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日韓関係の「今昔」,反日だとか嫌韓だとかいいつのっていたら,天皇さんが嫌がっていたのでは? 最近,女子アナ♥上納問題でへたれつくしたフジテレビ が一昔前の2015年6月5日,池上 彰を講師にして放送した番組を詮議してみる(後編)

【断わり・その1】 「本稿(後編)」はつぎの前編を受けているので,できればこちらをさきに読んでもらえると好都合である。本日に続くこの後編では,前編で標題にあげていたフジテレビに直接関係する話題に進む。

【断わり・その2】 冒頭にかかげて画像の人物は,「伊藤博文の暗殺者,安 重根」である。「本稿(後編)」の記述に登場する人物となる。


 ※-1 フジテレビ 2015年6月5日午後9時「〈金曜プレミアム〉池上 彰緊急スペシャル 『反日』韓国の謎とは」


 1)この番組の解説:その1

 この番組は「韓国は存在(じたい)が反日」「近代国家ではない」といいたかったらしい,つぎのような内容になっていた。なお「韓流」については,「本稿(前編)」に登場していた博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー,原田曜平が説明していた知識を念頭に置きながら,以下の記述を読んでほしいところである。

 かつて韓流の総本山と呼ばれたフジテレビが,「池上 彰緊急スペシャル! 知ってるようで知らない韓国のナゾ」と題して,韓国が反日である理由について特集番組を制作・放送していた。

 番組の内容は,批判的な報道を封じるため産経新聞ソウル支局長を〔韓国の司法当局が〕起訴した問題,明治日本の産業遺産の世界遺産登録に反対する異常性〔←異常かどうかは両国の価値観の基本的な相違にかかわる問題〕を枕に,池上さんが韓国の反日の理由について解説するものであった。

 そもそも独立戦争で日本から独立したという「建国神話」が反日の源。近年成立した「親日法(植民地時代に日本帝国に協力した人物や遺族の資産を没収する)」は事後法で,近代・法治国家としてありえない。また根強い反日感情の背景には,幼い子供に独島(日本名竹島)をわが国の領土といわせる異常な教育があるという。

 また,日韓基本条約における経済協力金で戦後補償(正しくは統治時代)は「完全かつ最終的に」補注)解決されているため,いわゆる従軍慰安婦などの個人補償は,韓国政府に請求するべきだなどと説明した。

 註記)「池上 彰『韓国は存在が反日』『近代国家ではない』」『痛いテレビ テレビでやらないことをつついていくよ』 2015年6月6日 01:00,http://zarutoro.livedoor.biz/archives/51885192.html 2015年06月06日01:00 〔 〕補足は引用者。

「池上 彰緊急スペシャル! 知ってるようで知らない韓国のナゾ」

 補注)以上,引用枠内の記述は,「完全かつ最終的に」解決されているという文言については,日韓基本条約である全7項には書かれていなかった点に留意しておきたい。

 日韓基本条約(正式名「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」)とは,1965年6月22日に日本(佐藤栄作首相)と韓国(朴 正煕大統領)の間で締結された条約である。

       =日韓基本条約(1966年6月22日締結)=
 
 第1条 両締約国間に外交および領事関係が開設される。両締約国は,大使の資格を有する外交使節を遅滞なく交換するものとする。また,両締約国は,両国政府により合意される場所に領事館を設置する。
 
 第2条 1910年8月22日以前に大日本帝国と大韓帝国との間で締結されたすべての条約および協定は,もはや無効であることが確認される。
 
 第3条 大韓民国政府は,国際連合総会決議第195号(Ⅲ)に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される。
 
 第4条   (a) 両締約国は,相互の関係において,国際連合憲章の原則を指針とするものとする。  

   (b) 両締約国は,その相互の福祉および共通の利益を増進するに当たって,国際連合憲章の原則に適合して協力するものとする。  

 第5条 両締約国は,その貿易,海運その他の通商の関係を安定した,かつ友好的な基礎の上に置くために,条約または協定を締結するための交渉を実行可能な限りすみやかに開始するものとする。  

 第6条 両締約国は,民間航空運送に関する協定を締結するための交渉を実行可能な限りすみやかに開始するものとする。
 
 第7条 この条約は,批准されなければならない。批准書は,できる限りすみやかにソウルで交換されるものとする。この条約は,批准書の交換の日に効力を生ずる。 

日韓基本条約 1965年6月22日

 2)この番組の解説:その2

 「なかなかうまくいかない日本と韓国との問題を学びながら,池上 彰が日本の歩むべき道を探る!」と謳われていたこの番組の出演者は,平泉 成,千秋,山里亮太,高島 彩,池上 彰,柴田理恵,中村アン,宮下純一である。

 a)「粗筋(あらすじ)」  ふだんなにげなく観ているニュース。実はそのニュースの背景には,私たちの生活に大きくかかわる出来事が存在する。今回の『池上 彰緊急スペシャル!』で扱うテーマは「しっているようでよくしらない韓国のナゾ!」

 1965年6月22日,日韓基本条約の調印があり,今〔2015〕年は国交正常化してから50年という記念すべき年にもかかわらず,セレモニーもおこなわれないばかりか,首脳会談すらまだ一度もおこなわれていない。

 そんないまだからこそ「しっているようでよくしらない韓国のナゾ!」を池上 彰が徹底解説! 日韓基本条約締結から50年という節目の年,仲良くしたいけど,なかなかうまくいかない隣国韓国との問題を学びながら日本の歩むべき道を探る。

 b)「放送内容」は,以下の2点である。

 ☆-1 日韓最新情報を解説

  ・日韓基本条約の締結から50年の記念の年なのに,いまだ首脳会談がおこなわれていない異常事態!

  ・朴 槿恵大統領が語った「日韓首脳会談」をおこなうための条件とは?

  ・今〔2015〕年,韓国が注目しているのは,安倍首相が「お詫び」をするかどうか。さらに「アジア・アフリカ会議(バンドン会議)での首相演説」と「アメリカ上下両院での首相演説」の中身。また,2005年におこなわれた小泉首相の談話との違いとは?

  ・日韓首脳会談が行われるために両国にとってなにが必要なのか?

 ☆-2 なぜ韓国人はそこまで日本が嫌いなのか?

  ・韓国人の日本に対する最新世論を調査! 日本を嫌いな理由をランキングで解説。

  ・学生時代からの反日教育,小学校から高校まで存在するという「独島部」の活動とは?

   ・「反日」の原点は建国当時の憲法にあった!? 第2次世界大戦中に日本に抵抗するために中国に出来た「大韓民国臨時政府」。しかし,その実態は?

 ☆-3 なぜ反日だったのに日韓国交正常化したのか?

  ・国交正常化のカギは現在の大統領 “朴 槿恵” の父親 “朴 正煕” 元大統領。

   ・朴 正煕大統領と日本には深いつながりがあった!!

  ・日韓両国にとって国交正常化を結んだ理由とは?

などなど, “韓国のナゾ” を池上が徹底解説する『池上 彰緊急スペシャル!』は,〔2015年〕6月5日(金)21時から放送。国交正常化50年という節目の国に両国はこのような状態のままでいいのか? 節目の年だからこそ,池上 彰が伝えたいメッセージに注目いただきたい。

 註記)http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2015/150601-170.html このリンク先住所は現在は削除されており,参照不可。

 --本ブログ筆者も当時,このフジテレビの番組を視聴したが,この内容は「反日」の隣国に対する日本・日本人側の「嫌韓」意識を,いかにも意図して正当化したいかのような雰囲気が汲みとれた。

 ゲスト席を占めていたタレントたちは,池上の説明・指摘にいちいちうなずいていたが,ドイツにおいて記録された過去の出来事,該当する「戦後謝罪の徹底的なやり方」に話が振られると,これまた急に逆に,全員が神妙になにか分かったかのような顔つきになっていた。

 午後9時00分から52分まで,民放だからあいだにコマーシャル入りの番組であったが,ある程度,日韓関係問題に知識のある人間からすれば,この放送内容は〈初歩の初歩〉であり,その程度の番組だといえばそれまでのことであったが,ともかく,全然食い足りない構成であった。

 韓国側の「反日・意識」は悪いものであり,日本側の「嫌韓・感情」はその関係で当然の反発である,とでもいいたいかのように聞こえる番組でもあった。そもそも「問題を仕切る基準」からして,その土台には「嫌韓意識」がたっぷり染みこませておいた「番組の企画」だったのかとまで,思わせた。


 ※-2 森川哲郎『朝鮮独立運動暗殺史』三一書房,1976年

 前項で触れたような,池上 彰がフジテレビに出演して解説した韓国問題に関する論調については,たとえば森川哲郎『朝鮮独立運動暗殺史』三一書房,1976年という書物が,日韓関係について解説する歴史をもしったうえで,あらためて考えなおす余地があった。

 昭和期の作家として,「平沢貞通氏を救う会事務局長」を務めた森川哲郎(1924-1982年)は,東京・池袋に生まれ,学歴は早稲田大学中退・日本大学中退。経歴はこうである。

 敗戦後,父が無実の罪で中国側に処刑された原体験をもつ。雑誌編集者・新聞記者を経て作家生活に入る。占領下の暗黒事件のひとつ・帝銀事件の平沢被告と文通するうち,1962年「平沢貞通氏を救う会」を結成。事務局長として署名15000を集め再審請求を支援,新証拠の偽証を問われみずからも逮捕される。

森川哲郎・紹介

 1) 森川哲郎『朝鮮独立運動暗殺史』1976年の目次から,つぎのような中身に注目してみる。各章から拾ってごく簡潔に内容を紹介してみたい。

 第1章「明治編」から。

  ⇒「閔妃暗殺事件」。1895年10月8日,当時の日本公使などが率先陰謀・企図して,隣国の王妃を宮中に侵入して虐殺・陵辱。

 ⇒「伊藤博文暗殺事件」。1909年10月26日,伊藤博文がハルピン駅構内で安 重根に射殺される。ロシア側が真犯人だという別の説もある。

 第2章「大正編」から。

 ⇒「独立〈万歳〉運動」(正しくは「三一独立運動」だが,最近はこの双方の用語を結合させた表示が,日韓両国の研究者たちによる共同研究においては,あえて使用されている場合も出てきた)。

 1919年3月1日,指導者たちが独立宣言文を公表し,非暴力主義による抵抗運動をおこなった。石坂浩一編『岩波小辞典 現代韓国・朝鮮』(岩波書店,2002年)は「朝鮮総督府の武力弾圧で約7500人が死亡,4万6000人が検挙された」と解説(106頁)。

 ⇒「京城南大門襲撃事件」。1919年9月2日,新しく赴任した朝鮮総督斎藤 實海軍大将などが京城南大門で襲撃され,日本人18名が受傷した。このときの犯人3名のうち1人が66歳の姜 宇奎であった。残り2人は20代。

 ⇒「関東大震災朝鮮人虐殺」。1924年9月1日に発生した大地震を契機に,6千6百名余の在日朝鮮人が殺された。

 補注)この関東大震災朝鮮人虐殺の犠牲者数に関して日本側の特定の人物たちは,その集計を頭から否定するが,それならばいまの21世紀においてでもいいから,日韓合同調査のための組織を準備し,あらためて総合的研究体制をもって調査をすればよいのである。

 その「6千6百名余の在日朝鮮人が殺された」という数値は,これじたい,関東大震災後のまだ混乱したなかで,また日本側の調査に対する非協力・妨害もあって,この調査(犠牲者の積算・集計)に当たった金 承学が報告したものとしては,まだ少ないという観方も当然,疑問としてまだ残されたままである。

 しかし,日本側としてはその朝鮮人犠牲者(被虐殺者)数を,可能なかぎり少く把握し,報告し,記録することに済ませたかった点は,これじたいの政治意識としては理解できなくはないものの,だからこそ,日韓双方でその統計に関して対立(反目?)が解消できていない事実を,いまからでもいいから徹底的に調査したうえで,より客観的な認識をえるためにも,高次元における解明・調整が必要である。

 日本は敗戦直前に米軍が広島市・長崎市に落とした原爆による死者数や,それまで各地都市を襲っていた無差別爆撃の犠牲者数については,その後になっても訂正(もちろん増えること)の必要があれば,絶えず逐次的に「追加」してきた。

 こちら側ではそうした修正は不可欠だが,あちら側の分については,そのような手当は不要とする「狭量かつ排他的な基本姿勢」を貫くごとき考え方ならば,これこそ二重基準(ダブルスタンダード)である。

〔森川哲郎に戻る ↓ 〕

 第3章「昭和〔戦前〕編」から。

 ⇒「桜田門爆弾投擲事件」。1932年1月8日,桜田門で昭和天皇が乗った車を狙い,暗殺を図った襲撃事件が発生,犯人は朝鮮人の李 奉昌。

 ⇒「上海公園天長節爆弾事件」。1932年4月29日,天長節を祝う海上に爆弾が投じられた。犯人は朝鮮人の尹 奉吉。

 --これは森川の本からごく一部の「暗殺事件史」などを拾いあげたものである。桜田門爆弾投擲事件の犯人李 奉昌は,取り調べに対してこう述べていたという。

 「朝鮮侵略の元兇である天皇を殺して,朝鮮独立の気運を大きくもり上げる」と(森川,247頁)。

 19世紀後半からの日本と韓国(朝鮮)の関係史は,明治維新を成就させた日本が,米欧に負けじと帝国主義路線を走ってきた歴史のなかで,形成・蓄積されてきたものである。

 1945年8月以後,この両国の間柄(外交関係→朝鮮が植民地であった時期は日本の内政問題だが)が絶えず,不信と軋轢などに充ち満ちたものにならざるをえなかったのは,ことのなりゆきとして必然でもあったといえる。

 安 重根は,取り調べを受けた検察官溝渕孝雄にその動機を尋ねられ,下記の有名な〈15の理由〉を列挙した。

 1 今ヨリ十年バカリ前,伊藤サンノ指揮ニテ韓国王妃ヲ殺害シマシタ

 2 今ヨリ五年前,伊藤サンハ兵力ヲ以ッテ五カ条ノ条約ヲ締結セラレマシタガ,ソレハミナ韓国ニトリテハ非常ナル不利益ノ箇条デアリマス

 3 今ヨリ三年前,伊藤サンガ締結セラレマシタ十二ケ条ノ条約ハ,イズレモ韓国ニトリ軍隊上非常ナル不利益ノ事柄デアリマシタ

 4 伊藤サンハ強イテ韓国皇帝ノ廃位ヲ図リマシタ 

 5 韓国ノ兵隊ハ伊藤サンノタメニ解散セシメラレマシタ

 6 条約締結ニツキ,韓国民ガイキドオリ義兵ガ起リマシタガ,ソノ関係上,伊藤サンハ韓国ノ良民ヲ多数殺サセマシタ

 7 韓国ノ政治,ソノ他ノ権利ヲ奪イマシタ

 8 韓国ノ学校ニ用イタル良好ナル教科書ヲ伊藤サンノ指示ノモトニ焼却シマシタ

 9 韓国人民ニ新聞ノ購読ヲ禁ジマシタ

 10 ナンラアテルベキ金ナキニモカカワラズ,性質ノヨロシカラザル韓国官吏ニ金ヲ与ヘ,韓国民ニナンラノ事モ知ラシメズシテ終ニ第一銀行券ヲ発行シテオリマス

 11 韓国民ノ負担ニ帰スベキ国債二千三百万円ヲ募リ,コレヲ韓国民ニ知ラシメズシテ,ソノ金ハ官吏間ニオイテ勝手ニ処分シタリトモ聞キ,マタ土地ヲ奪リシタメナリトスト聞キマシタ コレ韓国民ニトリテハ非常ナル不利益ノ事デアリマス

 12 伊藤サンハ東洋ノ平和ヲ攪乱シマシタ ソノ訳ト申スハ,日露戦争当時ヨリ,東洋平和維持ナリト言イツツ,韓皇帝ヲ廃シ,当初ノ宣言トハコトゴトク反対ノ結果ヲ見ルニ至リ,韓国民二千万ミナ憤慨シテオリマス

 13 韓国ノ欲セザルニモカカワラズ,伊藤サンハ韓国保護ニ名ヲ借リ,韓国政府ノ一部ノ者ト意思ヲ通ジ,韓国ニ不利益ナル施設ヲ致シテオリマス

 14 今ヲ去ル42年前,現日本皇帝ノ御父君ニ当ラセラル御方 補注)ヲ伊藤サンガ失イマシタ ソノ事ハミナ韓国民ガ知ッテオリマス

  補注)この天皇とは孝明天皇(1831-1867年),つまり明治天皇の先代天皇。

 15 伊藤サンハ,韓国民ガ憤慨シオルニモカカワラズ,日本皇帝ヤ,ソノ他世界各国ニ対シ,韓国ハ無事ナリト言ウテ欺イテオリマス 

安重根の主張

 このなかには説明の分かりにくい項目もある。ともかく,最初の「韓国王妃ヲ殺害シマシタ」事実からして,きわめて衝撃的な事件である。この事件はたとえば,国同士間のその相互関係をひっくり返して想像してみれば,よく分かるはずである。

 日本側が,どこかの国によって,自国のど真ん中において,類似したそういう事件を起こされたとしたら,帝国臣民がどう反応したか? 考えただけでも戦慄が走る話題である。つぎの2文献がある。

 ▲-1 角田房子『閔妃暗殺-朝鮮王朝末期の国母-』新潮社,1988年。

 ▲-2 金 文子『朝鮮王妃殺害と日本人-誰が仕組んで,誰が実行したのか-』高文研,2008年。

 日韓間において生起してきたこれらの帝国主義関係史的な「歴史の事実」を最低限しっただけでも,韓国側の「反日」という〈意識の淵源〉がどこにあるかは,おおよそ理解できるはずである。

 ここでは,豊臣秀吉の朝鮮侵略までは触れないでおくが……。神功皇后の昔話(神話)に至っては,さらに視野が大きく広がりすぎていく感がないでもないが,関連する話題としてのっけから無視はできない……。

 それでもまだ,どうしても理解できないというのであれば,「日・韓の関係史」を逆の「韓・日の関係史」にして考えればよい。仮に,日本側が被害者で,韓国側が加害者になる「類似の事件」が起こされてきたとしたら,日本人側はどう受けとめることになるか(?)。

 おそらく「発〇しそうになるくらい,あるいは,怒髪天を衝くような」感情(激情)を,即発的に抱くはずである。要は,こういった問題意識=「歴史の観方」が,双方においてそれぞれが冷静に受けとめられたうえで,まず相互の理解を蓄積していく努力なしには,そもそも議論のとっかかりさえつかめない。

 この※-2の最後に,安 重根関係の画像資料を何点か挙げておく。

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日本側に拘束されたのちの安重根
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大韓民国の切手「肖像画」になった安重根
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薬指は事情があって以前に故意に落としたとの由
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これなりに達筆にみえるが書道の先生はなんというか
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安重根は韓国では英雄だが日本ではテロリスト
伊藤博文は韓国では極悪人だが日本では名宰相

もっとも明治維新期をはさんだ時期の日本では
伊藤博文はテロリストであった

伊藤の死後「遺品」のなかには血糊「跡」の着いた
それも大刀の寸法を少し詰めたそれがあった

一説では明治天皇の父上(孝明天皇←もしかすると睦仁とは赤の他人?)を殺ったのは
この伊藤博文だという推測も強くありこの疑念はいまも消えていない

ちなみに伊藤博文は朝鮮(韓国)で総督府に務めていた時期には
現地妻(日本人ではなく朝鮮人)の裴貞子という相手がいた

 補注)本ブログが利用するサイト『note』全体の諸記述のなかには,つぎの関連する記述があった。

 前段に登場した「伊藤博文」と「この現地妾:裴 貞子」とのあいだに生まれたらしい人物「裴 亀子」については,本ブログ筆者の手元にあった画像も,つぎにかかげ紹介しておく。

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1936年は昭和11年
なお現在の韓国では裴は一般には使用されず裵を当てている

その理由は定かではないが伊藤博文の介在が「疑われている」

この姓の人びとはもしかしたらたまらない一定の感情を抱いているかもしれない

 

 ※-3 このごろ(その後)における日本と韓国の文化関係史にうかがえる「韓流は底流」

 本日〔ここでは2015年6月9日〕『朝日新聞』朝刊19面「特集」の題目が「隣人同士深く知ろう 国交正常化50年記念シンポジウム『日韓協力の未来ビジョン』」であった(5月23日,札幌市の北海道大学で開催されていた)。

 そこで話題になっていた日韓関係の現状は,「本稿(前編)」 で登場した原田曜平(博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー)の指摘するものと一致していた。以下においては,関連する個所のみ引用するが,適宜に摘出しつつ参照する。

 まず,俳優の黒田福美いわく「韓流ファンには,円安も不協和音も関係ない」。

 つぎに,韓流番組やイベントMCで活躍するラジオ・テレビパーソナリティーの古家正亨(ふるやまさゆき;北海道出身)は,「韓流は文化として日本に根付いた」と強調する。

 都市部では「嫌韓の影響でイベントの動員数が減ってきている」が,地方は影響をあまり受けていないため,「地方からエンターテインメントの流れを発信する力はある」と説明していた。

 1) 歴史問題,大胆な決断必要

 波多野澄雄・筑波大学名誉教授は1951~1965年の正常化交渉を振りかえり,「植民地支配や戦争による被害補償問題は除外されていた」と指摘。

 「『過去の清算』という歴史的課題」が克服できなかったと述べ,冷戦を背景に,日韓に国交正常化を急がせた米国が「歴史問題」への関与を避けたことを要因に挙げた。

 そのうえで,日本が公式文書で植民地支配に言及しておわびし,韓国も「未来志向的な関係発展」と応じた1998年の「日韓パートナーシップ宣言」を高く評価。当時の小渕恵三首相と金 大中大統領がつくったこの関係から,その後に関係が悪化したのは両国の政治指導者のリーダーシップの問題とした。

 鄭 在貞・ソウル市立大学名誉教授は,日韓基本条約では1910年の韓国併合について韓国が「不法で無効」,日本が「当時は合法で有効」とする解釈の違いをあいまいなままにしたと指摘。一方で,「基本条約の限界を,両国はさまざまなとり組みで埋める努力をしてきた」とした。

 また,いまも葛藤がつづく慰安婦問題などの歴史問題で「両国が大胆な決断をする必要がある」と主張。被害救済のための財団設立など新たな和解策が必要と述べた。

 2) 欠点探しから発想転換を

 「相互に『相手は変わらない』と諦めてしまい,たがいの欠点を探しておとしめあいをしているようにみえる」。

 木宮正史・東京大学教授はこう述べ,ネットの発達などでもたらされた「双方向化」が相手国への強硬論を刺激し,政治が引っ張られる悪循環を招いていると指摘。

 安全保障など共通課題でも歩調を合わせづらくなっているが,良好な関係は東アジアの平和にとって公共財になりうる,といった発想の転換が必要だとした。

 朴 喆煕・ソウル大学日本研究所長は経済面から背景を分析した。

 かつては,韓国企業が日本企業の下請けを担う「垂直的分業」だったが,韓国が1990年代以降に半導体や自動車,鉄鋼などの分野で躍進し,「水平的競争」になったと指摘。「韓国では『日本に追いついた』との過剰な自己反応を,日本では韓国への嫉妬と警戒心を呼び起こした」と述べた。

 ただ,実際のビジネス現場では,日韓の企業が手を結んで第三国の市場に共同進出する事例が増えるなど「『水平的協力』時代に入っている」とし,経済の実態と人びとの感情に乖離(かいり)があるとした。

 3) 基調講演 元駐韓大使・小倉和夫:「共通の課題,話し合おう」

 国交正常化から50年〔2015年までの年数計算〕。日韓は文化,観光,スポーツなどの分野で緊密な関係となり,経済・貿易でも大部分で順調に進行している。政治や外交だけをみて「日韓関係が悪い」というのは事実誤認だ。
  
 ただ,最近の日本における対韓感情の悪化は深刻だ。とりかえしのつかない状況まで来ているのではないか。韓国が歴史問題を政治的な問題として提起しつづけることへの反発といわれるが,日本が自信を失い,内向きになっているのが一番の原因だと思う。

 これからどうすべきか。単に国民同士が交流すればいいというのではなく,日韓が共通に抱える社会問題,たとえばシングルマザーや外国人の扱い,不登校などの問題について,国民レベルでさまざまに話しあうことが重要だ。日韓がおたがいに抱える問題から,希望をつくることができる。

 4) キーワード〈日韓国交正常化〉

 1951年からの断続的な交渉で,1965年6月22日に日韓基本条約を調印して国交を樹立。1910年の韓国併合条約以前に結ばれた条約・協定は「もはや無効であることが確認される」とした。

 韓国側は,併合条約は強制的に結ばされ,当初から無効と主張。日本側は当時は合法だったとの立場で対立し,無効になった時点への言及を避けたとされる。

 あわせて結んだ請求権・経済協力協定で,日本は韓国に3億ドルの無償供与と2億ドルの貸し付けを約束。日韓間の請求権については「完全かつ最終的に解決された」と記された。日本からの資金は,植民地支配の被害者には十分に回らず,条約締結時は念頭に置かれていなかった旧日本軍の慰安婦らの救済はあとから問題になった。

 5) ところで,歴史問題として日韓関係史についていえば,日本側においてとくに庶民レベルでは,あまりも関心が薄く,だからもともと隣国に対する基本の知識すらろくにもっていなかった。

 しかし,21世紀になってからだったが,

 「ペ・ヨンジュンとチェ・ジウ」を主役にした映画『冬のソナタ』(2002年に韓国のKBS第2テレビで放送されたあと,翌2003年には日本のNHK・BSで放送され,2004年になるとNHKの地上波でも再放送された)が,日本女性たちから高水準の支持を受け,日本での韓流ブームを一気に巻き起こした。とくに男優のペ・ヨンジュンが人気を集め,大勢の女性ファン(中高年の女性中心だったが)が生まれた。

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パチンコ業種にまで冬ソナブームが闖入していた

この台がどのくらいフィーバーしたかどうか
本ブログ筆者はパチンコには興味がなくしらない

 6) なお,ペ・ヨンジュンの漢字姓名を本ブログ筆者が初めてしったのは,台湾筋から伝わってきた「裴 勇俊」という表記であった。参考にまで触れると,現在の韓国ではこの「裴」という姓はほとんど使用されておらず,裵である。

 ところで,韓国ではなぜ,そのように「裴の姓の漢字表記が裵にかわっていた」のかについて,本ブログ筆者はくわしい事情はしらない。だが,前段にも触れておいたが,一説には「伊藤博文 ♥ 裴 貞子」という「▲ケベ・不倫カップル」の誕生があったからだ,という〈歴史的な解釈〉が推定・成立しうる余地もあった。

 ここで,けっこう好色男だった伊藤博文から離れて,話を本論に戻そう。

 韓流ブームは娯楽的な視点であっても,日本の韓国理解に大きな貢献をしてきたことは事実である。その後は,その反動形成がめだつような現象がなかったわけではないものの,底流においては確実に「日韓間」の相互理解に貢献できる基因を提供してきた。

 7) さて,本日の記述の結論的なまとめをいう。

 フジテレビの番組,2015年6月5日午後9時「〈金曜プレミアム〉池上 彰緊急スペシャル 『反日』韓国の謎とは」は,実際に視聴してみたが,どうも「反日」ということばにこだわり過ぎていたのか,こちらの問題に過剰に執着し,不自然にも偏向したかのような内容が感じられた。自然体で隣国と付きあうための度量不足を,初めから強く想像させるごとき「予断」が含まれていた。

 最後に一言。今日は〔ここでは2015年の〕6月9日である〔あった〕が,ネット(最近の用語ならがSNS)上にはすでに池上 彰を非難し,罵倒する,いつもの〈ネット口調〉風の罵詈雑言が,この記述でとりあげたフジサンケイグループの番組内容に向けてであったが,盛んにゆきかっていた。

 だが,自国(日本)の憲法のなかにあっては実は,「神話性」を充満させた王様が「国家・民のための象徴として臨在:鎮座させられている事実」を指摘する者が,前景に現われて議論したりすることは,現状,そしてその後においてはまったくなかった。これは深く考えるまでもなく,摩訶不思議な現実・現象である。

 この最後の指摘は,本記述の前編でもすでに言及してあったが,ユーチューブサイト『一月万冊』の本間 龍が「私は天皇陛下とは呼ばない,ただ天皇と呼ぶ」だけだといった発言が,現在におけるような「公共(的な)ネット回線」を通じてであったが,明確に提示されるごとき事実告白は,その「摩訶不思議」性を,いささかでも緩和ないし解凍させていく要因になりうるはずである。

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 以上の2冊は日本・日本人側が徹底して隠蔽したがる軍艦島の事実史を解説している。アマゾン通販にも,軍艦島「万歳!」みたいな文献が圧倒的な多数で販売されているが,これじたいがある意味,みなこぞって歴史を捏造しておきたい現象そのものであり,まさに「本当にその正直な姿」。

 今日,この記述を公表したあとネット上をうろついていたら,在日韓国人系組織(在日本大韓民国民団)から発行されている『民団新聞』の「読書」欄に,つぎの文章が出ていた。参考になる中身があったので,ここへ追加,挿入しておくことにした。

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日韓関係の「今昔」,反日だとか嫌韓だとかいいつのっていたら,天皇さんが嫌がっていたのでは? 最近,女子アナ♥上納問題でへたれつくしたフジテレビ が一昔前の2015年6月5日,池上 彰を講師にして放送した|現代日本社会の諸相
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