランプ政権とハーバード大学の対立 争点は何か?留学生どうなる?
ワシントン=高野遼
米国の名門ハーバード大学とトランプ政権との争いが激化している。助成金の凍結や、留学生の受け入れ禁止といった圧力をかけるトランプ政権に対し、ハーバード大は提訴して全面対決の構えだ。なにが問題になっているのか、現状を解説する。
トランプ政権はなにを問題視している?
大学への圧力は表向きには、「反ユダヤ主義」への対応を目的として始まった。
イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの侵攻を機に、各地の大学キャンパスでは親パレスチナの抗議活動が広がった。その際にユダヤ人学生への嫌がらせなどが起きたのに、大学が適切に対応していないというのが政権の主張だ。
だが背景はもっと根深い。
トランプ大統領をはじめとす…
- 【視点】
これは知をめぐる内戦だ。トランプ政権は、直接の攻撃対象の60大学に限らず、アメリカ全土の大学教育や研究システム全体への締め付けとコントロールを広く厳しく行なっているからだ。極端に言えば、既存の学術研究や高等教育システムの破壊を目指しているよ
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