新潟のJA、コメ買い取り価格を5割引き上げ 争奪戦が激化
JA全農にいがた(新潟市)は2025年産コシヒカリについて、農家からの買い取り価格にあたる「概算金」の目標を60キログラムあたり2万6000円以上とする方針を県内の各JAに示した。24年産当初の概算金から5割高い水準だ。政府の備蓄米放出後も品薄感は強く、競合との争奪戦が激化しているためだ。25年産米の店頭価格を押し上げる要因になる。
25年産のコシヒカリの買い取り方針を巡っては、今年の春先に24年産当初の概算金から35%高い2万3000円を最低保証額として設定した。コメ不足が長引き集荷競争が激化している現状をふまえ、今回、3000円高い額を概算金の目標として示した。
JA全農にいがたの町田孝米穀部長は「店頭価格が高額になりすぎないよう総合的に考えて判断した」と説明しつつ、今後の需給環境次第ではさらなる積み増しの可能性もあるとした。
概算金はその年のコメの流通価格を示す指標で、特に国内最大の産地である新潟の動向は全国のコメ価格に影響する。コメ不足で店頭価格が高騰するなか、早期に価格を提示することで量を確保する動きは今後も続くとの声が多い。
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(更新)- 大泉一貫宮城大学 名誉教授ひとこと解説
JA全農新潟は3月に2万3千円をつけたばかり。2ヶ月足らずで値上げですか。こうなると他の集荷業者や卸はそれ以上の値をつけるでしょう。結局今年も米価は下がらないことになります。 気になるのは、政府の値下げの約束です。我が国で放出できるだけのコメを搗精工場に放出し25年産新米とは違ったルートでスーパー・小売、外食へ届ける必要がでてきます。これまで備蓄米放出で政府が儲けた400億円弱の一部を補助金として出して流してもらうのが良いと思います。 結局25年産米は、高い価格の新米と安い価格の放出米という二本立てになれば御の字かもしれません。
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(更新)
2024年に表面化したコメ価格の高騰を受け、農林水産省は備蓄米放出などの対策に乗り出しました。その過程で、政府の農業政策や流通経路における目詰まりなど、コメの生産・流通を巡る課題が顕在化しています。最新ニュースや解説記事をまとめています。
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