かつて当サイトでは、社会福祉法人やまて福祉会が運営する「やまて寮」(東京都豊島区)という宿泊所が抱える各種の問題について、継続的に取材記事を配信してきた。
やまて寮は、生活困窮者に対して一時的に宿泊場所を提供することを目的とした施設だ。
一連の記事を配信した当時、やまて寮は「貧困ビジネス」などと批判を受け、各種の問題点を指摘された。
論点の一つとなったのが、劣悪な生活環境だった。
このたび当サイトでは、やまて寮の利用者との接触に成功し、現在の状況について話を聞いた。
情報提供者曰く、やまて寮での生活は「以前とほぼ変わっていないと思われます」。
実際に生活してみて、プライバシーが皆無に等しいことを痛感したという。
例えば、利用者に提供されている二段ベッドは、相変わらず薄いカーテンで仕切られているだけだ。
「寝返りや衣擦れの音ですら聞こえるため、非常につらいです」。
また、一部の利用者のマナーが、あまりにもひどいという。
昨年末には、現金の窃盗が発生したという話も聞いたそうだ。
衛生面については、「最低限」のものであると情報提供者は感じている。
以前の記事で扱った、ベッドに虫が湧くというような被害には今のところ遭っていないとのこと。
とはいえ、「ドヤと大して変わりないと思います」。
基本的に、利用者に対する厳重な管理体制はとられていないというが、いくつかの例外もあるようだ。
施設内での食事は、食堂兼娯楽・談話室のみと決められている。
食事中に携帯端末を操作していると、「マナー指導」を理由に、職員から注意を受ける。
食事中以外であれば、携帯端末を操作していても注意されることはない。
食堂兼娯楽・談話室。
水とお茶を除く飲み物及び食べ物を、ベッドが置かれている部屋に持ち込むことは禁止であると、施設内には注意書きが掲示されている。
飲み物や食べ物をベッドにこぼして汚すことのないようにという、衛生上の理由で禁止されているそうだ。
喫煙は、屋上でのみ可能だ。
逆に、これら以外の点では、厳格なルールが定められているわけではない。
食事は、かつてと同じく仕出し弁当だ。
「割高感は否めない」と情報提供者は述べるが、味に不満を感じてはいないという。
こうした点は主観に左右されやすいので、受け取り方には個人差もあるだろう。
その他、施設内で提供される日用品等も、以前とほぼ変わっていないようだ。
昼食の一例。
やまて寮の実態を当サイトが最初に報じたのは、2010年だ。
この10年間に、生活困窮者を取り巻く状況や、貧困問題をめぐる世論には、様々な変化が生じた。
それに比して、やまて寮での生活は、あまり変わりないと言えそうだ。
この点を、読者の皆さんはどのように考えるだろうか。
高橋
【日時】2020年02月22日(土)
【提供】探偵ファイル