有賀 薫 有賀 薫
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私のおすすめ、キッチン道具ひとそろい【2025年版】

※有料記事ですが、本日1日、無料にします!お役立てください!

料理をこれからスタートさせたい人、キッチンをあらためて見直したい人のための基本のキッチン用品リストです。以前に同じテーマのnoteを出してからかなり経って新しく試した道具も多く、情報を更新しました。

基本的には私が自分のキッチンで使ってみた中から、お店や通販で手に入れやすく、価格も高すぎず、使い勝手のよいものをご紹介します。

個人で購入して比べているもので必ずしも満遍なく調べているわけではありません。そのかわり、お店に行って自分自身で選べるよう、選ぶときのコツも合わせて書いておきます。

では、さっそくスタートしましょう。

1.切る道具…包丁、まな板、キッチンばさみ

まずは切る道具。包丁、まな板、キッチンばさみがマストです。

包丁

包丁はかなり価格差があります。1本目の包丁は5,000円前後から10,000円ぐらいで選んでみましょう。少し良いものの方が切れ味が長持ちするからです。素材は錆びにくいステンレス製が一般的です。

刃は長すぎても扱いにくいし、短かすぎると切りづらい。その中で、1本目の包丁には、刃渡り160〜180mmの三徳包丁、またはもう少し短い刃渡り140~150mmのミニ三徳と呼ばれる包丁がおすすめ。ペティナイフは2本目包丁向きです。

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下から三徳、ミニ三徳、ペティ。案外違いますよね

貝印の包丁ブランド・関孫六の三徳包丁で、匠創というラインナップは価格帯と使い勝手のバランスが良く、1本目の包丁として十分な品質。柄もステンレスで洗いやすく衛生的です。

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オールマイティに使える万能の1本。まな板は後述のニトリのまな板です

ミニ三徳はたまねぎ、ピーマン、にんじん、トマトなど、小さめ野菜を切るときには三徳より取り回しがよく、一人暮らしのキッチンにも向く1本です。ただ、キャベツや白菜など大物を切るときには長さが足りないと感じるかもしれません。

この包丁はイベントで使わせてもらって、すごく切りやすかったので購入してみました。サイズ的にはミニ三徳。柄が人工大理石で重みがあるため、持ったときの安定感が気持ちよいです。食洗機対応。

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安心感のある柄の重みが特長。切れ味もよし!

気軽に扱えるペティナイフは、刃そのものが小さく持ち手も細いので、気楽に使えます。フルーツや香味野菜などちょっとしたものを切るにはとても便利で、持っていると出番の多い包丁でもあります。

さすがに大きな野菜や肉、魚は切りづらいです。それでも最近はこれで全ての料理をする人も多いと聞きます。海外の人たちは、まな板を使わずペティナイフ1本使って鍋の上で器用に切っていますよね。

ミソノは私の手持ちの包丁の中でも最も長く愛用している1本です。若いころ一人暮らしをちょっとだけしたとき、このペティナイフ1本で乗り切りました。柄は木製なので食洗機はNGです。

まな板

まな板に求められるのは、切り心地、サイズ、お手入れのしやすさ。まだ何かあるでしょうか。

たとえばプラスチックの薄いまな板。値段も安く、場所も取らずに気楽なのですが、固い調理台で切っているのと同じ状態で、包丁の刃が早くダメになってしまいます。まな板には包丁の刃を守るという側面もあるのです。

木製まな板はやわらかく切り心地がよい一方で、不潔になりやすいのがデメリット。合成樹脂のまな板は漂白剤なども使いやすく、衛生面ではリードです。刃の当たりについても最近はソフトな素材のものも増えています。

サイズは包丁の刃を前後に動かしたとき、はみ出さずに全部収まる大きさが理想ですが、作業台が狭いとそうもいきません。大きすぎると洗うのが大変だし収納にも困りますよね。

食洗機対応の木製まな板がニトリにあって、私はこれを愛用しています。コンパクトながら作業には十分で、軽くて扱いやすいのが魅力。

れと、このぐらい幅があれば、ワンルームの狭いキッチンの小さなシンクに渡して、作業スペースを広げることもできます(シンクのサイズはちゃんと測っておきましょう)。

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食洗機OKだから衛生面でとても安心!

さらにミニサイズの貝印のカッティングボードは、小さなキッチンの作業台や食洗機にも収まります。こちらも食洗機対応。

キッチンがそれほど広くない場合、ミニ三徳とこのサイズのまな板で料理をコンパクトにスタートしてみるという選択はありかも。

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たまねぎでこんなサイズ感です

合成樹脂では最近、刃当たりが柔らかくキズもつきにくい、エラストマーという素材のまな板があります。

最近いいなと思っているのは、マーナのエラストマーまな板。合成樹脂ながら切り心地がやわらかく切りやすいです。リンクは私の持っているSサイズですが、1枚だけ持つファーストまな板なら、ある程度大きさのあるMサイズがいいと思います。

私は普段は木のまな板を使っているので、これはセカンドまな板として、肉や魚など汚れやすいものを切るときや、ちょこっとだけ切りたいときに使っています。

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少しの厚みが安心感に


キッチンばさみ

普通のはさみでもいいようなものですが、キッチンには濡れたものや塩分のあるものが多いし、キッチン専用にしておけば野菜や肉も切れます。

キッチンばさみは清潔さが命。ふたつに別れてまるごと洗えるはさみがおすすめです。

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継ぎ目のところに入り込んだ汁気もきちんと洗えます

仕事場では、文具のプラスが出しているキッチンばさみを使っています。カーブのついた刃で合わせが良く、ハンドルも大きすぎず小さすぎず、ストレスなく気持ちよく切れます。さすがプラス。

オールステンレスの、クラシックなはさみも長年愛用しています。機能的には最新のもののほうがいいかもしれないけど、このシンプルさが並べた時に美しくて好きなのです。

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シンプルデザイン

ピーラー

切ることに手慣れていない方はじゃがいもや大根などの皮をむくためのピーラーがあると良いでしょう。おすすめはこちら、貝印のセレクト100のピーラー。持ち手と刃の関係がよく計算されていて、無理な力を使わずスーッと切れます。波々型の持ち手も握りやすい。

これもスパスパよく切れる、世界的ロングセラーのピーラーです。お値段嬉しめ。

2.量る道具…計量スプーン、計量カップ

家庭料理は最終的に目分量で作れるようになるのが理想です。目分量でやるから無問題!という人は飛ばしてもらってかまいません。

計量は初心者にとっては面倒に感じるものです。ただ、最初のうちは目安もわからないし、入れる量が安定しませんよね。計量を習慣づけると量の目安が身につきやすく、味つけが早く決まるようになるというメリットがあります。

計量スプーン

計量スプーンは大さじ1、小さじ1の各1本があればOK。作りの甘い製品だと容量が違うこともあるということで、お気をつけください。

貝印のオーバル型計量スプーンは、なぜこれがなかったの?!と目からウロコの製品でした。円形の計量スプーンだと口が狭い瓶や缶にひっかかってしまうことが多かったのですが…

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ふつうの計量スプーンだとひっかかるのに、これはするりと入る!

しかもスプーンの底が平らで、液体を量った状態で台に置けます。
これがなにげに便利。柄がカーブしているのでこの状態から持ち上げるのもスムーズです。

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調味料は先に量っておくと料理がスムーズ

小さじ1/2とか1ccとか、かなり小刻みにサイズ展開がありますが、バラでも購入可能。大さじや小さじにはスプーンの内側に1/2のメモリもちゃんとついているから安心です。

収納が小さくてとにかく持ち物を最低限にしたい人は、1本で大さじ小さじが量れるこちらも便利!

計量カップ

計量ものは信頼のおける製品を買ったほうがよいと最初に言いましたが、水を量る計量カップはそれほどデリケートではないので、安いものでも十分だと思います(製菓・製パンや麺をやる方は別です)。「レンジにかけられるかどうか」「食洗機OKか」「メモリが見やすいか」がチェックポイント。

私はステンレスの200mLのカップと、500mLのプラスチックのカップをメインで使っています。ステンレス製のは長年使っていてどこの製品か不明。プラスチックのはマーナのです。最初はどちらか1つでもいいでしょう。

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200mLのほうは少量はかるとき。卵を溶いたり調味料を混ぜるミニカップとしても使っています

マーナのは今はデザインがもっと新しくなっている模様です。このサイトだとわかりやすいのですが、10mL刻みでメモリがついているのがありがたいです。値段も千円以内でイチオシです。

どこまで入れたかを上から目視できる計量カップもよくキッチンスタジオで使いますが測りやすいですよ。私のキッチンではフックにうまく引っかからないので除外となりました。

耐熱ガラスの計量カップもひとつ。ベストセラーのハリオの計量カップはデザインもシンプルなので料理の撮影時にいいのと、レンジにも安心。ただ、メモリが50mL刻みと粗めなのと、ガラスが厚手で重たくて、実用面ではどうしても出番が減っちゃいます。

計量カップで気をつけたいのは、メモリが何種類もついているやつ。粉や砂糖をカップで量りたい人向けなのですが、紛らわしいです。水量を量るだけのシンプルなもののほうが間違いがありません。
あと、海外メーカーによくありがちな、OZ(オンス)メモリがついたものもたぶん一生使わないので除外しておきましょう。

最後に私の買い物失敗例。耐熱ガラスで軽くてデザインも素敵でしばらく気持ちよく使っていたのですが、なんと使っているうちにメモリが消えてしまった!どうぞお気をつけください(気をつけようがないけど)。

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メモリ、ちゃんとあったんですよ。こんなことある?

3.下ごしらえの道具…ボウル、ザル、菜箸

食材の下ごしらえの段階で必要になる道具はたくさんあるのですが、料理のたびに使うものをご紹介します。

ボウル

食材を洗ったり混ぜたり和えたりするのに必須なのが、ボウルとザル。できれば大小あるといいし、何ならミニサイズのがあるとぐっと料理がラクになりますが、とりあえず一組だけでも。

正直、ボウルは安くても十分に機能は果たします。ステンレスが丈夫で清潔ですが、レンジ調理が多い人なら耐熱ガラスや耐熱プラスチックのほうがいいかもしれません。

ニトリのステンレスボウルは滑り止めつきで、何かをこねたりあえたりするときに安定するのでかなりポイント高いです(どこかの製品で見たことがあるような気もするのですが、この価格は魅力すぎました)。

滑り止め付きは24cmのLLサイズ。この下のLサイズ21cmは、滑り止めなし。扱いやすく出番が多いのは21cmだけれど、サラダの葉っぱを洗ったり、ポテサラたっぷり作るような人は大きめサイズがあったほうがいいかもです。

ザル

食材の水切り、湯切りは、おいしく作るうえでとても大切!
ザルは、ボウルや鍋と合わせて使う事が多いので、サイズを確認しておきましょう。セット商品を選ぶのもあり。

持ち手のついたザルがあると、茹でた野菜やパスタをザルに取る、みたいなときに便利です。

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水切り、湯切りはしっかりと!

私のは古すぎてどこのメーカーのものかわからなかったので、形や大きさがわりと近いこちらをご紹介しておきます。持ち手と反対側についているフックは水を切ったあとボウルや鍋のふちにひっかけておくときに、案外ありがたいものです。

汚れたザルの洗いづらさが気になる人は、パンチングタイプがおすすめ。パンチングタイプは商品によって水切れが悪いものもある気がするので、少し値段は張りますが私が使っている柳宗理のザルを紹介します。ボウルとセットで買えば一生ものです。

あと、裏ワザ的なアイテムとして、あちこちで紹介している2WAYボウル。ボウルとザルが一体化しているから狭いシンクで大活躍です。この商品はとにかくよく計算されていて、ボウルからザルへの移行がスムーズ。
専用のボウルはやはり1個持っていたほうがいい気がしつつも、日々使うのにひとつ二役はありがたいです。シンクが狭い家にもどうぞ。

菜箸

和えたり混ぜたりするには案外長さが必要ですし、炒めものや煮物のときに箸が短いと危険です。1膳、安いものでいいから用意しましょう。

長いのと短いののセット売りも多いですが、2膳以上買う場合、実は同じ長さのほうがツール立てや引き出しから迷わず取り出しやすいですよね。

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ツール立てから菜箸を取り出すと、必ず長さ違いのが出てくるのはなぜ?

シリコン箸、木製や竹製はどちらでも。木や竹のものは食洗機を使うと曲がってしまうことがあります(私は入れちゃう)。
ステンレス製は箸先が焦げないしカッコいいのですが、フッ素加工の鍋やフライパンには使えないのでお気をつけください。

サーモスのシリコン菜箸はシンプルな黒一色。すべりにくくて、すごく使いやすいです。こちらは食洗機もフッ素加工のフライパンもOK。おすすめ!

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先が太過ぎず細過ぎずいい感じ

いま売り切れているみたいですが、私が愛用している菜箸がこちら。太さが自分の手にちょうどいい。

4.加熱する道具…鍋とフライパン

鍋と、加熱のとき使うグッズです。
鍋は本当にそれぞれの家庭で適切なものが違うので個別カウンセリングしつつおすすめしたいのですが、料理するならあったほうがいいと思うのはこの3つ。

鍋で最初に欲しいいのが
A 15~18cmの片手鍋
B 24~26cmの深型フライパン
C 20~22cmの煮込み鍋

とくにAとBが最優先です。順番に説明していきますね。

A.15~18cmの片手鍋

味噌汁やスープ、ちょっとした野菜や卵を茹でる、インスタントラーメン、小さな煮物など、オールラウンダーで取り回しのいい鍋。味噌汁1~3人なら15~16cmが使いやすく、4~5人の家庭なら18cmの鍋という感じです。

こちらは私が日々味噌汁に使っている鍋。内側がテフロンになっているのでお手入れがとにかくラク!小さな揚げ物ぐらいならこれでやってしまいます。自炊料理家の山口祐加さんに最初教わったのですが、今、仕事場含めて3つ持っています。IH用のとそうじゃないのがあるので買うときに気をつけてください。ふたは別売り。

もう一つ、こちらは宮崎製作所のジオというブランド。スレンレスの多層構造になっていて蓄熱性も高く、食材を焼き付けたりするのも無水調理も上手にできます。この価格で海外の有名ブランドの鍋に匹敵する品質です。

片手鍋には14~20cmのサイズ展開があって、私は16cmと18cm、それに行平型も持っていて、いずれもヘビーローテーションしています。ほんとにおすすめです。

ちなみに鍋もフライパンも、かならず蓋とセットにしてください。蒸し煮調理をすることもできるし、煮るときの蒸発も防ぎたいからです。

B.24~26cmの深型フライパン

ふたつめの鍋はフライパンです。
最近は縁の高い(7~8cm以上ある)深型のフライパンを使う人が増えていると思います。焼く、炒める、そして煮るなどの調理がかなり手広くできるもので、生活の鍋としては便利なものです。最低限の鍋で済ませたい人ならこれ1本で決まりでしょう。サイズは26cm、または24cmがいいです。

手入れの点でテフロンのものが主流で、鉄製のは底面が狭い中華鍋に近い形が多いように感じます。肉を焼いたりするのにはスペースが欲しいので、底面はやや広めのほうがいい。素材より形にこだわりたいです。

ここでは無印良品の深型フライパンをご紹介します。底面が広く深さも結構あって、肉も焼けるし炒め物もたっぷりできるし、2~3人分のカレーやシチューなら十分作れます。ただしIH対応ではありません。

テフロンのフライパンは一生物の鍋…というわけにはいかず、どこかで買い替えの必要があるので、それが嫌な人は鉄のフライパンを使うことになりますが、鉄製の深型フライパンは重たくなってしまうのでおすすめしません。その場合は焼く、炒める調理と煮る調理は別の鍋にしましょう。

C.大きめの煮込み鍋

3つ目の鍋は、煮物、シチュー、カレー、スープなど、煮込み料理をたっぷり作れる大きめの厚手鍋。2~4人家族なら20cmから22cmが標準でしょう。

煮物鍋は高級なブランド物も多く、好みのスタイルも分かれるため非常にこれというものが選びにくい分野です。機能的には蓄熱性の高い鍋(熱が冷めにくい鍋)が基本。とはいえ素材だけでもステンレスの多層構造鍋や厚手のアルミ鍋、鉄の鋳物鍋、土鍋、セラミックなどさまざまあって迷います。

もっとも扱いやすいのはステンレス鍋でしょう。耐久性と蓄熱性があってお手入れも楽です。蓄熱製はないけれど熱伝導のすぐれたアルミなどをステンレスの間に挟み込んで、両方のいいとこどりをした多層構造の鍋がおすすめです。IHでも使えるものが多いです。

こちらは片手鍋でもおすすめした宮崎製作所のジオの20cmの両手鍋。22cmのサイズもあります。ネットだと定価(メーカー希望価格?)よりかなり値段が下がっていまして、正直、この品質の鍋がこの価格で手に入るのが不思議なくらい。

ジオの両手鍋で、径は同じ20センチで、深さがあるポトフ鍋もあって、一度にたっぷり作りたい人におすすめです。

ル・クルーゼやストウブなどのほうろう鍋(鉄の鋳物鍋にほうろうを施してある)も、煮込み鍋としては非常にポピュラーでいい鍋で、私もたくさん持っていて愛用しています。ただ、重さがあってお手入れも案外デリケートなので、人を選ぶ鍋に感じます。

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ほうろう鍋については詳しくはまた別のnoteにしますね。

5.つかむ・返す道具…ヘラ、ターナー、トング

シリコンベラ、木べら

炒めたり煮るのに必須のヘラは、今やシリコンが主流です。機能的には木製よりも、鍋底についた煮汁などがしっかりぬぐえるシリコンが焦げ付き防止にも向いています。1本持っておきましょう。

こちらは説明するまでもない無印良品のベストセラー。いまや料理家でこれを持っていない人を探すほうが難しいぐらい。ヘラの役割を担いつつ盛りつけまで想定したスプーンにしたのは発明です。鍋中で混ぜたり盛り付けるとき鍋についたたれや調味料までしっかりヘラですくい切れるのは大きな魅力。テフロンの鍋やフライパンとセットで持っておきたいですね。

同じシリコンスプーンで、こちらは貝印の製品。しっかり角がついているので、鍋底に角があるようなとき、あるいはジップロックの袋からソースや料理などを出したりするとき、隅々までストレスなくかき出すことができます。

ヘラ専用なら、こちらもおすすめ。ヘラ部分に適度な重みがあって持った感じがよいです。側面の直線部分ががボウルにきれいに沿うため、たとえば味噌を袋から残らずかき出すような作業には便利。特にお菓子作りする人は、このタイプは1本持っておきたいです。

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ヘラにちょっと厚みがあるので安定します

ターナー(フライ返し)

ごめんなさい、私、実はターナーを持っていないんです。ではハンバーグや魚のムニエルを何で返しているかというと、これです。

お好み焼きのヘラ。20センチぐらいあるある程度大きなものを2本使っています。お好み焼きだけでなく、肉を焼いたり魚をひっくり返したり、目玉焼きにも使っています。ヘラ部分がスクエアに近く、食材を乗せて安定します。何より安い。

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2本持ち

使ってないけど最近気になっているのが、貝印のターナー。ターナーはなんとなく野暮ったいデザインのものが多いんだけれど、これはスタイリッシュですよね!(そのうち買ってしまいそう…)

トング

私は絶対必要な道具とはあまり思っていないトングですが、パスタをよく作る人は持っていたほうがいいと思います。ラーメンは箸でもいいいけど、パスタは箸だと手早く盛りつけできません。あと、ステーキなどの肉を返すとき、ターナーよりこちらがやりやすいという人もいますよね。

トングは長年同じものを使っていました。最もポピュラーな形です。

掴むには問題ないのですが、柄の部分は内側にステンレスが巻き込まれているため、そこにパスタの茹で汁が入って、やけどしそうになることがあるんですよね。で、仕事場のために買ったのが柳宗理のトングです。

食材への当たりがソフトで、先がギザギザしていると肉や野菜をつかんだとき傷つけてしまいそうになるのですが、このトングだとそれがない。洗いやすさもバッチリです。
サーバーとして食卓に出してもいいおしゃれデザインということも大きなポイントですね。サラダのとりわけトングにもおすすめです。

グリップ力やつかみやすさにはそれほど差がなかったです。でも、本当はテフロンのフライパンには先がシリコンの方がいいんですけどね。

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ゆでたまご、どちらも上手につかめました

6.よそう道具…おたまとしゃもじ

おたまとしゃもじは、他のものでは代用できないので、やはり1本ずつ欲しいものです。いいものだと料理のストレスが軽減します。

おたま

スープ作家として、かなりさまざまなおたまを使ってきたつもりです。少人数家庭の場合は小ぶりのものが1本あればほぼそれでOKです。安いものでも全く問題ありませんが、NGなのは、おたま部分が深すぎるものと、大き過ぎるもの。片方が注ぎ口みたいになっているのも、濃いめのソースなどにはいいけれど、サラッとしたスープには使いにくいです。

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私がヘビーユースしている使いやすいおたまを2つご紹介。ひとつはこちら、スープ作家になった頃から愛用している柳宗理のレードルです。丸ではなくはまぐり型であることですくいやすく、スープがきれいに注げます。料理の盛りつけをするときに重宝するSサイズがお気に入り。

それから同じぐらい気に入っているのが、家事問屋のもの。
はまぐり型なのは同じなのですが、柳宗理のおたまと比べると、おたま部分が浅い形なんです。豆腐とか、魚みたいな崩れやすい具材をおたまの端で切ってしまうことが少なくて、美しくすくえます。
そしてこちらは大中小ある中で、中サイズがおすすめ。Amazonでの扱いがないので通販だと送料がかかってしまいますが、価値あるおたまです。

わんぱくな高校生にカレーをよそったりするようなお家では、もうひとつ大きめのものがあってもいいでしょう。ここで紹介した製品の、上のサイズでもいいと思います。

しゃもじ

キッチン用具の中で、これ一択だなと思うものがたまにあります。しゃもじもそのひとつ。マーナの極(きわみ)しゃもじです。

細かいエンボス加工が施されていて「くっつかない」のが最大の特長です。私は縁が薄めなのでごはんにスッと入り、きれいによそえる形も気に入っています。

同じマーナで素材がより剥離性の高い「極しゃもじプレミアム」やスタンドタイプもあるのですが、私は黒の普通タイプを愛用。十分くっつきにくいです。

しゃもじはちらし寿司や手巻き寿司などのときに卓上で使うこともあるので、質感のある木のしゃもじも1本だけ持っています。

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見た目が大事なときもある

7.代替不能なサブ道具

さて、1万字近くに到達してしまいました。ここまで紹介した道具があれば相当な料理が作れますが、ここからは、代替がきかない特殊なキッチン用品に少しふれておきます。人によっては全く使わない可能性もありながら、初心者の方でも作るような料理に必要なものということでリストに加えました。

おろし立ては格別です、おろし金

代替のきかない道具の代表は、おろし金でしょう。大根おろしはもちろん、便利なチューブのあるにんにくやしょうがなども、自分でおろすと風味がまったく違います。自炊するならぜひ1本、可能なら大小持っていてもいいと思う道具です。

いろいろ使ってみた結果、初心者の方にはこれをおすすめ。おろしやすさ、洗いやすさの点からストレスが少ないように思います。

小さなおろし金があると、にんにくやしょうがをちょこっとおろすのが苦でなくなります。使用頻度を考えると、大根おろしよりむしろ日々の調理にはこちらが先かもしれません。

野菜はサラダ!な人は絶対スピナー

生野菜サラダは水切りが命。わが家でほぼ毎日使うのが、こちら、サラダスピナー。とにかく、サラダをおいしく食べたいなら必須のアイテムです。
私が使っているのはIKEAのです。洗ったレタスを入れてふたをし、ハンドルをぐるぐる回せばパリッパリのサラダになります。

麺が多いなら、大きな薄手の鍋

うどんや蕎麦、パスタなどの乾麺や生麺をよく作る人なら、大きくて軽い鍋が欲しくなるはず。2~3人家庭の煮物を作る煮込み鍋だと、麺をゆでるにはやや小さいです。熱湯がたっぷり入った状態で茹でこぼすこともあるので、持ち手がしっかりした鍋が理想です。

「軽くてたっぷり鍋」の代表は、和食で使う行平鍋です。熱伝導のよいアルミ製が多く、スピーディにお湯が沸かせます。2人分以上の麺をゆでるなら24センチぐらい。ただ、このサイズの鍋ってほかの使いみちがあんまりないんですよね。私はたけのこや大量の青菜を茹でるとき、夏に麦茶を沸かすのに使っています。

ちなみにアルミ鍋はIHでは使えません。底面に別素材を貼ってIHで使えるタイプのアルミ鍋も増えていますので、IHの方は必ず確認を。

日常的に私が愛用しているのは栗原はるみさんプロデュースのIH対応の鍋です。やや縁が低い分、軽くて使いやすいです。アルミクラッドというのは、多層構造の意味ですね。ステンレスでアルミをはさんでいるのでお湯も早く沸きますし、IHでも使えます。

道具で料理はもっと楽しくなる!

いかがでしょうか。ひととおりのキッチン用具は揃いそうですか?
細かいことを言うと、炊飯器やトースターやレンジはキッチン用具に入るかなとか、トレーやバットも入れたいなとか、保存容器もいるよねとか、いろいろ出てきますが、それは生活に合わせて考えましょう。

キッチン道具は一度買うとそうそう替えるものではないと思いますが、これほど日々進化しているものもありません。長年料理をしている人でも新しい道具を取り入れ、その思いがけない便利さに料理の楽しさを再認識するかも。ぜひあれこれチェックしてみてください!

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読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。

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