クラファン“成功”のはずが地獄を見た話-「売上2000万円越えでガッツポーズ!…しかし気づいたら赤字。その裏側では、いったい何が起きていたのか?」
プロローグ
「クラウドファンディング(以下、クラファン)で〇百万円の支援を集めました!」
そんなキラキラした報告を、SNSや広告で見かけることが増えましたよね。
まるで「商品やサービスを売るなら、とりあえずクラファンへGO」という風潮があるようにも感じます。今や“自力で起業する・新商品を世に出す”の一つの手段として、クラファンは当たり前の選択肢になりつつあります。
しかし、本当に“資金が集まれば万事OK”なのでしょうか?
実はそんなに簡単ではありません。
売上が伸びて大成功、と思ったら実は赤字。しかもそれが判明するのは生産段階や納品段階の「もう引き返せない時期」だったりするから厄介です。
やればやるほど赤字が増えていくのに、それでも支援者(お客さま)に届けないわけにはいかない……そんな恐怖を語ってくれる人は、表舞台に意外と少ないように感じます。
今回は、私の知人や周囲から聞いた“クラファンで地獄を見た話”をいくつかご紹介したいと思います。
「売れても失敗はあり得る」「予約がいっぱい集まっても、結果的に在庫を抱えて損をする可能性がある」「工場とのやり取りが予定通りにいかず、急に最低ロット数が変わることがある」……などなど、
甘い夢の裏にあるリアルを知ることで、これからクラファンに挑戦したい方が同じ轍を踏まないように願っています。
私が今までクラファンで赤字を出したことは正直ありません。ただ、私自身も経験上、遅延や為替リスク、品質不良など多くのトラブルに遭遇してきました。
だからこそ、自分の体験と、知人から聞いた実話を合わせてご紹介します。この記事が、あなたにとっての「失敗回避のヒント」になれば嬉しいです。
ある友人の話
ある日、私の知り合いであるAさん(仮名)が、こうぼやいていました。
「クラファンでいっぱい売れて嬉しかったけど……いざ蓋を開けたらトントンどころか赤字だったんだよね」
その表情は疲れ切っていて、まさに心底ガッカリしている様子でした。私はこの話を聞いたとき、正直驚きました。
クラファンで成功→資金が集まる→在庫リスクが少ない→基本的に黒字になる……
というイメージが強いかもしれません。
でも、Aさんのように「実際には赤字になった」「大量の在庫が余って困った」「品質問題でクレーム対応に追われ、精神的にもボロボロ」という人は、意外と少なくありません。
本記事で扱うのは、そんな“クラファン成功の陰に潜む赤字の現実”です。プロローグでは、私自身がAさんから聞いた衝撃的なエピソードをきっかけに、「実は同じような体験をしている人がほかにもいるかもしれない……」と思い至った経緯をお話ししていきます。
プロローグの小見出し構成
P-1:初めて聞いた「クラファン赤字」の衝撃
P-2:どうして赤字になるのか?
P-3:今回の記事で伝えたいこと
では、さっそく始めましょう。
P-1:初めて聞いた「クラファン赤字」の衝撃
私が最初に「クラファン赤字なんてあるの?」と驚いたのは、友人のAさんから聞いたキャンプ用品のプロジェクトでした。
詳しくは後述しますが、Aさんが手がけたのは“鋼鉄製のキャンプ用の鉄板”をクラファンで売るという企画です。クラファンサイト上で募集をかけたところ、予想以上の支援が集まり、最終的には80〜90万円の売上を得たとのこと。金額としては、個人レベルの初チャレンジにしては上々ですよね。
ところが、そこからが地獄の始まりでした。製造の段階で急に工場から「最低ロット数」を引き上げられた結果、受注数以上に商品を作るハメになったり、原材料費が想定よりも高騰したり……といった想定外の出費が重なり、最終的には利益どころか“赤字”になってしまったというのです。
Aさんいわく、
「最初は“やった、こんなに売れた!”って感じで舞い上がってたけど、実際計算したら手元に残るどころかマイナス。頑張ったのにこれじゃ報われないよ……」
と、落胆を隠しきれない様子でした。「クラファンの特性上、在庫リスクが少なくて利益が出やすい」と思い込んでいる方もいると思います。
P-2:どうして赤字になるのか?
「モノを売っているのだから、売上が伸びれば利益も出そうなものなのに、なぜ赤字になるのか?」と不思議に思う方も多いでしょう。実は、クラファン特有の問題がいくつも絡んでくるのです。
最低ロット数の変更
為替レートの変動
予想以上の送料や手数料
海外生産の場合の品質リスク
納期遅延によるクレーム対応
キャンセルが出た場合、手数料は戻らない
たとえ売上が大きく見えても、こうしたコストやリスク要素が積み重なるとあっという間に利益を圧迫します。とりわけ「海外製造」に関しては、想定通りに進まないことが多く、それを前提にした計算や交渉が必要なのです。
P-3:今回の記事で伝えたいこと
本記事で私が一番伝えたいのは、「クラファンは決して楽な近道ではない」という事実です。もちろん、メリットもたくさんあります。実際に大成功を収めるプロジェクトもあります。私自身、クラファンで赤字こそ出さなかったものの、納期遅延など様々なトラブルに直面しました。
今回は、そのトラブル事例や体験談をできるだけ分かりやすく、ストーリー仕立てで紹介します。成功・失敗含めリアルな声から学ぶことで、これからクラファンをやってみたいと思っている方は、きっとリスクを回避しやすくなるはずです。
実際のエピソードに基づいた“リアルな痛み”
論文や一般的なビジネス知識を踏まえた“解説”
私自身や知人たちの“学び”
これらを盛り込みつつ、堅苦しいだけにならないように、あくまで“物語風”に仕上げています。長文ではありますが、「読んでよかった」「なんだか面白かった」と思っていただけるよう頑張って書きますので、どうか最後までお付き合いください。
第1章:実例から見る“クラファン赤字”の正体
1-1:キャンプ用品の悲劇「最低ロットは地獄の始まり」
最初に紹介するのが、先ほどちらっと触れたAさんの例です。Aさんはアウトドアブームに乗って、キャンプで使える鋼鉄製のプレート(いわゆる鉄板やコンロの部品)を企画しました。オンライン限定で面白い商品を作ればウケるだろうという狙いがあったそうです。
Aさんは「せっかくなら、一般的なネットショップやAmazonで売るのではなく、クラファンで話題を作りたい」と考えました。
事前予約でリスクを減らせる
これまでにない斬新なアイデアだと、メディアに取り上げられる可能性もある
初期費用を抑えられる
こうした点を期待して、クラファンでスタートしたのです。実際、プロジェクトページを作り込んでSNSでシェアしたところ、アウトドア好きの間でちょっとした話題になり、最終的には80〜90万円ほどの支援金が集まりました。初回としては大成功、と本人も大喜びだったのですが……。
最低ロット数の壁
支援を締め切り、いざ製造に取り掛かろうとしたときに問題が発生。製造を依頼していた海外工場から「納期を優先するなら、最低ロット数を〇〇個に増やしてほしい」という連絡が来たのです。
最初の見積もり段階では、「50個〜100個程度で問題ない」と言われていたらしく、Aさんも「じゃあOKですね!」と安易に合意してしまっていました。
ところが、この工場では「同時期に大量の注文を抱えていて、少量生産に対応できない」という内情があったようで、蓋を開けてみると“最低ロット200個以上”など、当初の想定を遥かに上回る数を提示されたそうです。
Aさんは当然「そんなに作れませんよ」と交渉しましたが、工場としては「それが無理なら納期はもっと先になる」「もしくは工場側が単価を上げる」という強気の姿勢でした。
結局、早く支援者に届けたいという思いから、やむを得ず「その最低ロット数」に合わせるしかなくなったのです。
支援分の売上は約80〜90万円。しかし、最低ロットに合わせた仕入れ代金はもっと高い。
在庫を抱える形になり、それに伴う送料や保管費用などもかかる。結果的に、支援者への納品を済ませた段階で赤字だったというのが、Aさんの苦しい現実です。
Aさんいわく、
「本当は必要な数だけ作って、その分だけ利益にしたかった。でも、工場の事情で最小ロットが増えたせいで、売れなかったぶんは全部自腹。しかも海外からの配送コストや通関手続きも馬鹿にならない。気づいたらほとんどマイナス……」
と肩を落としていました。
1-2:最低ロット数は“動く”ものと心得よ
こうした話は決して珍しくありません。特に海外工場の場合、製造ラインの稼働状況や資材の入手性など、状況によって最低ロット数が大きく変わることがあるのです。
工場側からすると、少量生産のほうが手間やコストがかかるので、ある程度まとまった数で作ってくれないと利益が出ないという言い分もわかります。
国内の中小企業でも、似たようなことは起きます。相手も商売ですから、最低ロットを「できるだけ多く取りたい」「注文数が少ないなら、生産スケジュールを後回しにする」という姿勢になりがちです。
最初に「だいたい◯個で作れますよ」と言われても、契約段階や生産開始の段階で「やっぱり××個以上で」と変更されるパターンは大いにあり得ます。
クラファンならではの打撃
通常のECビジネスなら、在庫リスクを見越して仕入れ数を増減できるかもしれません。けれど、クラファンでは「支援金を既に受け取っている手前、納品や発送の遅れは許されない」というプレッシャーが強いです。
支援者は“寄付”というより“購入”の感覚で待っているケースがほとんどですからね。
Aさんのように「別の工場を今から探すのは間に合わない」「納期をさらに伸ばすとクレームが来るから避けたい」という状況だと、“不利な条件でも受け入れるしかない”という最悪の展開に陥りがち。結果として、在庫が余り、赤字につながります。
まとめメモ
最低ロット数は、工場都合で変化する可能性大
先に集めた支援金に縛られ、条件交渉が困難になる
結果的に余剰在庫を抱え、赤字に……
第2章:大成功が一転……品質トラブルで数百万円の赤字
2-1:2,000万円売れたはずが「なぜ赤字?」
次にご紹介するのは、Bさん(仮名)のケースです。Bさんはクラファンで“ある新製品”を企画し、大きな話題を呼びました。SNS上でも「画期的だ」「デザインがかっこいい」と拡散され、結果的に2,000万円を超える支援金が集まったそうです。
「夢のような展開ですよね。スタートアップ企業でも、いきなり2,000万円を売り上げるのは大変なこと。周囲も“すごいな!めちゃくちゃ儲かったんじゃないの?”と羨望の眼差しでした。」
しかし、蓋を開けてみると、ここにも大きな落とし穴が待っていました。
品質検査で発覚した“使い物にならない”現実
Bさんたちは、新製品を海外工場で作り、一括輸入してから国内で支援者へ発送する計画でした。しかし、出来上がった製品を検品したところ……想定していたクオリティにまったく達していなかったのです。
塗装が粗く、剥げやすい
強度が足りず、本来の機能を果たさない
サイズの誤差が大きく、組み立てに不具合
こういった問題が次々と見つかりました。Bさんいわく、サンプル品の段階では比較的しっかりした仕上がりだったのに、量産時には大きく品質が落ちてしまったとのこと。
これは海外生産でよくある話で“サンプルは少量だから工場も丁寧に作るけど、本番の量産時には雑になる”というケースがあるのです。
当然このままお客さんに届ければ、大量のクレームが発生するでしょう。ヘタをするとSNSやレビューサイトで炎上し、「詐欺だ!」と糾弾される可能性すらあります。Bさんたちはそれを避けるべく、「製品を改良して再生産する」という苦渋の決断を下しました。
追加費用&遅延&クレーム対応で悲惨な状況に
しかし、再生産には当たり前ですが追加費用がかかります。最初に2,000万円集まったとはいえ、そこから
広告宣伝費
プラットフォーム手数料
決済手数料
輸送費用
返品・廃棄コスト
などが既に出ていき、余剰キャッシュはそれほど多くなかったのです。
結果的に、Bさんの会社は新たな借り入れも検討しながら、何とか再生産を実施。でも納期は当然大幅に遅れ、支援者からの問い合わせが殺到しました。
「まだ届きませんが、本当に作っているのですか?」
「一度不良品が出たと聞きましたが、品質は大丈夫なんですか?」
こういった声に対応するだけでも膨大な時間と労力がかかります。
そして最終的に、Bさんが苦労して送り出した製品は「一定の品質」に達したものの、予定より何ヶ月も納品が遅れたせいでキャンセルを申し出る支援者が出たり、追加の広告費が膨らんだりしてしまいました。最終的に2,000万円の売上に対して、2〜300万円規模の赤字を出したのです。
Bさんが後から振り返って言っていました。
「あのときは、“なんでこんなに苦しんでるのに、お金が入ってこないんだろう”と、ずっと悶々としてました。2,000万円も集まったのに、帳簿をつけるとマイナス。再生産費用や返品処理の費用、スタッフの残業代なんかもバカにならなくて。もっと早くにリスクを読んでおけばよかったと思います。」
2-2:品質リスクはとにかく怖い
Bさんのケースから学べるのは、品質リスクは莫大なコストにつながるということです。特に海外工場に任せる場合、最終納品時にトラブルが起きたらもう手遅れ。
日本で改良するにもコストがかかるし、再生産すれば納期が遅れ、支援者の不満が募る。たとえ製造工場が一部責任を負ってくれたとしても、すべてを補償してもらえるわけではありません。
さらに、クラファンは支援者(顧客)との距離が近い分、SNSなどでの口コミ拡散力が強いです。「届いた商品が粗悪品だった!」という怒りの声が広がれば、次のプロジェクトに支障が出るだけでなく、企業としての信用にもダメージを受けるでしょう。
まとめメモ
大きな売上でも、品質トラブルで追加費用がかさむと一気に赤字へ
再生産や返品対応、クレーム対応などの“二次的コスト”が非常に高い
海外生産の際は、サンプルと量産の品質差が激しい可能性を常に警戒
第3章:売上=利益ではない、その当たり前と盲点
3-1:クラファンの“売上”の内訳を知ろう
前章までで、「クラファンで予想以上に売れたのに赤字になった」という実例を2つご紹介しました。どちらも「在庫リスク(最低ロット増)」「品質トラブル」という大きな要因がありましたが、その他にも見逃してはいけないのが、手数料や諸経費などが想像以上にかかるという現実です。
たとえばクラファンサイトを使う場合、プラットフォーム手数料(※サービス運営会社への報酬)が5%~20%程度かかることが一般的です。
さらにカード決済手数料や、コンビニ決済手数料などの決済手数料も数%前後かかります。具体的な数字はプラットフォームによって異なりますが、「売上」の段階から確実に一定額が差し引かれてしまうのです。
3-1-1:たとえば2,000万円集まっても、まず手数料で数百万円
仮に2,000万円の支援金が集まったとして、総合的な手数料が15%ほどかかるとしましょう。すると、そこだけで300万円が消えてしまいます。さらに国際送料や関税、広告費、倉庫費用、開発費用などを加算していくと、あっという間に「手元に残るお金」は少なくなります。
Bさんの事例では、2,000万円という大きな額が集まったにもかかわらず、
原材料費・製造費
追加の品質改良費
再輸送・再検品費用
広報費用(SNS広告、動画制作など)
キャンセル発生時の返金対応
問い合わせやクレーム対応に費やす人件費
……これらが重なって、最終的には数百万円の赤字となってしまいました。
「そんなに費用がかかるなんて思わなかった」
というのが正直なところだったそうです。
3-1-2:支援総額=“自分の懐”に入るわけではない
クラファン初心者がよく陥る誤解として、「支援総額がそのまま利益になる」というイメージがあります。実際には、支援総額=(原価+諸経費+手数料)+(自分の取り分)という式になっており、ここで諸経費の部分がとても大きいのです。
結論:
「クラファンで集めた売上」は、あくまで“売上”であって“利益”ではありません。ビジネスを少しでも経験したことがある人なら当たり前ですが、クラファンに限っては「先に支援金が集まる」という形のため、気持ち的に大金を手に入れたように錯覚しやすいのだと思います。
3-2:見えないコストが“心”と“時間”を削る
数値上で計算できるコストだけではありません。クラファンの運営には、想像以上の“見えないコスト”が存在します。
問い合わせ対応・クレーム対応のための時間
制作や発送準備のデータ整理、調整にかかる労力
納期遅延時の謝罪対応や説明文の作成
スタッフや外注先とのやりとり(コミュニケーションコスト)
このような“人的コスト”や“精神的コスト”は、事前のシミュレーションではなかなか数字に表せません。しかし、これらが大きくなればなるほど実務は回らなくなり、それに伴ってビジネス自体の効率が落ちるのです。
3-2-1:納期遅延と問い合わせ対応の地獄
実際、ある程度の規模を持つプロジェクトなら、数百~数千件の発送が当たり前です。納期が遅れた場合、そのうち何%かの支援者が「どうなっているの?」と問い合わせをしてくる。これが1日に何十通と来ると、対応に追われて本来やりたかった作業が止まってしまうのですね。
もしも“コールセンター”のように専任スタッフを雇えるならまだしも、多くの場合は代表者や少数チームが兼務するので、1通1通丁寧に返信しているだけで1日が終わってしまいます。結果、「クラファンが成功したのに、事後対応で疲弊して新しいビジネスを広げる体力がない」なんてことにも。
3-2-2:心の消耗→判断力低下の悪循環
人間、疲労がたまると冷静な判断ができなくなります。「もう問い合わせに返信するのも嫌だ」「こんなに手間がかかるならクラファンなんてやらなきゃよかった」と後悔の念が募り、本来のビジネスの楽しみや商品開発のモチベーションまで下がってしまうケースも珍しくありません。こうなると負のスパイラルにハマってしまい、新たなトラブルを引き寄せる可能性が高まります。
つまり、クラファンで赤字になるかどうかは、単純に“金銭面”だけで語れないのです。精神的に追い詰められることが、実はもっとも恐ろしい。ここに思いが至る人は、まだまだ少ないように思います。
3-3:クラファン失敗談が表に出づらい理由
「クラファン赤字」の事例は、探せばいくらでも転がっています。しかし、表立って語られることはあまりありません。なぜでしょうか?
失敗事例は“夢”を壊すため、セミナーやコンサルで語られない
クラファンコンサルやスクールの多くは、受講生に“希望”を持ってもらうことがビジネスモデルになっています。そのため、赤字・炎上などの失敗談を具体的に取り上げることは少ないのです。恥ずかしいので公表しにくい
赤字になったとか、在庫を抱えて苦しんでいるとか、なかなかオープンに話しづらい内容ですよね。特に個人レベルでの挑戦だと、「自分の経営センスが疑われそう」という不安から、失敗を隠そうとする傾向があります。世間は“成功事例”にばかり注目する
メディアやSNSは、話題性のある“大成功プロジェクト”を取り上げがちです。たとえば「1週間で1,000万円達成!」などの華々しい数字は分かりやすくインパクトがあります。一方で、似たような規模でも赤字に転落して終わったという事例は、関心を持たれにくいのです。
このような背景があるため、「クラファンは誰でも成功できる」と思い込んでスタートし、後から痛い目を見る人が後を絶たないのだと感じています。
第4章:クラファン特有のリスクを整理する
4-1:最低ロット・品質・為替リスク以外にもある!
前半の事例でも出てきましたが、海外工場を利用した物販プロジェクトにおける「最低ロット変動リスク」「品質リスク」「為替リスク」は三大リスクと言えるでしょう。しかし、クラファンではそれ以外にも様々なリスク要素が存在します。
4-1-1:手数料・キャンセル返金のリスク
プラットフォーム利用料:5~20%程度
カード決済手数料:3~5%程度
万が一キャンセルになっても手数料は戻らない
これらはクラファンならではの落とし穴です。通常のECサイト運営よりも手数料率が高く設定されていることが多く、特にトラブルを起こしてから高額商品の返品が相次ぐと、手数料だけがゴッソリ抜かれてしまうことになります。
4-1-2:法的トラブル・規制リスク
クラファンは比較的新しいビジネス手法であるため、国によっては法規制が追いついていない部分もあります。しかし「詐欺的プロジェクトだ」「景品表示法違反だ」などと指摘される可能性は常にゼロではありません。
また、知的財産権や商標、輸入時の通関手続きなど、法的なチェックポイントが多いのも事実です。
何も知らずに「海外で勝手に作って売りました」とやっていると、後からトラブルが発覚するケースがあり得ます。
4-1-3:PRの不発リスク
クラファンが注目されるのは、「多くの人に見てもらえる可能性が高い」点です。しかし実際には、何もしなくても自然と目に留まるほど甘い世界ではありません。
もしプロジェクトのPR戦略が不十分だったり、テーマがニッチすぎたりすると、まったく支援が集まらず、“在庫を抱える前に失敗”というケースもあるでしょう(それは赤字云々以前の問題かもしれませんが……)。
成功しているプロジェクトほど、PRにかなり力を入れているのが実情です。運営者自身が毎日のようにSNSで更新したり、メディアとのコネクションを駆使したり……とにかく地道な努力を続けています。
もし十分なPRができないと「思ったより集まらず原価割れ」となり、それもまた赤字リスクにつながります。
4-2:論文やデータは何と言っているのか?
クラファンに関する学術研究はいろいろありますが、その多くは「成功率」と「失敗時の要因」に着目しています。たとえば海外の主要プラットフォーム(Kickstarterなど)を分析した複数の調査では、
約8~10%のプロジェクトが、支援金を集めたにもかかわらず“リターンを全く届けられない”まま終わっている
成功したプロジェクトの中でも、約30%以上が出荷の大幅な遅延を経験している
最終的に目標額に届いても“資金不足”でクオリティを下げざるを得ない事例も多い
といったデータが示されています。
(※これらはKickstarterやIndiegogoなど海外プラットフォームを対象にした研究結果で、日本国内の数字とはやや異なる可能性がありますが、大枠では共通点もあると考えられています。)
要するに、「目標額を達成した=プロジェクトとして成功」というわけでは決してない、ということ。お金が集まっても、その後の実行段階で大きくつまずくケースが少なくないのです。
第5章:私自身の経験談——生きた“学び”をシェアします
5-1:幸い赤字は出なかったけれど……
私の場合、いくつかのクラファンプロジェクトに関わってきました。幸いにも「大赤字」にはなりませんでしたが、納期遅延やロット数の変更などで冷や汗をかいたことは何度もあります。なかでも印象に残っているのが、タイの工場で製品を作ったケースです。
当初は「最低50個でOK」と言われていたのに、コロナ禍を経て「次の生産からは最低100個が条件です」と言われるようになりました。理由を聞くと、「少量ロットだと採算が合わない。人件費や材料費が上がっている」とのこと。
仕方なく100個分のロットを注文したところ、支援総数が思ったより伸びず、結果的に在庫がやや余る形に。
それでも、クラファン前に綿密なシミュレーションをしていたので、最終的にはかろうじてプラスを維持できましたが、もしも想定外のトラブルが他にも重なっていたら危なかったと思います。
5-1-1:遅延が2か月続いた時の苦労
また、船便が大幅に遅れて、予定より約2か月後に製品が到着したこともありました。支援者には「◯月発送予定」と伝えていたため、「まだ届かないのですが?」という問い合わせが何十件も来ます。
私はそれまで、本業の傍らでプロジェクトを運営していたので、1日に数時間はメール対応に時間を割かれ、もうヘトヘト。支援者の中には「こんなに遅れるなんて聞いてない!」と怒る方もいて、ひたすら謝罪しながら事情を説明する日々でした。
これには人件費やメンタルコストが意外と大きくのしかかりました。さらに、このようにプロジェクト対応に追われている間は、新しい企画を考える余裕がなくなり、ビジネスチャンスを逃した部分もありました。
5-1-2:私が回避できたのは“運”と“複数工場の確保”
私がトータルで赤字を免れた一番の理由は、「工場を複数あたっていた」ことと「ある程度シビアに原価計算をしていた」からだと思います。
一つの工場がダメでも、別の工場に切り替える(時間はかかるが最悪の事態は回避・アパレルや革製品などは弊社が多いので、工場を切り替えるのが容易のカテゴリならあり)
最初から最低ロットが2倍になる可能性を考慮して予算を組んでおく
為替が◯◯円動いたら◯◯円のマイナスになる、と具体的にシミュレーション
こうした準備をしていたため、問題が起きても「じゃあこちらのプランBに切り替えよう」と冷静に動けました。クラファンにおいて、事前準備の差がそのまま成否を分けると痛感しています。
第6章:クラファンをやるならどう備える?——処方箋と提案
6-1:最悪のシナリオを想定した“シミュレーション”が肝心
ここまで読んでくださった方には、もうお分かりかと思いますが、クラファンにおいて「成功確率を高める」ためには、とにもかくにも“最悪のシナリオ”を想定して準備することが大切です。
ロットが倍になるor工場がドタキャン
為替が大幅に変動
品質不良で再生産
納期が2~3か月遅延
支援者からクレーム・キャンセル多発
こういった不測の事態が「同時に起こったらどうなるのか?」を、机上でもいいので具体的に考えてみましょう。たとえばエクセルなどで表を作り、
楽観シナリオ
中間シナリオ
悲観シナリオ
に分けて損益分岐点を試算してみるのです。
悲観シナリオでも完全に赤字というわけではなく、「ギリギリ耐えられる」くらいの余裕を見ておけると理想的です。ビジネスの世界では、この“最低限の余裕”を確保できるかどうかで、生き残りの確率が大きく変わります。
6-2:工場選びと品質管理の体制を万全に
海外生産でありがちな品質トラブルを回避するには、まずサンプル作成・試作品検証を徹底すること。さらに量産前に“小ロット”でテスト生産をして、そこでもう一度品質を確認できればベストです。
もちろん小ロット生産に応じてくれる工場を見つけるのは簡単ではありませんが、品質が不安なまま一気に量産するよりは、コストをかけても安全策を取る価値があると思います。
6-2-1:現地検品 or 日本国内の検品をセットに
できれば、現地のクオリティチェックだけでなく、日本国内に到着してからの検品も行いましょう。製品の一部に不具合があっても、国内検品で気づけば発送前に弾くことができ、支援者の手に渡る“粗悪品”を最小限に留められます。
こうした検品・倉庫サービスを提供する業者も存在しますので、最初から予算に組み込むのがおすすめです。「検品費用をケチったせいで、結局返品対応に莫大な手間がかかった」という失敗談は数えきれません。
6-3:納期は余裕をもって設定する
クラファンのプロジェクトページでは、「リターンのお届け予定」を明記する必要がある場合がほとんどです。そのとき、どうしても「早めに届けられる」と書いたほうが支援が集まりやすいと思いがちですが、実際は遅延リスクが高いことを忘れないでください。
私が個人的に推奨しているのは、“理想的な納期+3~4か月”を初期設定にしておく方法です。もしスムーズに生産が進めば予定より早くお届けでき、そのときは支援者が逆に喜びます。一方、トラブルが起きてスケジュールが押しても、少しは余裕があるため大事故になりにくいのです。
実際、いくつかのクラウドファンディングのサイトでは納品遅れが「○○か月遅れたらキャンセルも可能」のような納品遅れを考慮して規約を作っている時もあります。
6-3-1:コミュニケーションのこまめな発信
それでも大幅に遅れそうなら、早め早めに支援者へアナウンスしましょう。クラファン支援者は“自分も開発に参加している”という意識が高いことも多く、こまめな報告があれば意外と理解を示してくれる可能性は十分あります。
逆に「黙ったまま1か月、2か月が過ぎたらいつの間にか遅延……」という対応をすると、一気に不信感が増大します。
問い合わせ対応やクレームを減らすためにも、「プロジェクトアップデート」や「SNSでの進捗報告」は不可欠です。
6-4:キャンセルや返品時のルールを明確に
クラファンの場合、“支援”という言葉が使われるため、法律上は通常の通販とは異なる位置づけになることがあります。しかし最近は、多くのプラットフォームが「All-In方式(目標金額未達でも支援金を受け取れる)」を採用しており、実質的には予約販売とあまり変わらない認識を持つ支援者も増えています。
そのため、万が一のキャンセルや返品、返金対応については、事前にルールを定めて明示しておくのが安全です。
製品の重大な不具合があった場合、返金に応じるのか
納期遅延がどれくらい超えたら返金対応するのか
支援者都合のキャンセルは認めるのか
これらを曖昧にしておくと、後から揉めたときに非常に面倒です。もちろん実際に返金が発生すると収支にダメージがありますが、最初にそうした可能性を織り込んでおけばリスク管理しやすいでしょう。
6-5:トラブル対応の“専任スタッフ”または“外注先”を用意
最後に、トラブル時の問い合わせ対応をどうするか、という問題があります。小規模プロジェクトなら1人でも何とかなるかもしれませんが、支援者が100人以上、あるいは数百人単位になると、問い合わせや住所変更、クレーム対応などが大量に来る可能性があります。
自力で全部やる覚悟があるならいいですが、忙しい方や他の業務がある方は、専任スタッフもしくは外注先を検討しておくと安心です。メール受付だけ外注するサービスなどもありますし、チャットボットの導入を考える企業もあるようです。
6-5-1:精神的ストレスを軽減する
先述したように、問い合わせ対応は非常に精神力を消耗します。特に「まだ届かない」「不具合がある」というクレームは、どうしても感情的になりがちな支援者もいるため、慣れていないと心が折れそうになります。
でも、そこを上手に“分業”したり“仕組み化”したりすれば、運営者自身のメンタルを守れるのです。メンタルが守られれば、冷静な判断も持続しやすく、新たなビジネスのチャンスを逃しにくくなります。
エピローグ:クラファンは魔法じゃない。でも、使いこなせば最高の武器になる
失敗談こそ、これからのあなたを救う
ここまで長い記事をお読みくださり、本当にありがとうございます。
「クラファンで予想以上に売れたのに、なぜ赤字?」というテーマから始まり、具体的な事例や注意点をかなり詳しくご紹介してきました。お分かりいただけたように、クラファンは決して“簡単に儲けられる魔法の仕組み”ではありません。
リスクが多いぶんだけ、きちんと準備と対策をしなければ、大変な目に遭う可能性が高いのです。
しかし、それでもなお、私はクラファンが持つ可能性を否定しません。実際、世界的に見ても多くのスタートアップや個人クリエイターが、クラファンを通じて大きく飛躍しています。
事前に需要を把握し、応援してくれるファンを集めながら製品づくりを進められるというのは、とても魅力的なポイントです。
商品やサービスの市場テスト
コミュニティ形成や広告効果
先行予約販売による資金回収
こうしたメリットは、通常のECビジネスよりも遥かに大きい部分もあります。
回避策を知ったうえで挑戦しよう
結局のところ、”大切なのは“失敗談から学ぶこと”です。成功したプロジェクトばかりを見て、「あの人も簡単に○○万円集めたし、自分もできるかも!」と甘く考えるのではなく、今回の記事で触れたような“在庫リスク”“品質トラブル”“大幅遅延”“決済手数料・キャンセル返金問題”**などをあらかじめ念頭に置いておきましょう。
準備をしっかりすれば、クラファンは本当にワクワクする挑戦になります。支援者と一緒に製品を育てていく感覚を楽しみながら、トラブルが起こっても冷静に対処できるというのが理想です。そしてその経験は、必ず次のビジネスやプロジェクトにも活かせる財産となるでしょう。
あなたへのメッセージ
「売れたのに赤字だった」「頑張ったのに在庫を抱えてしまった」——これは何もクラファンに限らず、物販ビジネス全般に起こり得ることです。ただ、クラファンは資金が先に集まる分、“大きく夢を見てしまいがち”であるがゆえに、失敗の衝撃も大きいのだと思います。
でも、もし失敗してしまっても、そこで終わりではありません。赤字やトラブルから得られる学びは大きいはずです。多くの起業家やクリエイターが、何度も壁にぶつかりながら自分なりの成功パターンを見つけていくように、あなたも失敗を恐れず一歩を踏み出してみてください。
過去の失敗談をよく調べ、同じミスを繰り返さない
複数の工場・複数のシミュレーションで“余裕”をつくる
支援者とのコミュニケーションを怠らず、誠意を伝える
心理的ストレスを軽減する仕組みを整えておく
こうしたポイントを押さえておけば、クラファンの世界で痛手を負うリスクは大きく下がるはずです。
ぜひ、これからのあなたのプロジェクトが、「しっかり利益を確保しながら、多くの人に喜ばれる」素晴らしいものになるよう祈っています。長文にわたるご拝読、本当にありがとうございました!
売上総額だけでは儲けが見えない:クラファン特有の高めの手数料や決済費、在庫リスク、品質改良コストなどで赤字になる可能性が高い。
最低ロット数・品質トラブル・為替変動が怖い:特に海外生産はトラブルが起こりやすい。サンプルと量産品の品質差はよくある。
納期遅延&クレーム対応が地味に大変:時間と精神力を消耗しやすく、結果的に他のビジネスを進める余裕を奪う。
数字だけでなく、“最悪のシナリオ”を常に想定:ロット倍増、円安、再生産など複数のリスクを掛け合わせてシミュレーションする。
クラファンは魔法ではないが、可能性は大きい:正しいリスク管理をすれば、先行予約販売やPR効果で大きなメリットを得られる。
【著作者紹介】
本記事の著作者「ツイ鳥」こと「コクム=ジョージ」は日常的には、北陸にて、各国の業者とやりとりしながら商品輸入や商品企画を行ってたりする貿易商です。
またビジネスコピーライターとして、商品文章や製品説明などの制作に携わっていますが、ここでご紹介している事例紹介・解説は、ツイ鳥独自の視点―最新テクノロジーやAIに関する知見をもとに、論文検索や研究レポートの調査、草稿作成、そしてアイデア出しを経て構成されたものであり、記事内はAI生成されたコンテンツで作られた箇所も多いため、従来のライター業務ではなく、別の著作者としての活動です。
なお、ツイ鳥はX(旧Twitter、https://x.com/596)でも定期的に最新の論文や研究成果・事例紹介を紹介しており、読者の皆様に新たな知見やインスピレーションを自由気ままに楽しんでもらっています。
当noteには、AIと人間の協働による多彩なコンテンツが多数掲載されています。次世代の新しい読み物として、ぜひ他の記事もご覧いただき、フォローして最新情報をお楽しみください。
※【当記事のコンテンツ生成について】
当記事も著作者紹介でも書かれている通り、ChatGPT(OpenAI)、Claude(Anthropic)、および Gemini(Google)などの先進的な AI ツールを活用、論文検索・研究レポートの調査、草稿製作やアイデア出しを行っています。各サービスの利用規約に基づき、生成テキストを初稿として利用しているものです。
また掲載している内容も規約に合わせて準じたものです。なお、最終的な文章は必ず筆者が検証・編集・リライトを行い、オリジナリティを確保しているものとなります。
この記事の生成に多大なる貢献をしてくれた各AIツールに、心からの感謝を。またお読みいただいた読者の方々にも心から感謝を。
【重要な注意事項】
1,本記事の内容には、筆者の個人的な見解や仮説も含まれています。これらは必ずしも一般的な認識や専門家の意見と一致しない場合があります。
2,本記事の情報は執筆時点のものです。時間の経過とともに、一部の情報が古くなっている可能性があります。
3,本記事の内容を実践・適用する際は、読者ご自身の責任で行ってください。筆者は、本書の情報に基づいて読者が取った行動の結果について一切の責任を負えません。
4,本記事は筆者の経験や国内・海外の事例などを元に、文章をChatGPT、Claude、Geminiで整えたものになります。
5,本記事の内容を引用をする際はルールを守ってお願いいたします。ただし記載した通り、筆者の経験から基づいてきたもので正しい知識とは限りませんので読み物、参考としてお使いいただくようご注意願います。
6,転載する際は、事前相談・許可がない限り認めません。著作権は筆者が有しております。無断転載は認めません。


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