国内外のロックスターが来店するロックバー「レッドシューズ」(東京・南青山)の創業40周年を記念した単行本「レッドシューズ40~ロックの迎賓館の40年~」(ぴあ、税込み2200円)が、10月28日に発売される。8月末に同店で発表会見が行われた。

筆者は同店の2代目オーナー門野久志氏(57)で、訪れたロックスターたちの数々のエピソードや思い出がつづられている。

「レッドシューズ」は81年に、初代オーナーの故・松山勲氏が東京・西麻布に創業した。当時の西麻布は今ほどのにぎわいはなかったが、あっという間に評判を呼び、アーティストや業界人のたまり場となった。アールデコ調のインテリアやネオン管といった店内の様式は、80年代のカフェバーブームの火付け役とも言われた。

海外のロックスターが来日公演を行った際に、招へい元や業界関係者らに連れられて来店。隠れ屋的な空間で、プライベートタイムを満喫した。その評判は世界に広がった。90年に初来日公演を行ったローリング・ストーンズや、デヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイド、ブライアン・フェリー、ザ・クラッシュ、ラモーンズら数々のロックスターらが来店した。

95年にバブル崩壊の余波などでいったん閉店した。当時の来店者は「バブルが終わった」ということを「レッドシューズが閉店した」と言い換えた。その後、当時の店長だった門野氏が「もう1度、レッドシューズをやりたい」と02年に南青山で復活。その朗報は海外にも伝わり、オアシス、フー・ファイターズ、ミューズ、ビヨークらが続々と来店した。

もちろん日本のロッカーも数多く来店した。単行本では海外アーティストだけでなく、X JAPANのhide、シーナ&ザ・ロケッツ、尾崎豊、内田裕也、矢沢永吉、忌野清志郎、クレージーケンバンドらの逸話がつづられている。この他、奥田民生、ザ・ルースターズの池畑潤二、LUNA SEAのJ、中村獅童らも同店の常連である。ちなみに同店は単行本のタイトルにもなった「ロックの迎賓館」の異名を取るが、シーナ&ザ・ロケッツの鮎川誠が命名した。

門野氏は「コロナ禍で自宅にいることが多かった。周囲からも書いてみたらと勧められ、書いてみようと思った」と、256㌻を書き上げたという。会見で門野氏は、亡くなった尾崎豊の追悼で内田裕也が連れと2人で来店した際の逸話を披露した。門野氏はグラスを3つ出した。内田に「なぜ3つだ」と問われ、「尾崎さんの分です」と答えて、一目置かれるようになったという。

単行本発売日の10月28日には、東京・西麻布の「EX THEATER ROPPONGI」で、レッドシューズ生誕40周年スペシャルライブ「レッドシューズ40」を開催する。鮎川誠&LUCY MIRROR、奥田民生、浜崎貴司、土屋アンナ、HISASHI(GLAY)、池畑潤二ら、同店とゆかりの深いロッカーが出演する予定だ。

門野氏は「コロナ禍で海外ロックスターの来日公演が激減していますが、これからもロックの社交場として盛り上げて行きたい。決して敷居の高い場所ではないので、若い人たちも訪れてほしい」と話した。

同店の守り神である風神と雷神の絵が出迎えてくれる「レッドシューズ」は、世界に誇る唯一無二のロックバーである。【笹森文彦】※アーティストの敬称は略