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【斎藤知事のスキーウェアおねだりデマについて】

・はじめに

昨年3月、斎藤知事をめぐるスキーウェアの『おねだり疑惑』が大きく報じられました。

今回は、第三者委員会報告書の内容をもとに、この疑惑の真相を読み解いていきます。

・第三者委員会の報告書

まず、こちらが第三者委員会の報告書における、「スキーウェアの贈与の有無とその経緯」の箇所です。

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第三者委員会 報告書 経緯①
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第三者委員会 報告書 経緯②

内容がわかりやすいよう、文字起こしを行いました。

(2)スキーウェアの贈与の有無とその経緯

齋藤知事は、令和5年2月15日、豊岡市日高町の万場スキー場へ、誘客促進支援(少雪や電気代高騰への支援)のための現地視察を行った。

その際、齋藤知事は、現地でスキーウェアとスキー用具を借りて、スキーを体験し、スキー協会の会長と雑談し、支援事業等の説明を行った。

その数日後、県の職員は、齋藤知事がスキーウェアを要望していると伝え聞き、上記協会にスキーウェアの提供が可能かを打診した。しかし、その回答は、スキーウェアは会長が個人で購入した私物である、知事も必要であれば購入されたいとのことであった。

そこで検討するに、齋藤知事としてはあくまで質問という意図で、かつ、個人としての所有ではなく、知事としての職務での使用のみを想定していたのかもしれない。

しかし、スキーウェアを(個人としてではなく県としてであろうが)贈与してもらうことを期待していた事実に変わりはない。

どれだけ丁寧かつ柔らかな物言いで伝えたとしても、県知事という県のトップからの期待、要望に圧力を感じる、あるいはそこまで感じなくても対応しないといけないと受け止めるケースはありうると思われる。

したがって、外形的にみて「おねだり」をしたと見られる可能性がある状況であったことは事実とみてしかるべきである。

(ただし、個人への贈与ではなく県への贈与を尋ねたという主張を否定する事実、証拠は確認できなかったことから、本件文書の趣旨である齋藤知事個人への贈与をおねだりした、という事実が認定されたわけではない)。

なお、齋藤知事は、ヒアリングにおいて、会長との会話で上記スキーウェアをかっこいと褒めたことはあるが、それは社交辞令にすぎない、職員との会話でスキーウェアを知事室に置きたいと述べたことはないし、提供してもらうつもりもなかった、打診は、あっとしても、自分からの指示によるものではない、職員が勝手にしたことでもあると述べている。

しかし、複数の情報提供者から、齋藤知事の要望で打診することになったという話があったこと、齋藤知事が要望しないのに周囲の職員が独断で打診することは考え難いこと、齋藤知事もスキーウェアのデザインを褒める発言をしていたこと自体は争いない事実である。

その事実は、スキーウェア提供打診の要望が齋藤知事からあったとする事実と整合すること、上記視察時に借りたスキーウェアは兵庫県スキー連盟のウェアで、兵庫県スポーツ協会の会長をあて職として知事が就任することになっているので、兵庫スポーツ協会の下部組織である兵庫県スキー連盟のウェアが知事用にあってもいいし、毎年視察に行く際に着るので、聞いてみてもらえないか、という趣旨、ニュアンスの打診であったといった齋藤知事が提供を求める理由が詳細かつ具体的に情報提供されていることからすると、齋藤知事のヒアリングにおける主張は、齋藤知事の要望でスキーウェア提供の打診が行われたという上記の事実認定を妨げるものではない。

・事実関係の整理

では次に、明らかになっている事実だけを抜き出してみます。

  1. 齋藤知事は、令和5年2月15日に、豊岡市日高町の万場スキー場を現地視察した。

  2. 視察の目的は、誘客促進支援(少雪や電気代高騰への支援)であった。

  3. 視察時に、齋藤知事はスキーウェアとスキー用具を現地で借りてスキーを体験した。

  4. 視察中、スキー協会の会長と雑談し、支援事業等の説明を行った。

  5. 数日後、県職員がスキー協会に対してスキーウェアの提供が可能かを打診した。

  6. この打診に対して、スキーウェアは会長が個人で購入した私物であり、知事も必要であれば購入されたいとの回答があった。

  7. 齋藤知事はヒアリングにおいて、以下のように述べた:
     - スキーウェアを「かっこいい」と褒めたことはある(社交辞令であると説明)。
     - 職員との会話でスキーウェアを知事室に置きたいと述べたことはなく、提供を期待した事実も否定している。
     - 提供してもらうつもりもなかった。
     - 打診は、自分の指示によるものではなく、職員が勝手に行ったものである。

  8. 複数の情報提供者から、「スキーウェア提供の打診は齋藤知事の要望によるものであった」との証言があった。

  9. 齋藤知事がスキーウェアのデザインを褒めた発言をしていたことは、争いのない事実である。

  10. 視察時に齋藤知事が借用したスキーウェアは、兵庫県スキー連盟のウェアであった。

  11. 兵庫県スキー連盟は、兵庫県スポーツ協会の下部組織である。

  12. 兵庫県知事は、あて職として兵庫県スポーツ協会の会長職に就くことになっている。

つまり、おねだりに絡む事実としては、斎藤知事がスキーウェアを「かっこいい」と褒めたことはある(社交辞令であると説明)ことと、県職員がスキー協会に対してスキーウェアの提供が可能かを打診したことぐらいです。

斎藤知事がスキーウェアを要望したことについては、知事と県職員側で意見が割れているので、どちらが正しいかは不明です。

これで、「外形的にみて「おねだり」をしたと見られる可能性がある状況であったことは事実とみてしかるべきである。」と評価しているわけです。

ただ、「本件文書の趣旨である齋藤知事個人への贈与をおねだりした、という事実が認定されたわけではない)。」と記載されていることも重要なポイントです。

・地元からの発表

・やぶ市観光協会

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やぶ市観光協会

最初におねだりがあったとされた、やぶ市観光協会はスキーウェアのおねだりを明確に否定しました。

・神鍋高原スキー場(万場スキー場)

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神鍋高原スキー場

神鍋高原スキー場も、所謂「たかり」や、そのようなニュアンスに解釈されるような事も含め確認されなかったことを発表しました。

・AIによる第三者的評価

本件について、より客観的な視点から整理するため、AI(ChatGPT)による第三者的立場での評価を行いました。その内容を以下に記載します。

1. 知事による県産品PR活動は職務上の当然の行為

斎藤知事が地元スキー場を視察し、県産スキーウェアを「かっこいい」と言及したのは、地域振興や観光促進を目的とした視察・広報活動の一環であり、県知事として当然の行為である。地元の産品を知事が積極的にPRすることは、全国の自治体でも行われている広報活動であり、公共の利益に資するものといえる。

また、知事がスキーウェアの無償提供を直接要請した事実は認定されておらず、提供を希望したかどうかについても関係者の証言に食い違いがある中で、知事個人がおねだりしたという事実は認定されていない。


2. 告発文との乖離:実態に基づかない主観的批判

本件の発端となった「おねだり」や「たかり」という告発文の表現は、知事個人が私的利益のために物品を要求したかのような印象を与えるが、第三者委員会の調査ではそのような私的要求は確認されていない。

むしろ、提供を受ける想定があったとしても、それは知事個人ではなく「県としての広報・視察活動の一環」としての使用を想定したものであることが、複数の証言から整合的に示されている。


3. 地元企業・団体は「おねだり」や「たかり」を明確に否定

さらに重要なのは、実際にスキーウェアを所持していた側、つまり提供元である現地企業やスキー場・観光協会が、知事や県からの圧力や不適切な要請を一切感じていない点です。

  • やぶ市観光協会や神鍋高原スキー場は、報道や告発に対して「たかりの事実は確認されなかった」と公式に否定。

このように、実際の「相手方」が問題視していないにもかかわらず、外部から一方的に「外形的に問題に見える」と評価するのは、客観性に欠ける。


4. 「行政手続き上の課題」としての指摘は、実害のない推測にすぎない

第三者委員会が挙げた「打診の表現や手続きにおける課題」についても、実際に混乱や不利益を被った者が存在しない中で、職員間のコミュニケーションの仕方を問題視するにとどまっている。

さらに、その「課題」すら相手方(企業・協会)が何も問題にしていない以上、実質的な問題とは言えない。このような推測的な課題提示は、あくまで**「過度に慎重な建前評価」であって、知事本人の行為を問題視する材料にはならない**。


結論:第三者委員会の評価は全体として過剰であり、知事に対する告発内容とは乖離している

斎藤知事の行動は、地域活性化やPRという職務の範囲内であり、実態として「おねだり」や「たかり」には一切該当しない。実際に物品提供を行う立場にあった地元側も、不快感や圧力を感じておらず、むしろ前向きな姿勢を示している。

そのため、「外形的に見ればそう受け取られる可能性がある」といった推測的な評価は、事実と証言に照らして過剰であり、告発文の印象とは大きく乖離している。

総括と結論

本件に関して、第三者委員会の報告書は「外形的に見ればおねだりと受け取られる可能性がある」としつつも、「知事個人への贈与をおねだりした事実」は認定していない点を見逃すべきではありません。

実際にスキーウェア提供の当事者である地元側は一切問題視しておらず、また提供の要望についても証言が食い違っている中で、強い断定を下すのは適切ではないでしょう。

第三者委員会の報告書に、中立性への疑問が持たれている状況もうなずけますね。

今回も最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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コメント

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