ドラム缶に女性遺体 夫を逮捕…トランクルーム内に約14年放置か
先月、ドラム缶の中から女性の遺体が見つかった事件で、21日に男が逮捕されました。遺体は妻だったことも分かり、10年以上放置されたとみられています。
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「ドラム缶の中から人の足が見える」
先月18日、埼玉県吉川市のリサイクル会社で女性の遺体が見つかった事件。1か月以上がたった21日に急展開しました。
警察によりますと21日午後、死体遺棄の疑いで住居不定・無職の保谷仁容疑者(50)が逮捕されました。
ドラム缶に入っていた遺体の身元は、妻の美治さん(当時39)でした。美治さんの生存が最後に確認されたのは、2011年の夏ごろだということです。
保谷容疑者が住んでいたのは埼玉県所沢市で、遺体が見つかったのは、およそ40キロ離れた吉川市です。フタが閉まったドラム缶から、ブルーシートがかけられた女性の遺体が発見されました。
発見当日の先月18日には、吉川市にあったドラム缶。リサイクル会社が保谷容疑者の家からほど近い所沢市内のトランクルームから前日に回収したものでした。
交通量の多い交差点の一角にあるトランクルーム。保谷容疑者が契約する一室にドラム缶があったといいます。利用料金の未払いを受け、リサイクル会社が回収したということです。
その後の捜査関係者への取材で新たに分かったのは、遺体が長期にわたって放置されていたということです。
その期間は、およそ14年。保谷容疑者は2011年から今年までの間、妻・美治さんの遺体をドラム缶に入れてトランクルームに遺棄した疑いがもたれています。
遺体が入ったドラム缶を目の当たりにした人は、「臭いはすごかった。まとわりつくような嫌な臭い。腐った嫌な臭い」と話していました。
トランクルームは、遺体が遺棄されたのと同時期に契約されていて、警察は保谷容疑者が遺体を隠す目的で借りたとみて調べています。
先月下旬、道路運送車両法違反の疑いで逮捕されていた保谷容疑者。その後の捜査で、保谷容疑者が死体遺棄事件に関与した疑いが浮上したということです。
保谷容疑者は警察の調べに対し、「私がやったことで間違いありません」と容疑を認めているといいます。また、これまでの調べで美治さんの殺害をほのめかす供述もしているということです。