岡山市立市民病院 手術後に患者死亡で賠償命令 岡山地裁

8年前、岡山市立市民病院で60代の男性が食道がんの手術を受けて死亡したのは、担当した医師が不適切な手術を行ったためだなどとして、遺族が賠償を求めた裁判で、岡山地方裁判所は医師の責任を認め、病院側に3000万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。

8年前の2017年3月、倉敷市の60代の男性が岡山市立市民病院で食道がんの手術を受け、その後、容体が悪化して、7日後に死亡しました。

遺族は、男性が死亡したのは担当の医師が十分な検査や説明をしなかった上、不適切な手術を行ったためだなどと主張して、病院側におよそ6180万円の賠償を求める訴えを起こし、病院側は争っていました。

20日の判決で岡山地方裁判所の大嶺崇裁判長は男性は肝機能に問題があったのに、医師はそれを踏まえた事前の検査をせずに、リスクを過小にとどめた説明しか行っていなかったと指摘しました。

また、容体急変後に行われた食道再建などの手術について、救命を優先すべきだったのに9時間以上にわたって手術を継続しており、合理的な裁量を逸脱しているとして、医師の責任を認めました。

そのうえで、「男性は医師の義務違反によって自己決定権を侵害され、予期せずに死亡した」として、病院側に3000万円余りの支払いを命じました。

判決について病院を運営する岡山市立総合医療センターは「判決文を確認の上、病院内で今後の対応を慎重に検討する」とコメントしています。

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