【書き起こし】東方錦上京におけるAIの使用について、神主ZUNの意志【東方ステーションより】


神主:ZUN
まりお:ビートまりお
かなまい:金澤まい

基本的にケバ取り(「えー」「あのー」や言い間違いなど)と、伝わりやすいようにニュアンスを変えない程度に文節の入れ替え・類語に置き換えくらいまではやっています。


かなまい
 ちなみに今作なんですけど、Steamの方とかでも表記があったと思うんですけど、AIの使用に関して……。

神主:
 これねー、僕いろいろ考えたの。本当は製品版出てから語りたかったんだけど……。

 今すごいAIで揉めているじゃん。色々な制作で揉めているけど、一番大切なことはAIに負けないことだと思う。僕は常からそう言っている。
 物を創ることをAIに委ねてしまうことはAIに負けている。
 だけどAIを否定して嫌いだからと拒否することも負けている。
 完全にAIっていう物を自分より怖いものとして認識するか、自分がそれを受け入れると認識するかを考えている。どっちかに割れちゃっててね。僕はこのタイミングでAIを使ったのは、AIをただの道具に落とし込めたかったの。

 「AIはただの便利な道具」である。

 だからクリエイティブな部分は絶対に負けないという意思表示。
 あんまり言うとネタバレになるけど、今回のテーマ的にAIを絶対に使いたかった。

まりお・かなまい:
 おっとぉ!?

神主:
 だから製品版の後のほうがよかったんだろうけど。僕はすごい意思を持ってAIを使った。

 知っていると思うけど、使っている場所って本当にどうでもいい場所。
 背景の、誰が作っても一緒になるような、言ってしまえばいつもただの写真とか素材集などから使っているようなやつ。本当はAIを使わないほうが楽なんだけど、僕の意志表示としてこれは使ってメッセージを出すタイミングだった。
 もっとガンガンとAIを使って、道具に落とし込めたほうがいいっていう僕の確固たる意志があった。

まりお:
 なるほど、それが上手く伝わっていなかったと。

かなまい:
 体験版ですからね。まだ。

神主:
 ただすごく揉めたりできるのはインディークリエイターならではだと思う。
 そういう事も考えて、僕としては叩かれようがなんだろうがやるべきだろうなと。去年の2軒目ラジオでもそんな話したんだけど。

かなまい:
 配信に乗らなかったところですよね。

まりお:
 第一部と第三部……。

神主:
 そこで話聞いてると「AIはみんな使っているんだけど、使っていると言うと荒れるから言わないほうが良い」って。
 そんな世界は間違っている。AIに屈しているなと思って、僕は使いました。間違えていない。

かなまい:
 ……ちょっと今いい感じにしたのに、カンペが「ボス、AIですか?」ってw。すごい直線的な。

まりお:
 ラスボスの名前「錦上あい」ちゃんだったらどうする?www

神主:
 ただ勘違いしないで欲しいのは、僕はクリエイティブな部分にはAIを使っていないです。何故なら使うと楽しくなくなるだろうと思っているから。

 世の中にAI絵師みたいなのはいるけど、あれは自分の能力を超えていて、AIに使われているんだよ。そういう風になってはいけないし、AIを完全に拒否している人もAIに負けた人間なの。
 ただの便利な道具です。AIっていうのは便利な道具です。

 権利は大丈夫なやつです。

まりお:
 AdobeのAIは権利的には大丈夫なやつ?

神主:
 Adobeのは最初から大丈夫ですって書いてるんです。
 最近驚くのは、Visual Studioなどにも最初からAIが入っているんだよ。別に金を払うこともなく。だから生成AIを避けることはできないのに、「使うな」というのは世の中を知らない。負けている。
 僕は負けないという意志表示です。

まりお:
 なんだかんだ昔からAIという名前じゃなくてもクリエイトを補助するツールってありますからね。

かなまい:
 私も(同人誌などで)印刷はされない切れちゃう部分とかをバっと生成したり。塗り足しをいつも困っちゃって。

神主:
 だいたいねぴっちり描いちゃう。ぴっちり描いちゃった絵を外側に広げる。あれもAI。
 そもそも人を消すとか、写真から全部消すとかもAIですから。

まりお:
 意図が分かってよかった。

神主:
 という感じで僕が「生成AIを使っている」と言っていても、「"使われて"いない」(注・「道具に使われる」等の意味で、「使われていない」。「作品にAIが使われていない」という意味ではない)っていうことを東方のファンは知ってほしい。
 世間で東方がどうこう、AIがやいやい言われたときも、ファンはあれが正しい使い方だと認識してほしい。堂々としていてほしいな。

まりお:
 みんな心配だったんじゃないかな。それが分かれば安心ですよ。

神主:
 その通りですよ。

 僕が例えばキャラクターのアイデアとかキャラクターの絵にも、音楽にももちろん(AIを)使っていない。
 そこを使うと、使ってもし楽しければそれはそれでよいのかもしれないけど、多分僕が楽しくないだろうなと思っている。そうすると多分作れなくなる。AIに負けた時だよねそれは。
 これが最近負けちゃうこともあるかももしかしたらしれないけど、僕はそうならないよっていう意志表示です。

かなまい:
 さっきコメントで見ちゃったんですけど、Steamの方ではAl(AL)って書いてあって、アルコール生成なんじゃないかという説がw

神主:
 Alだったらアルミニウムかなw

まりお:
 ちょっと気になるのはストーリーに絡んでくるのか。

 実は獣王園の体験版のとき、Short動画にUPしようと思ってZUNさんを撮った動画。出さなかったんだけど、ZUNさんの「これは人とAIとの戦いである!」みたいな動画があったのよ。酔っ払ってたからめっちゃ喋ってて。これは意図が分からないから、ネタバレになるとアレだなと思ってUPしないでおこうと思ったんだけど。
 なんとなく今のを聞いて、ZUNさんはもうその頃からずっと思ってたんだなって。

神主:
 もっと前からAIと戦っている。なんなら僕は勝ったんだよ。常に勝ってきているはず。僕はもう負けない。AIを拒絶はしない。

 あと個人的な理由もあるんだけど。
 今はすごい色んな学習で若い子たちにAIを使わせる。これから仕事をするのにAIを使わなきゃいけないっていう時代になっていて、色々なところで学習させるじゃん。そうすると、うちの子だってやっぱりそうさせなきゃいけない。
 「僕は絶対にAIを使わない。だけど子供にはAIを教える」というのは矛盾するので、AIはこういう使い方であるって教えていかなきゃいけない。
 そのためには僕が目をつぶって「もうAIなんか見たくない。絶対嫌だ」なんてことにならないようにしている。

まりお:
 ちゃんと知るとね。分からないから怖い存在だったりするからね。分かると案外なるほどってなったりする。

神主:
 たしかに権利的な問題もあるかもしれない。ただフォトショはそれが一応大丈夫だと言っている。もしそれがダメだとしても僕の責任ではないww

かなまい:
 みなさん使うにしてもしっかりしたものを使いましょうww

神主:
 自分で他人の絵を集めてそれっぽいのを出すとか。だからね、ジブリ風とかダメダメ。僕はそういう考え方ダメだと思う。
 AIとはそういうものだと思っているからみんな拒否するかもしれないけど、もっと良いものだと思ってる。

まりお:
 ZUN絵風AIなんか作ろうと思えば作れちゃうわけでしょ? それで世に出たものが果たして東方なのかって言われたら違うとなるので。そこはZUNさんがいるからっていう。

神主:
 なんなら僕がZUN絵風のAI使ったっていいんだけど、他の人が使うとそれは違うんじゃないかと。

まりお:
 ZUNさんはZUNさんの意志を持って……いや使わなくていいよ。

神主:
 使わないよ。だって多分楽しくなくなっちゃうよ。

まりお:
 やってる(作ってる)最中だから楽しくないだろうね。だけど世の中にはプロンプトとかやるのが楽しいっていう人もいるからそれを否定はしない。

神主:
 それを自分の作品と言うのは僕はどうかと思います。
 ただそこも考え方は人によって考え方が違うからね。僕はどちらかと言うと反AIの人間だからそういう言い方しているけど。AIに対して否定的ですけど。

まりお:
 「反AIだからこそ使わない」っていう選択肢ではない、もう一個の選択肢。

神主:
 使わないという選択肢は負けています。

かなまい:
 それすらも組み込んでいく。

まりお:
 なかなか強い。

神主:
 強いでしょ? だいぶつよつよで僕は攻めてますよ。

まりお:
 インターネットの皆さん!そういうことです!

かなまい:
 そういうことです!ZUNさんお話ありがとうございます!

神主:
 語りたいこといっぱい言えたよ。

まりお:
 本当に錦上あいちゃんだったりして。

神主:
 名前変えなきゃなw

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コメント

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【書き起こし】東方錦上京におけるAIの使用について、神主ZUNの意志【東方ステーションより】|霜月レイ / S-Rey
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