ZUN、反AIにケンカを送る

 2025年5月23日、ニコニコ生放送の番組「東方ステーション」に、ZUN氏が出演。先日から反AIの襲撃ターゲットになっていた東方錦上京のAI使用に関して、謝罪や弁明ではなく、(本来の意味での)確信犯である旨を説明した。

 

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 番組中で、ZUN氏本人が下記のように述べている(13:10辺りから)。

 

物を作ることをAIに委ねてしまうことは、もちろんAIに負けている。だけどAIを否定して「嫌いだから」って拒否することも、それもAIに負けている。
(中略)
AIっていうのはただの便利な道具である。
(中略)
僕の意思表示として、「ここは(あえてAIを)使ってメッセージを出す」タイミングだと思った。
(中略)
「AIはみんな使ってるんだけど、使っているって言うと荒れるから、言わないほうが良い」って。そんな世界は間違っている。AIにかなり屈しているなと思って、僕は使いました。

 

 特に新しいことを言っているわけではないが、言っている人間が実績のある有名人なので、影響は大きいと思われる。

 

 文中の2者に共通するのは「道具として使いこなせていない」という点である。この言葉からは「AI任せで意思を失った人間」のような物ばかり連想されるが、それだけではなく、AI狩りをしている反AIも「道具として使いこなせていない」という点では全く同じという事である。

 

https://x.com/Meow256Meow/status/1926056714966565043

 

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https://x.com/miruyouman/status/1926056712378761563

 

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https://x.com/mr_290000000000/status/1926129376124457285

 

 反AIの中には「反AI」と呼称されると「それはAI推進派が作った悪質なレッテルで…」等とウソの歴史をベースに礼儀の話を始める層が存在するが、ZUN氏があっさり「反AI」と言ってしまっているのは面白い。

 

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 ただしこの話、中盤以降一貫性がなくなり、バラバラに拡散していく。

 

世の中に「AI絵師」みたいなのはいるけど、あれは自分の能力を越えてて、AIに使われている。そういう風になってはいけないし…(以下略

 

 素手で殴るより武器で殴った方が強い」というのが道具であり、「道具によって能力が上がる」のは当然の事である。デジタルペイントツールのアシストが無ければまともにイラストを描けない人間はそこら中にいるし、そうでなければ意味がない。これを「道具に使われている」と言うなら、あらゆるケースで人間は常に「道具に使われている」という事になる。この辺は蛇足である。

 

ただ、勘違いしないで欲しいのは、僕はクリエイティブな部分にはAIは使ってないです。なぜなら、使うと楽しくなくなるだろうと思っているから。
(中略)
そこを使うと、使ってもし楽しければそれはそれでよいのかもしれないけど、多分僕が楽しくないだろうなと思っている。

 

 この辺は個人の趣向の話なので、何を言っても別に問題はないが、前半部分との関連性もない。