中国留学仲介「入学保障」の素顔…特権層の身分上昇手段に転落
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.21 09:03
「15万ドルさえ出せばオックスフォード大学入学保障」--。
中国の某留学仲介会社の広告コピーだ。彼らは学歴と成績を偽造して英米名門大学への入学を「保障」する不法営業で暴利を貪る。該当の仲介会社は主に香港や米英の大学をターゲットに偽造された成績表・操作された卒業証書・代理試験などの手法を動員して莫大な収益を上げている。
中国メディア「南方人物周刊」は中国留学仲介業者「籐徳啓迪」を通じて英国マンチェスター大学に入学した王珏さん(仮名)の事例を報じた。政府関連の職に就こうと考えて準備をしていた王さんは27歳で留学を決心し、この仲介企業に34万元(約680万円)を支払った。同社は内部の推薦経路を通じて100%入学を保障、失敗したときは全額返金を約束した。王さんは2023年9月マンチェスター大学芸術・言語・文化大学修士課程に入学した。
だが今年2月、王さんは学校側から「学位偽造聴聞会」の通知を受けた。登録された学部大学に王さんの在籍記録がないということだった。学校側が提示した彼女の入学書類にはニューヨーク大学(NYU)名義の学位証と成績表が含まれていた。王さんは実際にこの大学に通ったことはなく、該当の学校の学位証を入学書類として提出したという事実さえ初めて知った。王さんは結局退学措置となった。
留学仲介業者が掲げていた「入学保障」サービスは虚偽成績表・偽造学位・虚偽公証書など各種偽造方法が動員される。オックスフォード・ケンブリッジ・ハーバードなどA級名門大学入学は15万ドル(約2165万円)、ペンシルベニア・コロンビアなどB級大学は9万ドル、マンチェスター・エディンバラなどC級大学は7万ドルに達する料金が要求される。
◇「入学保障」留学商品の影…中国特権層の留学生問題に反感拡散
高額の「入学保障」留学商品は実力に達しない者に海外名門大学進学の扉を開けてやり、その代価として高い報酬をもらって収益を狙う構造だ。悔しい被害者もいるが、スペックを通した「履歴書」の底上げを期待する人々の需要と結合して市場は大きくなった。
最近中国労働節連休期間、中国オンラインを熱く賑わせた「董襲瑩事件」はこのような海外留学システムの影の部分に光を当てた。董襲瑩は共産党高位幹部の娘で米国コロンビア大学経済学科を卒業した後、中国最高医科大学である協和医学院博士過程に特例編入した。その後、高速で医学博士学位を取得し、首都北京の中日友好病院でレジデントとして働いてきた。
董襲瑩を巡る各種特恵疑惑が提起されて結局董襲瑩は医師免許の剥奪および学位取消処分を受けた。だが、公正な競争なく海外学位と家庭背景を前面に出して主要職務を占めた事例として、激しい批判世論にさらされた。特にこの事件は誠実に勉強してきた一般の学生たちの機会を奪ったという点で教育不平等問題を浮き彫りにした。
このように海外留学を巡る不正事例が繰り返されていて、中国内では「海外留学派崇拝」現象に亀裂が入っているという分析もある。中国教育部は4月28日、正式な公告を通じて「海外学位に対する認証審査を強化する」と明らかにした。これまで相対的に緩かった海外学位認定手続きに変化が予告された格好だ。
中国代表家電「グリー(Gree)グループ」の董明珠会長は「我が社は留学生を採用しない」と公言した。実際、2024年基準で同グループの研究開発(R&D)人材のうち海外留学派は0.5%にすぎない。留学経歴がこれ以上「実力」の保証書にならない雰囲気が用心深く拡散している。
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