中国製太陽光発電に不審な通信機器搭載 遠隔操作で大規模停電恐れ ロイター報道
産経ニュース / 2025年5月19日 20時47分
中国製の太陽光発電システムの一部に不審な通信機器が搭載されていたことが明らかになった。ロイター通信が19日までに報じた。通信機器を通じてシステムが遠隔操作された場合、送電網が不安定化し、広域の停電を引き起こす恐れがあるとみられている。
ロイターによると、通信機器は、太陽光システムのうち、パネルから発電した直流電力を交流に変換して送電網に流すインバーターやバッテリーなどの内部から発見された。これらは製品の仕様書に記載されておらず、最近9カ月間に複数の中国企業製品から見つかっているという。関係者は「事実上、送電網を物理的に破壊する方法が組み込まれていたということだ」と話した。
在ワシントン中国大使館は「国家安全保障の概念を一般論化し、中国のインフラに対する歪曲と中傷に反対する」と述べた。
米エネルギー省は、新興技術に関するリスク評価を継続しているとした上で、製造企業の情報開示に顕著な課題があると述べるにとどめている。
国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、中国は太陽光パネルの全製造過程で世界シェアの80%を占める。中国は太陽光発電システムを戦略的分野として2011年から欧州の10倍以上の資金を投じ、欧州、日本、米国をしのぐ製造能力と低コスト化で台頭している。
21年の中国の太陽光パネル関連製品の輸出額は300億ドル(約4兆3500億円)以上で、製造装置会社の上位10社も中国企業とされる。
各国が調達先を中国から切り替えるのは容易ではないが、米中対立に伴い、安全保障に関わるインフラを見直す動きは広がりそうだ。米下院国土安全保障委員会のオーガスト・フルーガー議員(共和党)は「通信ハッキングだろうと太陽光システムの遠隔操作だろうと、中国共産党はわれわれのインフラを狙う手段を選ばない」とロイターに語った。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
中国企業、太陽光発電展示会で注目、イノベーション製品などに強み―中国メディア
Record China / 2025年5月20日 7時0分
-
スペイン、ポルトガル、南仏「大停電」の原因は「再エネへの移行」?サイバー攻撃めぐるデマも
ニューズウィーク日本版 / 2025年4月30日 16時56分
-
スペイン大規模停電でわかった電力社会の危うさ 〝キャッシュレス人間〟は何もできず
東スポWEB / 2025年4月30日 6時2分
-
スペイン・ポルトガルの大規模停電、ほぼ全域で電力復旧
ロイター / 2025年4月29日 18時50分
-
太陽光発電などの比率を増加させる最新の重要技術を提供―ファーウェイ
Record China / 2025年4月22日 9時0分
トピックスRSS
ランキング
-
1バス爆発、子供ら5人死亡=自爆テロか、軍学校送迎―パキスタン
時事通信 / 2025年5月21日 17時1分
-
2フランス政府報道官、「マクロン主義の終焉」発言で批判
AFPBB News / 2025年5月21日 12時46分
-
3イスラエルがイラン核施設への攻撃準備か 攻撃間近の可能性も 米報道
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年5月21日 11時47分
-
4南スーダンへ移民らを強制送還、命令に反していると米判事が指摘
ロイター / 2025年5月21日 14時52分
-
5米比軍、南シナ海で今年2回目の共同演習 沿岸警備艇が初参加
ロイター / 2025年5月21日 14時56分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする