ないものばかり数えるな。
東京在住の男性S様から「やりたかった仕事に転職したのだがモヤモヤする。坂爪さんなら何を思うか知りたいから話を聞いて欲しい」とご連絡をいただいた。私の正しい使い方である。幼少期にいじめられた経験があり、弱い立場の人に寄り添いたいと思ってソーシャルワーカーになったが、うだつがあがらなくて鬱病気味になっている。命の電話を利用したこともある。空虚感が常にあって、誰かの役に立たない自分には価値がないと思ってしまう。S様は、そのようなことを言った。
私は「役に立とうとしている人は苦しそうに見える。役に立たなくてもいいと思っている人は元気そうに見える」と言った。役に立とうとする人ほど空回り、ネガティブの渦に周囲を巻き込む。役に立たなくてもいいと思っている人は、やりたいことしかやらないから、ポジティブの渦に周囲を巻き込み、関係者を元気にする。S様は、誰かに必要とされたいシンドロームの危篤状態なのだと思った。誰かに必要とされたいと思うけれど、人間が怖いから、弱っている人なら攻撃してこないと思って、自分の中の空虚感を埋めるために他者を利用しているように見えた。私は「寄り添う」と言う言葉が苦手だ。マウントを感じる。フェアじゃない。寄り添うよりも、一緒に楽しみたい。
S様は「幸せがよくわからない」と言った。常に「こうするべき」とべきで物事を考えてしまう。坂爪さんが言うように、何かをやりたいと思うウォントで物事を考えることができない。このままではいけないと思って坂爪さんに連絡した。坂爪さん、どうすれば私は元気になれるでしょうか。私は「俺に聞くな。自分に聞け」と言った。過去に自分を元気にさせてくれるものがなかったら、ここまで生きてくることはできなかった。生きていると言うことは、元気にされてくれるものがあったからだ。いじめられて死にたいと思っていた時でさえ、元気になったものを思い出せ。仕事ではなく、仕事を通じてやりたかったことを思い出せ。このままではいけないという言い方はネガティブだ。爆発したいと言えばポジティブになる。ネガティブな言い方をする天才になるな。どうせなら痛快な言い方をする天才になれ。心が空虚だと言うけれど、俺の文章を読んで何かを感じた訳だろう。死んでないじゃないか。死んでないのに死んでいるとか、ゾンビみたいなことを言うな。
頭はネガティブ。体はポジティブ。この言葉を心臓に刻みたまえ。頭が考えることはネガティブ。頭で考えてうまく行った経験があるなら、それを続ければいいと思う。頭で考えても全然うまくいかなくて、元気になるどころかどんどん元気を失っているのに、それでも頭を続けるのはバカだ。自分はバカだと認めろ。バカだと認めた上で「バカでもいいじゃないか」と開き直り、頭ではなく体に従う。俺に連絡した時は、頭ではなく、体が反応したはずだ。なんて言えばいいだろうとか、自分なんかに会う資格はあるだろうとか、頭で考えたらネガティブになって行動できなくなる。しかし、頭は一旦無視して、とにかく電話する、とにかくメールする、とにかく会う道を選択したから、今、私と言う絶滅危惧種と一緒にコーヒーを飲むことが出来ている。朝には想像していなかった夜を過ごすことができている。自分には何もないとか言うな。会いたい人に連絡をして、自分の思いを実現させる力が、あなたにはある。これだけのことをやっているのに、やっていることを無視して「できない」とか「ない」ばかり言うな。
頭はネガティブ。体はポジティブ。一日に何回もこの言葉を唱えたまえ。あなたは「ちゃんとしなくちゃ生きていけない」と思い込んでいるから、べき論に毒されて恐怖に負けているのだと思う。だが、それなら俺はどうなる。べきをやるくらいなら死ぬと思っているが、現状ピンピン生きているぞ。世間的な常識に盲目的に従うのではなく、もっと色々試してみろ。世の中なんて嘘ばかりなんだから、誰かの言葉を鵜呑みにせずに、自分の体で色々感じろ。ないものばかりを数えるな。あるものを数えろ。元気になったものを数えろ。そのようなことを言ったら、S様は「頑張ります」と言った。頑張るな。頑張ったら試合終了。俺は頑張ることと我慢をすることは放棄したのだ。リラックス。頑張るな。役に立つな。価値のあることをやるな。思わず体が動き出すことをやろう。
坂爪さん
こんにちは!⚪︎⚪︎です。先日沖縄でお会いした後、改めてお礼メールしようと思ったけど、手紙を書きたくなったので書きました。
沖縄でお会いしてたくさん喋って笑って本当に楽しく嬉しかったです。タイマンが初だったので、今のくすぶってる私だし一刀両断で泣きべそかくまでは想定してめっちゃキンチョーして行ったけど、思い返せばただただ愉快でアホで淫靡でハッピーなひと時だったなーと感じてます。
《余談:淫靡ついでに。坂爪さんがたくさん触れてくれた左肩、実はここ半年ほどずっと関節の痛みがあって通院していたのですが、翌朝なぜか痛みがほぼほぼなくなってて「!?」となりながら病院キャンセルしました。一体・・・?》
ビールを飲みすぎたせいもあってか、余計に夢か現実か分からなくなるような一夜だったけど、翌日Google検索立ち上げたら「暴れだぬきの鬼袋」ページが表示されて現実の実感がわきました。自分で言った記憶があるけど「ラブホの名前デュエル」ってなんやねん。あと、まだシラフだった最初のほうに「オレの顔で今どんな感じに見えるか」みたいなことを聞かれて真っすぐ顔ガン見してた時、正直「かっけーな」と俗っぽい感想しか出てこなかったので、ここで自白しておきます。
「⚪︎⚪︎さんは自分に退屈しているように見える」と言われ、率直に「せやな」と思い、とりあえず今勤めているお店を辞めて一人でフラフラとマッサージの仕事やってくことにしました。退職の背中を坂爪さんに押してもらうの(と勝手に感じているソレ)は人生3回目です。私にとっての「必殺!仕事やめさせ人」すぎる。強欲であること、安心安全を選ぶことについては自分でも別にええやんと思ってるのですが、ただただ自分が自分を「今のお前つまらん」と思ってしまってるならそれが一番きっついダッサい状態やなと。
そんな大それた話じゃなく、今日、明日のことを考えて「フフッ」ってウキウキの笑いがこぼれるような、未知で愉快な日々を生きていきたく小さじ1杯程度の勇気をふりしぼってみました。あと、微量ながら坂爪さんに「ダサい」「カッコ悪い」生きざま見せたないなーという気持ちもあるのですが、これは他者評価を気にする云々ではなくて「気になるあのコの前ではカッコよくいたくて背伸びしちゃうかわいい虚勢」です。スーパーひとり相撲。
「誰に頼まれずとも書いちゃう文章が⚪︎⚪︎さんの真骨頂」と、坂爪さんに言ってもらった言葉、お守りのような鈍器のようなインパクトを以て私の心に居座り続けています(余談:坂爪さんの言葉のセンスが、言葉フェチの私にはたまらん)。めちゃめちゃ調子づいたまま、また誰に頼まれずとも作った本を同封させてもらいました。
仕事や恋愛をはじめ、しくじりと恥辱まみれの黒歴史エピソードをまとめてみた本です。坂爪さんのことは、生き様とかはもちろんなのですが「書く人」として大リスペクトしている面も大きく、そんな御方に自分の“書く”をただただ見てほしいという一方的な願望で本をお送りしています。ひとり相撲の大横綱。いろんなところを飛び回る日々かなと思いますので、これがいつ坂爪さんの目に留まるのか分かりませんが、そのいつかの際には、チラ見(チラ読み)してもらえたら大鼻血で喜びます。3作目もつくったら勝手に送ります(予告)
その存在と、文章を以て、私の人生を何度も軌道修正してくれたり、漠然と、でも確かで深い肯定を届けてくれたり、単純に笑かせてくれたり、いつも、たくさんありがとうございます。引き続きどこかで今日も爆裂に生きてくれてたらなんだか嬉しいです。
おおまかな予定
5月22日(木)東京都渋谷区界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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