トランプ氏、日鉄とUSスチールの「提携」支持 雇用や経済効果期待
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画について、トランプ米大統領は23日、両社の「提携(partnership)」を支持する考えを明らかにした。日鉄はUSスチールの完全子会社化をめざしてきた。トランプ氏は今回、買収について何らかの取引を認める判断をした模様だ。
トランプ氏は自らのSNSに、「USスチールと日本製鉄の間で計画されてきた提携は、少なくとも7万人の雇用をつくり出し、米国経済に140億ドル(約2兆円)をもたらす」と投稿した。
日鉄は約140億ドルでUSスチールの全株を取得する計画が承認された場合、買収後の工場などへの投資額を大きく積み増す方針をトランプ氏側に伝えていた。積み増し後の投資額は140億ドルだとロイター通信が報じていた。
トランプ氏はまた、「熟考と交渉を重ねた結果、USスチールは米国にとどまり、本社を素晴らしい都市ピッツバーグに維持することを発表できることを誇りに思う」とも書いた。その上で、5月30日にピッツバーグのUSスチールで「大集会」を開くと予告した。
英紙フィナンシャル・タイムズは23日、両社の交渉に詳しい関係者の話として、買収計画に対して米政権が「暗黙の承認」を示したとみられる、と報じた。
日鉄「画期的な転機となる」
トランプ氏の投稿を受け、日鉄は24日、「日鉄とUSスチールのパートナーシップを承認されたトランプ大統領のご英断に心より敬意を表する」との声明を発表した。
「私たちの提案は、米国の労働者、米国の鉄鋼業、そして米国の国家安全保障を守るというトランプ政権のコミットメントと合致している」と述べたうえで、今回の提携が「USスチールとすべてのステークホルダー、米国鉄鋼業、さらには米国製造業全体にとって、画期的な転機となる」とした。
買収成立への期待から、23日の米ニューヨーク株式市場ではUSスチールの株価が急騰。一時、買収価格の55ドルに迫った。終値は、前日よりも21.24%高い52.01ドルだった。
日鉄によるUSスチール買収計画については、対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障上のリスクを審査し、21日がトランプ氏への報告期限となっていた。
日本製鉄のUSスチール買収
日本最大手の鉄鋼メーカー・日本製鉄が2023年12月、米鉄鋼大手USスチールを買収すると発表しました。ところが、米国で政治問題となり、バイデン米大統領は25年1月、買収中止命令を出しました。最新ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]