大阪地検の元検事正、北川健太郎被告(65)は、検事正を務めていた2018年9月、大阪市内にある公務員の宿舎で、酒に酔って抵抗できない状態の部下の女性検事に性的暴行をした罪に問われています。
女性検事は21日、日本外国特派員協会で記者会見を開き、事件のおよそ1年後に元検事正から受け取った直筆の書面だという文書を公表しました。
大阪地検 性的暴行事件 部下の女性検事“元検事正の書面”公表
大阪地方検察庁の元検事正が、部下だった女性検事に性的暴行をした罪に問われている事件で、女性検事が事件後に元検事正から受け取った直筆の書面とする文書を公表しました。書面では「あなたも属する大阪地検のため」などとして、被害を訴えないよう求めています。
文書は「取り返しのつかない被害を与えたことを心から謝罪します」と記す一方で、公になれば検察組織に強烈な批判が向かうとして「私の命に代えてやめていただくようお願いします。私のためというよりあなたも属する大阪地検のためということでお願いします」などと、被害申告をしないよう求めています。
会見で女性検事は、自身が事件の被害者であることが職場で広がるなど、二次被害が起きたとしたうえで「私は苦しみ続けています。検察が信頼できる場所でなければ国民の安全を守ることはできません」と話し、検察の対応を検証する第三者委員会の設置を求めました。
元検事正は初公判で起訴された内容を認めましたが、その後「女性が抵抗できなかったという認識はなく、同意があったと思っていた」として、無罪を主張する方針を明らかにしています。
元検事正の弁護士は取材に対し、今回公表された書面についてはコメントすることはないとしたうえで「証拠をもとに裁判の中で争います」としています。