メシ通編集部です。
連載企画「蟲通」も第4回目。
ゲストはこの方にご登場願いました!
銅蟲先生、今回は『メシ通』史上初めてVirtualなYouTuberが登場です。
ゲストは委員長こと、月ノ美兎さん!
銅蟲先生:暑いですね。頭髪を全部とりたいです。いまの時代は今後Vtuberもさらに料理界に進出してくるでしょうから、今回はその可能性の一端をさぐっていく形になると思われます。というわけで、そういう回にふさわしい狂った料理を委員長には体験していただきましょう。
委員長:ク、クリオネだけはもう勘弁です……
豪華すぎる食材
▲この絵ヅラがすでにシュール
では今回、銅蟲先生が用意したアイテムを。
こ、この黄金に輝く五重の塔はまさか……
ウニだぁぁぁぁーーーー
銅蟲先生:北海道の余市産エゾバフンウニです。海水程度の塩分濃度の塩水に漬かっている、いわゆる塩水ウニですね。諸事情で爆買いしましたが爆買いする価格帯のものでは通常ないです。
委員長:回らない方のお寿司屋さんで出合えそうなウニですね。
▲委員長、ウニは大好きだそうです。クリオネじゃなくてひと安心
そしてウニの他に豪華食材がもうひとつ。
肉!
しかも1枚1枚ビニールで包装されている牛肉。なんか高そうだ。
というわけで今回はこの2食材をメインに使って料理していきます。
「和風あんかけ」を作る
まずは、「めんつゆ」を鍋に適量入れます。
銅蟲先生:めんつゆは材料から厳選した自家製です。お店のめんつゆと市販のとでは味が違いすぎるので自作するようになりました。これであんを作ると味がしてうまいです。
さらに、別の瓶詰めにはこんな液体が。
銅蟲先生:昆布水といって水に昆布を入れて一晩置いといたものです。知人がめっちゃ推してたので試しに作ったんですが、用途が全く見当たらなくて持て余していました。なのでなんかに使えるかと思って持ってきました。
委員長:どうりでものすごくイイ香り。
昆布水を自家製めんつゆとミックスして、出汁を作ります。
そして、この出汁に加えるのが、
謎の白い粉。
委員長:(けげんな表情で)な、なんですか! このえたいの知れない粉末は……
銅蟲先生:葛粉(くずこ)です。葛餅とかの原料になるやつで、とろみをつける用です。片栗粉との違いはいろいろありますが、いい感じのとろみがつくし「かっこいいから」「家にあったから」などもあります。
そう、この白い粉は「吉野本葛」といって、由緒ある食材なのです。
出汁の中にクズを投入すると、
ちょっとワイルド感ありすぎな色が、
みるみるとろみがついて、褐色になり、
見事な和風あんかけが出来上がった!
高級牛肉を一生分のウニで埋め尽くす
早いもので、料理も佳境です。
あらかじめ炊いておいたごはんを丼に盛り、
和風あんかけに、牛肉をくぐらせて
丼にオン。
ローストビーフ丼みたいになっちゃった。
委員長:これだけで十分イケちゃいそうです。
銅蟲先生:この料理的には通常ここに敷くのは湯葉なんですが、人間は変化をする生物なので、より頭を悪くする方向に進化しました。
ここに、これでもかというほどウニをのせていくのですが、
想像以上のウニの量に、買った本人がウケはじめる。
冗談みたいなウニの物量に、笑いがとまらない。
こんな銅蟲先生見たことねぇ……
あんかけをかけて完成へ
盛りまくって、
あんなに高級そうだった牛肉が、とうとう見えなくなってしまいました。
ここに和風あんかけを
つゆだく状態にまでかけて、
「絹かけ丼」の完成!
いざ実食
委員長:こ、これはもう、ウニの海に溺れろと言われてるような……
銅蟲先生:通常は1人前に対してウニを1パックのせますが、これは2パックいっています。自分でやっといてなんですが本当に邪悪ですね。
委員長は
じっくりと召し上がった挙げ句、
見事に完食されました。
委員長:回ってないお寿司屋さんで食べるウニの一生分、って感じだったかも……。
銅蟲先生:黒毛和牛を使うことで肉の香りがウニと反応して邪悪さが増しましたね。この料理は危険すぎて人間が堕落するので、僕も年に1度しか食べないようにしていますが、今年のこれはだいぶひどいです。もともと「絹かけ丼」という料理名がついている訳ですが、これは「怒られ丼」「5桁丼」などの名称にした方がいいような気がします。
※みなさま、お気づきになりましたでしょうか。いつも終盤にお約束のように現れて、お酒を飲んで食べて帰っていくパリッコさんが出てこなかったことを……。次回はいかに!? 乞うご期待ください。
こちらは過去の「蟲通」です。合わせてどーぞ。
撮影:石川真魚