「甲子園で左バッターが20発でしょ? なんで1年で解雇されたんだろう」
令和の時代の今になって振り返った周伝部長の思いは、そっくりそのまま、当時のトラ番キャップだった筆者の疑問でもあった。
とはいえ、伝統の一戦でホームランを打ちまくってくれる打者は、他のカードで打つヒーローよりもはるかに頼もしく映る。
20日付のサンスポ1面で「佐藤輝、掛布伝説を歩む」という記事が載っていた。巨人戦開幕4カード連続アーチを放てば、掛布雅之以来46年ぶりというお話。確かに、4代目ミスタータイガースは巨人戦で燃えた。
さらに昔の3代目ミスタータイガース・田淵幸一は、規格外にすさまじかった。
1973年4月26日の巨人戦(後楽園)の六回、八回、九回に3連発。5月9日(甲子園)は1死球を挟んで3発。翌10日の一回にドカンと先制弾。
3試合にわたって、なんとビックリ、対巨人7打数連続本塁打。徹底的に巨人を打ちのめしてくれた打者としては、タイガース史上最高だろう。小学校の担任の先生が、授業の時間にずっと田淵の話をしていたほど。
森下や佐藤輝にも、学校の授業を吹っ飛ばす活躍をしてもらいたい。今の時代には、ちょっと難しいか…。
毎日放送のナイター中継。解説は掛布、岡田彰布のゴールデンコンビ。岡田彰布も、巨人にキバを剥き続けた、タイガース史に残る存在だった。〝面白い解説〟を披露すると評判の2人。意外なことに放送席では初共演だとか。
「きょうは一番の注目は、掛布さん、岡田さんの解説でしょう。だからプレスルームでテレビ中継を見ます」
宣言していたのはサブキャップ・原田遼太郎。さすが、何が面白いかを分かっている。
甲子園では、実況を務めるMBS・金山泉アナウンサーが「この話題なら、どちらから先に話を聞いたらいいか、とか、すごく気を使いますね」と緊張気味だった。が、そこは当代屈指の実況アナ。テレビの前で楽しませてもらった。試合も快勝、解説コンビはも言いたい放題、一夜明けてサンスポの記事も楽しんでいただけたら。