羽沢横浜国大駅JR線方面のホームドア制御が変わるかもしれない
相鉄とJR東日本の境界である羽沢横浜国大駅。開業当初から相鉄とJRそれぞれのホームドア制御方式が共存し、JR方面については総武快速線新小岩駅で採用されたシステムが導入されていますが、そのシステムは他駅・他路線に拡大せず、現在JRでは別のシステムが展開されています。現状では今のシステムをそのまま使い続けられますが、遠からず羽沢横浜国大駅もシステムが変わるかもしれません。
現在のシステム
現在羽沢横浜国大駅のJR線方面の発着に用いているシステムは、UHF帯とLF帯という2種類の電波を使用するもので、YCS-infoさんのサイトで詳しく解説されています。
新小岩駅・羽沢横浜国大駅と続けてこのシステムが採用されたことで、JR東日本はこれを首都圏の各路線に展開していくかと思われましたが、そうはなりませんでした。
新たなシステム「RFIDタグ方式」
代わって現在ホームドア整備中の路線・車両で導入が進んでいるのが、UHF帯による通信はそのままにLF帯ではなくRFIDタグを用いる方式です。この仕組みでは車両にRFIDタグを、駅ホーム下にRFIDタグ読み取り機をそれぞれ設置します。支線を除いてホームドア整備が完了し2025年3月にワンマン運転を開始した南武線で、この仕組みが既に稼働しています。こちらも先ほどと同じサイトで詳しい仕組みが解説されています。
埼京線系統もRFIDタグ方式採用か
最初にホームドアを導入した山手線はトランスポンダ制御方式を採用し、その山手線と並走するだけでなく互いの線路を利用して混走することもある京浜東北線、その京浜東北線と一体的に運用される根岸線および直通のある横浜線も同じ方式で整備が進んでいますが、埼京線系統は南武線に続くようにRFIDタグ方式を採用するようです。それを裏付ける動きが、埼京線に関連する各所から見えてきています。
八高線・川越線系統車両にRFIDタグ設置
川越駅を先に系統分離されている川越線の川越以西で運用される4両編成には、既にワンマン対応化の際にRFIDタグが設置されています。川越線は首都圏ホームドア整備の一環で大宮~川越の各駅にホームドアを設置予定で、4両編成は現在の運行体系に沿えば川越駅および入出庫のため南古谷駅でこの首都圏ホームドアと接するため、川越線のホームドアはRFIDタグ方式、さらには直通する埼京線のホームドアもRFIDタグ方式であると推測できます。
東臨71-000形にLF受信部が無い?
さらにここに来て、埼京線に乗り入れる予定の東京臨海高速鉄道71-000形がLF受信部を設置していない可能性が出ています。まだ報道公開前のため断定はできませんが、E233系7000番台でLF受信部を設置している乗務員室小窓部に、71-000形の当該部で装置が見えない写真が確認されています(下記X投稿参照・埋め込みでは見えないためタップして拡大表示しないと見えません)。
掘り文字のしっかりとした"Z11"の編成番号札。首都圏の国電/E電ではお馴染みながらすっかり減ってしまったアイテム、こうして新調されたのはうれしい。 pic.twitter.com/353MchCJTM
— T_kase (@kase_2nd) April 24, 2025
品鶴線や山手貨物線で混走する車両の動向
E233系7000番台と相鉄12000系は湘南新宿ラインや横須賀線と同じ線路上を走っていますが、新小岩駅のためにLF受信部を搭載するE235系1000番台以外の一般車両はホームドア対応工事を施工されながらLF受信部は設置されていません。2028年度までに品鶴線や山手貨物線でホームドアの設置を予定していますが、いずれもRFIDタグ方式になりそうです。
羽沢横浜国大駅だけ存置は考えにくい
このように、当初は埼京線系統各駅へのホームドア設置に先駆けたように見えたE233系7000番台と相鉄12000系の「JR用ホームドア制御対応」は、既に旧世代のシステムとなっています。JRがこの先もE233系7000番台にわずか1駅、それも他社管轄の駅のためにLF帯無線の仕組みを搭載し続けるでしょうか。当然片乗り入れではないため相鉄側もJR直通用車両をRFIDタグ方式に対応させる必要があり、羽沢横浜国大駅をLF帯無線方式で運用し続けることはメリットが見出せません。武蔵小杉から先のJR線内でホームドアの運用が始まる前に、羽沢横浜国大駅もRFIDタグ方式に対応・運用変更されるのではないでしょうか。来たるべきJR線内ワンマン運転対応に向けて、羽沢横浜国大駅のホームドア制御の行方も注目したいと思います。
コメント