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~アイドル界前代未聞の事件まとめ~山口真帆暴行事件ヒストリー あれから5年、今願うこと

山口真帆暴行事件ヒストリー

アイドル界前代未聞の事件

 山口真帆暴行事件をまとめようと思う。厄介オタクとつながったアイドルが仲間を襲わせた前代未聞の事件として、2019年上半期、ワイドショーを席巻したあの事件である。

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メンバー関与を世間に訴える告発
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ワイドショーによる報道


 しかし、事件の被害者・山口真帆が卒業・研音に移籍し一応の決着を見た後、民事に引きずり出された暴行犯・甲が「スタッフの前では本当のことが言えなかった」とそれまでの供述を翻し、自分がつながっていたのは山口真帆だと準備書面で主張。それをスポニチが互いの部屋番号を指文字で作る写真付きで大きく報道したのは2019年10月30日のこと。

 山口は即日Twitter(現X)で「名誉棄損すぎる」と否定・反論を行ったものの、研音は偽証罪に問われない場所から一言否定しただけで対応を終了。以降、山口も事件に言及することは無くなった。

 これはおかしな話である。いや、そもそも研音が事件抜きでは成立しない人をまっさらな女優として売り出した時点でおかしいと言うべきだったのだろう。

 現在に至るまでX(旧Twitter)、Yahoo!知恵袋、各掲示板には山口信者たちが「山口真帆への誹謗中傷」と声を荒げるさまざまな投稿が為されて来たが、研音はそれらに対する法的措置はおろか注意喚起のコメント1つ出さぬまま2023年9月30日に山口真帆を退所にした。

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研音退所を伝える山口真帆


 そして、これによって山口は自分の裁量で発信できる立場になったにも関わらず沈黙を保っている。「嘘だと疑うなら疑ってもらっても構わない」と言った人が自分の正当性を証明しようとしないのである。

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告発に伴い発信したツイート


 山口真帆暴行事件に関わる一連の騒動は収束。これ以上の進展は無いと見て良いのではないだろうか? だって、山口真帆主演ドラマ「悪魔カフェへようこそ」の放送開始に合わせてアフィリエイターがYouTubeに上げた暴行事件解説動画が34万視聴を記録してもNGT48は炎上しないのだから。(解説動画は世間が山口真帆の主張通りと思った5年前の視点で作られている)

 自分がこのnoteを書くことで願うのは騒動の経緯、その過程で出て来た情報が正しく伝わることである。今も山口真帆の主張通りの事件と思われて行った2019年6月以前の報道、著名人や弁護士の発言が掘り返され、山口の不利益になる部分はトリミングして拡散という作業が山口信者によって行われている。有り体に言うと情報を受け取った他者を惑わし判断を誤らせるための作業だ。

 何故、彼らがこんな事をするのか分からない。おそらく、してもいない悪事をしたと信じられ不幸になって行くアイドルと、それを悲しんだり怒ったりするファンの様子を見るのが楽しくて仕方がないのだろう。

 事件解説動画が34万視聴を超えても炎上しない現在の世間にとってもうどうでもよい事件になっているのは承知しているが、新たにNGT48や卒業した1期生の芸能活動に興味を持ってくれた人が気になるのは山口信者によるそれらの投稿だと思う。

 あれから5年が経ち、メンバーの卒業と共にNGT48からは山口真帆の告発を巡る一連の騒動を実体験として知るファンの多くが去り、残ったファンの記憶も曖昧になり始めている。山口信者が拡散する情報にNGT48ファンが曖昧になった記憶を付け足して間違った経緯や情報が語り継がれて行くような状況にはなって欲しくない。

 だから、マスコミが嗅ぎまわっても黒幕と目され叩かれたメンバーたちからは事件関与はもちろん暴行犯と交際関係にあった証拠(LINE、2S写真など)・供述が出て来ず、肝心の告発者・山口真帆は暴行犯が自分とのつながりを供述し始めた途端、貝になってしまったおかしな事件と告発後の騒動を自分がどう読み解いているのか記しておくことにした。

事件の経緯

  • 2018年12月8日 山口真帆暴行事件当日、暴行犯甲・乙は同日新潟県警により逮捕

  • 2018年12月28日 新潟県警捜査終了、暴行犯甲・乙は送致されるも不起訴放免。

  • 2019年1月8日 山口真帆、動画配信サービスSHOWROOMにて不穏な発言。配信は途中で打ち切られる。

  • 2019年1月9日 山口真帆、Twitter(現X)にて暴行被害に遭っていたことを告白。その背景、暴行の状況、劇場支配人・今村悦朗の対応、他のメンバーの様子や自分の思いを投稿。それを受けてNHKが報道。他メディアも次々と報道を始める。

  • 2019年1月10日 NGT48劇場オープン3周年記念公演に山口真帆出演。同日深夜、運営もNGT48mobileにて初めてコメントを発信。責任者である今村悦朗が姿を見せないまま暴行被害者に謝罪をさせたとして世界各国のメディアからも批判を集める事態に発展する。

  • 2019年1月12日 ︎︎週刊文春が事件関与を疑われている太野彩香、西潟茉莉奈はシロと報じる。本人たちも事件に関与していない旨、Twitter(現X)で発信。

  • 2019年1月14日 AKB48グループ成人式。48G運営会社・AKSが会見を開く。AKS運営責任者・松村匠が山口真帆に謝罪させてしまった事を詫びると共に第三者委員会を設置し事件の調査を行う事を表明。同日未明、劇場支配人・今村悦朗の異動も発表。

  • 2019年1月17日 ︎︎NGT48県外メンバーが居住するマンションから全員引っ越す準備が進んでいると報道される。

  • 2019年1月20日 ︎︎運営からマスコミに、行き過ぎた取材の自粛を求めるコメントが出される。

  • 2019年1月26日 ︎︎FRIDAYが事件を捜査した新潟県警梅田毅副署長のコメントを取り記事公表。

  • 2019年2月2日 週刊文春がNGT48山口真帆をキレさせた「4通目の運営メッセージ」として今村悦朗からメンバーに向けたLINEを公開。犯人の口頭や携帯電話のデータを調べた結果、E子というメンバーから証拠が出た事が明らかになる。

  • 2019年3月6日 元AKB48グループ総支配人・戸賀崎智信が元NGT48劇場支配人・今村悦朗、AKB48劇場支配人・細井孝宏との飲み写真をツイート。今村は契約解除、細井は支配人解任へ。

  • 2019年3月10日 ︎︎NGT48研究生から1名活動辞退者が出る。

  • 2019年3月21日 NGT48mobileにて第三者委員会調査報告書公表。

  • 2019年3月22日 第三者委員会調査報告に関する会見が行われる。会見中、山口真帆がTwitter(現X)で生反論。世間の理解を得られなかったNGT48は事実上の活動休止状態へ。

  • 2019年4月5日 今後もNGT48を続ける気がある者という参加条件付きの全体ミーティングが行われる。

  • 2019年4月11日 NGT48チーム制廃止、チームNⅢ、G解散を発表。

  • 2019年4月17日 ︎︎柏木由紀のNGT48兼任解除が発表される。

  • 2019年4月21日 NGT48チームNⅢ「誇りの丘公演」千秋楽で柏木由紀兼任解除。チームG「逆上がり公演」千秋楽で101日ぶりに山口真帆が出演。菅原りこ、長谷川玲奈と共に卒業を発表。AKS社長・吉成夏子に会社を攻撃する加害者と言われていたことを明かす。

  • 2019年4月23日 アダストリアの「ヘザー」がSNSを中心とした反響を受けて荻野由佳を起用した広告プロモーションを中止。公式サイトに謝罪文を掲出した。

  • 2019年4月26日 AKSが暴行犯甲・乙を相手取り、事件によりNGT48の芸能活動が休止したとして3,000万円の損害賠償を求め新潟地裁に提訴。

  • 2019年5月4日 AKSの事件対応に対する秋元康の道義的責任を追及する声に山口真帆がモバメで気持ちを表明、責任追及を制止。

  • 2019年5月17日 新潮が暴行事件当夜の公園での録音データを書き起こしたAKS内部文書を入手、記事公開。

  • 2019年5月18日 山口真帆、菅原りこ、長谷川玲奈卒業公演。一部メンバーだけがサプライズ出演。

  • 2019年5月20日 ︎︎新潟県警が荻野由佳への殺害予告で京都府の無職男を逮捕。加藤美南、インスタで不適切投稿。

  • 2019年5月21日 ︎加藤美南、不適切投稿について謝罪文公表および研究生降格処分が発表される。NGT48も全SNS休止に。

  • 2019年5月24日 ︎︎早川麻依子支配人がTwitter(現X)で事件に関わる内情を発信し始める。

  • 2019年5月25日 山口真帆、早朝のインスタで「安心安全7」投稿。同日、研音移籍が発表になる。

  • 2019年5月31日 ︎︎沈黙を続けていた今村悦朗が新潮の取材に応じる。NHK新潟「近すぎたアイドル~岐路に立つNGT48~」放送。

  • 2019年6月10日 長谷川玲奈、クロコダイル移籍発表。

  • 2019年6月22日 アイドル学連続講座に中森明夫らと同席した新潟日報・星記者がオフレコで山口真帆に取材した印象として「本人も確証のようなものを掴んでいるわけではないのでは?」と発言。

  • 2019年7月1日 AKSコーポレートサイトを立ち上げる。

  • 2019年7月10日 菅原りこ、エイベックス移籍発表。AKSと暴行犯の裁判、第一回口頭弁論。被告側は弁護士共々欠席したが請求の棄却を求めて争う構えを示した。

  • 2019年7月18日 村雲颯香卒業発表。

  • 2019年8月1日 NGT48、SNS再開。フォロー外し禁止の新ルールが出来る。

  • 2019年8月2日 事実上の活動休止状態だったNGT48、TIF2019出演。活動再開。

  • 2019年8月17日 吉成夏子社長、第3回保護者説明会で「黒メンバーはいない」と述べる。

  • 2019年8月18日 NGT48「夢を死なせるわけにいかない」公演初日。西潟茉莉奈がアンコールMCで、言われているようなことが真実であるならばこのステージには絶対に立てませんとコメント。

  • 2019年8月27日 山口真帆、TOKYO FM「Skyrocket Company」で研音移籍後初のメディア出演。文春が第3回保護者説明会の文字起こしを掲載。

  • 2019年8月31日 村雲颯香卒業公演。

  • 2019年9月8日 文春が事件当夜公園での音声データを14,000字で文字起こしして公開。

  • 2019年9月20日 ︎︎警視庁が加藤美南への脅迫で容疑者を逮捕。

  • 2019年9月25日 暴行犯甲が山口真帆との私的交流を主張する準備書面が明らかになる。

  • 2019年10月30日 ︎︎スポニチが元NGT山口真帆と襲撃男ツーショット独占入手!関係性示す証拠写真として、2人が互いの部屋番号を指文字で作る写メ会の写真を掲載。山口と研音はその主張を否定。

  • 2019年11月4日 ︎︎暴行犯甲が係争中にも関わらずツイキャス発信、スポニチへの写真提供を否定。

  • 2020年1月20日 AKS、国内48Gの分社化、国内48G運営からの撤退、社名をヴァーナロッサムに変更することを発表。

  • 2020年1月29日 遠藤和弘弁護士、検察庁に事件の不起訴記録の開示を求める文書送付嘱託申し立てを行ったことを明かす。

  • 2020年3月2日 ︎︎新潟地裁が和解を提案、検察庁が不起訴記録の開示請求を拒否、AKSは山口真帆の証人申請を断念。

  • 2020年4月8日 ヴァーナロッサム(AKS)と暴行犯甲・乙の間で和解成立。甲と山口真帆の私的交流は曖昧なまま裁判終了。

  • 2020年6月5日 NGT48、1年9ヶ月ぶりにシングルリリースが決定したと発表。

  • 2020年7月21日 警視庁がNGT48メンバー5人への名誉毀損容疑で東京都新宿区の職業不詳男を逮捕。同日、NGT48新運営会社Flora社長・岡田剛が「今後の活動に関する発表会」で事件時の対応の悪さを反省、山口真帆ら卒業生に謝罪した。

  • 2020年7月22日 NGT48、5thシングル「シャーベットピンク」リリース。

登場人物について

 マスコミが一度も本名で報道していない人物は第三者委員会調査報告書の記載に準じる形で匿名にした。

【犯人グループ】
・甲(当時25歳・大学生)山口真帆がNGT48加入前に在籍していたP.IDL時代からのファンと言われている古参・太オタ。山口真帆暴行事件の主犯。逮捕後、不起訴に。

・乙(当時25歳・無職)山口の帰宅時、彼女が閉めようとしたドアに手をかけパニック状態にさせた。太野彩香のファンだと言われている。逮捕後、不起訴に。

・丙(当時24歳・大学生)A子から山口真帆がバスに乗っているか否かを聞き甲・乙に伝えた。西潟茉莉奈のファンと言われているが、メンバー・E子と交際していた。2020年1月、≠MEメンバーへのつきまとい行為で逮捕される。

【NGT48メンバー】
・A子(未成年)2019年12月8日、劇場公演を終え送迎バスを降車する際、丙に声をかけられ、送迎バスに山口真帆が乗っていることを教えてしまう。

・E子(未成年)丙と交際。事件後、NGT48運営に事情を聴かれ「丙とつきあってます」と告白。その件で2018年末に謹慎処分を受け、2019年3月10日にNGT48を活動辞退。

AKSの不審な対応

 告発直後はとにかく運営の対応が不審すぎた。山口が泣きながら語った2019年1月8日のSHOWROOMと翌朝のTwitter(現X)投稿を受け、TVメディアが報道を始めてもコメントを出さない。

 ようやく動きがあったのは1月10日、NGT48劇場オープン3周年記念公演である。しかし、被害者の山口真帆に謝らせ、事態の説明に当然出て来ると思われた劇場支配人・今村悦朗氏は姿を見せない。

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劇場で謝罪する山口真帆


 ︎︎同日深夜に発信された公式のコメントも山口のツイートにあった「あるメンバーに家、部屋を教えられ、またあるメンバーは私の家に行けと犯人をそそめかしていました」という部分がすっぽりと抜け落ちている。「あるメンバーに公演の帰宅時間を教えられ…」という部分には触れ、そのメンバーは山口の自宅は知らないものの、推測出来るような帰宅時間を伝えてしまったと訂正しているのに、何故そこには触れないのか?そんな事実が無いなら否定すべきだろうに、とても納得出来る対応ではない。

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謝罪会見を行う松村匠氏たち


 1月14日、AKB48グループ成人式の傍ら、ようやくAKSが会見を行ったものの、出て来たのは馴染みの無い松村匠と名乗る運営責任者。今村悦朗氏の報告を聞いて対応をすべて判断していたという松村氏はメンバーの事件関与を否定し、第三者委員会を設置して調査することを表明したものの、グループ内に風紀の乱れがあったのを認めてしまう。そして、同日未明に異動が発表された今村氏は、やはり姿を見せなかった――。

 まるで今村悦朗氏を会社ぐるみで隠そうとしているみたいではないか。これらの不審な対応に加え、以降運営は取材に応じようとしなくなってしまう。世間とマスコミの不審感はピークを超え確信へと変わり始めていた。AKSは世間に出せない後ろめたい秘密を隠そうとしているのだ、と。

 山口真帆のいいねやフォロー外しからネット民が特定した黒幕メンバーや、悪事を行っていたメンバーをAKSが処分しようとしない理由(陰謀論)には異論があったものの、この当時、自分がAKSに抱いた印象は世間やマスコミと同様である。この異論や山口真帆のやりように対して抱いた不審感は後述する。

今回は不問に致します

 2019年3月21日、NGT48mobileにて第三者委員会調査報告書が公表された。ここに至るまでの間に、Twitter(現X)で元AKB48グループ総支配人・戸賀崎智信氏による不適切投稿があり、そこに飲酒姿で映っていたAKB48劇場支配人・細井孝宏氏の解任、元NGT48劇場支配人・今村悦朗氏の契約解除という騒ぎはあったものの、事件に関しては口を閉ざし続けていた運営にようやく動きがあったのだ。

 しかし、報告書本文の前に付けられた運営のコメントを読んだ自分は大きく落胆した。曰く「また、第三者委員会の報告書において、今回の事件とは直接関係はありませんが、メンバーが私的領域におけるファンとのつながりがあったことが挙げられており、当社としても、私的領域におけるファンとのつながりは、特定のファンを優遇する行為として、不適切だと考えております。しかしながら、責任を問われるべきなのは、組織運営に問題があり、スタッフ及びメンバーに対して、事前に明確な基準を示して適切な指導ができていなかった当社であることから、今までのNGT48内での私的領域におけるファンとのつながりを含め、風紀の乱れ全般は、今回は不問に致します」

 有り体に言うと、調べたら悪いことしてた子がいましたよ。でもそれは運営がしっかりしていなかったせいなので今回は不問にするねってことである。これで一体誰が「またNGT48を応援しよう」という気持ちになるのか? 

 感情論抜きでもこの対応はあり得ない。現在、ネット上では山口真帆が言う悪いことをしていたメンバーとは一体誰なのかという犯人探しが加熱し、目も当てられない状況になっている。処分を行わない(誰なのか明かさない)ならこの状況は永遠に続くだろう。そんな環境で正常なアイドル活動が出来るはずはないのだ。

 自分が応援して来たアイドルグループの運営は、こんな当たり前のことすら分かっていない人たちだったのかと思うと怒りを通り越して情けなかった。

第三者委員会

 大いに落胆して読み始めた報告書だったが、暴行事件当夜の状況がしっかり記載されているし「意外にしっかりしている?」というのが最初の印象である。しかし読み進めるうちにまたも落胆に変わった。

 山口真帆の告発ツイートを読んで一番疑問だったのは犯人が不起訴放免という点だ。日本の司法は性犯罪加害者に甘いなんていう意見も見かけたが、複数犯により計画的に行われた強姦未遂事件で犯人が不起訴というのはあり得ないこと。これは、その疑問が全く解決しない報告書だった。

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山口真帆による状況説明
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山口真帆は強姦未遂事件という認識にいいね


 しかも「録音内容の真意及び信用性については検証できていない」と記載しているくせに、至る所で「甲は…」「甲は…」である。真意及び信用性を検証出来ていない発言を根拠にこの弁護士たちは一体何を言っているのか。

「メンバーからの事情聴取の結果、確たる証拠はないものの、ファンから聞いた、あるいは、メンバー内の噂として聞いたとして、36名のメンバーから、他のメンバーとファンとの『つながり』に関する記述があった。その際、12名のメンバーの名前が具体的に挙がった」という記述を見た時にはもう手で目を覆うしかなかった。

 具体的に出たのは名前であってつながりの証拠ではない。しかし、こんな書き方をされたら「12人につながりがあった」とされて世間に拡散されるのは目に見えている。(実際にそうなった)

 芸能関係に強い弁護士ではなかったのか?バカな運営にバカな弁護士。バカが集まっては騒動収束どころか燃料投下にしかならないだろう。

 なお、つながり及びそれを伺わせる事情が記載されているのは当然だと受け止めていた。2月2日に週刊文春が「NGT48山口真帆をキレさせた『4通目の運営メッセージ』」として今村悦朗氏がメンバーに向けたLINEを公開しており、そこには数名のメンバーからつながりがあったという申告があったことと、E子というメンバーからは犯人との交際の証拠が出たと書かれていたからだ。

 メンバーにファンつながりというルール違反があったのは受け止めるにしても、それが「12人のメンバーに!」なんて盛った話にされたらたまらない。

山口は犯人たちとマンション近くの公園で話をしていたんです

 さて、大いに落胆した第三者委員会調査報告書だったが、一つ事件認識を改める記述があった。山口真帆は暴行を受けた後、D(村雲颯香)と合流し、マネージャーを他所に待機させDと2人で夜の公園まで暴行犯に会いに行っていたのだ。

「山口は犯人たちとマンション近くの公園で話をしていたんです」というNGT48関係者の話を最初に載せたのは1月26日のFRIDAYで、これはまた酷いガセネタをぶち込んで来たもんだと放り投げたが、どうやら事件当夜の状況にも詳しい本物の関係者に取材した記事だったようだ。

 事実である以上、受け止めるしかないが、殺されると感じた暴行を受けた女性がその直後に自分を暴行した相手が待つ夜の公園に行くなんてことがあり得るのだろうか?計画的かつ複数犯によって行われた強姦未遂事件で犯人が不起訴放免になったことに加えて新たな疑問が増えてしまった…。

 2019年3月22日、前日の運営のコメントと報告書の内容で大いに落胆した第三者委員会の報告会見が始まった。弁護士が同席しないことを早速突っ込まれてるし、記者から飛ぶ厳しい質問に松村匠氏の回答は今一つ要領を得ない。間違いなくこの会見は失敗するだろう。

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第三者委員会報告会見に臨む松村匠氏たち


 完全に厭世的な気分で会見を見ていたが、自分は週刊文春が何度かに分けて公開している今村悦朗氏からメンバーに発信した事件の経緯を伝えるLINEが本物か確認して欲しいと朝日新聞に要望を出していた。幸い記者が質問をしてくれ松村氏は本物と明言はしなかったものの、そうしたいきさつがあったのは認めた。

 ︎︎以下がそのLINEの内容である。

山口真帆をキレさせた4通目の運営メッセージ

メンバーのみなさん
お疲れさま

報告です。
先月末山口真帆の傷害事件を期に、
今村の方からメンバーに向け、
ファンと繋がりがあるメンバーは自己申告しなさい。
と、展開した結果結論を報告します。
今村の方に数名のメンバーから申告がありました。
あと、山口の事件捜査中も、数名のメンバーが新潟県警に呼ばれ、
参考までに聞き取り調査も行いました。

結果、今村に申告してきたメンバーの
過去のファンとの繋がり方の回数や内容を、
AKS本社に報告し検討してもらった結果として、
今回その数名メンバーは「厳重注意」処分。
*次繰り返し、証拠が発覚した場合は、ただちに謹慎・解雇。
という判断になりました。

それから警察に呼ばれ、聞き取り調査を受けた
メンバーに関してですが、犯人達の口頭や、
携帯電話のデータを調べた結果、
E子しか証拠が出てこなかったという報告でしたので、
そのメンバー達も処分対象としない事とします。

以上が、AKSとしての判断・結論です。
*今後、ファンとの繋がりで、
証拠となるものが出た場合は、
会社としては速攻に厳重処分とします。

肝に命じてください。
以上。

今村(原文まま)

 要するに、E子から証拠が出たにも関わらず運営が処分しなかったから山口真帆は告発したということでしょう。申告があったメンバーはつながりの内容や回数を検討した結果、厳重注意処分というならAKS本社の判断を信用するしかない。その子たちが嘘を申告しているなら犯人の口頭やスマホからバレたはずだし。

 とは言え、山口真帆の告発ツイートから判断すると帰宅時間を教え、家、部屋を教え、家に行けとそそめかしたメンバーがおり、最低3人は犯人グループとつながっているはずなのにE子1人では人数が合わない。やはり、今村悦朗氏もAKS本社もグルで真相を隠蔽しようとしているのか?

処分しようとしないのは何故?

 やがて会見を中継するニコ生の画面に「まほほんがツイートしている」という視聴者の書き込みが流れて来て、記者もそれに気づいたのか早速、質問を飛ばす。

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Twitter(現X)の生反論
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Twitter(現X)の生反論
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Twitter(現X)の生反論
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Twitter(現X)の生反論


 ︎︎山口はツイートを重ね、AKSの不誠実さ、自身とAKSの見解に相違があることを訴えた。「新潟県への虚偽説明」「約束不履行」「なんで嘘ばかりつくんでしょうか」「謝罪強要」ツイートが無くとも失敗していた会見だと思うが、もはや運営は火達磨だ。

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Twitter(現X)の生反論にしどろもどろな松村匠氏


 それにしても解せない。事件が内密にされているならともかく山口真帆の告発で公になり、文春に犯人と交際していた証拠が出たメンバーがいると書かれ、第三者委員会報告書にもメンバーにファンつながりがあったことを書かれ、それでも運営がメンバーを処分しようとしないのは何故なのか?

 新たに証拠が出たら処分するのかという記者の質問に「不問です」と繰り返す松村匠氏が分別ある大人に見えなくなって来た。

名前を出そうとしないのは何故?

 翌朝、コンビニの棚に並ぶスポーツ紙の一面は地獄だった。どの紙面もこの歴史に残るしどろもどろ会見をこき下ろして運営の姿勢に疑問を投げかけている。

 ワイドショーを見てもこの話題である。NGT48mobileも「○○(冠番組)の休止・終了が決定しました」と、運営側の感情が伝わらない報告が続いて行く。スポンサーも納得するはずがないのだ。

 AKSは悪いことをしていたというメンバーとこれまで判断を下していた運営責任者を処分し体制を一新。「信頼を取り戻し、また皆さんに応援して頂けるグループになれるよう努力して参りますのでよろしくご指導ご鞭撻のほどお願いします」と頭を下げるしかないだろうと思った。

 ここで少し時間を戻そう。ずっと運営側に対する視点で書いて来たが、告発直後から山口真帆に対しても違和感・不審感はあったのである。

「それは名前を出そうとしないこと」

 暴行被害告白が報道されるとすぐに山口真帆が太野彩香、西潟茉莉奈のフォローを外していることから、暴行事件に関わっているのではないかという憶測が広がり、2人に関するSNS投稿が掘り返されては暴行事件に関わる解釈をつけられ世間に拡散して行った。

 週刊文春が「太野さん・西潟さんはシロ!! とばっちりだっ!! なぜ疑われた?」と報道すると、続けて本人たちもツイート。事件に関与していないことと共に新潟県警から事情聴取を受けていたことを明かしてしまったのだが、これは「何の関係もないメンバーを警察が事情聴取するはずないだろう」「捜査の過程で関与の疑いが浮上したから事情聴取したのだ」と逆に関与の疑惑を深めてしまうことになった。そして、やはり山口真帆のフォロー外しには意味があったとネット迷探偵たちの推理に自信も与えてしまったのだ。

 荻野由佳と佐藤杏樹のフォローが外されたのはこの状況下、「しんじて」と縦読み出来るモバメが着信して間もなくである。

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フォロー外しに対するネット民の解釈


 案の定、すぐに山口真帆の信奉者となったネット迷探偵たちが襲い掛かって来た。厄介オタクのつながり妄想投稿を「私的交流の証拠」として拡散し、同オタクのNGT48mobileは総選挙で無限投票できたという戯言を真に受け、どうやら柱王の正体はコイツらしい、荻野由佳の総選挙での躍進はコイツの力か、運営が悪いことしてたというメンバーを処分出来ないのは総選挙でコイツらに大量投票して貰っていたからだ、荻野がこの事件の黒幕だ!と陰謀論を立ち上げ、暴走する様には苦笑するしかなかったが一定量以上がその稚拙な陰謀論を信用してしまったのには言葉を失った。

 ちょっと脱線するが、この陰謀論を信じた者の中には筑波大学の教授もおり、彼は今も掲示板の投稿から山口真帆暴行事件を推察した自分の論説が削除された件を巡り、筑波大、ヴァーナロッサム社(旧AKS)と高等裁判所で係争中である。エコーチェンバーで頭がおかしくなってるとしか言いようがない。

 アイドルが「自分とつながってます」なんて営業妨害投稿するオタクに応援されて嬉しいと思うのか?無限投票出来ました(=あの総選挙は不正です)なんて投稿でシステム運営会社と弁護士が連名の否定コメントを出す羽目になったのにそのオタクの応援に感謝してると思うのか?

 ともあれ、AKB48選抜としての仕事が主になり、2017年半ばからほとんど新潟に居なかった荻野由佳が新潟で起きた暴行事件に関わっているはずが無いのだ。

 総選挙で躍進して甘い汁吸ったんだろうなんて認識でいる連中も浅慮だと思う。昨日まで劇場で下積みしてた子の住む世界が一夜にして変わって「今日から君はまゆゆやさっしーと同じことをしなさい」そう言われることがどれほど大変だったか。

 喉を壊したりしながら必死にAKB48の超選抜に食らいついて行く姿を自分は見て来た。あんな厄介オタクと遊んでる暇など断じて無い。

 脱線が長くなったが、フォロー外しから事件に関わっているはずがない子が世間に黒幕扱いされ、アイドル活動を滅茶苦茶にされて行く様を傍観するところに違和感・不審感を覚えたのである。

 当時の事件認識のまま有り体に言えば、運営は世間に告発され海外からも批判の声を浴びてるのにすべてを知っている今村悦朗氏を隠し、悪いことをしていた子は何食わぬ顔を決め込んでいるという状況。

 運営や悪いことをしていた子が批判を受けるのは当然だろう。しかし無関係の子まで批判を受けているという状況に自分なら耐えられない。悪いことをしていたというメンバーの名前を出し、フォロー外しにそんな意味は無いからヤメて欲しいと呼びかける。何故、山口真帆はそれをしないのか?

 しかし、この当時は箝口令が敷かれているからメンバーは好きに発信出来ないのだろうと言われていたし、山口真帆はSHOWROOMで「モバメもね…送ってるんだけど…止められて何も送れない」と言っていた。運営が止めているから無関係の子への誹謗中傷も止められないのだろう。もし本気で荻野由佳が暴行事件に関わっていると考えているなら、山口には何か誤解がある。これが山口真帆のやりように対する当時の自分の解釈だった。

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SHOWROOMで告白する山口真帆
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SHOWROOMで告白した内容


 あまり大きな騒ぎにならなかったため、第三者委員会調査報告書が公表された日に新たなフォロー外しが行われていたのを知ったのは会見が終わってからである。

フォロー外しの順番

  • 2018年年12月8日(暴行事件当日)=太野彩香、西潟茉莉奈

  • 2019年1月12日(文春の報道、縦書きしんじてモバメ着信)=荻野由佳、佐藤杏樹

  • 2019年3月21日(第三者委員会調査報告書が公表)=清司麗菜、中井りか

  • もともと未フォロー=加藤美南、山田野絵

 これは一体どういうことだろうか?つながりの自己申告があったメンバーを伝えようとしているのかと思ったが、既にホリプロが荻野由佳に私的交流(つながり)は無い旨コメントを出しているからその解釈では全体の整合性が取れない。

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荻野由佳の私的交流を否定するホリプロのコメント


 首を捻ってるところで、さらにワケが分からなくなる状況が発生する。文春がE子とは誰なのかハッキリ個人を特定出来る書き方で記事を出したのだ。

E子は研究生

 曰く、昨年末から謹慎処分を受けており、既に活動辞退した研究生。すぐに顔が浮かんだ。該当するメンバーは1人しか居ないからである。

 でもちょっと待って!だとしたら、みんな冤罪で世間から叩かれていたということか?そして山口真帆はそれを黙認・容認していると?厄介オタク連中は事件の1年半も前からマンションに住み着きメンバーにちょっかいを出していたのに、交際関係に至ったのは加入後半年足らずの研究生1人だけというのも不自然すぎる。加入後半年足らずのE子が厄介連中にマンションを教え、1年半前から住ませるのは時空間を無視した離れ業だろう。

 第三者委員会調査報告書に書かれていた推論通り、厄介連中が自力でマンションを突き止めたのならあり得ない話ではないが、しかし…。

  • 計画的かつ複数犯によって行われた強姦未遂事件で犯人が不起訴放免。

  • 強姦未遂事件の被害者が、その直後に犯人たちと夜の公園で話をしている。

  • 事件の1年半も前からマンションに住み着いていた厄介オタクが交際関係に至れたのは、加入後半年足らずの研究生1人だけ。

 強弁されれば、そういうこともあるのかと納得するしかないが、この事件はそんな状況が多すぎるんじゃないか?

チームNIII、G解散

 2019年4月11日、またもやワケが分からなくなる事態が発生した。運営が現チーム制を廃止、チームNIIIとGを解散し、今後はNGT48・1期生、研究生として活動して行くと発表したのである。千秋楽公演は4月21日。

 一体、何を考えているのか?事件後の騒動を巡ってメンバー間の確執が報道され、それは自分も感じていた。確執は解消されたのか?確執がある者同士を同じ箱に入れたら喧嘩にしかならないだろう。何より山口真帆が「守りたい」と言ったチームG解散という采配に世間は沸騰した。

 千秋楽公演が近くなると、柏木由紀が千秋楽公演をもってNGT48兼任解除になることと、チームG公演千秋楽には山口真帆も出演することが発表された。間違いなく何かあるだろう。そして、これでメンバーたちは崩壊してしまったNGT48の再建にベテランを頼ることも出来なくなったと思うと悲しくなった。

 自分はNGT48劇場オープン3周年記念公演を観ていない。仕事でリアタイ出来ずTwitter(現X)を開くと山口真帆が謝罪したことで既に炎上が始まっていた。「コール無し」という短い呟きに胸を突かれ、太野彩香が途中退場して戻って来なかったという情報がやるせなかった。

 みんな一体どんな気持ちでこのステージに立ったのだろう。そう思うとアーカイブ配信が始まる0:00になってもDMMの視聴ボタンを押せなかったのだ。

 恥ずかしながら、目の前に真っ暗な画面のタブレットを立てかけたまんま空が白み始めるまで泣きながらスマホをいじっていた。翌日以降もこんな感じで、とうとう視聴ボタンを押さないまま配信期間が切れてしまったというわけだ。

 今度は観よう。何度も通った「誇りの丘」と「逆上がり」の千秋楽を目を逸らさずに見届けよう、そう決心した。

NIII千秋楽公演

 早川支配人の挨拶から始まった久しぶりの「誇りの丘」公演で観るチームNIIIは、ネット界の荒んだ空気が嘘のように半年前と何も変わっていないアイドルだった。

 山口真帆が「チームGを守りたい」と発言しているのに対し、フォローを外されたメンバーのほとんどがNIIIに所属していたため、チームGを天使軍、チームNIIIを悪魔軍などと呼称する輩もおり、そんな連中はこぞってフォローを外されたNIIIメンの悪評を拡散した。何でもないSNS投稿に悪意的な解釈を施し「いじめをしていた証拠」「性格が悪い証拠」といった塩梅である。メンバー同士の確執が報じられる中で、こうした投稿は一定量以上の信用を得てしまいチームNIIIの評判は散々だったのだ。

 だからだと思う。兼任解除の挨拶で柏木由紀が言った「NGT48はみんな仲良し」という言葉に山田野絵が大泣きしたのは。

 きっと誰かに言って貰いたかった言葉なのだろうと思うと自分も泣けて来た。そりゃあメンバーの様子を見てると「あれ?喧嘩中かな?」なんて思う時もあったけど、しばらくするとまた一緒になってわちゃわちゃとおバカな動画を撮ってる。それが自分の見て来たNGT48だ。

 最後にみんなを1つの言葉で優しく繋いでくれてありがとう、ゆきりん。

G千秋楽公演

 チームNIIIとGが無くなり1つになるNGT48正規メンバー。柏木由紀の言葉でそれも大丈夫なんじゃないかという思いが芽生えて、チームG「逆上がり」千秋楽公演が始まった。まずはNⅢ同様、早川支配人の挨拶から。チーム制廃止、チームNIII、G解散という沙汰の真意は掴めないが矢面に出て来る姿勢には好感が持てた。

 NGT48チームG所属の炎上女王と言えば中井りか。歯に衣着せぬ物言いで何かと炎上して来たメンバーだが、山口真帆の「チームGを守りたい」発言以降、件の輩の中には「かくれ天使」などと言い始める者もいて炎上と言われるような状況はとんと見なくなった。第三者委員会調査報告書が公表になった日、中井も山口からフォローを外されているのだが、今はチームGか否かというのがネットバッシングの判断基準になっているらしい。

 そして、今までの公演の中でも屈指の出来栄えと思えた公演が終わり、最後の挨拶になったタイミングで予想はしていたものの来て欲しくないものが来てしまったのである。

 山口真帆、菅原りこ、長谷川玲奈の卒業発表が――。

会社を攻撃する加害者

 これは最悪の幕切れだ。運営が処分を行わないと言うなら、山口真帆と共にリスタートしかNGT48に道は無いというのに…。

 しかも、山口に2人もついて行くという…。

 ただ、村雲颯香が卒業発表で手を挙げなかったのが救いであると同時に強烈な違和感をもたらした。菅原りこ、長谷川玲奈、村雲颯香は騒動渦中に自身のTwitter(現X)のプロフィール欄から「NGT48」の表記を消していたことから世間は山口派と呼び、不審かつ常識と照らし合わせて理解し難い対応を取る運営に対してNGT48の良心という認識になっている4人だったのである。

「まほりこ」と呼ばれ相方だった菅原りこはともかく、特に仲が良いと感じたことが無い長谷川玲奈、村雲颯香が山口に寄り添っているという事実が自分の中で山口真帆の主張に信憑性を与え、そのやりように好意的な解釈を与えて来た側面は間違いなくある。

 それが、菅原りこと長谷川玲奈しかついて行かないだって!? 長谷川玲奈と村雲颯香は残る、あるいは山口真帆と共に全員が卒業するならここまでの違和感は覚えなかっただろうと思う。

 ともあれ、問題は山口真帆が卒業発表で読み上げた文章だ。「事件のことを発信した際、社長には『不起訴になったことで事件じゃないということだ』と言われ、そして今は会社を攻撃する加害者だとまで言われていますが、ただメンバーを守りたい、真面目に活動したい、健全なアイドル活動ができる場所であってほしかっただけで、何をしても不問なこのグループに、もうここには私がアイドルをできる居場所はなくなってしまいました」

 マスコミは「会社を攻撃する加害者」というワードに沸騰し口々に吉成夏子社長を批判したが、問題は社長を告発したに等しいこの文章を山口個人のSHOWROOMでもTwitter(現X)でもInstagramでもないDMMで言わせたということだろう。普通に早川支配人の責任問題だ。

 第三者委員会の生反論で運営責任者、新劇場支配人と副支配人を謝罪強要、新潟県への虚偽説明で告発した後、今度はAKS社長か!? 運営の管理職はみんな悪人で、現場のスタッフは社長の告発文に等しい文章でも読み上げさせてくれる私の味方。そんな構図が見えて来て思わず眉間にしわが寄った。そんなことあるのか?

 会社を攻撃する加害者?そりゃあ経営者からするとそういう見方もするでしょう。悪い子がいるというなら名前を出して世間に断罪してもらい釈明のテーブルにつかせれば良いだろうに、決して名前は出さず、いいねとフォロー外しで憶測を広げ、メンバー、前支配人、新支配人、副支配人、社長と世間に攻撃の的を提示して行くだけ。

 もう自分は山口真帆のやりようを好意的に見ることが出来なくなり始めていた。そして、本気で首を傾げたのは秋元康の事件に対する道義的責任を問う声が上がり始めた時である。

 山口真帆は即座にモバメを発信し、秋元康への感謝を表明。秋元康の断罪を求める世間の声にブレーキをかけたのだ。違和感、ものすごい違和感。前支配人、新支配人、副支配人、社長と好き放題に叩かせて、総合プロデューサーには反旗を翻さないのか?

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山口は秋元康に感謝していると伝える報道


 何かおかしいよ、裏があるよ、この人。

命より大切なもの

 山口真帆のいいねがメンバーを的にかけ始めた時は違和感を超えて反感を覚えた。この事件は運営の初期対応が遅く、劇場支配人だった今村悦朗氏が説明に出て来なかったため、山口のいいねが暴行事件の疑問点を世間に説明して来た形になっているのだ。その経緯から、山口真帆のいいねには大きな影響力があった。

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山口のいいねを「いいね砲」と呼称する報道
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当時、山口真帆のいいねを自動取得してたbot
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山口真帆が付けたいいねの一例


 ︎︎その時、いいねが付いて最も有名になったのがこのツイートである。

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山口真帆のいいねで最も有名になったツイート


 要するに、悪いことをしていたというメンバーに自白を求めるツイートだ。

 ︎︎自分自身の口で悪いことしてたというメンバーの名前を出せば良いだろう!今現在叩かれてる中で、本当にそんなことをしていた子がいたとしても、被疑者を憶測のまま片端からネットリンチにかけて口を割らせようなんてやり方は明らかにおかしい。まるで、魔女を炙り出そうと女性を片端から拷問にかけた中世ヨーロッパの魔女審問官のやり口だ。

 4月23日には荻野由佳がアダストリアの「ヘザー」の広告プロモーションから降板、アダストリアは起用したことについて謝罪文を掲載するという事態が起きていた。クレーマーの完全勝利である。

「あいつJUNONにも連載持ってるらしいぜ、みんなで凸って終わらせよう」というツイートがTLに流れて来た時は、歯止めが効かない事態になると感じてゾッとした。もはや限度を超えている。この状況の中、さらにメンバー叩きを助長するツイートにいいねするのか、誰かが自ら命を絶つ選択をしたらどうするつもりだ?

「私には命より大切なものが何か分かりません」

 山口真帆が卒業発表の際、読み上げた一文が頭に浮かび、山口は口から出た言葉とは別に本心がある人なのだと理解した。

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山口真帆の卒業発表


 もういい、悪く言いたくないと思っていたけどこれからは好きに言わせてもらおう。山口のやりように疑問を呈するマスコミも著名人も識者もいない。こんなおかしなこと、酷いことが、まるで正義の女神の裁きのように語られて行くのは悪い冗談だ。

暴行事件当夜、公園での音声

 5月17日、新潮が暴行事件当夜、山口真帆と暴行犯たちが公園でやり取りする音声データを文字起こししたAKS内部文書を入手。その記事を公開した。FRIDAYが「山口は犯人たちとマンション近くの公園で話をしていたんです」という関係者の供述を記事にし、酷いガセネタだと思ったのに第三者委員会の調査で事実だと明らかになったその音声である。

 自分が山口真帆の1月9日のツイートを読んで思い浮かべた現場の状況は、山口の助けを呼ぶ声に気づいたメンバーが自分の部屋から飛び出して来てスタッフを呼び、観念した暴行犯は警察が来るまでの間、帰宅時間、部屋やマンションを教えたメンバー、家に行けとそそめかしたメンバーを自白したというもの。

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山口真帆のツイート
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ツイートに添付された暴行の状況
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山口真帆のツイート


 しかし、第三者委員会調査報告書になると、EVから降りて来た男性に気づいた暴行犯は「ケンカしてるだけ」などと説明し、警察に電話しようとする山口を阻止した後は妙に殊勝になって謝罪し「メンバーに相談して、メンバーに提案されて、やったことだから」と暴行に至るまでの経緯を話し始める。

 要するに、山口真帆は信頼出来るメンバーやスタッフに暴行からの助けを求めたわけじゃなく、求めたのは犯人を尋問する助けだったというわけだ。

 山口、めっちゃ強いじゃん!などと思いつつ記事を読んで行くと、書き起こされた会話の冒頭は平謝りする犯人から始まる――。

平謝りの犯人

犯人:俺が全部、色々何か話したいからって、身勝手で、なんかあの、もう相当怖がらして、しかも関係ないD(村雲颯香)も巻き込んで本当に申し訳ないんだけど、今から全員呼ぶから、それで本当に謝らしてほしい。

 複数人で女性に性的暴行を加えようとした凶悪犯とは思えない。ふと、FRIDAYの記事にあった新潟県警梅田副署長のコメントが頭に浮かんだ。

――どうして不起訴なのか?

「(起訴・不起訴は)地検が判断することですから。私からはお答えできません。暴行にもいろいろありますよ。悪意があるか、ないかとか。我々は捜査をして送致をしました。事件は終結しています」

 悪意があるか、ないかとか?悪意はなかったと含みがある言い方をしてるのが気になる。甲乙は性的暴行を加えてやろうなんて悪意が無かったから不起訴だし、山口真帆も尋問して犯行の背景を聞き出してやろうという気になったんじゃないか?

告発と食い違う状況

 平謝りする犯人の言葉の後は、村雲颯香と山口真帆の会話が続く。そして、山口が犯人たちに「誰が来るの?」と問うと、1人が「今から全員、できるだけ、来れるだけ」と答える。名前を聞くとE子の名前を挙げ、A子にも言及。さらに「誰と、誰と、誰には連絡したんですか?」と問い詰めると男の1人はE子の名前しか出さない。

山口:E子だけですか?

男:はい。

山口:誰には連絡した? 他に?

男:俺が直接(他のメンバーには連絡が)取れない。

山口:E子とあとは? 誰に連絡したの?

男:連絡してんのE子だけ。

山口:え? E子しか関わってないってことですか?

男:はい。

山口:なんで?

男:俺経由で、他に話した子はいるんだけど、今はその俺は、人づてでしか取れないから、今はとりあえず(連絡が)取れるのはE子だけ。

山口:A子と太野と西潟は?

男:(連絡は)取れないから。

山口:(連絡)取れるでしょ?

男:いや俺、マジ取れない、それは本当に取れない。

山口:なんで?

男:なんでって、全くつながってない。

山口:太野は?

男:太野と僕、全く知らない。

 おいおい、犯人から次々出て来るメンバーの名前に助けを求めたメンバーも泣いてたんじゃないのかよ?犯人が一律で「男」になっているため誰の発言か分からないが、問い詰める山口に対し犯人側は要領を得ない返答とE子とのつながり以外は否定の言葉しか言っていない。

要領を得ない甲、一貫してる丙

 ここでスタッフが到着。内部文書には、山口が興奮状態にあり自分自身で問いただそうとする意識が強いとスタッフは判断し、まずは山口に自由にしゃべらせたと付記がある。(以下、犯人は甲と丙で区別された表記になる)

山口:なんで、あそこのところにいたんですか?

甲:あそこは……。

山口:太野がそのまま鍵を渡したんでしょ?

甲:いや、そのままじゃないです。【×××】それを俺は聞いて。

山口:全部、正直に言わないと、「SHOWROOM」でも、この3人、その4人、5人、全員ファンのオタクにみんなに言うし、警察にも言って、その人たちの人生も、あなたの人生も、滅茶苦茶になるんだからね。

 誘導尋問と脅迫でしょう、これは。この後も詰め寄る山口真帆、要領を得ない返答で山口の指摘から逃げる暴行犯という展開が続く。

山口:太野は、どう関わってるの? 全部言って。

甲:太野は俺もそれ、太野がどういう風につながっているのか分かんないんだけど。

山口:誰と?

甲:いや(略)本当に太野が誰とつながっているかって、本当に俺らも分かんない。太野だけは本当に分からなくて、でも話だけは何か伝わってくるみたいな。

 甲の要領を得ない返答を聞いていると、しらばっくれるなよという気持ちになるのは分かる。しかし、丙の返答は常に一貫している。

山口:(甲は丙に「今夜、山口に声を掛ける」と)言ったの? 丙は(声を掛ける予定を)知ってるでしょ? でも、この(声を掛ける)こと、だから丙が西潟に言ったんでしょ?

丙:俺と西潟は連絡、本当に取れないから。西潟には言っていないし、あの、この(廊下で声を掛ける)こと、甲からは、あの、この(声を掛ける)話は聞いてたから、この話は知ってたけど……。

山口:うん。

丙:このことを西潟とかに言ったりは全くしてない。全くもう、伝える手段がないから、握手会とかでも俺、最近、まあ知らないと思うけど、握手会、全然行ってなかったから西潟の。

山口:つながってるんじゃないの? だって、つながってるんでしょ?

丙:いや、つながっているのは、本当にそれはない。

思い込んだ末の告発?

 自分が理解出来ないのは、この後に新潟県警に捜査して貰って証拠が出て来たのがE子だけだったら、正しいのは常に一貫した主張をしていた丙で、要領を得ない甲の話は嘘だったという結論にしかならないと思う。山口は警察の捜査で結論が出た後も要領を得ない甲の話に固執していたというのか?

 今村悦朗氏が山口真帆に言ったという「被害妄想」、須田亜香里が何かの番組で言っていた山口の人物像「思い込みやすい子」が頭に浮かんだ。思い込んだ挙句の告発騒動でこうなったのだとしたら目も当てられない。

 しかし、これが真相だと思いきや、この事件にはもう一段下に底があったのである。それが表面化するのは数ヶ月後のこと――。

山口真帆卒業

 ︎︎常識と照らし合わせて不審かつあり得ない対応を取る運営と山口にフォローを外されたメンバーに対して世間の反感が集まる一方、仲間のため我が身を顧みず決死の告発を行った山口真帆には多くの同情と共感が寄せられ、山口は一躍「時の人」になっていた。

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当時の高評価を伝えるニュース


 そんな中、5月18日に山口真帆、菅原りこ、長谷川玲奈卒業公演が行われた。自分はそれを観ていない。NGT48劇場オープン3周年公演を除いて、すべての公演を現場かDMMで観て来た自分が「観たくない」と感じ、自分の意思で観なかった初の公演である。

 マスコミは「ついに悪事をしていたメンバーの名前が明かされるのでは?」と期待していたが、そうなったらなったで記事になるだろうし、自分はその記事を読めばいい。とにかくもう山口真帆の顔は見たくなかったのだ。

 案の定、山口は名前を明かさぬまま卒業して行ったようで、憶測のまんまネット民にメンバーを叩かせ続けるつもりらしい。

 何故、もっと早く気がつかなかったのだろう?第三者委員会の会見が終わって間もなく、ずっといいねだけで発信出来ないと思わせて、ここぞという時に発信して急所を突く策略の見事さを諸葛亮孔明のように称えるツイートを目にしたことがあるのだが、まさにその通り。発信出来ないと自分たちが勝手に思い込んでいただけで、実際は自由に発信出来たというわけだ。秋元康の道義的責任を問う声が上がった時はモバメを発信してそれを制止したことでも分かるだろう。その辺を逆に言うと、現在叩かれているメンバーへの憶測による批判(誹謗中傷)は望むところだから止めないということになる。

 自分はまんまと山口の策略に引っかかってしまった。ただ、妙にすっきりした気分になっているのは、山口真帆というのはそういう人なんだと理解出来たのと、卒業して圧力が及ばない部外者になった山口がどこでどんな取材を受け何を話そうと困るような秘密がNGT48には無いと気づいたからだ。

 山口真帆の卒業を許すというのはそういうこと。

殺害予告事件と研究生降格処分

 山口真帆、菅原りこ、長谷川玲奈卒業公演が終わって間もなく、嫌な事件が2つ続いた。荻野由佳への殺害予告事件及びその犯人の逮捕。そして加藤美南のインスタ不適切投稿と研究生降格処分である。これに伴ってNGT48も全SNSを休止することになった。

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荻野由佳殺害予告事件
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加藤美南不適切投稿・研究生降格処分


 山口からフォローを外されたメンバーへのバッシングは苛烈さを増し、先月は荻野由佳の広告降板という事態が起きたが今度は殺害予告と思うといたたまれない。一体、今はどんなメンタルでいるのか…。

 加藤美南の不適切投稿は「せっかくネイルしてるのにチャンネル変えてほしい」と“裏アカ”に投稿してしまったのがバレた形である。もちろんこれはプロ意識の低さが露呈したと言われても仕方がない話なのだけど、自分はとても頭ごなしに責める気分にはなれなかった。

 加藤も山口真帆からフォローされていないのを理由にあれこれ憶測を広げられ、4ヶ月以上に渡って不当な批判(誹謗中傷)を受けて来たメンバーである。悪質なネット民に家まで晒され、加藤家はセキュリティを強化し自衛に務めるしかなかった。

 しかし彼女は前年、厄介オタクたちから総選挙投票券転売の被害に遭っているのだ。自分に不利益を与える輩と仲良くしているはずがないじゃないか。自分を理解してくれている友人と気持ちを共有しながら誹謗中傷に耐えていたと思うと、不適切投稿事件と研究生降格処分はあまりにもやるせない。

つながりの何が悪いの?

 2019年5月24日、突如、早川支配人がTwitter(現X)個人垢を開設して山口真帆暴行事件に関する情報発信を始めた。

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早川支配人のツイート


 第三者委員会調査報告書と矛盾するとマスコミが沸騰したが、自分からすると、この人たちは暴行犯と交際の証拠が出たE子とは誰のことだったのか読み解けていないんだなと呆れるばかり。早川支配人は「このつながりの話は第三者委員会の報告後にメンバーから聞いた話です」と前置きして語っているだろうに。

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早川支配人のツイート


  • 第三者委員会聞き取り調査時=E子在籍

  • 第三者委員会の報告後=E子は活動辞退済み

 犯人たちの口頭や携帯電話のデータを調べた結果、証拠が出たというその子はもうNGT48にいないのだ。

 ここでファンつながりが何故NGなのか説明しておこう。それは、特定のファンを優遇する行為だからである。

 アイドルのファンは定められた場所(劇場、握手会会場など)に行き、規定の料金を支払って料金分のコミュニケーションを楽しんでいる。しかし定められていない場所(私的領域)に行けば無料で、アイドルが許す限りコミュニケーションを楽しめるとなったらどうなるのか?みんな定められた場所で規定の料金を支払うというルールを守らなくなってしまう。故にファンつながりは仕事のルール違反でNGなのだ。

 また、つながりと言ってもその濃度は様々で、すべて一律で解雇処分というのは乱暴な話だろう。今村悦朗氏は、つながりとは何を指すのか以下の例を挙げてメンバーの聞き取りを行っている。

  1. 一度でも携帯の連絡先を教えて交わした場合

  2. 一度でもプライベートで会ったり、食事をした場合

  3. 家に入った場合

 その結果、松村匠氏が下した沙汰はE子が謹慎で申告があったメンバーは厳重注意なのだから、つながりの濃度には差があったと考えるのが自然だろう。実際、早川支配人が明かした申告内容は「DMを2回返信してしまったが私的に会ったことはない」「取材先の飲食店の方が偶然ファンで、クレープをサービスしてくれて、来店のお礼のDMについ返信をしてしまった」というもの。

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早川支配人のツイート


 E子が供述したと思われる濃度の濃いつながりが第三者委員会調査報告書に書かれているから、何人ものメンバーが同様の行為をしていたかのように拡散しているが実態はこんなものかと苦笑してしまった。

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早川支配人のツイート


 そりゃそうだ、だって厄介連中は夜の公園にメンバーを誰一人呼べなかったんだもの。

向かいの部屋の謎

 ︎︎その当時「山口真帆暴行事件、真相究明の鍵」と言われた向かいの部屋(太野彩香が住んでいた山口の向かい側の部屋)についても早川支配人は言及している。

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早川支配人のツイート
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早川支配人のツイート


 ︎︎数ヶ月後、事件当夜の公園の録音データを、AKSが書き起こした内部文書ではなく文春が直接録音データから書き起こして公開し、そこにあった会話から「太野彩香がポストを介して甲に鍵を渡していたことが明らかになった!」と騒いだ連中が居るのだが、早川支配人のツイートを読んでいれば、甲がウィークリーマンションのシステムをきちんと説明出来ず山口真帆の誤解を深めて行ったことが分かると思う。

山口:メンバーのことを教えてください

甲:メンバーというのは?

山口:なんで、あそこのところにいたんですか?

甲:あそこは……。

山口:あやかに(太野彩香)がそのまま鍵を渡したんでしょ?

甲:いや、そのままじゃないです。一回返してそれを俺は聞いて。

山口:全部、正直に言わないと、「SHOWROOM」でも、この3人、その4人、5人、全員ファンのオタクにみんなに言うし、警察にも言って、その人たちの人生も、あなたの人生も、滅茶苦茶になるんだからね。

甲:だから正直、それはあやかにが直接渡したんじゃなくて、それは多分、1回返したんだと思うけど、それをその引き継ぎで、俺が、借りたというか受け取ったのも……。

山口:だからあやかにから鍵もらったんでしょ? じゃなかったら引っ越してもいないのに鍵もらえなくない?

甲:俺はあやかにと直接、そういうコンタクトは取ってない。

山口:じゃあ誰が取って誰が鍵をもらったの?

甲:いや、本当にもらってない。あれあのポストに鍵が置いてあるあれで、それからポストから俺は受け取った。

山口:あやかにがそこに置いてるって言って?

甲:あやかにと俺は、本当に連絡取ってなくて、それはあやかにがそこを出て行ってるっていうのを聞いたからそれでポストのところに申し込んで引き継ぎで受け取った。

山口:引き継ぎってどういうこと?

甲:引き継ぎっていうかあれ、短期で入る、できるみたいなやつでそれでその次に行けば大丈夫だよってなったから、次に行って。

 ︎︎まさに、ビッコとタッコの会話である。2人が揃うとどうにもならんという…。文春が書き起こした録音データを読んだ時、「あほだろ、君ら」と厭世的な気分になってしまったのは言うまでもない。

安心安全7と研音所属

 5月25日、なんか朝からInstagramの更新通知が届くなと思ったら、山口真帆が連投しているらしい。開くと卒業公演に関する投稿だったのだが、サプライズ出演した小熊倫実、角ゆりあ、日下部愛菜、村雲颯香、高沢朋花、高橋七実、渡邉歩咲を安心安全7と称しているのはそりゃないだろうと。

安心安全7


 全員、自分たちと仲が良いメンバーである。仲が良いメンバーだけは誹謗中傷から救いたいという意図が伺えたが、他の子たちはどうでも良いのか?結局、悪いことしてたというメンバーの名前を出さないまんま、仲が良い子以外を誹謗中傷の渦中に置き去りにする所業には本当に腹が立つ。

 午後になって山口真帆、研音所属のニュースが流れて来たが、要するに去り際に一太刀浴びせて来たということだ。NGT48ファン界隈で山口に対する呆れ声が上がり始めたのはこの頃からである。

 時の人になり増長しちゃって、まあ…。

今村悦朗氏の失策

 5月31日、告発ツイートで「ましてや今村さんは警察からメンバーのことも全部聞いてるのに…」と山口真帆に名指しされてから、ずっと沈黙していた今村悦朗氏が新潮の取材に応じてついに口を開いた。

山口真帆のツイート


 告発直後は、一体どんな後ろめたい秘密を抱えて隠れてるんだ?と思ったこともあるが、色々と情報が出て事件やその背景が見え始めた今思うのは、何で出て来てくれなかったのかということ。

 勝手に出て来て発言するのは、運営責任者の顔に泥を塗るに等しい行為だし、まさにクビ覚悟だろうけど、元関係者の不適切投稿で契約解除になるぐらいなら出て来て違うことは違うと言って欲しかったよ。

 自分が思うに、今村悦朗氏の失策は3つ。

  1. つながりとは具体的にどんな行為を指す言葉なのか明文化していなかった。

  2. 山口真帆が被害妄想と感じたのに仕事をさせていた。

  3. 山口真帆と太野彩香を直接会わせて対面口論させてしまった。

 1、2は言わずもがな。3はお互いに被害者だと思ってる者を合わせたら口論にしかならないだろうに…。

 山口は太野のせいで暴行被害に遭ったと思ってるし、太野は山口の思い込みで嫌な思いをしたと思っている。まず自分が双方とコミュニケーションを取って、落ち着いて話が出来る状態だと分かるまで会わせちゃダメでしょう。

 SKE48劇場支配人時代から今村氏を知っているオタさんの話によると、とにかく女性の扱いが下手な人だったらしい。色々と納得です。

チームG解散の裏

 6月になって長谷川玲奈のクロコダイル所属と、菅原と長谷川を巻き込んでしまったことを強く後悔していた山口真帆が、2人の新たな夢の実現や事務所への移籍などをフォローしてくれるよう秋元康氏に直訴していたことが美談として報道された。

 秋元康の道義的責任を問う声が上がり始めた途端、モバメを発信して制止した裏がこれか。どこが美談だよ…。

 今では4月5日に行われた「今後もNGT48を続ける気がある者」という参加条件が付いた全体ミーティングを山口真帆、菅原りこ、長谷川玲奈が欠席したことも分かっている。

 チームGの正規メンバーは、小熊倫実、菅原りこ、中井りか、長谷川玲奈、本間日陽、村雲颯香、山口真帆、角ゆりあ、日下部愛菜、中村歩加、奈良未遥。定数の16人に5人足りない11人。そのため「逆上がり公演」は14人体制で、毎公演NⅢや研究生からサポートメンバーを入れて回していた。中井りかはTV東京の帯番組出演のため公演に出れる機会がほとんど無かったためサポートメンバーは基本的に4人入るような形である。

 ここから山口、菅原、長谷川が抜けてチームGが8人になってしまったらどうなるか?中井はスケジュール的に公演に出れる機会がほとんど無いのだからサポートメンバーは7人必要になる。NⅢ、研究生メンバーの負担が大きくなる上、Gメンバーに外仕事が入ったり体調不良が出ればG正規メンは過半数割れになってしまう。これではチームG公演と名乗れない。

 そりゃあ、運営も2チーム体制の維持を諦めるよ。チームGを守りたいと言ってた人が全体ミーティングをボイコットして「NGT48を続ける気はない」と意思表示したわけだし、居なくなる人の意思を尊重してメンバーの負担が大きくなる上、欠員でチームGを名乗れなくなる状況が頻繁に訪れるのが見えている体制を続けるはずがない。

 チームG解散が報道された当時、山口は運営が一方的に決めたんじゃないかと指摘するツイートにいいねを付けて批判を煽り立てたが、チームG解散の原因はあなたじゃないか。

 山口真帆の一連の所業は、告発で世間に注目され、大手事務所からもオファーが来て、NGT48もチームGもどうでも良くなったから、運営や仲間を叩かせることで相対的に自分の価値を上げたとしか思えない。

確証無き告発?

 6月22日、アイドル学連続講座に中森明夫氏らと同席した新潟日報・星記者が、オフレコで山口真帆に取材した印象として「どこまで彼女が事実関係を掴んでいるかは、不明な点が多いという印象がありました。もちろん被害をうけているのは事実。事件・メンバー間の軋轢も事実です。メンバー関与の事実については本人も確証のようなものを掴んでいるわけではないのでは?ネットの情報もあり、疑念が補強されていったという印象を受けました。ギスギスとした環境はあるんだなと」と発言したらしい。

 決して名前を出そうとしないところに不審感を抱いていたが、実際に山口真帆を取材した記者がこうした印象を抱いていると明らかになったのは大きい。

 それにしても、ネットの情報もあり、疑念が補強されていっただって!? ネット民たちは山口真帆からいいねが来たことで「自分が推測した通りの事件だ!」と確証を深めて行ったが、山口自身もネット民たちの投稿で疑念を補強して行ったとしたら、既に半年以上に及ぶこの大狂騒劇の正体はネット民と山口真帆による妄想の二人三脚ということになる。

 何て、はた迷惑な二人三脚…。山口真帆が妙なリストを作っていたことを付記しておこう。

山口真帆が作成したリスト


 告発した本人がネットで調査?何で部外者が証拠持ってるの?ため息が出て来る…。

民事裁判

 7月に入り、AKSはコーポレートサイトを立ち上げた。山口真帆の告発を巡る一連の出来事に対する反省を踏まえ、企業として社会的責任に対する取り組み強化の一環である。企業の成長に見合ったガバナンスが欠如していたことを反省し、社会的な責任を負える企業になれるよう運営・管理体制の改善に着手していることを吉成社長が明かした。

 AKSと暴行犯の裁判も始まった。第一回口頭弁論は自分も傍聴券を得て新潟地裁に入ったのだが原告側の訴状陳述だけで早々に終わってしまった。

 AKSが暴行犯に損害賠償を求める訴訟を提起したと聞いた時は冷めた目で見ていたのだが、暴行犯たちは第三者委員会の聞き取り調査に応じていない。暴行犯側の供述を得られるという部分で興味が湧いて来たのである。

 と言うのも、山口真帆の卒業以降、少しずつ当時の内情が聞こえるようになって来ており、その中にちょっと気になる情報があるのだ。それは、山口真帆こそ暴行犯・甲とつながっていた張本人だというもの。

 半年前の自分なら一笑に付していたと思う。しかし、チームGの存続が難しい状況を作ったのは自分自身だろうに、運営が一方的にした事だろうと指摘するツイートにいいねを付けているし、告発ツイートでも暴行犯が自分の太オタだということ、暴行を受けた後に公園で話をしてることを伏せていた。要するに、その情報を受け取った人が認識・判断を誤ることを平気でする人なのだ。

 認識・判断を誤った人が自覚無き加害者となる可能性があることを承知の上か、それとも思い至らないのか、善悪の観念や良心が壊れているとしか言いようがない。(実際、殺害予告事件が起きている)数ヶ月に渡って山口真帆のそんな行動を見て来た今では「あの人ならあり得る」としか思わない。

 ちなみに現在、太野彩香、西潟茉莉奈は「暴行事件の遠因」として叩かれており

  • 事件無関係は新潟県警、第三者委員会の結論

  • 2人がつながりを申告したか否かは不明

  • つながりがあったとしても暴行犯の仲間・丙と交際の証拠が出たのはE子

という論点では解決しそうもない。しかし、山口真帆自身が暴行犯とつながっていたとしたらどうだろう?遠因も何も暴行事件はそれが原因としか言いようが無くなる。そして、事件の1年半も前からマンションに住み着いていた厄介オタクが交際関係に至れたのは、加入後半年足らずの研究生1人だけという不自然な状況にも説明がつく。

 まず、第三者委員会が厄介オタクたち自らでマンションを突き止めたと推論を書いてる通り、聞き取り調査でマンションを教えたメンバーは誰も出て来なかったのだ。そもそも、メンバーが突然私的領域に現れた厄介オタクを「こんな所まで会いに来てくれて嬉しい♪」なんて思うはずがないだろう。喜ぶのは厄介オタクにマンションを教えた張本人(=山口真帆)だけだ。その張本人以外、誰も喜んでいないから(E子を除いて)交際関係に至ったメンバーが居なかったのだ。

 太野彩香が引っ越したのもこれが理由じゃないのか?山口の太オタが自分の部屋の周りをうろついてたらそりゃあ嫌になるだろう。山口真帆の告発ツイートにマインドコントロールされてしまって、自分が連絡先を教えたわけじゃないのに突然オタクが私的領域に現れたらアイドルはどう感じるのかという視点で物事が考えられなくなっていたことに気づいた時は愕然とした。

 ともあれ、つながっていた太オタ・甲を切りたくなった山口真帆が、甲が訪ねて来た状況をつながりを持っていると聞き及んだメンバーのせいにして運営に対応して貰おうと思いついたことが一連の騒動の発端じゃないだろうか?

 しかし、こんな名誉毀損推論を「山口こそ甲とつながっていたらしい」と伝え聞いただけの部外者が公に言えるはずがない。それを言ってる関係者本人が言ってくれない限り追従出来ないのだ。

 もし関係者どころか、その当事者が話してくれるなら願ってもない話。遠藤弁護士がそれを引き出すどんな準備書面を書いてくれるものかと興味しんしんだった。自分はそんな期待感を持って民事の行方を見守っていたのである。

何が真実で何が真実でないのか

 8月2日、事実上の活動休止状態だったNGT48がTIF2019出演、活動再開。ここからNGT48に批判的だったマスコミの論調が再建を見守るかのようなものに変わり始める。

 そんな中、大きく扱ったマスコミはほとんど無かったのに山口信者界隈が騒いだ出来事があった。NGT48の新公演「夢を死なせるわけにいかない」初日。西潟茉莉奈がアンコールMCで、言われているようなことが真実であるならばこのステージには絶対に立てませんとコメントしたのだ。

アンコールMCでコメントする西潟茉莉奈


 一部マスコミが「ならば、何が真実で何が真実でないのか言うべきだ」と沸騰したが、何が真実で何が真実でないのか明らかにするのがあなたたちの仕事でしょうとしか言いようがない。

 仲間に暴行共犯だろうと嫌疑をかけられ、警察の事情聴取、弁護士と運営による聞き取りに再三応じ、あなたたちマスコミが嗅ぎまわっても悪事の証拠が出て来ない。それが彼女の現状なのだから。

 ︎︎この現状から言えるのは、西潟茉莉奈には暴行事件関与も暴行犯と交際していた事実も無いということだ。この現状が真実ではないと言うなら、そう主張する人間が確たるエビデンスを提示し否定するべきだと自分は思う。

保護者説明会

 山口真帆の研音移籍後初のメディア出演に合わせて、文春が第3回保護者説明会の文字起こしを掲載した。事件の内情が出て来るのは久しぶりだ。

 今も事件の全容解明を求める声を上げ、黒メンバーなどと特定のメンバーを揶揄するのは基本的に事件新規の山口信者だったが、以前からのNGT48ファンもモヤモヤした気持ちを抱えているのが現実。AKSはこれまで2回、保護者説明会を開いており、それぞれ「保護者の怒声が飛び交った」「思春期の思い込みと説明があった」などと小さな記事になってはいたが、具体的にどんな説明があったのかは明らかになっていなかったのである。

 メンバーの親御さんはAKSからどんな説明を聞き、大切な娘を預けることにしたのか知るのはファンが抱えているモヤモヤを多少なりとも晴らす効果があるのではないかと思えた。

 AKS役員の挨拶、SNS講習会の概要説明は読み飛ばして、吉成社長の話に進んだのだが、正直驚いた。社長、めっちゃ仕事してるじゃん!

 まず、吉成社長がどんな立場の人だったかから。

「私自身というのは国内事業というのをほとんど見ていませんでした。海外の方ばかり行っておりまして、国内事業はほぼ全てその当時の担当である人間に任せていました。私自身がこの事件、騒動に関わったのは、ちょうど1月の末くらいです」

 ここを踏まえて、吉成社長が山口真帆から告発された案件について。

「私に対して、疑問に思っている事というか、それはあの山口真帆さんが卒業公演の時に、『不起訴でなければ事件じゃない』(※『不起訴になったということで事件じゃないという事だといわれ」と山口は発言している)って社長に言われて、会社からパワハラを受けたっていう、その発言が本当だったかどうかっていうところだと思っています。そのような事実は一切ございません。じゃあなんでそれを世間に対して言わないのですかっていうふうに思っていらっしゃる方がほとんどだと思うのですけども、申し訳ありません、あのタイミングで、私がそれを高々に言うと、言った言わないの話になって彼女の卒業がまた更に遅れるという判断をしました。なので、とりあえずここにいる皆さんに……私は記者会見して世間に発表することは無いですけど……」

「そこでいうと、私自身が本当にパワハラで本当に(山口から)訴えてもらえれば録音テープであったり、録音データであったり、彼女とのLINEのやり取りであったりそういったものは公表出来るのですけど、訴えられない限り、やはりこちら側から公表するものでは無いので。犯人が言った言わないっていう話は別なんですけど、私に関していうと、私自身は証拠を持っているっていう状況なので。今、明確に言えるのは彼女がどこの部分を嘘をついていて、どこの部分が本当なのかっていうのは、犯人と彼女の話になると言った言わないになりますが、少なくとも私との話においては、私の方が正であるっていう証拠は残っていますし、それこそ『加害者って言われた』ってみたいなふうに言われていたので、自分のLINE検索して加害者って検索したら、山口真帆1件って出ていたので、やっぱり私、なにかで言っていたのかなって思ったんですけども、やっぱりそこにも『私が加害者だ』っていうふうに書いてある文言がきちんと証拠で残ってますし、あとその『不起訴でなければ事件じゃない』(※冒頭の通り、卒業公演の壇上で山口は『不起訴になったということで事件じゃないという事だといわれ……』と発言している)っていうのもまさか私そんなふうに言っていると思ってなかったんですけど、実は言っていたんです私。彼女との会話を録音したものを全部文字起こしさせて調べてみたら、確かに世間一般的に言えばそうなってしまうっていう言い方で、それは伝えていました」

 話の後半になると、読解力が無い人にはちょっと分かりにくいかもしれないのだが、吉成社長は山口真帆が卒業発表で告発したような意味合いで発言した覚えは無いということだ。

 山口真帆が、私がそう受け取ったら、それはそういうことなのだという考え方をする人だというのは告発ツイートで明らかだと思う。例えば、Aはバスに乗っているか否か答えた→Aは帰宅時間を教えた、のように。

 しかも、B,Cがそんな事をしたと立証出来ないと新潟県警が結論を出した後に、あるメンバー(B)に家、部屋を教えられ、またあるメンバー(C)は私の家に行けと犯人をそそめかしてましたと世間に広めたという――。

 ともあれ、吉成社長が山口真帆暴行事件に関わり始めてから行ったことを箇条書きにしてみよう。

  1. 聞き役専門のスタッフを山口につけた。

  2. 不起訴理由を知ろうとした。

  3. 費用AKS持ちで暴行犯を民事提訴しましょうと山口と親族に提案。

  4. メンバーと犯人がつながっているという証拠を出して欲しいと山口に求めた。

  5. 山口の親族から「真帆がNGT48に戻れるようにして欲しい」と言われ取り計らった。

 至極、常識的だし、5などお人好しすぎる。運営責任者に言われたら退いてしまう今村悦朗氏がここまでやるのは無理な話。松村匠氏というのは、やはり運営責任者の器じゃないと思う。3,4に応じない山口真帆はおかしいだろってのが自分の感想。

「彼女は卒業しましたが、残されている今ここにいらっしゃるNGTのメンバーで、未だフェイクニュースや間違った情報で叩かれ続けているメンバーがいます。その子達、少なくとも私は今ここにいらっしゃる保護者の方の娘さんの中で”黒”と言われているような子は一人もいないと思っています。なので、ここをどうしてもはっきりさせないといけない。その為には、裁判で不起訴の理由をはっきりさせないといけないと思っていたのですけども、すみません、話戻ります。その手前で、実は私は第三者委員会の呼び出しに応じてくれなかった2人の被疑者の男性に対して、彼らが本当の事を知っていると思ったので、訴える前に、内容証明じゃないですけど『本当の事を知りたいので、是非話し合いに応じてください。応じてくれないのであれば、裁判にします』というふうに出していましたが、結局それにも反応はありませんでした。ただ、第1回目の公判の直前に、先方の弁護士からこちらの方に連絡が入りました。『先方は、和解をしたいというふうに言っています。AKSに対して、今いるメンバーに対して、謝罪文を書きます。それを、公表してくれても構いません。なので、訴えを取り下げてください』という内容でした。まあ、彼らの言い分としては『そもそもAKSや今いるメンバーと争いをしたい訳ではないのです。ただ、今回の事件は、事件じゃないのです。僕は、もともと繋がっていたのは山口さんです』そういった内容でした。今現時点で、我々としては和解には応じません。何故ならば、もしここで仮に和解をしたとしても、全く彼らと関係性のない運営なのですけど、世間的には犯人と繋がっているのじゃないかとか、AKSが裏で手を回しているのじゃないかみたいな憶測も流れているので、『基本的には和解はしません。全て裁判で公の場で、決着をつけます』。というふうに、先方の弁護士には返しています」

 現在進行中の民事裁判に対しても吉成社長は納得出来る考え方をしている。吉成社長の施策に応じなかったのは山口真帆の方だってことも分かったし、文春もこれを表に出してくれたのは良い仕事だった。

 それにしても「今回の事件は、事件じゃないのです。僕は、もともと繋がっていたのは山口さんです」って…。

 まあ、民事は迷走し始めてしまって、この理想論通りに行かなかったのはご存知の通りだが、その辺は後述します。

変わり始めた潮目

 9月1日、村雲颯香卒業公演が終わり、スポニチが事件の内情を含む記事を掲載した。村雲が山口真帆のやりように次第に違和感を持って行った過程が書かれている。

卒業公演でスピーチする村雲颯香


 事件直後に自宅そばの公園で山口と犯人のやりとりを録音した“村雲テープ”まで持つ、事件を最もよく知る最重要人物が最後にたどり着いた心境を明かした。

「ここ半年間は苦しかったです。全部信じたかったけどできないことも多くて、何が何だか分からなくて、自分はどうすれば良かったのかたくさん悩みました」

 当初は仲間たちに疑念を抱いたが、次第に証拠のないままにメンバー解雇を主張する山口にも違和感を持ち、5月18日の山口の卒業公演で一緒に卒業することも避けた。葛藤の半年だったが「時間をかけて向き合うことは意味があることだと、この数カ月で分かりました」と、仲間を涙目で見渡した。

 保護者説明会書き起こしでも吉成社長が証拠を出して貰っていないことを述べていたが、証拠が無いままメンバー解雇を主張する山口真帆に違和感を持って行く過程は吉成社長の話とも一致するだろう。以下がその発言である。

「彼女はずっと『メンバーと犯人たちが繋がっている、ファンと繋がっている証拠を持っている』っていうふうに言い続けていました。私が、なので、『証拠を出して欲しい』って彼女に言っていたのですけども、彼女は『隠蔽されるから証拠は出せない』と。『もうそれは、コピーでも取っておけばいいし、また隠蔽されたら隠蔽されたってTwitterで呟けばいいし、隠蔽しようがないから出してくれる?』ってお願いをしたのですけども、結局最後まで出して貰えませんでした」

 マスコミで、確証があって告発したわけではないのでは?という疑念を最初に口にしたのは新潟日報の星記者だったが、その疑念を裏付けるものがNGT48内部関係者からも出始めたということである。

 また、サイゾーの記事にはこのような記述があった。

 8月27日、初仕事としてラジオに生出演した山口ですが、「元NGT48」という肩書すらありませんでした。事件のことがなければ山口という存在は成り立たないにもかかわらず、研音は1人のタレントとして真っさらな状態で売り出そうとしています。そのため、写真集の発売記念トークショーでは、NGT48のことを聞かれないように囲み取材は行わず、トークではNGT48のことも触れないでしょう。それでは取材する価値がないと、メディア関係者からは大ブーイングです。(ワイドショー関係者)

 もともと、山口はほかのメンバーがファンとつながっていたために事件が起こったと主張。吉成社長の発言が事実ならば、まるっきり話がひっくり返ってしまう。その記事が出て以降、研音はかなりナーバスになっているようで、8月31日に山口派のメンバーだった村雲颯香の卒業公演に関して、AKS寄りの記事を書いたスポーツ紙に対しクレームを入れたという話も伝わっています。(芸能記者)

 サイゾーは過去において多くの誤報を発信したネットメディアだけに、本当にこうした発言をしたワイドショー関係者や芸能記者が居たのかは疑問だが、告発直後は山口側だったメディアも立ち位置を変えているという点が重要だと思う。

暴行事件当夜、公園での音声再び

 9月8日、文春が暴行事件当夜、公園での録音データとそれを14,000字で書き起こした記事を公開した。5月17日に新潮も類似した記事を掲載しているが、そちらはAKSが録音データを書き起こした内部文書を元にした記事だ。AKSが書き起こしていないと思える部分や、新潮が省略した部分もあり、全体像を把握出来るのは今回文春が公開した記事である。

 第三者委員会調査報告書の記載に直して言わせて貰うが、前説の文章には間違いや誤認を招く記載が多い。例えば「A子は事件当日、山口の帰宅時間を犯人グループ側に教えたことがわかっている」「事件発生当時、甲乙は太野が当時住んでいた部屋から出てきた」など。

 A子は山口がバスに乗っているか否か答えてしまっただけで帰宅時間を教えたわけではないし、甲乙が出て来たのは以前太野が住んでいた部屋である。これ書いた人あれだなと思ったものの録音の書き起こしもまともに出来ない人ではないだろうし、録音データ書き起こしの方に進むことにした。

甲:すげー本当、俺が全部、色々何か話したいからって、身勝手で、なんかあの、もう相当怖がらして、しかも関係ない村雲も巻き込んで本当に申し訳ないんだけど、今から全員呼ぶから、それで本当に謝らせてほしい。

山口:どこに来るの? ここに来るの? ここだと他の人に誤解される。

甲:公園でいいよ。俺ら離れとくから。

村雲:メンバーも今ここに来るの?

甲:うん。知ってるメンバーも。俺ら全員離れて公園で離れて座って。

 新潮の記事では一律「男」になっていた部分も誰の発言か分かるようになっている。結局、甲は誰一人メンバーを呼べなかったわけだけど、村雲颯香の「メンバーも今ここに来るの?」という問いに対してハッキリと「うん。知ってるメンバーも」と答えてるなんて、有り体に言うと嘘つきだ。

山口:茉莉奈と丙は一緒にいたんだよ。

村雲:え!? もう信じられないんだけど、本当に。

 山口はいつ西潟茉莉奈と丙が一緒に居るところを見たのだろう?場当たりな嘘をつく甲と、真偽不明な情報を吹き込んで相手の心に疑惑の種を植え付ける山口真帆。この状況で村雲颯香は仲間に疑いの目を向けるようになってしまったわけか。ともあれ村雲が、真相を知って自分の中の疑惑を晴らしたいと考える人で良かった。

山口:誰が来るの?

甲:今から全員呼ぶから、できるだけ、来れるだけ

山口:本当に来る?

甲:来る

村雲:本当に信じられないんだけど

甲:今、もう来るらしいから

山口:全員?

甲:まだその、来れないやつ、連絡取れないやつもいるから

山口:誰が来るって言ってるの?

甲:E子。

村雲:E子?

山口:E子と?

甲:来れるかわからないけど。さっき言った人と来れない●●とか連絡取れるやつは一応来る。

山口:誰に連絡して誰が来れるか言ってください。

丙:今E子に連絡してて、で、なんか、他のメンバーの家にいるみたいな感じらしくて、また今ちょっと連絡つかなくなってて、呼んでるんですけど。

山口:誰と誰と誰に連絡したんですか?

丙:言ったのはE子。

山口:E子だけですか?

丙:はい。

山口:誰には連絡した? 他に?

甲:俺が直接(連絡が)取れないのもあるから。

山口:E子とあとは? 誰に連絡したの?

丙:連絡してるのE子だけです。

山口:え? E子しか関わってないってことですか?

丙:はい。

山口:なんで?

甲:俺経由で、他にお話しした子はいるんだけど、今はその俺は、人づてでしか(連絡が)とれないから、今はとりあえず(連絡が)取れるのはE子だけ。

山口:茉莉奈とあやかにとA子は?

甲:みんな取れないから。

山口:取れるでしょ? 丙。

丙:いや俺、マジで取れない、それは本当に取れない。

山口:なんで?

丙:なんでって、全くつながってない。

山口:あやかには?

丙:あやかにとか俺、全く知らない。

山口:あやかには乙が取れる?

甲:それ別のツテだから。今話せるのはE子だとすぐ来れるから、一回それで話したいから。

「来る」と断言しておきながらだんだん言ってることがブレて行く甲。E子にしか連絡していない、E子としか連絡は取れないと主張が一貫してる丙。山口真帆は丙の主張を受け入れ難いらしい。

 この後、運営の車が到着し、スタッフに促され2人で話し始める甲と山口真帆。山口の詰問に要領を得ない返答をくり返す甲という展開になるのは新潮の記事で明らかになっている通りである。

山口:何で来たの?

スタッフ:え?

 ただ、運営が到着した際、山口のスタッフに対する反応が面白い。顔を掴んだりして強引に部屋に押し入ろうとする男複数人に対し、女性アイドル2人だけというのはどう考えても心細い状況だろうにスタッフは完全に邪魔者である。そりゃあ「え?」ってなっちゃうよ。暴行事件現場からここ(公園)まで、甲は完全に山口真帆の言いなりだし、どう見ても殺されると感じる暴行を行った凶悪犯とその被害者の関係性には見えない。

山口:なんでこういうことしようと思ったの? 最初からそれを説明して。理解ができないの。

甲:言い訳になるけど、外で会うより家で会った方が他に漏れる可能性がないから中で会おうっていうのが俺らの中で当たり前。変な言い方したら当たり前っていうか、そういう外で会いに行くよりも同じ建物の中の方が他にばれることが絶対にないみたいな感じで。感じとか、今まで他の子たちと会ってたから、中で会うっていうことがそんなに、なんか俺の中でめっちゃ驚かせるっていうふうに想像足りてなくて、それでなんかもう公演帰りに会えばいいじゃんみたいな感じに思っちゃって、それでなんかまぁ、自分の中でもまぁ、外で声かけたり変なことするよりもいいかなって思ったんだけど、全然関わりない(山口)からすれば相当驚かせただろうし。

山口:今日、その私にそういう風にことするって誰が知ってたの? メンバー。

甲:今日ってことは、今日とかは言ってないから時間を聞いたのはA子ってだけで、今日とかは別に。いつかはそういう風に話したいって言ってただけで。

山口:じゃあそれは誰に言ったの? 誰が知ってたの?

甲:あやかに知ってるのかな? 俺が直接話せるんじゃないから。

山口:茉莉奈知ってるでしょ? 今日私目が合ったとき凄い顔されたよ。なんだろうと思った。あーそういうことだったんだって理解できたけど。

甲:わかんない。俺はそれは言ってないし。

山口:丙に言ったの? 丙は知ってるでしょ? このこと。だから丙が茉莉奈に言ったんでしょ?

丙:俺は西潟とは本当に連絡取れないから西潟には言ってないし、このことを甲からは、あのー、この話は聞いてたからこの話は知ってたけど。

山口:うん。

丙:このことを西潟とかに言ったりは全くしてない。全くもう、伝える手段がないから、握手会とかでも俺、最近、まあ知らないと思うけど、握手会、全然行ってなかったから西潟の……。

山口:繋がってるんじゃないの? だって、繋がってるんでしょ?

丙:いや、繋がっているのは、本当にそれはない。

山口:はぁ!?

丙:いや、「はぁ!?」じゃなくて、本当にそれはない。

山口:私、聞いたんだけど。

丙:何が?

山口:繋がってるって、家でも会ってるって。

丙:いや、会ってない。

山口:何で嘘つくの?

丙:ん?

山口:だって、さっき茉莉奈に電話、連絡とってたんでしょ?

丙:いや、違う。

山口:誰に連絡とってたの? 来れるか、来れないかって?

丙:来れるか、来れないかっていうのは、だから、まあ、その……。

山口:誰?

丙:甲から呼ばれた時に、その……。

山口:そうじゃなくて、さっきか丙が連絡とって、来れるか来れないか連絡していたメンバーは誰?

丙:いや、連絡、実際にとってない。とってるように、その……。(山口が)パニック、パニックになってて、その、男だけじゃ(山口と)話して、男とだけじゃ(山口に)怖がられて話してもらえないみたいなふうに甲から聞いてたから、何かその、連絡とってる……。

甲:それは本当のこと言う。それはE子でしょ。それは普通にE子で(電話で)呼んでたけど、さっき言った通り、何かメンバーの家に集まっていたから。

「こうだったんだろう?」と詰め寄る山口真帆。要領を得ない返答をくり返す暴行犯たち。つながりがあるのはE子、西潟茉莉奈とはつながりが無いという点は一貫しているようだが…。見かねたのかスタッフが割って入った。

スタッフ:まず君ら何歳かな? 今現時点で。

甲:僕は25です。

丙:24です。

乙:25です。

スタッフ:補導はされないと思うけど、この子たちも仕事もあるのでとりあえず今なんぼ話しても彼女が今納得しないんでそこはとりあえず君たちには、僕らがスタッフとしてちょっと事情を伺いたいです。で、彼女たち仕事控えてて、夜遅くまで。

山口:だって本当のことを言わないじゃないですか、絶対それだと。

 山口は暴行犯たちがスタッフには本当のことを言わないと考えてるようだが、ここまでのやり取りを見る限り、要領を得ない甲の返答に執着し丙の否定には耳を貸そうとしないのが山口真帆である。話の真偽は自分の主張に都合がいいか悪いかで決めているとしか思えない。

スタッフ:あの、山口がここでどう言おうと本当のことを言うかそれが本当なのかは誰もわからないので。まあここは。

山口:本当のことを言わないなら私は警察に言いたいです。こんな怖い思いさせられて。

スタッフ:そこも含めて話すんで。もちろん不法侵入になるんで。

山口:NGTとして活動するのも怖いじゃん。

スタッフ:本当のことって何をもったら本当の……。

山口:他にもたくさん繋がっているメンバーがいるんです。その子が全部情報を言って、私の家もわかっていたし、私が終わる時間もわかっていたし、今日やることもわかっていたし、NGTの内部事情とかも全部、わかってるんです。みんなはこの3人は知ってるんです、それで。繋がってるからみんなと。だからこれで繋がっているメンバーのこと言ってもらえないと、これからNGTとして活動するのも怖いし、いつまた同じことがなるかわからないじゃないですか。だから誰と誰がそんなことやらせたか知りたいんです。正直に言ってよ。

甲:いや、俺は今本当に言えることは全部言ってる。

 とうとう甲にも見放されたところが草と言うか「推し(山口真帆)はオレの発言を根拠に、本気でそのメンバーを解雇処分に追い込む気だ」と悟った甲の恐怖を思うと苦笑が込み上げて来る。解雇処分が現実になれば、もちろん不当解雇なので大変な問題になるだろう。不当解雇されたメンバーは運営を提訴するか、はたまた山口真帆を提訴するか分からないが最終的には甲自身も無関係ではいられない。

山口:最初に言ってたメンバーがそうなんでしょ? 茉莉奈とあやかにとA子がさ、この3人のことをもっとちゃんと詳しく言って。

甲:いや本当にあやかにが知ってるかは、俺直接取れないし。茉莉奈ちゃんも知らないから。

山口:でもあやかにが鍵をやったんでしょ? ポストに置いといてそれを受けとってってことでしょ?

甲:あやかにが入れたのかどうかはわからないけど俺が受け取りはポストから受けとって。

山口:え、それはあやかにがポストに入れるよって言ってたんでしょ?

甲:あやかにが出るってのは聞いてたから直接じゃないけど。

山口:直接じゃないけどポストに入れるからそれをとってそこに住めばいいって言われてたんでしょ? ツテで。

甲:住めばいいとかじゃないけど。

山口:そこにいれば帰り際襲えるからって。

甲:別に襲うとかそういうつもりじゃなくて。

山口:襲ったのと一緒だよ。あんなの。

甲:今までずっとこういう風になったことが一度もなくて普通に話せてたから。

山口:こんなことして? 誰と話せてたの? 今まで。どの子と?

甲:まったく同じじゃないけど、話しかけて、こういう風になったことがなかったから。

山口:話しかけてじゃないじゃん。私が部屋に入ろうとするところをドアを掴んでさ、そのまま私のこと顔掴んで顔を押し倒してさ入ろうとしたじゃん。

甲:そこまではしてない。

山口:したじゃん。

甲:そこまではしてないけど。

山口:したじゃん。してないって言うの? さっきのことなのに。

甲:それはお互いパニックになったから押し合いみたいになったけど。

山口:パニック!?

甲:そういうつもりで行ったんじゃなかったから。

山口:じゃあどういうつもりで行ったの? 何を話したかったの? そんなに。何をそんなに話したかったの? そんなことまでして話したいことって何?

甲:そういう風に責められたら本当に全然……。

山口:言って。何を話したかったの? 他のメンバーのことじゃなくて? 他のメンバーのこと話したいって言ってたじゃんさっき。それとも今乙君と丙がいるから話しづらいの? それを。

甲:別にそうじゃないけど。

山口:どういうこと?

甲:こういう状況では本当にくだらないような、ちょっと話したい……。

山口:何を話したかったのそんなに急ぎ(?)でそんなことまでして話したいことってなに一体。理解できない。

甲:俺は本当……。

 ︎︎保護者説明会書き起こしを読んだ後だと甲の言葉のニュアンスが違って見える。「今までずっとこういう風になったことが一度もなくて普通に話せてたから」というのは誰に対して言ったのだろう?要領を得ない返答に出てたメンバーたち?それとも山口真帆?甲は今までずっと普通に話せてたのに豹変した山口の態度に戸惑って言ってるように感じる。

スタッフ:一応ね、僕らは間のことを知らないんで事実を知らない。ただ、僕ら運営のスタッフである以上、山口がドアから入ろうとしたっていう証言をかなり推しているんで、ごめんなさいですけど事情聴取を済まさせてください。この件に関しては、ぼくら運営スタッフですが。

甲:はい。それは全部はい。話します。

スタッフ:付き合ってもらいますよ。

山口:メンバーのことを全部聞いてくださいね。

スタッフ:今村(悦朗。当時の劇場支配人)を呼びます。申し訳ないけどこれは無理です。

 あくまでメンバーに固執する山口真帆。E子とのつながり以外、散々否定されて来たのに猜疑心が強すぎるだろう。甲と山口のつながりが聞こえ始めた今は、自分同様他のメンバーもつながっているはずだという決めつけがこの強い猜疑心の正体に感じてならない。

スタッフ:まずちょっと一旦話を整理するよ。初めに山口の自宅の方に行ったのはこの2人(甲と乙)?

甲:はい。そうです。

スタッフ:その中でちょっと、いざこざがあり、呼んだのが彼(丙)ね?

甲:はい。そうです。

スタッフ:彼はそれでこのメンバーで収められないからということでE子に連絡をしたのね?

甲:男だけど今パニックになっちゃったから、事情もわかってるメンバーも交えて話をしたらなだめて。

スタッフ:事情をわかっているということはE子はこのことを知ってるのね?

甲:今日何かとかわからないですけど、今日話しに行くとかを具体的に言っていたわけじゃないですけど、あそこ(マンション)も一緒だし入って。

スタッフ:家に行くということは知ってるのね。

甲:はい。廊下で話せればいいなくらいのことです。

スタッフ:日付はわからないけど、中身としてこういうことをやるということは知っていたということね。

甲:詳細を今日こうこうこうするからとかじゃないけど、話すなら家の方が安全だよねっていうくらいの。

スタッフ:そこに関してはそれ以外の他の登場人物は無しね?

甲:それ以外の?

スタッフ:要は、ほかのメンバー今、名前が挙がってきているけど、A子であったり西潟であったり連絡をしたということはないね?

甲:今日具体的にっていうことはないですけど、こういうのって1年以上前から続いてることなんで。

スタッフ:別にその辺はどうでもいいんだ。正直僕が今知りたいのは。

甲:はいはいはい。

スタッフ:今日やるっていう内容として知ってて、ここで言った言わないの話になってるから整理しているだけなんだけど。

甲:はい。

スタッフ:西潟であったりA子であったり今名前が挙がってきてるメンバーに関しては、今この時間の中で連絡を取ったということはないね? 正直にね。

甲:ないです。それは連絡をしていないです。

スタッフ:じゃあそこはいいね? じゃあそれで。

山口:いや、連絡をとってたから、来るということだったんですけど。

スタッフ:西潟が?

山口:西潟もあやかにもA子も。その3人に言われました。

甲:それはとってないし、なんかその動転してる中で言ったことなんで、知ってる知ってないはそういうふうな話をしたことは結構あるんで、知ってるかもしれないけど。

スタッフ:知ってる知らないはいいんだよ。

甲:今日連絡したかって言うとそれはしてないです。

スタッフ:この3人は違うんだよね?

 何て難儀なやり取り。自分がマネージャーの立場だったら、山口には「オレが話してるんだから黙ってて」と伝え、甲には「オレが求めない限り“はい”か“いいえ”で答えて下さい」と言ってしまいそうだ。

山口:じゃあなんでさっき来れるか来れないかで言ってたの?

甲:あやかにとかそもそも俺連絡取れないからそれは言ってないんだけど、E子に連絡を取れればA子も来れるかもっていう話をしたんだけど、とりあえず連絡をしてるのはE子だけ。

 甲は丙が交際してるE子を通じて、その同期のA子ともつながってる認識なのかねえ? A子からすると甲と丙は認知してるオタクという関係でしかないのだが。甲の認識で解釈すると、そりゃあ「みんなつながってるんです」になってしまうだろうな。

スタッフ:今から今村と警察が来ますんで、こういう状態になっているんで、確認事項3つだけいいですか? 今日起こったことだけ。

甲:はい。

スタッフ:御三方は山口のマンションの中に入った?

山口:この人(丙)は関係ありません、何も。

スタッフ:この2人が入りました。1名は後から来た。入った方法を教えてください。

甲:入った方法は前から他のメンバーさんと会ってたんで。そもそもあそこの……。

山口:すみません。丙は帰らせていいですか? 関係ない人なので。

別スタッフ:ちょっと待って。ちょっと待ってね。

山口:××さん。前にいる人は関係ないので帰していいですか? 本当に関係ない。本当に関係ない。帰ってほしい、逆に。

 AKSが書き起こした内部文書を元にした新潮の記事に無い会話が山ほどあるが、ここの部分はおかしすぎるでしょう。自分自身で「警察に言いたいです」と言ったくせに、スタッフが警察を呼んだら自分の詰問を一貫して否定し続ける重要参考人・丙を全力で帰そうとするなんて。

 山口真帆は事件の真相を明らかにしたいのではなく、自分が言ってる通りの事件にして太野彩香、西潟茉莉奈をクビにして貰いたいだけだと思う。録音データを書き起こして内部文書にしたためたAKSスタッフは山口真帆が問い詰める甲、丙の発言の中に真相を探そうとして山口の発言は聞き流していたからおかしいことに気づけなかったのだろうか?

 この記事の前説を書いた文春の記者には色々言いたいことがあるが、保護者説明会の書き起こし同様、出して貰って良かった記事だと思った。

脅迫事件と狂信者

 山口真帆は確証も無しに騒ぎ立てていたのではないか?という疑念が星記者の発言、村雲風香の卒業で表面化し、吉成社長は証拠を出して貰っていないと保護者説明会で明言。暴行犯は供述を翻し「自分がつながりを持っていたのは山口真帆だ」と言ってるらしいことが報じられる中、9月20日に加藤美南への脅迫でまた1人逮捕者が出た。

加藤美南脅迫犯逮捕の報道


 8月末からの報道で冷静になった人も若干見受けられたが、ネット界隈の大勢は相変わらずだったのだ。告発直後からの報道、第三者委員会の答申を聞けば、そもそもマスコミは山口真帆側だったことぐらい理解できるだろうに、そのマスコミがスタンスを改めた答を陰謀論に求めて騒ぎ続ける様には呆れてしまう。事務所の力関係で言ってもAKSより研音の方が上、AKSに忖度する理由など無いのだ。

 保護者説明会書き起こしを読んだ後でも1ミリも事件認識が改まらない人も居るし、そんな連中が「民事で真相が明らかになるはずない」「馴れ合い裁判だろう」と言い合ってるのを見ると、これはただ事ではないと思ってしまう。まるで、教祖の言葉を疑うことは許されないカルト宗教の狂信者だ。

 9月25日、ついに甲が山口真帆とのつながりを供述する準備書面が明らかになったが、彼らはまったく意に介さないままだ…。

秘密のポーズ

 10月30日、スポニチが元NGT山口真帆と襲撃男ツーショット独占入手!関係性示す証拠写真として、2人が互いの部屋番号を指文字で作る写メ会の写真を掲載した。

「602」の指文字
「303」の指文字


 AKB48の写メ会場で山口真帆と暴行犯・甲が向かい合って座り、指文字で「602」と「303」という数字を作っている2枚の写真である。それぞれ「アイドルハンター軍団・Z会」とマスコミが報道した厄介オタク集団のアジトと山口の自宅の部屋番号だ。

 この報道に対する山口の反応は早かった。

山口真帆の反論


 もっともな反論だ。しかし、メンバーは全員事件無関係で関与を疑われた子たちからは暴行犯と交際していた証拠(LINE、2S写真など)・供述が出て来ない上、吉成社長に求められても証拠を出そうとせず、暴行犯相手の民事も了承しなかったことが文春の保護者説明会書き起こしによって明らかになっている。

 また、文春が書き起こした事件当夜の録音データでは、警察を呼んだ途端、必死に重要参考人・丙を帰そうとする不審な行動を見せているし、山口と甲のつながりは噂として聞こえていた情報でもある。現在は、もっともな反論だから「なるほど」と素直に頷ける状況ではないのだ。

 大体、スポニチだって伊達や酔狂でこんな訴訟リスクが高い記事を出すはずがない。名誉棄損で提訴されたら一巻の終わりじゃないか。山口は暴行犯を法廷に引きずり出したらつながりを供述されると分かっていたから、吉成社長が「暴行犯を民事で訴えよう」と提案しても首を縦に振らなかったんだなと思うばかりである。

 だが、公判後の囲み取材でAKS代理人・遠藤和宏弁護士が言った通り、この写真をつながりの証拠とするには説得力が足りない。さらなる証拠の提示を求めて暴行犯を徹底的に追い込んで欲しいと自分は思った。

出してないけどその音声もあります

 山口がこの時にしたもう一件のツイートとInstagramのストーリーにはひっくり返りそうになってしまった。今まで抱いて来た「確証無き告発では?」という疑念を肯定する言葉と、山口真帆とはどんな人か自ら馬脚を露す内容が書かれていたからである。

山口真帆によるツイート


 まったくとんでもないな。そもそも写真は暴行犯のカメラロールの中にあったものだから、スポニチに写真を提供した相手は暴行犯から疑うのが筋だと思うがAKSだと決めつけてることに驚くし、そこからAKSとメンバーへの恨み言を並べ、出してないけどその音声はあるに着地する論理展開はもうついて行けない。普通、その音声は運営に提出したはずですか、その音声はここ(リンクか引用)にありますじゃないだろうか?なお、スポニチへの写真提供は暴行犯、AKS双方が否定しており、提供元は現在も明らかではない。

 ともあれ、山口真帆自身から証拠を出していない旨、言質が取れたのは大きい。

 ︎︎星記者の疑念は印象論の域を出ないものだった。しかし、村雲颯香が感じた違和感、これは内部関係者が証拠が出て来ないという現実と、それでも解雇処分を求める山口真帆の主張が自分の常識に照らしてあり得ないことだったから感じたものだ。そして、吉成社長が保護者説明会で証拠を出して貰えなかったと発言し、山口真帆も今それを肯定したことで、運営はメンバーと犯人のつながりの確証を得られないまま解雇処分を求められ困惑していた事件だったと明らかになったのだ。

 会社に何らかの対応を求めるなら、責任者がその対応を行う必要があると納得するものを提示せねばならない。納得させられるものを持っていないのなら、会社が調査した結果とその判断を尊重し受け入れるべきだろう。「隠蔽されるから証拠は出せない」などと言って、証拠が無いただの主張だけで会社の対応を求める大人ってある?

保護者の激怒

 このツイートには山口にフォローを外されたことで事件関与を疑われ、今もネットバッシングを受けているメンバーの保護者が激怒した。

 特に問題視されたのは「メンバーにはSNSで嫌がらせされて…」という部分である。事件関与を疑われたメンバーたちは山口を信奉するネット民によりSNS投稿に悪意的な解釈を施され「山口真帆をいじめていた」と拡散され続けて来たのだ。おそらく、性格が悪い→こんな子なんだからファンつながりというアイドル倫理に照らして恥ずべき悪事を行っていても不思議ではないと世間に印象付けることがネット民の目的だったのだろう。

 山口のこのツイートはそうしたネット民によるSNS投稿の解釈を肯定するものであり、10ヶ月以上に及ぶ中傷被害をさらに助長することは明らかだ。保護者は山口真帆の民事提訴を検討したが提訴には至っていない。提訴に至らなかった理由はいくつか聞いているのだが、外部からも明白な理由について記しておこうと思う。

 それは、山口が自分自身では一切メンバーの名前を出していないこと。

 ネットバッシングを受けているメンバーが何故事件関与を疑われるようになったのか、その原因が山口真帆のフォロー外しにあるのは明白である。実際、活動を再開したNGT48には仲間を傷つける恐れがあるという理由で「フォロー外し禁止」のSNSルールが出来たし、山口も研音に移籍する際、すべてのフォローを外し、以降は研音公式しかフォローしていない状況だった。

 しかし提訴した法廷で、フォロー外しから憶測が広がってこんなことになるとは思っていなかったと主張されたらどうだろう?山口真帆の責任を問い賠償を求めるには、フォロー外しに特定のメンバーを批判(誹謗中傷)させる意図、すなわち未必の故意があったと証明する必要があるのだ。

 太野彩香、西潟茉莉奈が火達磨になるのを見た後で、荻野由佳を始め何度にも渡ってメンバーのフォローを外し、その憶測による批判(誹謗中傷)を一度も止めないばかりか、疑われたメンバーの自白を迫るツイートにいいねを付けてバッシングを煽り立て、今も「メンバーにはSNSで嫌がらせされて、辞めてからは他のメンバーがやってたことを私のせいにされて…」と具体的な名前を出さず、ネット民の憶測に任せた批判を煽る。これで「こんなことになるとは思ってませんでした」などと言い出すのは白々しいにも程がある…というのは自分の考えで、裁判官がどんな判断を示すものか実際に裁判をやってみなければ分からない。要するに、勝てるかどうか分からない裁判になるのだ。

 もし負けてしまったらどうなるのか?民事はお金も時間もかかる。係争中は精神も削られる。お金と時間をかけ、精神を削りながら、自分が受けている批判を山口真帆のせいにしようとしたという新たな燃料を投下しただけの結果に終わるというのが検討された民事提訴における最悪の着地点なのである。

 女の子がアイドルを出来る時間は限られている。勝てるかどうか分からない、負けたら今より最悪の着地点が待っている裁判に大切な娘の青春を賭けるべきか否か、親なら当然悩むところだろう。

 ともあれ、検討した山口真帆の民事提訴は行わない。保護者はそう決めたというわけだ。

警察署内で裏取引?運営と犯人がコンタクト?

 では、Instagramストーリーの投稿に行こう。最初に言っておくが、山口真帆はこれを24時間経つ前に自ら削除している。削除した理由は読めば分かると思う。

山口真帆が投稿したInstagramストーリー


【ストーリー右半分の記述】
「仕事だから仕事中は嫌なことリクエストされても〇〇って書いて、〇〇のポーズしてって言われても短い時間でやるしかないしプロだから笑顔でやってたけどこんな犯罪の言い訳に使われるんだったら正直に不気味って言っちゃいます」
「暴行も全部認めたし、私との繋がりはないから」
「『俺が持ってる他のメンバーのスキャンダル売ったらNGT終わりますよ?』って運営と交渉しようとしてたのに、[警察から聞いた]お金請求されたら私のせいにして運営と結託して免れようとしてるの怖すぎ[保護者会の音声で裁判前に運営と犯人がコンタクト取ってるの確認済みだし、AKSの人から聞いた]」

 上2つはともかくその下の、警察署内に拘留中の犯人が被害者の所属するアイドルグループ運営に脅迫まがいの取引を持ち掛けて罪を免れようとしてたなんてあり得ない話でしょう。仮に事実だとしたら反省ゼロとしか言いようがないし、反省ゼロなら不起訴の理由が3つ揃いません。

【山口が吉成社長に伝えた不起訴理由】
彼女(山口真帆)が言うには『犯人が初犯であった。そして、非常に反省している。3つ目が、第三者のメンバーの意思があった為この3つが揃って初めて不起訴になったのです。そのうちのどれか一つが欠けていたら起訴できていたのですけど、この3つが揃ったから不起訴になりました』というふうに彼女は主張していました。

 このストーリーの投稿と吉成社長に伝えた不起訴理由、どちらが本当なんだろう?それとも、どちらも嘘なのかな?

 最後の、吉成社長が裁判前、暴行犯の出方を伺うためコンタクトを取った件を「暴行犯は運営と結託して罪を免れようとしている」という陰謀論のネタにするのは脚色が過ぎるでしょう。

【吉成社長が取ったコンタクト】
実は私は第三者委員会の呼び出しに応じてくれなかった2人の被疑者の男性に対して、彼らが本当の事を知っていると思ったので、訴える前に、内容証明じゃないですけど『本当の事を知りたいので、是非話し合いに応じてください。応じてくれないのであれば、裁判にします』というふうに出していましたが、結局それにも反応はありませんでした。

 ホント、山口真帆って人は…。NGT48のコンセプトは個性派集団だったため、ちょっと変わった子を集めたらとんでもない地雷が紛れ込んでいたというわけか…。

 このInstagramストーリーに気づいた人は少数だったようだが、前2つのツイートで世間の関心はピークに達し、山口真帆のTwitterフォロワーは35万人に到達。山口と研音がスポニチの名誉棄損すぎる報道にどんな対応を取るのか注視したものの、研音は偽証罪に問われない場所から一言否定しただけで対応終了。以降は山口も事件に一切言及しなくなってしまったのはこのnoteの冒頭で述べた通りである。

茶番、馴れ合い裁判

 自分がつながっていたのは山口さんですと述べ、説得力不足な写メ会の写真と電話番号を証拠として提示したことについて、AKSは当然追求すると思っていたのにそうはならず裁判は越年した。

 スポニチが報道した、被告・甲が述べるつながりの内容は以下の通りである。

  1. 事件前から山口真帆に自宅住所、携帯番号、ツイッターのダイレクトメールなどを直接教えてもらった。

  2. 写真の指ポーズは2人で「どんなポーズにしようか」と話し合って2人の部屋番号を示した。

  3. 住所を聞いてから何回も衣服やアクセサリーをゆうパックで送った。同じマンションを借りてからは廊下やロビーでプレゼントを直接渡した。

 DMやゆうパックの送り状は無いのだろうか?受け取り票や明らかにプライベートと分かる2S写真が出てくれば問答無用で確定なのだが。

 遠藤弁護士が検察庁に事件の不起訴記録の開示を求める文書送付嘱託の申し立てを行ったことを明かしたのは年が変わって初めての公判を終えた後の囲み取材、2020年1月29日のことである。AKSと山口真帆、双方が事件が不起訴になったことに疑念を持っているとし「思いは一つだと思っております」と山口真帆との共闘態勢を強調したのだが、これは盛大に滑ってしまった。

 AKSは暴行犯が提示する山口真帆とのつながりの証拠(写メ会の2S写真)に対し「説得力が足りない」と反論し、山口側の立ち位置であることを示して来た。しかし、裁判を見守る山口信者にとってAKSは敵だったのである。

 スポニチが互いの部屋番号を指文字で作る写真を掲載した時、山口真帆は2件のツイートで反論したことは前に述べたが、そこで山口が敵視したのはスポニチ、運営、メンバーだ。

「白々しい!スポニチに写真を横流しし、謝罪強要、他のメンバーがしてたことを山口真帆のせいにして来たくせに!」というわけである。

 暴行犯との茶番、馴れ合い裁判という声が高まって行った。もし、文書送付嘱託申し立てが通って検察が不起訴記録を開示すればその内容次第で空気が変わるかもしれない。

 自分は、不起訴記録が開示されますようにと祈るしかなかった――。

新潟地裁が和解案を提示

 3月2日、公判後の囲み取材で遠藤弁護士は裁判所から和解案を提示されたことを明かした。検察は不起訴記録の開示に応じず、検討していた山口真帆の証人申請は本人の立場やプライバシーの問題、負担などを考慮し断念したそうだ。

 保護者説明会で吉成社長が述べた言葉を信じるなら和解はしないはずだが、検察が不起訴記録の開示に応じず、山口の証人申請も断念して真相究明が叶うとは思えない。

 また、裁判官は事実関係についての心証が固まれば和解案を作成・提示する。故に和解案は裁判官の心証を事前にある程度予想する上で重要な意味を持つ。この状況で出して来る和解案――。

 和解案はAKSの敗訴となる心証が伺えるものだったのかもしれない。そもそも訴状の「事件によりNGT48の芸能活動が休止し損害を被った」という部分の因果関係は簡単に認められるものではないのだ。何故なら、山口真帆の告発にAKSが上手く対応出来なかったことが活動休止に至った原因なのだから。

 甲は請求棄却を求めて争って来た。山口真帆とのつながりという事件の背景を明かしたのも訴状のその問題点を突くためである。平たく言うと、あの惨状を招いたのは運営が事件の背景を正しく把握していなかったのが原因で自分たちに責任は無いということだ。

 そう考えると、和解が成立した日に遠藤弁護士が「勝訴的和解」と述べたこともしっくり来る。だってAKSは、自分たちに責任は無いと主張する暴行犯から少額ながらも賠償金と謝罪文を得ることに成功したのだもの。

 2020年4月8日、約1年続いたヴァーナロッサム(旧AKS)と暴行犯の民事裁判は和解が成立した。

謝罪文

私たちは、2018年12月8日、当時貴社の運営するNGT48のメンバーであった山口真帆氏の承諾を得ずに山口氏の自宅を訪れ、少なくとも山口氏の自宅玄関ドアを山口氏と引っ張り合う等の行為に及び、山口氏に精神的な苦痛を与えるのみならず、山口氏との会話において、「NGT48に所属するほかのメンバーから山口氏の自宅の場所を聞いたり、山口氏の自宅に赴くように唆されたりした。」等の事実と異なる説明を行った結果、同説明の録音媒体・反訳が公表されることにより、NGT48メンバーが本件暴行等に関与しているかの如き誤解を招いたことにより、貴社のNGT48の運営に混乱を招き、支障をきたしたことについて陳謝します。

NGT48メンバーは一切本件暴行等に関与していないことをあらためて表明します。

今後、NGT48を含むAKB48グループの出演するイベント等には参加せず、AKB48グループに接触しないものとし、貴社、AKB48グループ及び貴社の取引先等の関係者の名誉やイメージを毀損するようなことは致しません。
以上

勝訴的和解なのだろうか?

 NGT48がこの裁判を通じて得た収穫は2つある。

 1つ目は山口真帆から「証拠を出していない」という言質を引き出したこと。これは裁判外で得たものだが、運営が真相を隠蔽しているという告発直後に見立てられた事件認識は完全に崩れ去ったし、今村悦朗氏が調査して得た結論以上のものは見つからないのに「証拠がある」と言い張る山口に運営が困惑させられていた内情も明らかになった。

 2つ目は第三者委員会の聞き取り調査に応じなかった暴行犯から供述を得られたこと。しかしこれは事実認定も何もされていない、ただの主張である。人並みの知能があれば、これは山口真帆と甲乙、暴行事件当事者が述べる事件の背景から食い違っている騒動だと分かるはずだし、山口の主張を鵜呑みにした批判は控えようと思うはずなのだが、人並みの知能が無い連中には理解出来ないし、司法関係者(第三者委員会)によって事実認定されているのは山口の主張の方だということを利用してアイドルを社会的に抹殺する殺人ゲームを楽しんでる輩は理解しようとしないだろう。

 山口真帆を信奉するネット民=山口信者によるNGT48への活動妨害、誹謗中傷が今後も続くのは明白だ。山口の告発で生じた問題は何も解決していないのだから――。

 自分は人並みの知能が無い人でも「今までの事件認識は間違いだった」と理解出来るような結果が得られることを民事裁判に期待していた。だから、これを勝訴的和解と呼んで良いものか個人的には疑問である。

朱鷺は再び大空へ

 6月5日、NGT48から1年9ヶ月ぶりのシングルリリースが発表された。タイトルは「シャーベットピンク」

 朱鷺という鳥は春から夏にかけて翼の下面が朱色がかった濃いピンク色に変わるらしい。いわゆる“朱鷺色”というやつだ。朱鷺を象徴にしているグループらしいタイトルだと感じて嬉しくなった。

 しかし、山口真帆の告発を機に始まったネット民によるNGT48への誹謗中傷はまだまだ終わりそうにない。7月21日にはNGT48メンバー5人への名誉毀損容疑で東京都新宿区の職業不詳男が逮捕された。一体、いつまで続ける気なんだろう?

メンバーへの名誉毀損で逮捕者が出たと伝える報道


 同日、NGT48新運営会社Flora代表でありAKS当時は副支配人だった岡田剛氏は「今後の活動に関する発表会」で事件時の運営の対応の悪さを反省、山口真帆ら卒業生に謝罪をする。

 また余計な事を…。山口真帆たちに謝罪なんかしたら「運営が謝ったぞ!やはり山口は正しい!山口を信奉する自分たちも正しい!」と誹謗中傷に拍車がかかるのは明白だろうに…。

 一向に収まらない誹謗中傷の嵐に加え、世界的に猛威を奮い始めたコロナウイルス。朱鷺娘たちは一体どうなるんだろう?

 平成最後の握手会、NGT48の再建を不安視する自分に荻野由佳は言った。「とても長い時間がかかると思う、でも何年かかろうと必ず」と。

 寒風と豪雪、まるで日本海側の冬の空みたいな世界を飛び続けることが出来るのだろうか…。

 7月22日、5thシングル「シャーベットピンク」リリース。ファン界隈が相談して決めた共通タグは「#朱鷺は再び大空へ」この1年半で多くのファンが去ってしまったが、残ったファンはみなこのタグを付けてNGT48に祝福の言葉を贈った。

 自分もタグを付けてツイートした。朱鷺娘たちが飛ぶ空に1日でも早く晴れの日が訪れますようにと願って。

あれから5年――

 誹謗中傷は下火になり、広告降板や番組出演、起用などが見送られる深刻な被害も聞かなくなった。当時、中傷被害に遭いながら自分自身で「違うことは違う」と発信させて貰えなかった子たちは、そんなこともあったなと笑えるようになっているだろうか?

 ︎︎芸能人、特にアイドルのネガティブな情報はネット上で憶測に噂が加わり雪だるま式に膨れ上がるのが特徴だ。だが、個人では反論しないようにと言い含めた運営の対応が不十分だと膨れ上がった憶測や噂が既成事実化したまんまアイドル本人は否定する機会を失ってしまうということが多々ある。

 ︎︎デマによる炎上は、迅速に、世間が注目している環境で、キッパリと否定すること。

 また、不祥事の際の危機管理の鉄則は、真相を包み隠さず明らかにすることである。しかし、これは説明責任を求められたAKSも真相を掴みかねてた事件だったのだ。暴行犯は第三者委員会の聞き取り調査に応じず、山口真帆はあると言い張るだけで証拠を出そうとせず暴行犯を民事提訴することも了承しない。事件の当事者双方が真相究明に非協力的で、検察も不起訴記録の開示請求に応じないのではどうしようもない。

 ︎︎これらの危機管理の鉄則を破る形になった対応が何をもたらしたかはご存知の通りである。

 ︎︎不当な批判(誹謗中傷)を煽った加害者が悲劇のヒロインになり、不当な批判(誹謗中傷)を受けた被害者が悲劇のヒロインをいじめて追い出した加害者だと後ろ指をさされる理不尽。それに耐えながら朱鷺娘たちはここまで来たのだ。

シャーベットピンク・MVオフショット


 このnoteを書くにあたって保存しておいた資料を開いたら、リンクの先にある記事の多くが消えてしまっていた。今では第三者委員会の答申書き起こしも冒頭と最後が残されているだけという有様である。これから先も山口真帆の告発とその後の騒動を語る記事や資料は消え続け、騒動をリアルタイムで経験したNGT48ファンの記憶もおぼろげになって行くのだろう。

 ︎︎だが、マスコミが嗅ぎまわっても黒幕と目され叩かれたメンバーたちからは事件関与はもちろん暴行犯と交際関係にあった証拠(LINE、2S写真など)・供述が出て来ず、肝心の告発者・山口真帆は暴行犯が自分とのつながりを供述し始めた途端、貝になってしまったのは明白な事実なのだ。

 そして、NGT48が3期生、4期生、5期生とバトンをつないで行けたのは、1、D3、2期生たちが何を言われても耐えて頑張ったからだということは忘れてはいけないし、ファンが何度代替わりしても伝えて行って欲しいと自分は願ってます。

 あと、同じ新潟を足場に活動するタレントやシンガー、ヒーローがそんなNGT48に手を差し伸べ支えてくれたということもね。

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2010年10月20日生まれ。犬種はウェルシュコーギー・ペンブローク。オス。毛色はレッド&ホワイト = NGT48カラー。2021年12月9日からは虹の橋のたもとでみんなを見守ってます🌈🐶🦋
~アイドル界前代未聞の事件まとめ~山口真帆暴行事件ヒストリー あれから5年、今願うこと|リュウタ
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