合金1.6キロ、委託の歯科技工所から「行方不明」 住民が監査請求
森川愛彦
山口県周防大島町立橘医院の歯科が委託した下関市の歯科技工所から、約1.6キロ(400万~530万円相当)の金銀パラジウム合金が行方不明となり、町に損害を与えたとして、大島郡歯科医師会の岡田秀樹会長ら町民87人が20日、町に住民監査請求を行った。
請求によると、町側から歯の詰め物などの製作を委託された技工所が2013~23年に仕入れた合金の量は、技工所から病院に納入した量より、計約1.6キロ上回ったという。技工所は24年に閉鎖され、医師会の調べでは、合金の所在は不明という。町病院事業管理者に対する損害回復措置の勧告を求めている。
この日、記者会見した岡田会長は「町の財産として看過できない損害額で、その発生は町のずさんな会計処理と監査が原因だ」と主張。町に実態解明も求めた。