学校や病院の建設、遅れ相次ぐ 工事費は5年間で26~36%アップ

小寺陽一郎 中村瞬 加治隼人
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 建築費の高騰で、公共性のある建物の新築計画が、行き詰まったり、完成が遅れたりするケースが相次いでいる。政府統計によると、役所などのほか、学校の校舎や病院などの工事費予定額は2024年までの5年間で26~36%上がった。

 愛知県南知多町では、校舎の一部が築60年を超える南知多中学校の新校舎を28年4月までに建てる予定だった。ところが、26億円と見込んでいた建設費が38億円に膨れ上がることが判明。今年3月、規模を縮小し、33年度開校をめざす方針に修正した。

 埼玉県は10年近く、順天堂大学医学部付属病院の誘致を進めてきたが昨年11月、大学側から断念を伝えられた。総事業費が当初の2.6倍、2186億円に膨らんだためだという。

 政府の建築着工統計調査によると、1平方メートルあたりの新築の工事費予定額(24年)は、役所などの「公務用建築物」は約51万円、体育館や図書館も含む「学校の校舎」は約43万円、医療用の「病院・診療所」は約44万円で、19年から26~36%上がっていた。

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この記事を書いた人
小寺陽一郎
東京社会部
専門・関心分野
事件事故、消費者トラブル、不動産