告発文書問題について記者からの質問に答える斎藤元彦知事=20日午後、兵庫県庁(撮影・風斗雅博)
兵庫県の斎藤元彦知事らへの告発文書問題で、文書を作成した元西播磨県民局長(故人)の公用パソコン内の私的情報が漏えいしたことについて、斎藤知事は20日の定例会見で、県のトップとして元県民局長の遺族に謝罪する意思があるかを問われ、「どう対応していくのかはこれからの検討」と、明言を避けた。
元県民局長の私的情報は、政治団体「NHKから国民を守る党」(NHK党に名称変更を発表)の立花孝志党首らが昨年11月末以降に、X(旧ツイッター)やユーチューブで投稿して拡散。経緯を調べた第三者調査委員会は、県職員が漏らした可能性が高いとする報告書を今年3月末にまとめた。
報告書を受け、今月16日の県議会総務常任委員会で公明党の越田浩矢委員は、県の過失によって元県民局長への誹謗中傷が続いており、「県として、できれば知事から遺族に直接謝罪すべきだ」と指摘した。
20日の定例会見で対応を問われた斎藤知事は「お相手のある話で、どう対応できるかは今後人事課などを中心に考えていくこと」と、消極的な姿勢を示した。
投稿の削除要請については「法的なハードルが高い」と従来の見解を繰り返し、拡散をやめるように呼びかけることは「表現の自由の観点からも、行政機関の長としては慎重であるべき」と述べた。(前川茂之、井上太郎)