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Conversation

韓国憲法には国会議員過半数による戒厳令解除規定があったからこそ、今回早期の収束が図られた。日本にも権力統制型の緊急事態条項を早急に憲法に導入すべきだ。国民・維新・有志の会でまとめてある緊急事態条項には、国会による宣言解除規定も入っている。緊急事態条項が危険なのではなく、まともな緊急事態条項がない状態こそが極めて危険なのだ。 周知のとおり、日本には緊急事態条項がない。「ナチスの再来」というような不安感が緊急事態条項を遠ざけてきた原因は、自民党による緊急事態条項案が、緊急時に権力側の自由度をあげることを主眼においた「権力拡張型」の主張だったことにもよるだろう。 しかし現在、国民民主党・日本維新の会・有志の会が提案している緊急事態条項案は、「権力拡張型」ではなくむしろ「権力統制型」だ。緊急時における国会の機能を守り、内閣の権力行使をチェックすることに主眼がおかれている。諸外国の憲法規定にみられる極めてオーソドックスな緊急事態条項を敷衍している。 具体的には①国会機能を維持するため閉会禁止・衆議院の解散禁止を定め、②内閣の宣言濫用を抑止するため、基本的に事前の国会承認を必要とし、③期限の上限は6か月で国会承認がなければ延長できず④韓国と同様、国会の過半数議決で宣言を解除できる。⑤おまけに火事場泥棒的改憲を封じるため緊急時の憲法改正も禁じている。⑥さらには内心の自由・信仰の自由・奴隷的拘束の禁止といった「緊急時でも絶対に制限してはならない人権」も明記してある。 今回の韓国の事案は、改めて、憲法における緊急事態条項の必要不可欠性を痛感させるものだった。必要性が高いからこそ、世界の憲法の90%(2013年段階で171か国)が緊急事態条項を持っているのだ。 上記のとおり、日本でも、権力統制型のまともな緊急事態条項が既に野党の一部から提案されている。今回の韓国の例を契機に、日本の国会でしっかり議論して憲法への導入を早期に実現してもらう必要がある。これまでの経緯をみると、立憲民主党に期待することは正直難しい。国民・維新・有志の会、そして自公の本気に期待している。